3 / 21
3.青い瞳の青年
しおりを挟む
「聞いてアクア。彼女はもう助けられないんだよ」
声の主は、先程ルージュに行き先をたずねた青年だった。
あきれ顔でスイレンがルージュに囁く。
「そんなことロイドにわかるはずないよ~」
「そうよ。それで止められるんなら、初めっから説得してるって……?」
視線を感じて顔を向けると、ルージュはロイドと目があった。いや、ロイドはルージュの向こうにいる青年を見ていた。指令文や喧騒に見向きもしなかったロイドが、青年の声に初めて反応したのだ。
青年はゆっくりとロイドに近づきながら、静かに言葉を続けた。
「助けたいんだよね? でもね、ここにいる人たちが全力で助けようとして、叶わなかったんだ。アクア……君の力でも助けられない。わかるね?」
ロイドはじっと青年を見つめている。
「その人は亡くなったんだよ。死んだんだ。もう誰にも助けられないんだよ」
顔を向けて言葉を聞いているもののロイドの蘇生行為は止まらない。
仕方なさそうに、青年は通路で手を取り合っている夫婦へと声をかけた。
「あなたたちからも言ってください。あなたたちだって、本当はわかっているんでしょう?」
青年に優しく頷かれ、夫婦はロイドを見つめて言った。
「サキ……ありがとう」
「もういいんだ。止まれ」
震える声で出された指令に、ロイドの透き通った青い瞳がゆっくりと光を失っていく。そうして深い青になって、ロイドは停止した。
☆
ルージュとスイレンと青年は、医師と患者の両親と別室に通された。再起動したロイドも一緒だ。ロイドは何事もなかったかのように、患者の両親の後ろに立っている。患者の両親は、一気に老け込んだように疲れた様子だ。
ややあって、向かいに座ったルージュたちに、夫婦はぽつぽつと言葉をつなぎ始めた。
「この度はご迷惑をおかけして……。本当に申し訳ございません」
「私たちがいけなかったんです。あの子が死ぬなんて何かの間違いだ、生き返るはずだ、と話していたものですから……」
それに答えたのは青年だった。
「それで蘇生行動に出たんですね。アクアもよっぽど離れたくなかったみたいだけど」
「ええ。サキは、私たちよりずっと長くあの子と一緒にいました。病弱なあの子の、唯一の友達だったんです」
「蘇生させようとするサキを見ていると、私たちも、もしかしたらあの子が生き返るかもしれないと思ってしまって、止められませんでした」
「アンドロイドは純粋です。僕たち人間は、どんなに願っても叶わないことがあることを知っています。でも、彼らにはわからない」
医師が首をかしげた。
「しかし不思議ですなぁ。今まで何度もロイドが同席しましたが、こんなことになったのは初めてのことですよ」
「きっとご家族と、とても仲が良かったんですよ」
医師は前に立つロイドに目を向けた。
「それは『アクア』ですね。なるほど。アクアならありうる、か。まぁこちらとしては、大事に至らなくてなによりでした。技師が三人もいらっしゃって助かりました。では、私は戻りますが、どうぞゆっくりしていってください」
「私も仕事に戻りま~す」
医師と一緒に立ち上がったスイレンに、ルージュはウィンクした。
(提出書類作成お願いね)
(ずる~い)
(しょうがないでしょ。私は時間外だもん)
(ちぇ~)
スイレンは久しぶりに充実した勤務時間を過ごせるだろう。
扉が閉まるのを横目で見ながら、我慢できないといった様子で嬉しそうに青年が言った。
「アクアのこと、サキと呼んでいるんですね」
明るい表情の青年に、ためらいながらも夫婦は頷いた。
「え、ええ。あの子がつけたんです」
「『妹になるんだから私が名前をつけるんだ』って」
その言葉に、さらに青年は笑顔になった。
「アクアも気に入っていますよ」
「そんなことまでわかるんですか?」
「はい。とても大切にされていることも」
「本当に、二人は姉妹のようでした……」
「……」
夫婦は黙りこんだ。
無理もない。たった今、娘を失ったのだ。
(邪魔しちゃダメよね)
「私たちも失礼します」
ルージュは静かに立ち上がった。
「行きましょ」
たち? とルージュを見上げる青年を無理やり引っ張るようにして、ルージュは部屋を出た。青年は閉じた扉を振り返った。
「あぁ、僕まだ聞きたいことがあったのに」
「そうなの? でも今はダメよ。娘さんが亡くなったばかりなのよ。遠慮しなくちゃ」
(クローニング治療もできなかったってことは、重篤な病気だったはず。あの家族は、いったいいつから最期の時を知らされていたんだろう。どんな気持ちで過ごしてきたんだろう)
医学が進んだおかげで病の発見は早くなった。完治できる病ならいいが、治療法がわかっていない病は発見が早い分だけ病と向かい合う期間が長くなる。
「……そうだね。僕って気がまわらなくて困るよ」
(あら素直。そうそう、私も聞きたいことがあるんだったわ)
ルージュは少し小首をかしげて、練習の成果を発揮した。
「ねぇ。せっかくだし、良かったら私と一緒にお食事でもどうかしら?」
青年は顔を赤らめて頷いた。
☆
ルージュは青年を近くの食堂ビルへと案内した。
ホワイトストーン病院のあるこの区域は、病院客や勤務者を対象とした飲食店や宿泊施設が充実している。ルージュのお腹の空き具合が隣駅まで行くのを許さなかったので、近場になった。
二十階にあるルージュお気に入りの中華料理店に入ると、珍しく窓際の席へと案内された。
(いつもは通路側の席をすすめられるのに)
外に面した大きな窓へと近づくとその理由がわかった。
「わぁ」
青年もルージュも目を丸くした。窓の向こうに不思議な光景が広がっていたのだ。
窓から見えるビルの屋上がそれぞれのテーマで飾りつけられている。咲き乱れる花々、南の島、氷の世界。さまざまな箱庭世界が点在するその向こうは無機質なオフィス街なので、文字通り都会のオアシスといった光景だ。窓際のテーブルは他の席とほどよく離れているし、まさにカップルが愛を語るにはもってこいという感じだった。
(確かに、普段の私には必要ない席だわ)
愛想良くオーダーを終えても、青年はまだ不思議そうに窓を見ている。
「そんなにこの景色が気に入ったの?」
「うん。この窓も面白い」
「ただの遮光窓だと思うんだけど」
遮光窓は、入ってくる光はもちろん、空気や音も調整できる優れものだ。開閉する従来の窓とは違って、はめごろしで調整するほうが多い。強化服の膜と同じ原理でできており、薄くて丈夫で扱いやすく、一般家庭にも普及している。
「病院でも思ったけど、外が見えるっていいものだね」
(この人、いったいどこに住んでるのよ?)
ルージュは鋭く目を細めた。
「ね、名前とか聞いてもいい?」
「永瀬 空也」
「クウヤ。不思議な名前ね。私はルージュ」
「ルージュ? じゃあ、歳は二十一だね」
「え、同期じゃなかったよね? 技師校で会ったことあったっけ?」
「僕は技師じゃないよ」
「ええ? さっき、医師が」
「技師と同程度の知識はあるから訂正しなかったけど、僕の所属はAQA社の開発部だよ」
声の主は、先程ルージュに行き先をたずねた青年だった。
あきれ顔でスイレンがルージュに囁く。
「そんなことロイドにわかるはずないよ~」
「そうよ。それで止められるんなら、初めっから説得してるって……?」
視線を感じて顔を向けると、ルージュはロイドと目があった。いや、ロイドはルージュの向こうにいる青年を見ていた。指令文や喧騒に見向きもしなかったロイドが、青年の声に初めて反応したのだ。
青年はゆっくりとロイドに近づきながら、静かに言葉を続けた。
「助けたいんだよね? でもね、ここにいる人たちが全力で助けようとして、叶わなかったんだ。アクア……君の力でも助けられない。わかるね?」
ロイドはじっと青年を見つめている。
「その人は亡くなったんだよ。死んだんだ。もう誰にも助けられないんだよ」
顔を向けて言葉を聞いているもののロイドの蘇生行為は止まらない。
仕方なさそうに、青年は通路で手を取り合っている夫婦へと声をかけた。
「あなたたちからも言ってください。あなたたちだって、本当はわかっているんでしょう?」
青年に優しく頷かれ、夫婦はロイドを見つめて言った。
「サキ……ありがとう」
「もういいんだ。止まれ」
震える声で出された指令に、ロイドの透き通った青い瞳がゆっくりと光を失っていく。そうして深い青になって、ロイドは停止した。
☆
ルージュとスイレンと青年は、医師と患者の両親と別室に通された。再起動したロイドも一緒だ。ロイドは何事もなかったかのように、患者の両親の後ろに立っている。患者の両親は、一気に老け込んだように疲れた様子だ。
ややあって、向かいに座ったルージュたちに、夫婦はぽつぽつと言葉をつなぎ始めた。
「この度はご迷惑をおかけして……。本当に申し訳ございません」
「私たちがいけなかったんです。あの子が死ぬなんて何かの間違いだ、生き返るはずだ、と話していたものですから……」
それに答えたのは青年だった。
「それで蘇生行動に出たんですね。アクアもよっぽど離れたくなかったみたいだけど」
「ええ。サキは、私たちよりずっと長くあの子と一緒にいました。病弱なあの子の、唯一の友達だったんです」
「蘇生させようとするサキを見ていると、私たちも、もしかしたらあの子が生き返るかもしれないと思ってしまって、止められませんでした」
「アンドロイドは純粋です。僕たち人間は、どんなに願っても叶わないことがあることを知っています。でも、彼らにはわからない」
医師が首をかしげた。
「しかし不思議ですなぁ。今まで何度もロイドが同席しましたが、こんなことになったのは初めてのことですよ」
「きっとご家族と、とても仲が良かったんですよ」
医師は前に立つロイドに目を向けた。
「それは『アクア』ですね。なるほど。アクアならありうる、か。まぁこちらとしては、大事に至らなくてなによりでした。技師が三人もいらっしゃって助かりました。では、私は戻りますが、どうぞゆっくりしていってください」
「私も仕事に戻りま~す」
医師と一緒に立ち上がったスイレンに、ルージュはウィンクした。
(提出書類作成お願いね)
(ずる~い)
(しょうがないでしょ。私は時間外だもん)
(ちぇ~)
スイレンは久しぶりに充実した勤務時間を過ごせるだろう。
扉が閉まるのを横目で見ながら、我慢できないといった様子で嬉しそうに青年が言った。
「アクアのこと、サキと呼んでいるんですね」
明るい表情の青年に、ためらいながらも夫婦は頷いた。
「え、ええ。あの子がつけたんです」
「『妹になるんだから私が名前をつけるんだ』って」
その言葉に、さらに青年は笑顔になった。
「アクアも気に入っていますよ」
「そんなことまでわかるんですか?」
「はい。とても大切にされていることも」
「本当に、二人は姉妹のようでした……」
「……」
夫婦は黙りこんだ。
無理もない。たった今、娘を失ったのだ。
(邪魔しちゃダメよね)
「私たちも失礼します」
ルージュは静かに立ち上がった。
「行きましょ」
たち? とルージュを見上げる青年を無理やり引っ張るようにして、ルージュは部屋を出た。青年は閉じた扉を振り返った。
「あぁ、僕まだ聞きたいことがあったのに」
「そうなの? でも今はダメよ。娘さんが亡くなったばかりなのよ。遠慮しなくちゃ」
(クローニング治療もできなかったってことは、重篤な病気だったはず。あの家族は、いったいいつから最期の時を知らされていたんだろう。どんな気持ちで過ごしてきたんだろう)
医学が進んだおかげで病の発見は早くなった。完治できる病ならいいが、治療法がわかっていない病は発見が早い分だけ病と向かい合う期間が長くなる。
「……そうだね。僕って気がまわらなくて困るよ」
(あら素直。そうそう、私も聞きたいことがあるんだったわ)
ルージュは少し小首をかしげて、練習の成果を発揮した。
「ねぇ。せっかくだし、良かったら私と一緒にお食事でもどうかしら?」
青年は顔を赤らめて頷いた。
☆
ルージュは青年を近くの食堂ビルへと案内した。
ホワイトストーン病院のあるこの区域は、病院客や勤務者を対象とした飲食店や宿泊施設が充実している。ルージュのお腹の空き具合が隣駅まで行くのを許さなかったので、近場になった。
二十階にあるルージュお気に入りの中華料理店に入ると、珍しく窓際の席へと案内された。
(いつもは通路側の席をすすめられるのに)
外に面した大きな窓へと近づくとその理由がわかった。
「わぁ」
青年もルージュも目を丸くした。窓の向こうに不思議な光景が広がっていたのだ。
窓から見えるビルの屋上がそれぞれのテーマで飾りつけられている。咲き乱れる花々、南の島、氷の世界。さまざまな箱庭世界が点在するその向こうは無機質なオフィス街なので、文字通り都会のオアシスといった光景だ。窓際のテーブルは他の席とほどよく離れているし、まさにカップルが愛を語るにはもってこいという感じだった。
(確かに、普段の私には必要ない席だわ)
愛想良くオーダーを終えても、青年はまだ不思議そうに窓を見ている。
「そんなにこの景色が気に入ったの?」
「うん。この窓も面白い」
「ただの遮光窓だと思うんだけど」
遮光窓は、入ってくる光はもちろん、空気や音も調整できる優れものだ。開閉する従来の窓とは違って、はめごろしで調整するほうが多い。強化服の膜と同じ原理でできており、薄くて丈夫で扱いやすく、一般家庭にも普及している。
「病院でも思ったけど、外が見えるっていいものだね」
(この人、いったいどこに住んでるのよ?)
ルージュは鋭く目を細めた。
「ね、名前とか聞いてもいい?」
「永瀬 空也」
「クウヤ。不思議な名前ね。私はルージュ」
「ルージュ? じゃあ、歳は二十一だね」
「え、同期じゃなかったよね? 技師校で会ったことあったっけ?」
「僕は技師じゃないよ」
「ええ? さっき、医師が」
「技師と同程度の知識はあるから訂正しなかったけど、僕の所属はAQA社の開発部だよ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 180万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる