俺のスキルが無だった件

しょうわな人

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番外編始まる

第五話 追い出された件

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 兄上がやって来て以降だけど、誰も離れには来なくなりました。十一歳になった僕はコンクセアと一緒にずっとスキルの研鑽に励みました。もちろんですが、その間に一般的な常識や知識の蓄積も怠りませんでした。
 
 そんなある日の事でした。空から光珠が飛んできて僕の中に入ったんです。それを見たコンクセアが僕に言いました。

「ユウジ様。私の父からの贈り物が届いた様です。さて、何を贈ってくれたのか確認してみてください」

 僕はその言葉に? となりました。

「えっと、コンクセア。贈り物を確認するってどうやって?」

 そう聞いてみるとステータスを確認したら分かりますとコンクセアに言われたので、僕は素直に自分のステータスを確認する事にしました。


名前:ユウジ
 性別:男
 年齢:十一
 職業:【無職】神級職
 レベル:3
 生命力:240 魔法力:180
 体力:135  魔力:120  器用:115  敏捷:120
 攻撃力:102,450(魔斬刀+100,000)
 防御力:123,220(竜牙の鎧(強化版)+120,000)
 スキル:【
徒士侍かちざむらい(Lv.8)
 一歩ずつ前に進む事を決められた歩兵。刀、小太刀、槍、鎧通し、弓矢の武器に精通する。
 無手術にも秀でる。
  
歩流ふりゅう(Lv.8)
 徒士侍の使用する戦闘術。
 四歩前に出るとト金になる。

香車の心得【祝福により取得】
 目の前の敵に瞬時に迫る事が出来る

桂馬の心得【祝福により取得】
 敵の攻撃を敵の死角に向って躱す


祝福:《金精神・コクア》
【将棋の心得】【精力絶倫】【慈愛の手】

【金精神からのメッセージ】
 ユウジよ、我が子コンクセアと共に良く学び成長しておるようじゃ。我と我が妻からのささやかな贈り物じゃ。受け取るが良い。将棋の心得は歩以外の駒の利点がお主に与えられる。お主自身のレベルが上がれば心得は増えていくからの。では、さらばじゃ!!


 えーっと…… 色々な情報が僕の頭の中で錯綜してるのですが…… コンクセアって金精様の子供だったのっ!? それに祝福って何で僕に?

 僕が頭を抱えてうずくまるとコンクセアが不思議そうに聞いてきました。

「どうされました、ユウジ様?」

「どうされましたじゃなくて…… コンクセアって金精様の子供だったの?」

 本当なら丁寧語で話す必要があるのでしょうが、今まで普通に会話していたのでついいつも通りに聞いてしまいました。

「はい、そうですよ。父は金精神で母はコクアです」

 ニッコリ微笑んでそう回答してくれたコンクセアですが、僕はその事実を飲み込むのに一所懸命です……

「それで何で金精様が僕に祝福を?」

「ユウジ様が頑張っておられるからです」

 うん、笑顔でそう言われると何も言えなくなります…… でも僕はまだ十一歳です、金精様。【精力絶倫】は早すぎだと思います……

「さあ、ユウジ様。父からの贈り物もレベルを上げる事によって研鑽されていきますから、本日よりいよいよ本格的に魔物や魔獣を狩って行きましょう。まだ年齢的にギルド登録は出来ませんが、バーム商会で素材買取りをして貰えますからね」

 こうしてこの日から、僕の魔獣を狩ってバーム商会に売りに行く生活が始まりました。そんなある日の事でした。

「ユウジ様…… 今、本邸の執事からの知らせで…… メアリ様がお亡くなりになったそうです。馬鹿の命令でユウジ様は本邸に行く事も出来ません…… どうか気をしっかりとお持ちになって下さい……」

 コンクセアから告げられた母上の死…… 僕は茫然自失となりました。いつか自分が独り立ち出来る様になったら母上と一緒にこの家を出て行こうと思っていたのに……

 離れの自分の部屋で声を押し殺して泣いている僕のもとにコンクセアがやって来て封筒を一つ置いて出ていきました。僕はそれにも気づかずに泣いて、そしてそのまま寝てしまっていたようです。
 机の上に置かれた封筒に気がついてノロノロとその封筒を開けました。そこには母上の病の所為で弱々しく書かれた文字で、

【ユウジへ
 貴方には何の問題も無いのに母が体が弱かった所為で苦労をかけてしまいごめんなさい。でも貴方なら大丈夫だと母は思っています。貴方は優しく強い子です。この家の事は気にしなくても大丈夫。初代様であるカミシロトウジ様のように素敵な女性と出会う為に旅に出なさい。貴方こそがトウジ様の真の子孫なのですから。母はそう願っています。空から貴方の事をいつまでも見守ってますからね……】

 短い文章でそう綴られてました。それを読みまた泣きそうになった僕ですが、グッとこらえました。

「母上、僕は強く生きます。天から見守っていて下さい!!」

 心に誓った言葉を口に出して真の誓いとして、この日から僕は更に研鑽して行くことにしました。母上の死から半年たち十二歳になった僕は、それまでの研鑽によって大きく成長しました。 


名前:ユウジ
 性別:男
 年齢:十二
 職業:【無職】神級職
 レベル:12
 生命力:890 魔法力:780
 体力:518  魔力:493  器用:421  敏捷:607
 攻撃力:158,680(魔斬刀+100,000)
 防御力:186,380(竜牙の鎧(強化版)+120,000)
 スキル:【
徒士侍かちざむらい(Lv.max)
 一歩ずつ前に進む事を決められた歩兵。刀、小太刀、槍、鎧通し、弓矢の武器に精通する。
 無手術にも秀でる。ときの声により相手を威圧する。
  
歩流ふりゅう(Lv.max)
 徒士侍の使用する戦闘術。
 四歩前に出るとト金になる。

無回流むかいりゅう(Lv.4)
 ト金の使用する刀術。

【祝福】

香車の心得
 目の前の敵に瞬時に迫る事が出来る

桂馬の心得
 敵の攻撃を敵の死角に向って躱す

銀将の心得
 防御に徹して敵のすきをうかがう

飛車の心得
 縦横に動きその速さで敵を翻弄する


祝福:《金精神・コクア》
【将棋の心得】【精力絶倫】【慈愛の手】


 そうして遂にこの日がやって来ました。本邸からやって来た執事が父上からの手紙を読み上げます。

「……ユウジよ、お前は廃嫡となりカミシロ公爵家には居ないものとなった。よって本日中にこの屋敷の敷地内から出ていくのだ…… これが旦那様からの言伝となります。ユウジ様、何のお力にもなれずに申し訳ございません。ただ、王都に行かれるならば宿屋『豚の箱』の裏手にある家をご利用下さい。今は『豚の箱』の主の持ち家となっておりますが、元々は初代様の持ち家でした。『豚の箱』の主には話を通しておりますので、そこを拠点として生活をなさって下さい」

「うん、分かった。今まで陰ながら力を貸してくれて有難う。」

 そうなんです。この執事は僕やコンクセアの為に陰から融通を効かせてくれてました。僕が魔物や魔獣を狩れる様になるまでは食料や金銭の提供をしてくれていたのです。母の死も本来ならば僕には知らせられなかった筈なのにいち早く教えてくれたのでした。

 こうして僕はカミシロ公爵家から出ていく事になりました。当然のようにコンクセアもついてきてます。

「コンクセア、僕はもう一人でも大丈夫だよ? 金精様やコクア様のもとに戻っても良いんだよ?」

 そう言う僕にコンクセアは言いました。

「まあ!? そんなのダメですよ、ユウジ様! ユウジ様を悪い道に引きずり込もうとする者どもから身を守る術をまだお伝え出来てませんから、それまでは私もご一緒いたします」

 という事らしいです。実はついてきてくれて僕は嬉しいんですけどね。
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感想 5

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みんなの感想(5件)

MRK
2023.08.23 MRK

歩、、、裏返ると
と金

番外編、楽しみにしています😊
とても面白かったです♪

2023.08.23 しょうわな人

MRKさん。嬉しいお言葉有難うございます。(^^)

番外編、

構想はあるのですがまだ明確な形に出来ておりません。
また形になったら書こうとおもいます。m(_ _)m

解除
たねちゃん
2023.08.22 たねちゃん

とても面白かったですがこれで終わりかな?

ちょっと展開が突拍子もない所もあったけど😅

2023.08.23 しょうわな人

たねちゃんさん。コメント有難うございます。

最後までお読み頂き有難うございます。
展開が突拍子も無いのはご容赦ください。m(_ _)m

この作品は取りあえずここで終わりです。
オマケの続きを思いついたらまた書き始めるかも知れません。よろしくお願いします。

解除
Sinn
2023.08.22 Sinn

閑話休題って余談から本題に戻る時の接続詞なのでは?(小並)

2023.08.22 しょうわな人

Sinnさん、コメント有難うございます。

そうでした……
時間を見て、閑話に訂正します。
m(_ _)m

解除

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