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第四章. 英雄王子と花嫁狩り
056. 英雄王子
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ダイニングと思わしき場所に案内された一行。中年の女――アネットは彼女らに飲み物を出した後、自身も椅子に座る。
「そうかい。セントファウスから。それで知らなかったんだね」
これまでの経緯を話したところ、うんうんと納得するアネット。どうやらこの国か、あるいはこの町だけで起きている問題のようだ。
「あの、花嫁狩りって何ですか? 花嫁さんを狩るって意味が分からないんですけど」
「もしやモテない女が花嫁を襲っているとか? 結婚できないあまり嫉妬して」
リズとネイの言葉。
ネイに対し「それってテメーがやりたい事なんじゃねーの?」と思うレヴィアだが、話が止まりそうなので言葉にするのは控える。既にアネットには「アンタすごい事考えるね……」と呆れられているが。
「そうじゃなくて、花嫁狩りってのはね、さる高貴なお方の嫁探しの俗称さ。出自問わず、国の中で最も優れた女性を求めておられるんだ」
アネットは語る。
その者は国中から花嫁候補を集め、己に相応しい人物を見つけるつもりらしい。それら候補を探す為に彼は懸賞金のようなものをかけた。「ある程度優秀と認められれば紹介者にもお金を出す」というものだ。
「兵士の中にも張り切る輩が多くてねぇ。なにせお金が出る上に、あわよくば王族とのコネができるんだ。中には無理矢理連れていくヤツまでいる。困ったもんだよ」
ふう、とため息を吐くアネット。
確かにその気のない女性にとってははた迷惑この上ない話である。恋人がいようがいまいが関係なく兵士たちは連れていくらしいのだから。中には人妻まで捕まえる輩がいるのだとか。愛する娘や妻を連れ去られ、悲しみで嘆く人間は何人もいるらしい。
「何よそれ……! 許せないわ! 人さらいみたいなもんじゃない!」
「うむ。確かに許せん。女を何だと思ってるんだ」
リズとネイは憤る。レヴィアも同様の感想だった。もし純花がさらわれた場合、間違いなく連れて行こうとする兵士をブン殴るだろう。まあ純花なら自分で何とかしそうであるが。
ネイは憤ったままにつぶやく。
「一体どこの馬鹿なんだ。そんな真似をしているのは。一言言ってやらねば気が済まない」
「王子」
「……へ?」
アネットの答えに意味が分からないという表情をするネイ。反対に「あっ」と何かに気づいたレヴィア。
「王子だよ。この国の第一王子にして“英雄王子”、ロムルス・ヴィペール。ヤツがお后様を探してるんだよ」
――瞬間、ネイの瞳がきらきらと輝く。
王子様? 王子様が私を探しているの? ああ、私はここよ。早く迎えに来て。愛のチャペルが二人を祝福してるわ。
(なんて事を考えてるんだろーな)
ハァ、とため息を吐くレヴィア。リズも同様である。唯一純花が「え、何?」と不思議がっているので、後で説明してやらねばなるまい。
お花畑状態になったネイに対し、レヴィアは呆れた様子で言う。
「ネイ。忘れてるみたいなので一応言っておきますが、ロムルスという男は――」
* * *
『世界最強とは誰か?』
男なら誰しもが気になる話題である。
「やはり冒険王カイル・ドラグネスだろう」「いやいや、ジーク・スパーダも捨てがたい」「聖魔女の魔法も馬鹿にできんぞ」等々、夜の酒場に行けば誰かがこんな話をしているはずだ。
そんな最強談義に上がる人間がこの国には存在する。
ロムルス・ヴィペール。またの名を“英雄王子”。
ヴィペール王国第一王子にして、国最強の戦士である彼。王族でありながらもその才能は並ぶ者が無く、どんな強大な魔物でも葬り去ってきた。大狼ガルムとの戦いは今でも語り草である。
これだけ聞けば何と立派な王子だと思うだろう。しかし彼にはとある悪癖があった。それは――
「殿下、やだぁっ。こんな昼間から」
「あ、ずるーい。殿下、私も可愛がってぇ」
「殿下ぁ。殿下が来てくれなきゃ寂しくなっちゃう」
ヴィペール王国首都にある王城。その隣にある宮殿の一室にて、たくさんの女たちがきゃぴきゃぴとはしゃいでいた。いずれも美女、美女、美女。ロリ系からお姉さま系まで一通りは揃っており、肌の色が見えるほど薄いピンク色のエロ衣装を着ている。
そしてここに存在する男は一人だけ。椅子にふんぞり返り、美女に囲まれつつワインを楽しんでいる男。
「フハハハハ! 良い良い。まとめて可愛がってやろう」
この男こそがロムルス・ヴィペール。ヴィペール王国の第一王子にして世界最強の一角、“英雄王子”であった。
燃えさかる炎のような赤い髪、整った容貌、生命力を感じさせる瞳。はだけた上半身から見える筋肉は美しく思えるほどに鍛え上げられている。その姿は正に英雄にして王子であった。
但し好色さも英雄並みのようで、「良いぞぉ。えっちだ。とてもえっちだ。とても良い」と女の胸やら尻やらを揉みしだいている。表情も非常にだらしない。
ふと、部屋の外にいる護衛が来客を知らせてきた。お楽しみに水を差された事で一瞬不快になるも、どうやら待ち望んだ報告らしい。ロムルスは機嫌よく「入れ」と言葉をかけた。
部屋に入ってきたのは官僚らしき男だ。片膝をつき、重々しく挨拶をしようとする官僚。ロムルスそれを止め、待ちきれないとばかりに問いかける。
「来たか。それで準備はどうだ?」
「はっ。すでに国中にお触れを出し、自薦他薦問わず優秀な女性を集めております。半月後には予定通り始められるかと」
その言葉にロムルスは幾度か頷き、「そうかそうか。良いぞ。褒めて遣わす」と満足そうに言葉をかけた。次いで表情を厳しめに変化させて言う。
「とはいえ、気を抜くなよ。私の后を決めるという国家の……いや、世界にとって最も重要な催しだ。最高の女が見つけられるよう最後まで努力せよ」
「はっ!」
ロムルスは考える。本当は世界中から募りたかった。しかし魔王とやらがいつ来るか分からぬ状況では仕方ない。せめて国一番の女を見つけねばなるまい。
既に各国は対魔王の為に連立しつつあり、ヴィペールもその動きに同調している。もちろん国最強たる自分も出る事になるだろう。その前に何としても后を見つけねばならないのだ。自らの跡継ぎにふさわしい子を産む妃を。
この世界で最も優れた自分。だがその才を子供に引き継がせるのは非常に難しい。
如何に己が優れていたとしても母親が優れていなければ引き継がれるのはせいぜい半分。国の損失であり、世界の損失だ。自分に匹敵する程……は難しいだろうが、せめて国一番の能力を持った女を后に迎え、子を産ませねばならない。
「えー、ヤダー。ロムルス様、私たちにかまってくれなくなるの?」
「寂しいよー」
「もう私たちには飽きちゃった?」
「ハハハ! そんな訳があるまい! 今まで通りお前たちにも構ってやるとも!」
尻をなでたり胸をもんだりキスしたりとやりたい放題し始めるロムルス。キャー! と黄色い声を上げる女たち。目の前の官僚がゴクリと生唾を飲んだ。
「おっと。そういう訳で下がってよろしい。今から忙しくなるのでな。ああ、審査には私も参加する故、一番いい場所を用意しておけよ。いいな?」
「は、はい。もちろんでございます」
「ふふふ。今から楽しみだな。ついに私にも后が出来るのか。
……千人目の、后が……!」
「そうかい。セントファウスから。それで知らなかったんだね」
これまでの経緯を話したところ、うんうんと納得するアネット。どうやらこの国か、あるいはこの町だけで起きている問題のようだ。
「あの、花嫁狩りって何ですか? 花嫁さんを狩るって意味が分からないんですけど」
「もしやモテない女が花嫁を襲っているとか? 結婚できないあまり嫉妬して」
リズとネイの言葉。
ネイに対し「それってテメーがやりたい事なんじゃねーの?」と思うレヴィアだが、話が止まりそうなので言葉にするのは控える。既にアネットには「アンタすごい事考えるね……」と呆れられているが。
「そうじゃなくて、花嫁狩りってのはね、さる高貴なお方の嫁探しの俗称さ。出自問わず、国の中で最も優れた女性を求めておられるんだ」
アネットは語る。
その者は国中から花嫁候補を集め、己に相応しい人物を見つけるつもりらしい。それら候補を探す為に彼は懸賞金のようなものをかけた。「ある程度優秀と認められれば紹介者にもお金を出す」というものだ。
「兵士の中にも張り切る輩が多くてねぇ。なにせお金が出る上に、あわよくば王族とのコネができるんだ。中には無理矢理連れていくヤツまでいる。困ったもんだよ」
ふう、とため息を吐くアネット。
確かにその気のない女性にとってははた迷惑この上ない話である。恋人がいようがいまいが関係なく兵士たちは連れていくらしいのだから。中には人妻まで捕まえる輩がいるのだとか。愛する娘や妻を連れ去られ、悲しみで嘆く人間は何人もいるらしい。
「何よそれ……! 許せないわ! 人さらいみたいなもんじゃない!」
「うむ。確かに許せん。女を何だと思ってるんだ」
リズとネイは憤る。レヴィアも同様の感想だった。もし純花がさらわれた場合、間違いなく連れて行こうとする兵士をブン殴るだろう。まあ純花なら自分で何とかしそうであるが。
ネイは憤ったままにつぶやく。
「一体どこの馬鹿なんだ。そんな真似をしているのは。一言言ってやらねば気が済まない」
「王子」
「……へ?」
アネットの答えに意味が分からないという表情をするネイ。反対に「あっ」と何かに気づいたレヴィア。
「王子だよ。この国の第一王子にして“英雄王子”、ロムルス・ヴィペール。ヤツがお后様を探してるんだよ」
――瞬間、ネイの瞳がきらきらと輝く。
王子様? 王子様が私を探しているの? ああ、私はここよ。早く迎えに来て。愛のチャペルが二人を祝福してるわ。
(なんて事を考えてるんだろーな)
ハァ、とため息を吐くレヴィア。リズも同様である。唯一純花が「え、何?」と不思議がっているので、後で説明してやらねばなるまい。
お花畑状態になったネイに対し、レヴィアは呆れた様子で言う。
「ネイ。忘れてるみたいなので一応言っておきますが、ロムルスという男は――」
* * *
『世界最強とは誰か?』
男なら誰しもが気になる話題である。
「やはり冒険王カイル・ドラグネスだろう」「いやいや、ジーク・スパーダも捨てがたい」「聖魔女の魔法も馬鹿にできんぞ」等々、夜の酒場に行けば誰かがこんな話をしているはずだ。
そんな最強談義に上がる人間がこの国には存在する。
ロムルス・ヴィペール。またの名を“英雄王子”。
ヴィペール王国第一王子にして、国最強の戦士である彼。王族でありながらもその才能は並ぶ者が無く、どんな強大な魔物でも葬り去ってきた。大狼ガルムとの戦いは今でも語り草である。
これだけ聞けば何と立派な王子だと思うだろう。しかし彼にはとある悪癖があった。それは――
「殿下、やだぁっ。こんな昼間から」
「あ、ずるーい。殿下、私も可愛がってぇ」
「殿下ぁ。殿下が来てくれなきゃ寂しくなっちゃう」
ヴィペール王国首都にある王城。その隣にある宮殿の一室にて、たくさんの女たちがきゃぴきゃぴとはしゃいでいた。いずれも美女、美女、美女。ロリ系からお姉さま系まで一通りは揃っており、肌の色が見えるほど薄いピンク色のエロ衣装を着ている。
そしてここに存在する男は一人だけ。椅子にふんぞり返り、美女に囲まれつつワインを楽しんでいる男。
「フハハハハ! 良い良い。まとめて可愛がってやろう」
この男こそがロムルス・ヴィペール。ヴィペール王国の第一王子にして世界最強の一角、“英雄王子”であった。
燃えさかる炎のような赤い髪、整った容貌、生命力を感じさせる瞳。はだけた上半身から見える筋肉は美しく思えるほどに鍛え上げられている。その姿は正に英雄にして王子であった。
但し好色さも英雄並みのようで、「良いぞぉ。えっちだ。とてもえっちだ。とても良い」と女の胸やら尻やらを揉みしだいている。表情も非常にだらしない。
ふと、部屋の外にいる護衛が来客を知らせてきた。お楽しみに水を差された事で一瞬不快になるも、どうやら待ち望んだ報告らしい。ロムルスは機嫌よく「入れ」と言葉をかけた。
部屋に入ってきたのは官僚らしき男だ。片膝をつき、重々しく挨拶をしようとする官僚。ロムルスそれを止め、待ちきれないとばかりに問いかける。
「来たか。それで準備はどうだ?」
「はっ。すでに国中にお触れを出し、自薦他薦問わず優秀な女性を集めております。半月後には予定通り始められるかと」
その言葉にロムルスは幾度か頷き、「そうかそうか。良いぞ。褒めて遣わす」と満足そうに言葉をかけた。次いで表情を厳しめに変化させて言う。
「とはいえ、気を抜くなよ。私の后を決めるという国家の……いや、世界にとって最も重要な催しだ。最高の女が見つけられるよう最後まで努力せよ」
「はっ!」
ロムルスは考える。本当は世界中から募りたかった。しかし魔王とやらがいつ来るか分からぬ状況では仕方ない。せめて国一番の女を見つけねばなるまい。
既に各国は対魔王の為に連立しつつあり、ヴィペールもその動きに同調している。もちろん国最強たる自分も出る事になるだろう。その前に何としても后を見つけねばならないのだ。自らの跡継ぎにふさわしい子を産む妃を。
この世界で最も優れた自分。だがその才を子供に引き継がせるのは非常に難しい。
如何に己が優れていたとしても母親が優れていなければ引き継がれるのはせいぜい半分。国の損失であり、世界の損失だ。自分に匹敵する程……は難しいだろうが、せめて国一番の能力を持った女を后に迎え、子を産ませねばならない。
「えー、ヤダー。ロムルス様、私たちにかまってくれなくなるの?」
「寂しいよー」
「もう私たちには飽きちゃった?」
「ハハハ! そんな訳があるまい! 今まで通りお前たちにも構ってやるとも!」
尻をなでたり胸をもんだりキスしたりとやりたい放題し始めるロムルス。キャー! と黄色い声を上げる女たち。目の前の官僚がゴクリと生唾を飲んだ。
「おっと。そういう訳で下がってよろしい。今から忙しくなるのでな。ああ、審査には私も参加する故、一番いい場所を用意しておけよ。いいな?」
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