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共に永久に
075話 将軍からの手紙
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ハール様のお屋敷訪問から3日後の事。僕とフェル、ラウールさんとサハーラさんは王宮に呼び出されたんだ。3日後に出向くようにとの事だったよ。
その際にそれぞれ家来にしたヤパンの者を連れて来るようにとも書かれていたから、僕はトウリたちをラウールさんは屋敷にいた草だった3人を連れて行くんだけど、どうせなら一緒に行こうってラウールさんたちを王宮に行く1日前にうちの屋敷に招待したんだよ。
この間トウリから買った器とかをどうしたのかも聞きたかったしね。それにウチの領地とラウールさんの領地はもう切っても切れない関係になっているからね。良好な関係を続けていく為にもこうしたお誘いは必要だと僕は思っているんだ。
「トーヤくん、今日はお招き有難う。この間ロッテンマイヤー公爵様のお屋敷で食べた料理は本当に美味しかったよ。それに、公爵様から私達夫婦にと揃いの湯呑みや食器なんかもいただいたのも嬉しかったなぁ。サハーラと2人で食器に見入りながら食事を楽しむ毎日だよ」
ラウールさんはウチに来るなりそう言ってニコニコしている。そうそう、ハール様はあの時トウリから購入した高級品の中から2組揃いの物をラウールさんと僕に譲ってくれたんだ。それとガルン伯爵にもって2組ずつ貰ったんだけど、ガルン、ラメル夫婦とリラ、シンくんにって。4人はとても驚いていたけど、でもハール様の心遣いが嬉しいって言ってたよ。
こういう所がハール様が慕われる所以なんだろうなあって思ったよ。
僕はコクコク頷いてラウールさんに同意したんだ。そして、今日の晩餐はTHE和食なんだよ。センジとオリョウの協力を得てうちの料理人たちがその腕を存分に揮ってくれるんだ。僕も久しぶりだからとても楽しみなんだ。食材についてはウチの領地で栽培している農作物と、ナニワサカイ国から仕入れた魚がメインだよ。
いずれ領地の方の温泉旅館でも作って貰うつもりだけど、先ずはサーベル王国の人たちの口に合うかどうかだよね。
ラウールさんには内緒で提供してみて、好評価なら領地の料理人さんたちにも覚えて貰おうって思ってるんだ。好き嫌いはあるだろうし生魚を食べる風習がないから刺し身なんかはどうしようかと思ったけど、取り敢えず出してみる事にしたんだ。
ラウールさんの連れてきた草だった3人は、ダイジとその息子のショウジ、そしてショウジの妻のオミネという名前で、ダイジは変装を解いたから今は銀髪じゃなく黒髪になってるよ。
ナニワサカイ国もそうだけど、ヤパンの人は黒髪の人が殆どで、黒目の人も多いそうだよ。だから、トウリたちやダイジたちも僕を見ても違和感なく相対出来たんだって。
やっぱりヤパンは前世の日本に近い国で間違いないみたいだね。いや、ひょっとしたらだけど日本がヤパンに似てるのかもね。
ラウールさんやサハーラさんにもその日の晩餐は好評価だったよ。刺し身についてもダイジの説明で最初の一口は恐る恐るだったけど、その後は美味しいとパクパク食べていたんだ。箸についてはナニワサカイ国で見ていたし、ラウールさんもサハーラさんも便利だと思ったのか、かなり練習して使い慣れていたよ。もちろん、僕やフェルは当たり前に使っているし、ウチの使用人たちもみわなが箸を使える様になってるんだ。
それから勿論だけど、今日の料理はダイジたちもとても喜んでくれたんだ。特にダイジは泣きながら食べてたよ。長年この国で過ごしていたし、本当に久しぶりに食べた故郷の料理に感動したみたいだ。
僕はラウールさんにこう伝えたんだ。
【この料理を領地で提供するつもりなんですが、ラウールさんの領地でも出しませんか? ただ同じ料理を出すんじゃなくて互いの領地の特産品を使ったオリジナル料理を考えて特色を出せば競合する事も無いと思うんです。どうですか?】
「おおっ! それはいいね。緑茶にも合うしこの間購入した器にも合うこの料理なら旅人たちにも好評だろうし。うちの領地は根菜類が特産品だからそれを使用した料理をメインにすれば良いんだね。ダイジ、ショウジ、オミネ、協力してくれるかい?」
その言葉に3人は私たちの知る料理でよろしければと答えていたよ。
「トーヤくん、いつもアイデアを貰ってばかりで悪いね。でも有難う」
ラウールさんはそう言うけど、実は僕はラウールさんからアイデアを密かに貰っているから気にしないで下さいと紙に書いて伝えたよ。
そうしてその日はラウールさんたちと楽しく過ごして翌日、馬車2台で王宮に向かったんだ。
王宮に着いた僕たちは謁見の間に通されたんだけど、そこにはナニワサカイ国のルソン陛下とアカネ様も来られてたんだよ。ハール様も居る。
何かあったんだろうか? 僕たちは緊張してケレス陛下のお言葉を待ったんだ。
「急に呼び出して済まないな、ハイナイト伯爵、グレイハウ伯爵。実は2人に連れてきて貰った家臣たちに関係ある事でな。ヤパンの将軍から親書がナニワサカイ国と我が国に届いたのだ。それで、その真意を知りたいと思ってな、2人にヤパン国の者を連れてきて貰ったのだ」
大事だね。将軍様と聞くと前世の時を思い出して、ついつい暴れ○坊将軍様を思い出してしまうけど。そう言えば、今のヤパンの将軍って何代目なんだろう?
そう思っていたらケレス陛下が手紙の大まかな内容を話はじめたんだ。
「先ずは時候の挨拶から始まり、次に戦の意思は全く無いという事。それから、イーヨ県の大名、ダウテ家について将軍家で必ず対処するから手を出さずに静観して欲しいという事などが八代目征夷大将軍トクセン・キッシュウ殿から届いたのだ。ナニワサカイ国に届いたのも同様の内容だった。コレについてヤパンの者に尋ねたい。この場では直答を許可するので、問われた者は答えてくれ」
ト、トクセン・キッシュウって…… もしも漢字で書いたらまんま徳川吉宗だよね、多分……
この世界にも暴○ん坊将軍様がいらっしゃったよ。いや、前世の方とはもちろんだけど違うだろうけどね。
僕がそんな風に考えていたら、トウリがケレス陛下に問いかけられたよ。
「そちらのハイナイト伯爵の家来となったトウリであったか? トクセン殿とは今までも親書のやり取りはあったのだが、実際に国に住んでいた者に聞きたい。トクセン殿はどのような為政者なんだ?」
問われたトウリの答えは……
その際にそれぞれ家来にしたヤパンの者を連れて来るようにとも書かれていたから、僕はトウリたちをラウールさんは屋敷にいた草だった3人を連れて行くんだけど、どうせなら一緒に行こうってラウールさんたちを王宮に行く1日前にうちの屋敷に招待したんだよ。
この間トウリから買った器とかをどうしたのかも聞きたかったしね。それにウチの領地とラウールさんの領地はもう切っても切れない関係になっているからね。良好な関係を続けていく為にもこうしたお誘いは必要だと僕は思っているんだ。
「トーヤくん、今日はお招き有難う。この間ロッテンマイヤー公爵様のお屋敷で食べた料理は本当に美味しかったよ。それに、公爵様から私達夫婦にと揃いの湯呑みや食器なんかもいただいたのも嬉しかったなぁ。サハーラと2人で食器に見入りながら食事を楽しむ毎日だよ」
ラウールさんはウチに来るなりそう言ってニコニコしている。そうそう、ハール様はあの時トウリから購入した高級品の中から2組揃いの物をラウールさんと僕に譲ってくれたんだ。それとガルン伯爵にもって2組ずつ貰ったんだけど、ガルン、ラメル夫婦とリラ、シンくんにって。4人はとても驚いていたけど、でもハール様の心遣いが嬉しいって言ってたよ。
こういう所がハール様が慕われる所以なんだろうなあって思ったよ。
僕はコクコク頷いてラウールさんに同意したんだ。そして、今日の晩餐はTHE和食なんだよ。センジとオリョウの協力を得てうちの料理人たちがその腕を存分に揮ってくれるんだ。僕も久しぶりだからとても楽しみなんだ。食材についてはウチの領地で栽培している農作物と、ナニワサカイ国から仕入れた魚がメインだよ。
いずれ領地の方の温泉旅館でも作って貰うつもりだけど、先ずはサーベル王国の人たちの口に合うかどうかだよね。
ラウールさんには内緒で提供してみて、好評価なら領地の料理人さんたちにも覚えて貰おうって思ってるんだ。好き嫌いはあるだろうし生魚を食べる風習がないから刺し身なんかはどうしようかと思ったけど、取り敢えず出してみる事にしたんだ。
ラウールさんの連れてきた草だった3人は、ダイジとその息子のショウジ、そしてショウジの妻のオミネという名前で、ダイジは変装を解いたから今は銀髪じゃなく黒髪になってるよ。
ナニワサカイ国もそうだけど、ヤパンの人は黒髪の人が殆どで、黒目の人も多いそうだよ。だから、トウリたちやダイジたちも僕を見ても違和感なく相対出来たんだって。
やっぱりヤパンは前世の日本に近い国で間違いないみたいだね。いや、ひょっとしたらだけど日本がヤパンに似てるのかもね。
ラウールさんやサハーラさんにもその日の晩餐は好評価だったよ。刺し身についてもダイジの説明で最初の一口は恐る恐るだったけど、その後は美味しいとパクパク食べていたんだ。箸についてはナニワサカイ国で見ていたし、ラウールさんもサハーラさんも便利だと思ったのか、かなり練習して使い慣れていたよ。もちろん、僕やフェルは当たり前に使っているし、ウチの使用人たちもみわなが箸を使える様になってるんだ。
それから勿論だけど、今日の料理はダイジたちもとても喜んでくれたんだ。特にダイジは泣きながら食べてたよ。長年この国で過ごしていたし、本当に久しぶりに食べた故郷の料理に感動したみたいだ。
僕はラウールさんにこう伝えたんだ。
【この料理を領地で提供するつもりなんですが、ラウールさんの領地でも出しませんか? ただ同じ料理を出すんじゃなくて互いの領地の特産品を使ったオリジナル料理を考えて特色を出せば競合する事も無いと思うんです。どうですか?】
「おおっ! それはいいね。緑茶にも合うしこの間購入した器にも合うこの料理なら旅人たちにも好評だろうし。うちの領地は根菜類が特産品だからそれを使用した料理をメインにすれば良いんだね。ダイジ、ショウジ、オミネ、協力してくれるかい?」
その言葉に3人は私たちの知る料理でよろしければと答えていたよ。
「トーヤくん、いつもアイデアを貰ってばかりで悪いね。でも有難う」
ラウールさんはそう言うけど、実は僕はラウールさんからアイデアを密かに貰っているから気にしないで下さいと紙に書いて伝えたよ。
そうしてその日はラウールさんたちと楽しく過ごして翌日、馬車2台で王宮に向かったんだ。
王宮に着いた僕たちは謁見の間に通されたんだけど、そこにはナニワサカイ国のルソン陛下とアカネ様も来られてたんだよ。ハール様も居る。
何かあったんだろうか? 僕たちは緊張してケレス陛下のお言葉を待ったんだ。
「急に呼び出して済まないな、ハイナイト伯爵、グレイハウ伯爵。実は2人に連れてきて貰った家臣たちに関係ある事でな。ヤパンの将軍から親書がナニワサカイ国と我が国に届いたのだ。それで、その真意を知りたいと思ってな、2人にヤパン国の者を連れてきて貰ったのだ」
大事だね。将軍様と聞くと前世の時を思い出して、ついつい暴れ○坊将軍様を思い出してしまうけど。そう言えば、今のヤパンの将軍って何代目なんだろう?
そう思っていたらケレス陛下が手紙の大まかな内容を話はじめたんだ。
「先ずは時候の挨拶から始まり、次に戦の意思は全く無いという事。それから、イーヨ県の大名、ダウテ家について将軍家で必ず対処するから手を出さずに静観して欲しいという事などが八代目征夷大将軍トクセン・キッシュウ殿から届いたのだ。ナニワサカイ国に届いたのも同様の内容だった。コレについてヤパンの者に尋ねたい。この場では直答を許可するので、問われた者は答えてくれ」
ト、トクセン・キッシュウって…… もしも漢字で書いたらまんま徳川吉宗だよね、多分……
この世界にも暴○ん坊将軍様がいらっしゃったよ。いや、前世の方とはもちろんだけど違うだろうけどね。
僕がそんな風に考えていたら、トウリがケレス陛下に問いかけられたよ。
「そちらのハイナイト伯爵の家来となったトウリであったか? トクセン殿とは今までも親書のやり取りはあったのだが、実際に国に住んでいた者に聞きたい。トクセン殿はどのような為政者なんだ?」
問われたトウリの答えは……
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