正義の味方になるには

みゃあたろう

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「人は変わるものだろ?」
思うと人生の節々でいつもこの言葉を言われていた。
恋人と別れる時。友達を失う時。会社をクビになる時。
いつもタイミングが悪かったのか、自分自身のせいなのか曖昧のまま事が過ぎ去ってしまう。
今日は家族に縁を切られた。
切っ掛けは些細なことだ。
思い出せないほどのことから歯車がズレ溝が深まった。
「いつもの特撮でも見よ…」
ため息と一緒にひとりごちる。

こんな時はいつもヒーローに力をもらう。
実家から家に帰りながらレンタルショップに行こうと
いつもと違う道を通る。
思えばこれがいけなかった。
酔っ払い運転の車がこちらに向かってきていた。
いつもならもっと早く気づけていただろう。
今日は家族の衝撃が強くてボーッとしていた。

(ここで終わるのもいいかな。)
目をつぶり立ち止まる。

周りが騒ぎだし、クラクションが鳴り響く。
強い衝撃で意識が飛んだ。

《お前珍しい奴だな…気に入ったぜ!おうおめぇら!着いてくぞ!》
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