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異世界を楽しむ
016話 入学式
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遂にやって来た入学式の日。僕とフェルちゃんそれとリラは馬車に乗って庶民街に入った。そして先ずはリラの学園に到着した。
「エヘヘ~、それじゃ、お姉ちゃんは行ってくるねぇ」
にこやかにそう言いながら一人でリラは学園に向かった。一人で大丈夫かな? でも、リラは頭もいいし可愛いから大丈夫だと信じよう。
「トーヤ様、リラちゃんは大丈夫でしょうか?」
リラの心配をしているフェルちゃんに僕は安心するように笑顔でコクコクと頷いた。
「そうですね! リラちゃんなら大丈夫ですよね!」
そう、ちなみにリラは僕達三人の中では一番強いんだ。同級生どころか学園の最上級生でも勝てる人はまず居ないって、トウシローからもお墨付きを貰ってるからね。きっと大丈夫だよ。
僕とフェルちゃんは二人とも次は自分たちの通う学校に着くから緊張してきてしまった。
「な、何か緊張しますね、トーヤ様」
自分自身も緊張していたけど僕はフェルちゃんを守らないといけない。だからニッコリ笑顔でそして目線で僕がいるよと伝えたんだ。フェルちゃんは僕の顔を見て、
「トーヤ様、なんと神々しい笑顔ですか……」
とウットリしていたかと思うと、
「ハッ! リラちゃんに言われた通り最初が肝心ですね。ちゃんと学校の皆様には私がトーヤ様の婚約者だと告げなくては! 気合が入りましたわ!」
と急に気合が入った顔をしている。どちらの顔も本当に可愛いなぁと思いながら、僕もフェルちゃんに変な虫が近寄らない様に注意しなくちゃと気合を入れた。
リラの入る冒険者養成学園も僕とフェルちゃんが入るツージ調理専門学校も、庶民の学び舎ではあるけれども全く貴族が通ってないかと言えばそうでもないらしいんだ。主にだけど下級貴族(子・男・騎)の三男や三女以降の子息女や、偶に上級貴族(公・侯・伯)の子息女も通ってたりするらしい。まあ上級貴族は殆ど居ないらしいけどね。でも下級貴族の子息女で、三男以降の子息はいずれ成人した時に職につかなくてはならないから、冒険者養成学園に通う人が多いそうだよ。
庶民の学び舎だから貴族っていうだけで偉そうにする人が多いみたいだけどね…… ああ、そう考えるとリラが心配だなぁ。
ツージ調理専門学校に来るのは三女以降の息女が多いらしい。ソレは【意中の殿方の胃袋を捕まえる為!!】らしいんだけど、やっぱり貴族っていうだけで偉そうにしてる人が多いそうだよ。
幸いにして僕もフェルちゃんも公・侯家の者だから、絡まれても立場的に何とか出来ると思うんだ。僕はそんな事を思いながら学校に着くまでフェルちゃんの独り言を聞いていた。
「そうですわね…… 下級貴族の息女も今年は多く入学してくるとセバスさんが仰ってましたわ…… その者たちがトーヤ様に近づかない様に、いち早く牽制しなければなりませんわ! 悪い虫がトーヤ様に近付くなんて許されませんもの!」
フェルちゃん、忘れてるかも知れないけど僕は忌み子認定される黒目黒髪なんだから貴族の息女は僕に見向きもしないと思うよ。
フェルちゃんは僕には聞こえてないと思って独り言を言ってるんだろうけど、こんな狭い空間の中だと良く聞こえるんだよ。でも僕はフェルちゃんが僕を思ってそう言ってくれてるのは本当に嬉しいんだけどね。
馬車が学校に着いたみたいだ。扉が開いてセバスが僕達に言った。
「さあ、お二人とも。今日からここがお二人の学び舎でございます。今日は入学式のあとにクラス分けが発表されまして、明日からの予定などの連絡があると思われます。午前中には終わるので、私どもはコチラの馬車亭でお待ちしておりますので、終わりましたら馬車亭まで来て頂けますか」
ぼくとフェルちゃんはその言葉にコクリと頷いて、馬車から降りて新入生らしい人たちが歩いて行く先についていく。暫く進むと大きな建物が見えた。パンフレットにあった大講堂という建物だろう。その入り口で先生と思われる人が大きな声で新入生に向かって喋っていた。
「ハーイ! 新入生の皆さんはコチラの入口から入って、前から順番に座って下さいねー。席は必ず順番に座るようにお願いしますねー! 皆もう8歳なんだから、先生の言うことが分かりますよねー!」
どうやら入った順に席に座ればいいらしい。僕とフェルちゃんは手を繋いで一緒に大講堂の中に入った。ざっと見て前にある席は100席ぐらいかな?
皆がちゃんと順番に座っている。僕達も流れに逆らわずに、隣同士で順番に座った。前から2列目に座っていると大きな声が響いた。
「オイっ! 俺はナタリウム男爵家の4男だっ、その席が気にいったからお前は退けっ!!」
ハァ~、まるでザラスのような物言いを久しぶりに聞いた僕はその声の方を見てみたんだ。すると少し小太りの男の子がフェルちゃんの真後ろの席の子に退けって言ってるのが分かったんだ。その小太りクンがどうやらナタリウム男爵家の4男らしいけど、後ろを振り向いた僕と目があった小太りクンは、
「いや、やっぱりお前はいい。オイ、そこの奴、お前だっ! お前が俺と席を変われ!」
って僕に言ってきたんだ。ちょうど僕と一緒に後ろを振り向いたフェルちゃんの顔が見えたからだろうね。けれども僕は静かに首を横に振って小太りクンの言うことを拒否したよ。
「なっ!? お前は俺がナタリウム男爵家の者だと知っても拒否するつもりか!? たかが庶民風情のクセにっ!!」
うん、僕は一応庶民じゃないんだよ、小太りクン。なんなら家は君のところより爵位は上になるよ。いつハブられるか分からないとはいえね……
今日は皆に威圧感を与えないように、そこまで貴族って分かる服装はしてこなかったから小太りクンには分からないんだろうな。
僕がそう思っていたら先生の一人がやって来て小太りクンに言った。
「何を騒いでいるのかな? 君はカルイ・ナタリウム君だね。席は貴族だろうと関係なく順番に前から詰めて座るようにと言われた筈だよ。早く座りなさい」
「フンッ、そんな庶民のルールに俺が従ういわれはないな! オイ、お前! 早く席を変われっ!」
まだ言ってる小太りクンに先生が爆弾を落とした。
「カルイ君、君が席を変われと言ってるのは、コチラのログセルガー公爵家のトーヤ君に対してかな? 正式に公爵家から君の家に抗議が行っても私は知らないよ」
ソレを聞いた小太りクンが、ワナワナと震えた。僕に向かって嫌そうに謝罪した後に今度はあろう事かフェルちゃんに言ったんだ。
「な、そ、それは知らなかったから…… 申し訳ありませんでした…… ならばその横の女! そうだお前だ! 庶民のお前に俺の横に座る権利をやろう! 有難く思えっ!!」
けれどもソレを聞いたフェルちゃんが鼻で笑って小太りクンに言った。
「フフフ、申し訳ございませんが、お断りさせて頂きますわ。私はテルマイヤー侯爵家の四女で、コチラのトーヤ様の婚約者ですの。アナタの隣に座る栄誉は私には必要がありませんわ」
ソレを聞いた小太りクンは顔面を蒼白にして、謝罪する。
「も、申し訳ありませんでした……」
「フフフ、よろしくてよ。それよりも立ったままだと何時までも入学式が始まりませんわ、貴方は一番後ろ端にお座りになればよろしいかと思いますわ」
何故か機嫌がいいフェルちゃんがそう言うと大人しく一番後ろ端に向う小太りクン。何で機嫌がいいんだろうと不思議だった僕は、入学式が終わって教室に向う途中で目で聞いてみたら、
「だってトーヤ様の婚約者だって皆に分かるように言える機会が出来ましたから……」
少し恥ずかしそうにそう言うフェルちゃんは本当に可愛いかったよ。
「エヘヘ~、それじゃ、お姉ちゃんは行ってくるねぇ」
にこやかにそう言いながら一人でリラは学園に向かった。一人で大丈夫かな? でも、リラは頭もいいし可愛いから大丈夫だと信じよう。
「トーヤ様、リラちゃんは大丈夫でしょうか?」
リラの心配をしているフェルちゃんに僕は安心するように笑顔でコクコクと頷いた。
「そうですね! リラちゃんなら大丈夫ですよね!」
そう、ちなみにリラは僕達三人の中では一番強いんだ。同級生どころか学園の最上級生でも勝てる人はまず居ないって、トウシローからもお墨付きを貰ってるからね。きっと大丈夫だよ。
僕とフェルちゃんは二人とも次は自分たちの通う学校に着くから緊張してきてしまった。
「な、何か緊張しますね、トーヤ様」
自分自身も緊張していたけど僕はフェルちゃんを守らないといけない。だからニッコリ笑顔でそして目線で僕がいるよと伝えたんだ。フェルちゃんは僕の顔を見て、
「トーヤ様、なんと神々しい笑顔ですか……」
とウットリしていたかと思うと、
「ハッ! リラちゃんに言われた通り最初が肝心ですね。ちゃんと学校の皆様には私がトーヤ様の婚約者だと告げなくては! 気合が入りましたわ!」
と急に気合が入った顔をしている。どちらの顔も本当に可愛いなぁと思いながら、僕もフェルちゃんに変な虫が近寄らない様に注意しなくちゃと気合を入れた。
リラの入る冒険者養成学園も僕とフェルちゃんが入るツージ調理専門学校も、庶民の学び舎ではあるけれども全く貴族が通ってないかと言えばそうでもないらしいんだ。主にだけど下級貴族(子・男・騎)の三男や三女以降の子息女や、偶に上級貴族(公・侯・伯)の子息女も通ってたりするらしい。まあ上級貴族は殆ど居ないらしいけどね。でも下級貴族の子息女で、三男以降の子息はいずれ成人した時に職につかなくてはならないから、冒険者養成学園に通う人が多いそうだよ。
庶民の学び舎だから貴族っていうだけで偉そうにする人が多いみたいだけどね…… ああ、そう考えるとリラが心配だなぁ。
ツージ調理専門学校に来るのは三女以降の息女が多いらしい。ソレは【意中の殿方の胃袋を捕まえる為!!】らしいんだけど、やっぱり貴族っていうだけで偉そうにしてる人が多いそうだよ。
幸いにして僕もフェルちゃんも公・侯家の者だから、絡まれても立場的に何とか出来ると思うんだ。僕はそんな事を思いながら学校に着くまでフェルちゃんの独り言を聞いていた。
「そうですわね…… 下級貴族の息女も今年は多く入学してくるとセバスさんが仰ってましたわ…… その者たちがトーヤ様に近づかない様に、いち早く牽制しなければなりませんわ! 悪い虫がトーヤ様に近付くなんて許されませんもの!」
フェルちゃん、忘れてるかも知れないけど僕は忌み子認定される黒目黒髪なんだから貴族の息女は僕に見向きもしないと思うよ。
フェルちゃんは僕には聞こえてないと思って独り言を言ってるんだろうけど、こんな狭い空間の中だと良く聞こえるんだよ。でも僕はフェルちゃんが僕を思ってそう言ってくれてるのは本当に嬉しいんだけどね。
馬車が学校に着いたみたいだ。扉が開いてセバスが僕達に言った。
「さあ、お二人とも。今日からここがお二人の学び舎でございます。今日は入学式のあとにクラス分けが発表されまして、明日からの予定などの連絡があると思われます。午前中には終わるので、私どもはコチラの馬車亭でお待ちしておりますので、終わりましたら馬車亭まで来て頂けますか」
ぼくとフェルちゃんはその言葉にコクリと頷いて、馬車から降りて新入生らしい人たちが歩いて行く先についていく。暫く進むと大きな建物が見えた。パンフレットにあった大講堂という建物だろう。その入り口で先生と思われる人が大きな声で新入生に向かって喋っていた。
「ハーイ! 新入生の皆さんはコチラの入口から入って、前から順番に座って下さいねー。席は必ず順番に座るようにお願いしますねー! 皆もう8歳なんだから、先生の言うことが分かりますよねー!」
どうやら入った順に席に座ればいいらしい。僕とフェルちゃんは手を繋いで一緒に大講堂の中に入った。ざっと見て前にある席は100席ぐらいかな?
皆がちゃんと順番に座っている。僕達も流れに逆らわずに、隣同士で順番に座った。前から2列目に座っていると大きな声が響いた。
「オイっ! 俺はナタリウム男爵家の4男だっ、その席が気にいったからお前は退けっ!!」
ハァ~、まるでザラスのような物言いを久しぶりに聞いた僕はその声の方を見てみたんだ。すると少し小太りの男の子がフェルちゃんの真後ろの席の子に退けって言ってるのが分かったんだ。その小太りクンがどうやらナタリウム男爵家の4男らしいけど、後ろを振り向いた僕と目があった小太りクンは、
「いや、やっぱりお前はいい。オイ、そこの奴、お前だっ! お前が俺と席を変われ!」
って僕に言ってきたんだ。ちょうど僕と一緒に後ろを振り向いたフェルちゃんの顔が見えたからだろうね。けれども僕は静かに首を横に振って小太りクンの言うことを拒否したよ。
「なっ!? お前は俺がナタリウム男爵家の者だと知っても拒否するつもりか!? たかが庶民風情のクセにっ!!」
うん、僕は一応庶民じゃないんだよ、小太りクン。なんなら家は君のところより爵位は上になるよ。いつハブられるか分からないとはいえね……
今日は皆に威圧感を与えないように、そこまで貴族って分かる服装はしてこなかったから小太りクンには分からないんだろうな。
僕がそう思っていたら先生の一人がやって来て小太りクンに言った。
「何を騒いでいるのかな? 君はカルイ・ナタリウム君だね。席は貴族だろうと関係なく順番に前から詰めて座るようにと言われた筈だよ。早く座りなさい」
「フンッ、そんな庶民のルールに俺が従ういわれはないな! オイ、お前! 早く席を変われっ!」
まだ言ってる小太りクンに先生が爆弾を落とした。
「カルイ君、君が席を変われと言ってるのは、コチラのログセルガー公爵家のトーヤ君に対してかな? 正式に公爵家から君の家に抗議が行っても私は知らないよ」
ソレを聞いた小太りクンが、ワナワナと震えた。僕に向かって嫌そうに謝罪した後に今度はあろう事かフェルちゃんに言ったんだ。
「な、そ、それは知らなかったから…… 申し訳ありませんでした…… ならばその横の女! そうだお前だ! 庶民のお前に俺の横に座る権利をやろう! 有難く思えっ!!」
けれどもソレを聞いたフェルちゃんが鼻で笑って小太りクンに言った。
「フフフ、申し訳ございませんが、お断りさせて頂きますわ。私はテルマイヤー侯爵家の四女で、コチラのトーヤ様の婚約者ですの。アナタの隣に座る栄誉は私には必要がありませんわ」
ソレを聞いた小太りクンは顔面を蒼白にして、謝罪する。
「も、申し訳ありませんでした……」
「フフフ、よろしくてよ。それよりも立ったままだと何時までも入学式が始まりませんわ、貴方は一番後ろ端にお座りになればよろしいかと思いますわ」
何故か機嫌がいいフェルちゃんがそう言うと大人しく一番後ろ端に向う小太りクン。何で機嫌がいいんだろうと不思議だった僕は、入学式が終わって教室に向う途中で目で聞いてみたら、
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少し恥ずかしそうにそう言うフェルちゃんは本当に可愛いかったよ。
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