俺のスキルが無だった件

しょうわな人

文字の大きさ
9 / 92

恋人になった件

しおりを挟む
 宿に帰って部屋に入った俺は、風呂に入った。

 風呂から出て、おやつとして買った柔らかい干し肉を齧りながら、ステータスを確認する。

 名前:トウジ
 性別:男
 年齢:三十二
 職業:【無職】神級職
 レベル:5
 生命力:870 魔法力:520
 体力:340  魔力:240  器用:400  敏捷:320
 攻撃力:465(魔鋼小刀+80)
 防御力:340(上位蜥蜴《ハイリザード》の革鎧+70)
 スキル:【
 無音むおん:
  (味方)自身や対象者(物)が発するあらゆる音を消す グループを認識して使用可能
   (敵)相手を喋れなくして魔法詠唱を出来なくさせる 詠唱が必要なスキルも同様 また、音を聞こえなくする
 
 無回流むかいりゅうLv.7:
  刀を用いる剣術 
 
 無毒むどく:(New)
  (味方)自身や対象者(物)の毒を消す 消せない毒はない
   (敵)自身や対象者(物)から消した毒を無形箱に保管でき、その効力を変化できる 毒を敵の体内に送りこめる
 
 無臭むしゅう:
  (味方)自身や対象者(物)の匂いを消す
   (敵)どんなに嗅覚に優れた者でも、匂いを感じなくさせる
 
 無瑕むか:(New)
  自身や対象者(物)のきずを消せる 但し欠損は対象外になる

 無形箱むけいばこ:(New)
  形のない箱で、何でも入れる事が可能 但し三百メートルを越える物は入らない 内部は自動整理される
 
 無尽灯むじんとう:(New)
  起点を中心に半径五十センチメートル~十六メートルの範囲(選択可能)を照らす尽きない灯り

 
 スキルが増えた。しかも、治癒?スキルだ。
 消すから治癒とは違うかな?とも思うが、消すイコール治るだから、俺は治癒スキルだと思う。
 異論は認めよう。

 そして、効果が変わったスキルにも(New)の表示が出ている。しかし、Lvが上がっても(New)の表示は出ていない。その違いは何なのか······
 考えても分からないので、考えるのを止めた。

 時間がきたのでサヤちゃんと二人でエルさん宅に向かう。

 お邪魔するとエイダスも帰っていて、頭を下げられた。

「トウジ、今日はエルとサヤを助けてくれて有り難う。心から感謝する。エルは叱っておいたから、今度からエルが無茶を言ったらトウジも遠慮せずに叱ってくれ。そして、サヤ! お前は今から説教だっ!」

 そう言って、サヤちゃんを連れて部屋に入っていった。

 連れ去られるサヤちゃんが俺に『助けて』の眼差しを向けてきたが、あの後に考えて見ると毒への対策を考えずに向かったのは、レベルが高い者としては失敗だったと思い、サヤちゃんの為に心を鬼にして、無視をした。

 そこにエルさんがやって来た。

「トウジさん、ご免なさい。エイダスに言われるまで、どんなに危なかったか気付いてなかったわ。それに、トウジさんのレベル上げの為だったのに、自分達の為に暴走してしまって······」

 俺はエルさんに言った。
 
「まあまあ、エルさん。二人ともに無事だったんですし、次からは気を付ければ大丈夫ですよ」

 既にエイダスにかなり怒られてるだろうし、俺まで怒る事はないと思い、注意だけにした。

 けっして、俺が美人に強く言えない訳ではない。
 
「有り難う、トウジさん。うん、次は絶対にあんな行動はしないと誓うわ」

 エルさんはそう言って俺をリビングに案内してくれた。

「もう少し待ってね。サヤちゃんへのお説教ももうすぐ終わると思うから」
 
 そう言って隣のキッチンへ行くエルさん。

 俺は手伝うと申し出たが、そんな事をさせたら出てきたエイダスにまた叱られると言われたので、大人しく待つことにした。
 
 五分後、エイダスと一緒に泣きながらサヤちゃんが俺の所にきた。

「さあ、サヤ。ちゃんとトウジに謝れ」

 エイダスに促されてサヤちゃんが、

「ウェッ、ヒック、ヒック、ト、トウジさん、ごべんなさい。ぞじて、だすげでくれてあり、ウワーン! ありがとう、ごじゃいばしたーっ!ウワーン!」

 泣いてるサヤちゃんの頭を撫でながら、俺は優しく言った。

「サヤちゃん、大丈夫だよ。結果としては今回は無事だったんだし、次からはあんな行動をせずに色々な可能性を考えて行動すれば良いんだから。さあ、泣き止んで。今から美味しいご飯をいただくんだから、笑顔で食べよう」

 サヤちゃんは更に泣きじゃくっていたが、数分で落ち着いて、笑顔を見せるようになったから俺はホッとした。
 
 そんな俺にエイダスが言う。

「トウジよ、余り甘やかすなよ。今回はトウジが居たから助かっただけで、もしも二人だけだったら死んでいたんだから」

 俺はそんなエイダスに、

「まあ、俺のスキルを知らなかったとは言え、俺という対策をしていたって事で、今回は二人を許して上げてくれ」

 そう言って頭を下げた。

「いや、頭を上げてくれ! トウジ!俺はお前に感謝しているんだ! 頭なんか下げられたら困る!」

 慌てて言うエイダス。
 それで、今回の反省はもう終わりと言う事にして、エルさんの美味しい料理に皆が笑顔になりながら、楽しく食事をした。

 そして、宿に戻る俺とサヤちゃん。
 宿について、お互いに鍵を受け取り部屋に戻る俺に着いてくるサヤちゃん。
 俺は内心ドキドキしながら、サヤちゃんに言う。

「サヤちゃん、部屋はあっちだよね?」

「トウジさん、ちゃんと謝罪をしたいからトウジさんの部屋に入れて下さい」

 オジサン、オオカミになっちゃうよーっ! 何て思いは顔に出さずに、サヤちゃんに言う。

「いやいや、謝罪なんてしなくて良いよ。それに、サヤちゃんみたいな可愛いと二人っきりになったら、俺の理性が持たないよ」

 俺は冗談っぽくそう言ってサヤちゃんに笑いかけた。  
 そしたら、サヤちゃんが顔を赤くして、モジモジしながら言った。

「あ、あの、トウジさんは地球ではご結婚されてたんですか? もしもですけど、私が好きって言ったらご迷惑になりますか?」

 んなっ!? 何ですとーーっ! そんな事を聞かれたらオジサンは勘違いしちゃうぞ!

「いや~、サヤちゃん。恥ずかしながら、俺は結婚どころか、恋人も居なかったよ」

 俺の返事を聞いて、更に顔を赤くしながら嬉しそうになるサヤちゃん。

「あっ、あのですね。謝罪はしないので、お互いに能力を見せ合うのはダメですか?」

 おおう! そう言えば俺もサヤちゃんのステータスは気になるぞ!
 よし、ここは大人な俺が折れよう。

「分かったよ、サヤちゃん。俺の部屋で良いかい?」

「は、はい!」

 そして、二人で部屋に入った。
 サヤちゃんが先ずはオープンステータスで見ましょうと言うので了承した。

 名前:サヤ
 性別:女
 年齢:十八
 職業:刀師
 レベル:37
 生命力:1,275 魔法力:815
 体力:922  魔力:418  器用:360  敏捷:220
 攻撃力:685(ミスリ合金刀+385)
 防御力:540(飛竜《ワイバーン》の革鎧+240)
 スキル:
  柳花《りゅうか》流Lv.MAX
  中級魔法(風・土・闇)

 
 名前:トウジ
 性別:男
 年齢:三十二
 職業:無職
 レベル:5
 生命力:870 魔法力:520
 体力:340  魔力:240  器用:400  敏捷:320
 攻撃力:465(魔鋼小刀+55)
 防御力:340(上位蜥蜴《ハイリザード》の革鎧+60)
 スキル:無

 二人でオープンステータスを見比べていると、サヤちゃんが大きな美しい目を更に大きく見開いていた。
 俺はと言うと、レベル差の割に能力値の差が小さいなと思っていた。器用と敏捷に関しては俺の方が数値が高いし。単純に男女の違いだと思ってた。

 しかし、サヤちゃんの言葉でそうじゃない事を知った。

「ト、トウジさん! 何でレベル5でこんなに凄い数値ナンですか!? これは······」

 そう言って黙り込むサヤちゃん。不安になった俺はサヤちゃんに聞く。

「えっと、俺もレベルが上がる度に、上昇値が大きいなぁって思ってたけど、これが普通じゃないのか?」

 
「トウジさん、今のトウジさんは戦闘経験が少ないだけで、能力値だけで言うなら飛竜《ワイバーン》を狩れます。
飛竜《ワイバーン》の推奨レベルは三人パーティーで平均15以上。ソロだと25以上となってます。これだけで、特異な事が分かりますよね?」

 サヤちゃんは少し潤んだ瞳で俺を見ながらそう言って、ジリジリと俺に近付いてきた。

 俺は逆にジリジリと下がりながら聞く。


「えっと、サヤさん? 何でジリジリ近付いてきてるのかな?」

 そう聞いた俺にサヤちゃんは言う。

「あの、部屋に入る前にも言いましたが、好きです! 抱いて下さい!」

「いや、あの、サヤちゃん、落ち着いて!」

「無理です! こっちに来て四年! トウジさんは、やっと出会えた理想の男性です! それとも、私みたいな女じゃダメですか?」

「ダメじゃないですっ!」

 そこまで言われて、理性も崩壊した俺はサヤちゃんと目眩く官能の一夜を過ごした。

 最後に残っていた理性の欠片で、部屋に無音をかけた俺を誰か褒めてくれ!!
 

  
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

七億円当たったので異世界買ってみた!

コンビニ
ファンタジー
 三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。  ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。 「異世界を買ってみないか?」  そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。  でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。  一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。  異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。 チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

処理中です...