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転機
030話 離縁のオマケ
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そこからは王太子殿下の独断場だったよ。先ずは馬鹿2人の不敬な言葉を鋭く追求していったんだ。
「さてと…… 先程から聞いていたらどうも2人は王家に対して言いたい事が多いようだね。いつも俺と対面した時には王家の事を褒めてくれていたけど? どういう事なのかな? それと父が声明を出して黒目黒髪は忌み子ではないと我が国では各貴族家に周知徹底をした筈だけど、2人には通じてなかったのかな? それから父がトーヤ殿の子爵位を決定しその後ろ盾につくというのに、公爵はトーヤ殿の領地を寄越せといいその嫡男は爵位そのものが不当だと言う…… 随分と王家も馬鹿にされたものだね」
王太子殿下がそこまで語ってから2人に鋭い眼差しを向けた。なんなら殺気も飛ばしてるみたいだね。
そこで血縁上の父が僕に言った。
「ハ、ハハハ、イヤだな~王太子殿下。コレは親子でよくやっていたジョークの飛ばし合いですよ。なっ、そうだよな、トーヤ?」
父からの合わせろという目線を無視して僕は王太子殿下に分かるようにハッキリと首を横に振った。
「どうやらトーヤ殿は違うという認識のようだが?」
「ハハハ、いやー、久しぶりに会うから忘れてしまっているだけですよ、なあトーヤ。父とお前は良くジョークの飛ばし合いをしてたんだよ、思い出してくれ!」
必死の言い訳まで馬鹿だから僕は呆れてしまって、首を横に振るしかない。
「それはおかしいな、王家の影の報告ではトーヤ殿が産まれた時には顔を出したが、以降はガルン、ラメル夫婦に養育を任せ切りで一度もトーヤ殿とは面会してない筈だが?」
王太子殿下の言葉にグッと呻いて言葉に詰まる公爵。もう父とは言いたくないからね。そこにフォローのつもりか公爵家ご嫡男が口を挟んだんだ。
「いえいえ、そんな事はありませんよ。王太子殿下。私たちは定期的にトーヤの顔を見に行っておりましたとも……」
しかし、意外な所からその嘘は暴かれてしまう。
「アラ、貴方が定期的にお会いになるのは、高級娼館のご令嬢方だけでしょう? 貴方がトーヤさんをいつもどう言っていたかここでお披露目しましょうか?」
ギョッとした顔で自分の妻を見る公爵家ご嫡男は、妻に対して罵声を浴びせ詰め寄ろうとしている。
「だ、黙れ! このアバズレめっ!! 誰のお陰で貴様の実家が潰れずに済んだと思っているんだ! それなのに、変な神誓約を誓わせて結婚したのに体を許さないお前になんかもう用は無い! この場所で、王太子殿下に立会っていただいてる今こそ言うが、もう離縁だっ!! 実家の借金の返済も今すぐ全額返せ! 勝手に落ちぶれていくがいいっ!!」
掴みかかる寸前に僕の目配せによってトウシローが間に入って公爵家ご嫡男を止めた。けど、言葉は最後まで言い切ったようだ。
「ほう? 私が立会で良かったと…… ターメリ殿はいかがかな? 異議があれば聞くが」
「恐れ多くも王太子殿下に申し上げます。私の実家である伯爵家の借金についてですが、既に全額、利息をつけて返済が終わっております。元々、何故家が借金をしなければならなかったのかを知る為に結んだ婚姻でございます。離縁だと言うのならば私としても願ってもない事でございます」
ターメリさんの言葉に更にギョッとする公爵親子。
「ウ、ウソを吐くな! この女狐めっ! あの額の借金をお前の実家が返済出来る訳がなかろうっ!」
「そうだ! ウソはいかんぞ、ターメリ。利息を含めて白金貨10枚(1億円)を支払う能力は無かった筈だ! 私はそれをちゃんと調べて、ハッ……」
墓穴をドンドン掘るなぁ…… ホントにこの人と血の繋がりがあるの…… 落ち込むなぁ。
「クスッ、続きを仰ってもよろしいのですよ、マイヤー様。でも後ほど私から資料を王家に提出させて頂きますわ、王太子殿下。それと、利息を含めて白金貨10枚は確かに公爵家におさめておりますので、あとで帳簿をご確認下さいね。返済できたのは貴方がた親子が忌み子として嫌っていたトーヤさんのお陰です、とだけお教えしておきますわ」
いやー、照れるなぁ。義姉さん、ここで暴露しちゃうなんて。ってニヤニヤがどうも表情に出ていたみたいだ。フェルちゃん冷気が飛んできてる!
僕は慌てて顔を引き締めたよ。
ターメリさんの実家のスパイス伯爵家は香辛料の輸入業を事業として展開していたけど、ログセルガー公爵家の策略にハマって借金を作ってしまったんだ。その借金の返済を待つ代わりにターメリさんとの結婚を強要したんだけど、才女はちゃんと嫡男が名実ともに当主となるまで体の関係は持たないって神の誓約を結婚前に結んだんだよ。
僕がそれを知ったのはスパイスを買いに行った時なんだ。それで何とかできないかってターメリさんのお父さん、つまりスパイス伯爵に頼まれて先ずは向こうが非合法ならコッチは合法で行きましょうって言って、いくつかのスパイスを仕入れて貰ってクレマイン先生の力も借りてある料理を作ったんだ。
そして、それをスパイス伯爵家の特許にしたんだよ。
その料理は今では爆発的な人気を得ていてね。アレンジレシピもスパイス伯爵家から出して更にウハウハ状態なんだよ。
そう、皆さんお気づきの通りカレーだよ。地球でも色々とあった、本格インドカレーだけじゃなくスリランカカレー、欧州カレー、そして日本の家庭カレーと大きく分けても4種類あるし、それぞれのアレンジレシピを数えあげると100じゃきかないからね。
勿論、僕にも多少のロイヤリティは支払われてるけれども、僕的にはターメリさんが犠牲になるなんて許されないと思ったから動いただけだからね。それにしても、スパイス伯爵に聞いてた通り、とてもキレイな方だね。ターメリさんは。お顔を見るのは今日が初めてだからね。思わず心の中でガッツポーズしたのは内緒だよ。
同い年じゃない歳上のキレイなお義姉《ねえ》さんが欲しいって思ってたけど、実現しちゃったね。でも何でだろう…… フェルちゃんからの冷気と、リラから熱気が飛んできてるのは…… ハッ、また顔に出てたのだろうか!! 熱寒いから僕は慌てて表情を引き締めたよ。
「フム、それではまとめようか? ログセルガー公爵家はあくまで王家の決定に異議を申すと、テルマー殿とターメリ殿は離縁するとそれで間違いないか?」
王太子殿下の言葉に公爵家親子は平伏していた。
「いえ、わた、私どもは王家の決定に異議など申しません。それと離縁については了承いたします」
「異議は無いと…… 離縁についてだが了承というのは言葉がおかしいな、公爵。了承するのはターメリ殿だ。そちらが離縁を言い出したのだからな。それと、スパイス伯爵家については後日王家から話しがあるので日取りが決まったら知らせるとお父上に伝えて貰えるかな、ターメリ殿」
「はい、殿下。確かに父に伝えます」
「では、これでトーヤ殿は子爵家となる。ガルン殿は名誉爵位ではあるが伯爵家となる。ここにそれが決定した事を神に誓おう!」
そう言うと宰相閣下から神誓約書を受け取り、先ずは王太子殿下がサインした。次に公爵、次にガルン、最後に僕がサインをする。
内容は…… まあ期間だけ言うと無期限の神罰が降るとだけ言っておくよ。
親子2人がちゃんと読んでたらいいけどね。いや、逆に読んでない方が面白いかな?
こうして、僕はトーヤ・ハイナイト子爵になったんだよ。
「さてと…… 先程から聞いていたらどうも2人は王家に対して言いたい事が多いようだね。いつも俺と対面した時には王家の事を褒めてくれていたけど? どういう事なのかな? それと父が声明を出して黒目黒髪は忌み子ではないと我が国では各貴族家に周知徹底をした筈だけど、2人には通じてなかったのかな? それから父がトーヤ殿の子爵位を決定しその後ろ盾につくというのに、公爵はトーヤ殿の領地を寄越せといいその嫡男は爵位そのものが不当だと言う…… 随分と王家も馬鹿にされたものだね」
王太子殿下がそこまで語ってから2人に鋭い眼差しを向けた。なんなら殺気も飛ばしてるみたいだね。
そこで血縁上の父が僕に言った。
「ハ、ハハハ、イヤだな~王太子殿下。コレは親子でよくやっていたジョークの飛ばし合いですよ。なっ、そうだよな、トーヤ?」
父からの合わせろという目線を無視して僕は王太子殿下に分かるようにハッキリと首を横に振った。
「どうやらトーヤ殿は違うという認識のようだが?」
「ハハハ、いやー、久しぶりに会うから忘れてしまっているだけですよ、なあトーヤ。父とお前は良くジョークの飛ばし合いをしてたんだよ、思い出してくれ!」
必死の言い訳まで馬鹿だから僕は呆れてしまって、首を横に振るしかない。
「それはおかしいな、王家の影の報告ではトーヤ殿が産まれた時には顔を出したが、以降はガルン、ラメル夫婦に養育を任せ切りで一度もトーヤ殿とは面会してない筈だが?」
王太子殿下の言葉にグッと呻いて言葉に詰まる公爵。もう父とは言いたくないからね。そこにフォローのつもりか公爵家ご嫡男が口を挟んだんだ。
「いえいえ、そんな事はありませんよ。王太子殿下。私たちは定期的にトーヤの顔を見に行っておりましたとも……」
しかし、意外な所からその嘘は暴かれてしまう。
「アラ、貴方が定期的にお会いになるのは、高級娼館のご令嬢方だけでしょう? 貴方がトーヤさんをいつもどう言っていたかここでお披露目しましょうか?」
ギョッとした顔で自分の妻を見る公爵家ご嫡男は、妻に対して罵声を浴びせ詰め寄ろうとしている。
「だ、黙れ! このアバズレめっ!! 誰のお陰で貴様の実家が潰れずに済んだと思っているんだ! それなのに、変な神誓約を誓わせて結婚したのに体を許さないお前になんかもう用は無い! この場所で、王太子殿下に立会っていただいてる今こそ言うが、もう離縁だっ!! 実家の借金の返済も今すぐ全額返せ! 勝手に落ちぶれていくがいいっ!!」
掴みかかる寸前に僕の目配せによってトウシローが間に入って公爵家ご嫡男を止めた。けど、言葉は最後まで言い切ったようだ。
「ほう? 私が立会で良かったと…… ターメリ殿はいかがかな? 異議があれば聞くが」
「恐れ多くも王太子殿下に申し上げます。私の実家である伯爵家の借金についてですが、既に全額、利息をつけて返済が終わっております。元々、何故家が借金をしなければならなかったのかを知る為に結んだ婚姻でございます。離縁だと言うのならば私としても願ってもない事でございます」
ターメリさんの言葉に更にギョッとする公爵親子。
「ウ、ウソを吐くな! この女狐めっ! あの額の借金をお前の実家が返済出来る訳がなかろうっ!」
「そうだ! ウソはいかんぞ、ターメリ。利息を含めて白金貨10枚(1億円)を支払う能力は無かった筈だ! 私はそれをちゃんと調べて、ハッ……」
墓穴をドンドン掘るなぁ…… ホントにこの人と血の繋がりがあるの…… 落ち込むなぁ。
「クスッ、続きを仰ってもよろしいのですよ、マイヤー様。でも後ほど私から資料を王家に提出させて頂きますわ、王太子殿下。それと、利息を含めて白金貨10枚は確かに公爵家におさめておりますので、あとで帳簿をご確認下さいね。返済できたのは貴方がた親子が忌み子として嫌っていたトーヤさんのお陰です、とだけお教えしておきますわ」
いやー、照れるなぁ。義姉さん、ここで暴露しちゃうなんて。ってニヤニヤがどうも表情に出ていたみたいだ。フェルちゃん冷気が飛んできてる!
僕は慌てて顔を引き締めたよ。
ターメリさんの実家のスパイス伯爵家は香辛料の輸入業を事業として展開していたけど、ログセルガー公爵家の策略にハマって借金を作ってしまったんだ。その借金の返済を待つ代わりにターメリさんとの結婚を強要したんだけど、才女はちゃんと嫡男が名実ともに当主となるまで体の関係は持たないって神の誓約を結婚前に結んだんだよ。
僕がそれを知ったのはスパイスを買いに行った時なんだ。それで何とかできないかってターメリさんのお父さん、つまりスパイス伯爵に頼まれて先ずは向こうが非合法ならコッチは合法で行きましょうって言って、いくつかのスパイスを仕入れて貰ってクレマイン先生の力も借りてある料理を作ったんだ。
そして、それをスパイス伯爵家の特許にしたんだよ。
その料理は今では爆発的な人気を得ていてね。アレンジレシピもスパイス伯爵家から出して更にウハウハ状態なんだよ。
そう、皆さんお気づきの通りカレーだよ。地球でも色々とあった、本格インドカレーだけじゃなくスリランカカレー、欧州カレー、そして日本の家庭カレーと大きく分けても4種類あるし、それぞれのアレンジレシピを数えあげると100じゃきかないからね。
勿論、僕にも多少のロイヤリティは支払われてるけれども、僕的にはターメリさんが犠牲になるなんて許されないと思ったから動いただけだからね。それにしても、スパイス伯爵に聞いてた通り、とてもキレイな方だね。ターメリさんは。お顔を見るのは今日が初めてだからね。思わず心の中でガッツポーズしたのは内緒だよ。
同い年じゃない歳上のキレイなお義姉《ねえ》さんが欲しいって思ってたけど、実現しちゃったね。でも何でだろう…… フェルちゃんからの冷気と、リラから熱気が飛んできてるのは…… ハッ、また顔に出てたのだろうか!! 熱寒いから僕は慌てて表情を引き締めたよ。
「フム、それではまとめようか? ログセルガー公爵家はあくまで王家の決定に異議を申すと、テルマー殿とターメリ殿は離縁するとそれで間違いないか?」
王太子殿下の言葉に公爵家親子は平伏していた。
「いえ、わた、私どもは王家の決定に異議など申しません。それと離縁については了承いたします」
「異議は無いと…… 離縁についてだが了承というのは言葉がおかしいな、公爵。了承するのはターメリ殿だ。そちらが離縁を言い出したのだからな。それと、スパイス伯爵家については後日王家から話しがあるので日取りが決まったら知らせるとお父上に伝えて貰えるかな、ターメリ殿」
「はい、殿下。確かに父に伝えます」
「では、これでトーヤ殿は子爵家となる。ガルン殿は名誉爵位ではあるが伯爵家となる。ここにそれが決定した事を神に誓おう!」
そう言うと宰相閣下から神誓約書を受け取り、先ずは王太子殿下がサインした。次に公爵、次にガルン、最後に僕がサインをする。
内容は…… まあ期間だけ言うと無期限の神罰が降るとだけ言っておくよ。
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