ボディガードはオジサン

しょうわな人

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第41話 見つけた

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 私は気がつけば腕立て伏せを1000回、腹筋を1000回、逆立ち腕立てを1000回と、柔軟スクラッチを異世界で私に体術を教えてくれた師匠の教え通りの回数を3セットこなしていた…… タカシさんがやって来るまで……
 2時間で3セットをこなしたのは自己記録更新だなと思いながら、タカシさんを出迎えに行く。
 
 そして、その夜はタカシさんと2人で宴会をしてしまった…… 私に乗せられたタカシさんもしこたま酔って、弥生との惚気話を聞かされたのには閉口したがそれでも楽しい時間を過ごした。

 そして、深夜…… 不意に目覚めた私はテレビを点けた。そして深夜番組にて深野涼子さんの娘さんを遂に見つけたのだ!!

翠泉あおいちゃん! 今日も可愛いねぇ~」

 ちょっとチャラ男っぽい男性司会者にそう言われると、

「もう~、私が可愛いのは当たり前です~」

 と、もしも同性が見ても気分を害さない様な雰囲気と言い方で答えるアオイちゃん。この娘こそ深野さんの娘さんに違いない。だが、何故かヒヤマさんにもソックリなんだが……
 ヒヤマさんが眼鏡を外して同じ髪型にしたら双子と言っても大丈夫なぐらい似ているぞ。

 番組終わりに出る出演者の名前を見ると桧山翠泉ひやまあおいとなっていた…… 
 し、姉妹なのか? という事はヒヤマさんも深野さんの娘さんなのか? 話ではアオイちゃんは18歳だと聞いた。ヒヤマさんは20歳だと聞いたから、姉妹確定なのだろうか?

 おう、私は既に深野涼子さんの娘さんに出会っていたのか! 明日、いや既に今日か。今日タカシさんに聞いてみよう。恐らく弥生は分かっていて私に教えてくれなかったのだろうから、タカシさんに聞く方が確実だろう。

 私は翌朝、当然のように二日酔いになっていたので回復魔法で治した。恐らくタカシさんもだろうと思い勝手口に向かうと弥生の声が聞こえた。

「もう、いい年して二日酔いになるなんて! 飲みすぎよ、タカさん!」

 ああ、コレは悪い事をしてしまった。せめて弥生が来る前にコッチに来て治してあげていれば良かったな。
 私はそう思いながら勝手口の扉をノックした。

「おはよう、弥生。開けてもいいかな?」

 私がノックの後にそう声をかけると弥生が扉を開けてくれた。その目は冷たい。

「タケ兄、嬉しかったのは分かるけど、タカさんまで巻き込まないでよー」

「いや、悪いな。つい盛り上がってしまって。それで、タカシさんの二日酔いを治そうと思うんだが構わないかな?」

 私が謝りながらそう言うと弥生は素直に家に入れてくれた。

 私は頭を抱えたタカシさんに回復魔法をかけて二日酔いを治してあげた。

「おおおっ!! 快調です! 有難うございます! タケフミさん!」

 二日酔いが治った途端にテンションが爆上がりしたタカシさん。それを見ていた弥生が釘をさした。

「タカさん、これで飲みすぎた時はタケ兄に頼れるなんて思ったら大間違いだからねっ!!」

「ギっ、ギクーッ!?」

 私は口で言う人を初めて見たよ。まあ、夫婦仲が良いのはいい事だよ。私は2人にそう言ってパスポート申請に行ってくるよと伝えた。
 弥生が居るからヒヤマさんの事は後で聞こうと思ったのだ。そしたら、弥生が待ったをかけてきた。

「タケ兄、ちょっと待って! 明日にはランドールの2人とマネージャーのカオリちゃんがコッチに来るから護衛よろしくね。10時に事務所に来てね」

 なんと仕事の依頼だったよ。

「分かった。だけどコッチに来て何の仕事をするんだい?」

 私はランドールの仕事内容を聞いてみた。

「フフフ、1日署長よ。私も一緒だけどね」

「おお、そうなんだな。それじゃ、弥生もシッカリと守るから安心してくれ!」

「タケ兄ならきっとそう言ってくれると分かってたわ。よろしくね」

 そして私はパスポート申請に向かいそのままケーキ屋さんに寄ってケーキを購入してから、事務所に向かった。

 中に入ると真理ちゃんがまた笑顔で出迎えてくれた。

「タケフミさん、社長がお待ちですよ」

 良かった、途中でマインで連絡を入れておいたのでタカシさんは待っててくれたようだ。弥生は1日署長の件で打合せに向かってるそうだから今がチャンスだ。

「有難う、真理ちゃん。これ、皆で食べてね」

 私はケーキを真理ちゃんに手渡し、有難うございますの声に手を振りながら社長室に向かった。ノックをして返事があったので中に入った。

「タケフミさん、聞きたい事があるそうですが何でしょうか?」

「はい、実は深夜テレビで深野涼子さんの娘さんと思われる娘を見かけたんですが桧山翠泉ひやまあおいさんで間違いないですよね?」

 私は先ずはそう聞いてみた。

「あ、やっぱり分かりましたか? 深野さんにソックリでしょう? でも名字が違うからテレビマンには気づかれて無いんですよ」

 やっぱりアオイちゃんがそうだったのか。ならばもう一つの質問にも答えて貰おう。

「もう一つ聞きたいんですが、ランドールのマネージャーをしてるヒヤマさんも、もしかして?」

 私がそう聞くとタカシさんは不思議そうな顔をしてこう言った。

「アレ? 弥生から聞いてませんでした? 弥生は伝えたって僕に言ってたんですが……」

 やはりそうか。弥生の事だから私がそうと知ったら仕事ボディガードに支障が出るとでも思ったのだろう。後で弥生に言っておかないとな。私は仕事中に私情で油断したりしないぞと。

「いえ、多分、私もなれない仕事で緊張していて聞き逃したんでしょう。弥生は悪くないですよ」

 私は取り敢えずタカシさんにはそうフォローしておいた。

 けれどもコレで深野さんの娘さんをそれも2人も見つける事が出来たな。よし! アオイちゃんは密かに推しにしておこう。
 私は心にそう誓ったのだった。 

 そして明けて翌日。ランドールの2人とヒヤマさんがやって来た。

「オジサン、来たよー」
「タケフミさん、よろしくねー」

 思えばナミちゃんも随分とくだけて話をしてくれるようになったな。相変わらずのオジサン呼びだが私がオジサンなのは事実なので気にはならない。

「先日はお世話になりました。本日もよろしくお願いします」

 出会った時のハイテンションと違い、ヒヤマさんはプロのマネージャーとして挨拶をしてきたので私もそれに応えた。

「はい、3人が何事もなく無事に事件が解決して良かったです。私は実質、何もしてないのですが…… 今日はシッカリとガードしますね」

 私の返事を聞いてニコッと微笑みヒヤマさんがお願いしますと頭を再度下げた。

 そして、地元の警察署に向かったのだが、そこには当然のようにタケシが待っていた……

 お前、仕事しろよ……
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