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第二章. 娘は勇者! パパは聖女!?
027. 幻想崩壊・前
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(何故だ! どうしてこうなった!)
ジュディスは苦境に立たされていた。
あれから数日、彼女の思惑通りレヴィアは来なくなった。勇者たちによるセシリアへの暴言も無くなった。それはいい。
しかし練兵場の雰囲気が明らかに違う。面倒見のいい彼女の周りは和気あいあいとしていたのだが、今は……
「うむ、素晴らしい剣筋だ。ひと月前とは見違えるほどだぞ」
「あ、そっすか。アザーッス」
褒めるジュディスに対し、冷たくも雑な反応を返す勇者の一人。
「まだ魔力の扱いが十分ではないようだがな。どれ、見てやろう」
「や、結構ッス。大雅さんに教えてもらうんで」
指導しようとするジュディスに対し、そそくさと去る勇者の一人。
……いや、いい。この事態は想定されていた事だ。男の勇者たちがレヴィアに惚れている事は知っていた。故に負の感情を向けられるのも理解できる。
ただ……
「はーっ。お姫様来ないなぁ。せっかく友達になれたらって思ってたのに」
「やる気なくすよねー。全く、空気読めっての」
女勇者がチクチクと責めてくる。
「次はあの子を見てやってくれ。どうも伸び悩んでいるようだ」
「はっ。了解しました」
軽口が多かったはずの部下が無表情になる。
「ジュディス君ちょっと。お願いした仕事が出来てないんだけど。君、何年ここに務めてるの? いい大人なんだからさぁ、もっとちゃんとしてくれないと困るんだけど?」
気さくだった上司(女)がパワハラ気味になる。
上司、同僚、部下、勇者、騎士、神官……。ジュディスはほぼ全ての者から白い目で見られるようになっていた。敬愛するセシリアこそ責めてはこないが、『客人にあまり無礼を働いてはいけませんよ』と軽く注意される始末。
聖女扱いされているのは知っていたが、流石にここまで影響力があるのは予想外だったのだ。チヤホヤしているのは見た目に騙された男だけだと思っていたのに……。
(私はセシリア様の事を思って……。それに、あいつの存在は勇者たちの為にならん! あいつが来ることで勇者たちは訓練に身が入らなくなっていた!)
事実である。勇者たちは彼女が来ると浮足立つのだ。まるで憧れの人物が来たかのように。
「あっ! き、来た!」
「よかった。元気になったんだ」
「ああ、相変わらず美しい……」
そう、こんな感じで。…………ん?
(レヴィア・グラン!? 何故ここに!?)
練兵場の入り口に桃色の髪の女。レヴィアであった。
(あれだけの無様をさらしてよく顔を出せたものだ。フン、所詮はプライドのない冒険者か。邪魔をするならもう一度……ん?)
スタスタと入ってくる。今までは入り口付近で覗いてるだけだったのに。
その行動に勇者たちはさらに浮足立つ。「うわわ! どうしよう!」「私汗臭くないかな」「つ、ついに俺に告白を……」などと動揺しつつも喜んでいる。
そしてレヴィアが近づいてくると、彼と彼女らは――静止する。
レヴィアが笑みを浮かべていたからだ。以前の憂いに満ちた表情も美しかったが、今はさらに美しい。
美しくも物悲しい三日月。以前の彼女をそう例えるとしたら、今は満月……いや、太陽のようだ。まぶしすぎて直視できない。男女問わず呆けたように見惚れてしまっている。もし大雅がここにいれば衝撃のあまり心臓が止まっていたかもしれない。幸いといっていいか、六卿は魔物討伐中でいないが。
唯一正気なのは正体を知るジュディスだけ。いや、正確にはもう一人いる。レヴィアの事を気にも留めず素振りをしている少女――木原純花。
その少女の元へと歩くレヴィア。近づくと流石に気づいたのか、純花はちらりと彼女を見る。不振そうな目つきで。
「……何?」
「え、えーと……」
レヴィアは目を泳がせながらまごついている。何を話そうか悩んでいるような感じだった。
「アリ……じゃない、お母さんは元気?」
「はあ?」
意図のよく分からない質問に純花は首をかしげた。ただ、特に隠さなければならないような事ではなかったようで、普通に答えている。
「……元気だけど。少なくともここに来る前は」
「そ、そう! それは何よりですわ!」
ぱあっと輝く笑顔。心の底から嬉しいといった感じであった。
その笑顔に周囲の者たちが巻き添えを食らい、「尊い……」「は、鼻血でそう……」などと正気を削られている。中には気絶した者までいる。
「話はそれだけ? なら邪魔しないでほしいんだけど」
「あ、失礼しました。続けてどうぞ?」
ニコニコしながらレヴィアは返答。去るつもりは無いようで、その場に立ったままだ。
純花は横目で気にしつつも素振りを開始。注目される事は慣れているし、特に悪意もなさそうなので気にしない事にしたようだ。
しかし十回ほど振った時。
「成程。そういう事ですか」
どこかの骨に仕える悪魔のように納得した様子のレヴィア。深読みしている訳ではないのだが、何かに気づいた様子。少しだけ悩んだ後、純花の正面へと立つ。
「お相手しますわ」
「……は?」
純花は訳のわからないという顔をした。いきなりやってきて訓練の相手をするというのだ。戸惑って当然だろう。しかも相手は見るからに戦いとは縁遠いお嬢様。実際、数日前にはジュディスにぼろ負けしている。
「待て! レヴィア・グラン。邪魔をしないでもらおうか」
そのジュディスが駆け寄り、彼女を制止した。いまいましいという顔を隠しもしていない。そんな彼女に対し、レヴィアは首をかしげている。
「あら? えーと……誰でしたっけ? セシリア様の腰巾着という事は覚えているのですが」
「なっ……!?」
ざわっ……!
いきなりの暴言に周囲がざわつく。清楚な姫から出たとは思えない毒を含んだセリフ。優しさなど微塵も無い。
その言葉にジュディスは目の端を少しピクつかせつつも返事を返す。
「フ、フン。そういえば名乗っていなかったな。私はジュディス・オルデン。セントファウス聖騎士団所属で、今は勇者の教官を務める者だ」
「あらそう。随分とテキトーな指導をしてるみたいですわね。折角の原石が台無しですわ」
ざわざわっ……!
歯に布着せぬ言葉に周囲がざわつく。呆れたような声色であり、その視線はジュディスをちょっぴり見下している。奥ゆかしさなど微塵も無い。
「ま、所詮は凡骨。凡骨には凡骨なりの指導法があるのは理解してましてよ。という訳であっち行ってて下さる?」
「ふっ、ふざけるな!!」
あまりにもひどい態度にジュディスは激怒。怒りで顔が真っ赤だ。
「貴様ごときに何が分かるか! フン、どうせ冒険者どもが使う小手先の技を教えようとしているのだろう? そんなものは獣には通じても人には通じん。まして魔王相手になど役に立つものか!」
「まあ教えても構わないのですが、この子には不要でしょう。むしろ邪魔になるかと」
言葉を切り、純花を一瞥。彼女は剣を持ったままぽかーんとしていた。その姿を見たレヴィアはため息を吐く。
「ハァ……。しかしアナタ、ホント無駄な事ばかり教えてたみたいですわね。今も無駄な事やらせてますし。ある意味感心しましてよ」
「なあっ!?」
またもや暴言。レヴィアは肩をすくめ、やれやれと呆れまくっている。
「ふざけるなっ! 剣の扱い、足運び、魔力の練り方! しっかり成長できるよう基本から忠実に教えている! スミカ殿はまだ剣の扱いが十分でないから素振りをさせているのだ! 何がおかしい!」
「まず初手から間違ってますわね。ま、言っても理解できないでしょう。ほら、行った行った」
反論したジュディスに対し、しっしっと犬を払うような仕草をするレヴィア。馬鹿に言う言葉は無い、という感じだった。
その雑な対応にジュディスの全身は怒り一色となる。顔はこれ以上ないほど真っ赤になり、体はぷるぷると震え出す。
騎士になって数年、ここまで粗雑に扱われたことは無い。いや、未熟な修業時代ですら無かった。しかも相手は自分に負けた女。その女が自分の指導法にケチをつけるという。一体何を考えているのか理解できないし、理解したくもない。
……ここまで馬鹿にされて何もしないのは騎士の沽券にかかわる。ジュディスはそう思い、手袋を外す。その手袋を投げて決闘を宣言しようと……
「セシリア様に言いつけますわよ」
しようとしてピタッとやめる。……コイツ、いま何と言った?
「敬愛するセシリア様に注意されたのでしょう? また叱られても知りませんわよ? ある事無い事言ってあげましょうか?」
ニヤニヤとしながらの言葉。
――ありえない。何だコイツは。
自分から煽ってきたクセに他人頼りで逃げようとする無様さ。正に虎の威を借りる狐状態。プライドというものが無いのか。
ジュディスは怒りを通り越してあっけにとられ、ぽかーんとしてしまう。次に侮蔑という感情が湧き上がり、冷たい目線を送る。
(……所詮は冒険者か。強い者に取り入るのが彼らの流儀なのだろう。マトモに相手しようとしたのが間違いだったのだな)
そう思い、一つ鼻を鳴らして去っていく。言っても無駄、なら好きにしろという思いからだった。
「フッ。所詮は犬ですわね。セシリア様の名を出すと何もできませんか。せいぜいしっぽを振って可愛がって頂きなさいな。あ、獣臭いのでこっちには来ないでくださいまし」
ハンカチで鼻を抑えながら再びしっしっとして煽りまくるレヴィア。冷えた頭が再びカーッとするも、『相手にするな、相手と同じレベルに立つな、自分は騎士で相手は下民だ』と感情を抑える。そして勇者たちに向かって叫ぶ。
「さあ! 勇者の方々! 訓練を再開しよう! あの女に構っているヒマはないぞ! 時間は限られているのだから!」
ジュディスは苦境に立たされていた。
あれから数日、彼女の思惑通りレヴィアは来なくなった。勇者たちによるセシリアへの暴言も無くなった。それはいい。
しかし練兵場の雰囲気が明らかに違う。面倒見のいい彼女の周りは和気あいあいとしていたのだが、今は……
「うむ、素晴らしい剣筋だ。ひと月前とは見違えるほどだぞ」
「あ、そっすか。アザーッス」
褒めるジュディスに対し、冷たくも雑な反応を返す勇者の一人。
「まだ魔力の扱いが十分ではないようだがな。どれ、見てやろう」
「や、結構ッス。大雅さんに教えてもらうんで」
指導しようとするジュディスに対し、そそくさと去る勇者の一人。
……いや、いい。この事態は想定されていた事だ。男の勇者たちがレヴィアに惚れている事は知っていた。故に負の感情を向けられるのも理解できる。
ただ……
「はーっ。お姫様来ないなぁ。せっかく友達になれたらって思ってたのに」
「やる気なくすよねー。全く、空気読めっての」
女勇者がチクチクと責めてくる。
「次はあの子を見てやってくれ。どうも伸び悩んでいるようだ」
「はっ。了解しました」
軽口が多かったはずの部下が無表情になる。
「ジュディス君ちょっと。お願いした仕事が出来てないんだけど。君、何年ここに務めてるの? いい大人なんだからさぁ、もっとちゃんとしてくれないと困るんだけど?」
気さくだった上司(女)がパワハラ気味になる。
上司、同僚、部下、勇者、騎士、神官……。ジュディスはほぼ全ての者から白い目で見られるようになっていた。敬愛するセシリアこそ責めてはこないが、『客人にあまり無礼を働いてはいけませんよ』と軽く注意される始末。
聖女扱いされているのは知っていたが、流石にここまで影響力があるのは予想外だったのだ。チヤホヤしているのは見た目に騙された男だけだと思っていたのに……。
(私はセシリア様の事を思って……。それに、あいつの存在は勇者たちの為にならん! あいつが来ることで勇者たちは訓練に身が入らなくなっていた!)
事実である。勇者たちは彼女が来ると浮足立つのだ。まるで憧れの人物が来たかのように。
「あっ! き、来た!」
「よかった。元気になったんだ」
「ああ、相変わらず美しい……」
そう、こんな感じで。…………ん?
(レヴィア・グラン!? 何故ここに!?)
練兵場の入り口に桃色の髪の女。レヴィアであった。
(あれだけの無様をさらしてよく顔を出せたものだ。フン、所詮はプライドのない冒険者か。邪魔をするならもう一度……ん?)
スタスタと入ってくる。今までは入り口付近で覗いてるだけだったのに。
その行動に勇者たちはさらに浮足立つ。「うわわ! どうしよう!」「私汗臭くないかな」「つ、ついに俺に告白を……」などと動揺しつつも喜んでいる。
そしてレヴィアが近づいてくると、彼と彼女らは――静止する。
レヴィアが笑みを浮かべていたからだ。以前の憂いに満ちた表情も美しかったが、今はさらに美しい。
美しくも物悲しい三日月。以前の彼女をそう例えるとしたら、今は満月……いや、太陽のようだ。まぶしすぎて直視できない。男女問わず呆けたように見惚れてしまっている。もし大雅がここにいれば衝撃のあまり心臓が止まっていたかもしれない。幸いといっていいか、六卿は魔物討伐中でいないが。
唯一正気なのは正体を知るジュディスだけ。いや、正確にはもう一人いる。レヴィアの事を気にも留めず素振りをしている少女――木原純花。
その少女の元へと歩くレヴィア。近づくと流石に気づいたのか、純花はちらりと彼女を見る。不振そうな目つきで。
「……何?」
「え、えーと……」
レヴィアは目を泳がせながらまごついている。何を話そうか悩んでいるような感じだった。
「アリ……じゃない、お母さんは元気?」
「はあ?」
意図のよく分からない質問に純花は首をかしげた。ただ、特に隠さなければならないような事ではなかったようで、普通に答えている。
「……元気だけど。少なくともここに来る前は」
「そ、そう! それは何よりですわ!」
ぱあっと輝く笑顔。心の底から嬉しいといった感じであった。
その笑顔に周囲の者たちが巻き添えを食らい、「尊い……」「は、鼻血でそう……」などと正気を削られている。中には気絶した者までいる。
「話はそれだけ? なら邪魔しないでほしいんだけど」
「あ、失礼しました。続けてどうぞ?」
ニコニコしながらレヴィアは返答。去るつもりは無いようで、その場に立ったままだ。
純花は横目で気にしつつも素振りを開始。注目される事は慣れているし、特に悪意もなさそうなので気にしない事にしたようだ。
しかし十回ほど振った時。
「成程。そういう事ですか」
どこかの骨に仕える悪魔のように納得した様子のレヴィア。深読みしている訳ではないのだが、何かに気づいた様子。少しだけ悩んだ後、純花の正面へと立つ。
「お相手しますわ」
「……は?」
純花は訳のわからないという顔をした。いきなりやってきて訓練の相手をするというのだ。戸惑って当然だろう。しかも相手は見るからに戦いとは縁遠いお嬢様。実際、数日前にはジュディスにぼろ負けしている。
「待て! レヴィア・グラン。邪魔をしないでもらおうか」
そのジュディスが駆け寄り、彼女を制止した。いまいましいという顔を隠しもしていない。そんな彼女に対し、レヴィアは首をかしげている。
「あら? えーと……誰でしたっけ? セシリア様の腰巾着という事は覚えているのですが」
「なっ……!?」
ざわっ……!
いきなりの暴言に周囲がざわつく。清楚な姫から出たとは思えない毒を含んだセリフ。優しさなど微塵も無い。
その言葉にジュディスは目の端を少しピクつかせつつも返事を返す。
「フ、フン。そういえば名乗っていなかったな。私はジュディス・オルデン。セントファウス聖騎士団所属で、今は勇者の教官を務める者だ」
「あらそう。随分とテキトーな指導をしてるみたいですわね。折角の原石が台無しですわ」
ざわざわっ……!
歯に布着せぬ言葉に周囲がざわつく。呆れたような声色であり、その視線はジュディスをちょっぴり見下している。奥ゆかしさなど微塵も無い。
「ま、所詮は凡骨。凡骨には凡骨なりの指導法があるのは理解してましてよ。という訳であっち行ってて下さる?」
「ふっ、ふざけるな!!」
あまりにもひどい態度にジュディスは激怒。怒りで顔が真っ赤だ。
「貴様ごときに何が分かるか! フン、どうせ冒険者どもが使う小手先の技を教えようとしているのだろう? そんなものは獣には通じても人には通じん。まして魔王相手になど役に立つものか!」
「まあ教えても構わないのですが、この子には不要でしょう。むしろ邪魔になるかと」
言葉を切り、純花を一瞥。彼女は剣を持ったままぽかーんとしていた。その姿を見たレヴィアはため息を吐く。
「ハァ……。しかしアナタ、ホント無駄な事ばかり教えてたみたいですわね。今も無駄な事やらせてますし。ある意味感心しましてよ」
「なあっ!?」
またもや暴言。レヴィアは肩をすくめ、やれやれと呆れまくっている。
「ふざけるなっ! 剣の扱い、足運び、魔力の練り方! しっかり成長できるよう基本から忠実に教えている! スミカ殿はまだ剣の扱いが十分でないから素振りをさせているのだ! 何がおかしい!」
「まず初手から間違ってますわね。ま、言っても理解できないでしょう。ほら、行った行った」
反論したジュディスに対し、しっしっと犬を払うような仕草をするレヴィア。馬鹿に言う言葉は無い、という感じだった。
その雑な対応にジュディスの全身は怒り一色となる。顔はこれ以上ないほど真っ赤になり、体はぷるぷると震え出す。
騎士になって数年、ここまで粗雑に扱われたことは無い。いや、未熟な修業時代ですら無かった。しかも相手は自分に負けた女。その女が自分の指導法にケチをつけるという。一体何を考えているのか理解できないし、理解したくもない。
……ここまで馬鹿にされて何もしないのは騎士の沽券にかかわる。ジュディスはそう思い、手袋を外す。その手袋を投げて決闘を宣言しようと……
「セシリア様に言いつけますわよ」
しようとしてピタッとやめる。……コイツ、いま何と言った?
「敬愛するセシリア様に注意されたのでしょう? また叱られても知りませんわよ? ある事無い事言ってあげましょうか?」
ニヤニヤとしながらの言葉。
――ありえない。何だコイツは。
自分から煽ってきたクセに他人頼りで逃げようとする無様さ。正に虎の威を借りる狐状態。プライドというものが無いのか。
ジュディスは怒りを通り越してあっけにとられ、ぽかーんとしてしまう。次に侮蔑という感情が湧き上がり、冷たい目線を送る。
(……所詮は冒険者か。強い者に取り入るのが彼らの流儀なのだろう。マトモに相手しようとしたのが間違いだったのだな)
そう思い、一つ鼻を鳴らして去っていく。言っても無駄、なら好きにしろという思いからだった。
「フッ。所詮は犬ですわね。セシリア様の名を出すと何もできませんか。せいぜいしっぽを振って可愛がって頂きなさいな。あ、獣臭いのでこっちには来ないでくださいまし」
ハンカチで鼻を抑えながら再びしっしっとして煽りまくるレヴィア。冷えた頭が再びカーッとするも、『相手にするな、相手と同じレベルに立つな、自分は騎士で相手は下民だ』と感情を抑える。そして勇者たちに向かって叫ぶ。
「さあ! 勇者の方々! 訓練を再開しよう! あの女に構っているヒマはないぞ! 時間は限られているのだから!」
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