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第15話 見つけたストーカー
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警備員がつつがなく救急車で運ばれた後にランドールの2人がリハーサルを終えて私と弥生の元にやって来た。
「ハア~、リハーサルなのに疲れちゃった……」
ナミちゃんがそう言って私に手を差し出す。私は訳が分からずに首をかしげた。その様子を見てヒナちゃんが解答を教えてくれた。
「タケフミさん、今までのマネジャーさんはリハの後に飲み物を用意してくれてたの。何かあるかな?」
言われて私はハッとした。確かにリハーサルを終えたら一息つきたくなるだろう。それには飲み物があるとなお良いだろうという事に……
「気が利かなくて済まない。今から自販機に行って買ってくるよ。何がいいかな?」
私がそう言うと弥生がすかさず言う。
「アラ、心配ないわよ。私が買っておいたから。タケ兄、ナミはダイエットコ○ラ、ヒナはミルクセーキよ。覚えておいてあげてね。2人とも買ってから時間が立ってるからあまり冷えてないわよ」
それは2人が可哀想だから、やっぱり買いに走る事にした私。3人にこの場所から動かないように言い聞かせ弥生の飲み物も用意しなければと気づいた時には自販機の前だった……
仕方がないので子供の頃の記憶を呼び覚まし、弥生が好きだったオレンジジュースをチョイスしたのだが大人になって味覚が変わってたら申し訳ないなと思いつつ3人の元に戻った。
「あっ! タケ兄! 嬉しい! 覚えててくれたのね!」
弥生は私が手に持つオレンジジュースを見て嬉しそうに言ってくれる。良かった、正解だったようだ。私は先ずはランドールの2人にお疲れ様と言ってダイエット○ーラとミルクセーキを手渡した。それから弥生にオレンジジュースを手渡す。
2人とも嬉しそうに飲んでくれた。空き缶は私が回収して、後は本番まで控室で待つ事になる。
1時間後、いよいよ2人の出番になった。私は舞台袖に立ち観客席に意識を向ける。すると……
居た! 恐らくはこいつがストーカーだという男とナミちゃんの上の階に住む住人の男が来ていた。やはりナミちゃんの上の階に住む男は問題のストーカーでは無かったようだ。だが、2人は隣同士で立っている。何かしらの関係があるのかも知れないな。
私は住人の方は魔力を知っているので、ストーカーだと思われる男に私の魔力を貼り付けた。
するとその男は私が貼り付けた魔力に無意識に気がついたのか左肩を抑える仕草をしたのだ。
どうやら意識的にでは無いが魔力を操作する術をある程度は分かっているようだ。
私はいつも魔力を貼り付ける時は対象者の肩に貼り付けるようにしている。何故ならば、軽い肩こりだと思って貰えるからだ。しかし、それでも勘の鋭い者だと気がつく事もある。
が、男は肩を抑えた手を外したので、はっきりとは気がついて無いようだ。なので私はそのままにして男に【思考感知、解析】を使用した。
『クックックッ、ようやく表舞台に出てきたな。兄貴の言った通りだったな。いつまでも引き篭もってたんじゃ人気も落ちるしそろそろだと思っていたんだ。後は今日のフェス終わりにまた後を尾行けて行けば今の住居が分かる。そしたらまた侵入して部屋にカメラと盗聴器を仕掛けてやる。クックックッ、今をときめくアイドルのナミの部屋が汚部屋だと早目に皆に教えてやりたいぜっ!!』
やはりこの男で間違いないようだ。この男は電子錠であっても機械を使用して解錠出来るスキルを持っているようだな。しかも未熟ながら隠密スキルも持っている。
地球の人々は技術は理解しているが異世界では当たり前の技能についてはお話の中のことだと考えているのでそれを磨くという事はしない。それが私にとっては幸いだった。
私は見つけた男に貼りた付けた魔力を通して男の隠密スキルを封印した。コレで帰りに尾行された時に要所要所で撮影をして警察に証拠として提出すればこの男は逮捕される。
しかしそれではいずれ出所してくるのは分かっている私は2度とそんな悪さが出来ないように対処するつもりだ。まあ、それは逮捕される瞬間で良いと思う。
そして私はナミちゃんの上の階に住む男に注意を向けた。その男はストーカーよりも性質が悪かった……
何と上の階に住む男は大手芸能事務所で若いが専務という肩書を持つ男だった。親の七光らしい。この男はランドールの2人を自分の事務所に引き抜く為に2人の私生活を撮影してそれを元に脅して自分のいう事を聞くようにしてやろうという思惑を持っていたのだ。
地球に戻ってきたがこんな奴が異様に多い気がするのは私の勘違いなのか?
妄想するのは私は構わないと思っている。妄想するだけならば何の被害も無いからだ。だがその妄想を現実にしようとするのは大きな間違いだ。妄想を実行するという事は女性の尊厳を踏みにじる行為だと私は思っている。
私はこの男は警察に任すのではなく私の手により社会的に葬ろうと心に誓った。それもマンションに戻って直ぐにそうする事を誓う。ここでも私は異世界での価値観を強く持っていた。本来であればこの男も私が制裁をするのではなく、法に則って裁くべきだったのだ。
フェスでのランドールの出番が終わり4人で帰宅する事になった。フェスの主催者からは打ち上げに出て欲しいと言われたが弥生が丁寧にこの後に仕事が入っているのでと断りを入れて会場を後にする。
駅まではタクシーを利用した。私達の乗ったタクシーが駅に着くとストーカー男のタクシーも駅に着く。ここまではストーカー行為とは見なされないだろう事は私でも分かる。私はタクシーが迎えに来るまでの間に3人に話をし終えていたので何食わぬ顔で電車に乗る為に切符を購入し3人に手渡した。ここで私は3人と離れる。
と言っても直ぐ側に居るのだが。私は駅のトイレに行き【不可視】を使用した。このスキルの良いところは私自身だけでなく私が身につけた物や手に持つ物も目に見えなくしてくれる事だ。
私はその状態で更に【隠密】も使用して気配を消した状態でストーカーと3人がちょうど映る位置を陣取った。
その状態で撮影を開始する私。3人はさすが人気者で乗客たちに声をかけられたり、写真撮影を頼まれたりしている。それらに笑顔で答える3人を見て私は3人とも芸能人なんだなぁと感心してしまった。
弥生にはワザと遠回りしてマンションに戻るように伝えている。これでストーカーが3人を付け回している事がハッキリと警察にも伝わる筈だ。
時間をかけてマンションまで戻ってきた3人の後に続きストーカーがマンションに入る。
その後、ストーカーは階段に向かった。3人はエレベーターの前で立っている。
3人がエレベーターに乗り込み扉が閉まるとストーカーがエレベーター前にやって来た。エレベーターが止まる階を確認するのだろう。ここでも、私の指示通りに弥生は関係ない階を3つ押したようだ。
それを見たストーカーは舌打ちしながら階段に向かう。どうするつもりだ? 私は疑問に思いながらも男の後を追った。するとストーカーは何とナミちゃんの上の部屋の扉を開けて中に入っていくではないか。やはりあの専務とつながりがあるのだと気がついた私は転移でその部屋の中に入った。
専務は既に部屋に戻って来てたようだ。私は2人が見える位置に移動して、2人の会話を聞く事にしたのだった。
「ハア~、リハーサルなのに疲れちゃった……」
ナミちゃんがそう言って私に手を差し出す。私は訳が分からずに首をかしげた。その様子を見てヒナちゃんが解答を教えてくれた。
「タケフミさん、今までのマネジャーさんはリハの後に飲み物を用意してくれてたの。何かあるかな?」
言われて私はハッとした。確かにリハーサルを終えたら一息つきたくなるだろう。それには飲み物があるとなお良いだろうという事に……
「気が利かなくて済まない。今から自販機に行って買ってくるよ。何がいいかな?」
私がそう言うと弥生がすかさず言う。
「アラ、心配ないわよ。私が買っておいたから。タケ兄、ナミはダイエットコ○ラ、ヒナはミルクセーキよ。覚えておいてあげてね。2人とも買ってから時間が立ってるからあまり冷えてないわよ」
それは2人が可哀想だから、やっぱり買いに走る事にした私。3人にこの場所から動かないように言い聞かせ弥生の飲み物も用意しなければと気づいた時には自販機の前だった……
仕方がないので子供の頃の記憶を呼び覚まし、弥生が好きだったオレンジジュースをチョイスしたのだが大人になって味覚が変わってたら申し訳ないなと思いつつ3人の元に戻った。
「あっ! タケ兄! 嬉しい! 覚えててくれたのね!」
弥生は私が手に持つオレンジジュースを見て嬉しそうに言ってくれる。良かった、正解だったようだ。私は先ずはランドールの2人にお疲れ様と言ってダイエット○ーラとミルクセーキを手渡した。それから弥生にオレンジジュースを手渡す。
2人とも嬉しそうに飲んでくれた。空き缶は私が回収して、後は本番まで控室で待つ事になる。
1時間後、いよいよ2人の出番になった。私は舞台袖に立ち観客席に意識を向ける。すると……
居た! 恐らくはこいつがストーカーだという男とナミちゃんの上の階に住む住人の男が来ていた。やはりナミちゃんの上の階に住む男は問題のストーカーでは無かったようだ。だが、2人は隣同士で立っている。何かしらの関係があるのかも知れないな。
私は住人の方は魔力を知っているので、ストーカーだと思われる男に私の魔力を貼り付けた。
するとその男は私が貼り付けた魔力に無意識に気がついたのか左肩を抑える仕草をしたのだ。
どうやら意識的にでは無いが魔力を操作する術をある程度は分かっているようだ。
私はいつも魔力を貼り付ける時は対象者の肩に貼り付けるようにしている。何故ならば、軽い肩こりだと思って貰えるからだ。しかし、それでも勘の鋭い者だと気がつく事もある。
が、男は肩を抑えた手を外したので、はっきりとは気がついて無いようだ。なので私はそのままにして男に【思考感知、解析】を使用した。
『クックックッ、ようやく表舞台に出てきたな。兄貴の言った通りだったな。いつまでも引き篭もってたんじゃ人気も落ちるしそろそろだと思っていたんだ。後は今日のフェス終わりにまた後を尾行けて行けば今の住居が分かる。そしたらまた侵入して部屋にカメラと盗聴器を仕掛けてやる。クックックッ、今をときめくアイドルのナミの部屋が汚部屋だと早目に皆に教えてやりたいぜっ!!』
やはりこの男で間違いないようだ。この男は電子錠であっても機械を使用して解錠出来るスキルを持っているようだな。しかも未熟ながら隠密スキルも持っている。
地球の人々は技術は理解しているが異世界では当たり前の技能についてはお話の中のことだと考えているのでそれを磨くという事はしない。それが私にとっては幸いだった。
私は見つけた男に貼りた付けた魔力を通して男の隠密スキルを封印した。コレで帰りに尾行された時に要所要所で撮影をして警察に証拠として提出すればこの男は逮捕される。
しかしそれではいずれ出所してくるのは分かっている私は2度とそんな悪さが出来ないように対処するつもりだ。まあ、それは逮捕される瞬間で良いと思う。
そして私はナミちゃんの上の階に住む男に注意を向けた。その男はストーカーよりも性質が悪かった……
何と上の階に住む男は大手芸能事務所で若いが専務という肩書を持つ男だった。親の七光らしい。この男はランドールの2人を自分の事務所に引き抜く為に2人の私生活を撮影してそれを元に脅して自分のいう事を聞くようにしてやろうという思惑を持っていたのだ。
地球に戻ってきたがこんな奴が異様に多い気がするのは私の勘違いなのか?
妄想するのは私は構わないと思っている。妄想するだけならば何の被害も無いからだ。だがその妄想を現実にしようとするのは大きな間違いだ。妄想を実行するという事は女性の尊厳を踏みにじる行為だと私は思っている。
私はこの男は警察に任すのではなく私の手により社会的に葬ろうと心に誓った。それもマンションに戻って直ぐにそうする事を誓う。ここでも私は異世界での価値観を強く持っていた。本来であればこの男も私が制裁をするのではなく、法に則って裁くべきだったのだ。
フェスでのランドールの出番が終わり4人で帰宅する事になった。フェスの主催者からは打ち上げに出て欲しいと言われたが弥生が丁寧にこの後に仕事が入っているのでと断りを入れて会場を後にする。
駅まではタクシーを利用した。私達の乗ったタクシーが駅に着くとストーカー男のタクシーも駅に着く。ここまではストーカー行為とは見なされないだろう事は私でも分かる。私はタクシーが迎えに来るまでの間に3人に話をし終えていたので何食わぬ顔で電車に乗る為に切符を購入し3人に手渡した。ここで私は3人と離れる。
と言っても直ぐ側に居るのだが。私は駅のトイレに行き【不可視】を使用した。このスキルの良いところは私自身だけでなく私が身につけた物や手に持つ物も目に見えなくしてくれる事だ。
私はその状態で更に【隠密】も使用して気配を消した状態でストーカーと3人がちょうど映る位置を陣取った。
その状態で撮影を開始する私。3人はさすが人気者で乗客たちに声をかけられたり、写真撮影を頼まれたりしている。それらに笑顔で答える3人を見て私は3人とも芸能人なんだなぁと感心してしまった。
弥生にはワザと遠回りしてマンションに戻るように伝えている。これでストーカーが3人を付け回している事がハッキリと警察にも伝わる筈だ。
時間をかけてマンションまで戻ってきた3人の後に続きストーカーがマンションに入る。
その後、ストーカーは階段に向かった。3人はエレベーターの前で立っている。
3人がエレベーターに乗り込み扉が閉まるとストーカーがエレベーター前にやって来た。エレベーターが止まる階を確認するのだろう。ここでも、私の指示通りに弥生は関係ない階を3つ押したようだ。
それを見たストーカーは舌打ちしながら階段に向かう。どうするつもりだ? 私は疑問に思いながらも男の後を追った。するとストーカーは何とナミちゃんの上の部屋の扉を開けて中に入っていくではないか。やはりあの専務とつながりがあるのだと気がついた私は転移でその部屋の中に入った。
専務は既に部屋に戻って来てたようだ。私は2人が見える位置に移動して、2人の会話を聞く事にしたのだった。
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