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右隣の男 after story

花と烏 5

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祭りの準備が完了した3日目。

今日は1日、『清めの膳』と呼ばれる山菜と木の実、穀物と酒だけの食事で過ごす。

夜は神社の湧き水を頭からかぶり身を清める。

そして、『真に愛する者と睦み合う』。
つまり、セックスする。



僕は、昨夜夢で見てしまったノンノさんとカララクさんのセックスを思い出し、1人赤面していた。

今回は花さんに乗り移るというより、第三者の視点というか、カメラで盗み見ている感じだったのだ。

恥ずかしくて、彩人さんと竜瑚さんの顔が直視できない。

2人の姿は、夢の中の彼らに重なってしまうからだ。


花さんの身体から離れていたのに、その『感覚』や『感情』が伝わってきたのは不思議だった。




彼らは無事に山へ逃げることができた。


『ノンノ イッカクㇽ ♪  ノンノ カララク ♪』

『美しい村の娘に黒い龍が求婚し、結ばれた二人が今も洞窟に眠っている』


村人に伝わるあの歌と、あの話が気になる。


『美しい村の娘』というのは、性別は違うがおそらく花さん。

『黒い龍』が烏さん。

そんな気がする。


結ばれた筈の2人が洞窟に眠るのは、
年老いて亡くなったから?

『イッカクㇽ』…『盗人』とは?


剣舞を奉納するのはともかく、
『龍神様を鎮める』という言葉も気になる。




それにしても、『村長』は最悪な男だ。

夢の中だから、本当に実在した人物かも定かではないが、心の底から『許せない』と思った。

イライラする。




「お肉が食べたい」

離れの部屋で、お膳を母屋に返してきた僕たち。

あまりにイライラしすぎて、思わず口からそんな言葉が洩れてしまった。


「あぁ。分かる」

竜瑚さんの激しい同意を得た。
『清めの膳』でなくとも、彼が子どもの頃の食事は普段から野菜や山菜、卵、たまに鶏、野生の鹿や猪を食べるくらいだったらしい。

自給自足の世界が日本にもまだあったようです。


「オレは身体がスッキリして、結構好きだよ」

周吾さんは意外と草食?


「オレは、竜瑚のご飯が恋しい…」

彩人さんは惚気のろけてらっしゃる。

竜瑚さんの趣味は料理をすること、らしい。
粗食に耐えて大人になった反動だろうか。

愛しい人を喜ばせたいからか。





「さて、みんな。これに着替えてくれ」

竜瑚さんは白い着物を配ってくれた。

これから神社に行って、湧き水で身体を清めるのだ。



着替えたものの、下着をつけないから心許こころもとない。


…待って。竜瑚さんの…デカすぎない?

つい見てしまった股間の膨らみが、化け物じみている。こんなヤバいのが、彩人さんに入るの? 

ガン見していたことに気付いた僕は、慌てて目を逸らした。


草履ぞうりを履いて、神社へ向かう。

参道には、白い着物の若者たちで列ができていた。


「おっと、オレたちはこっちだ」

列の最後尾に向かおうとした僕の肩を、竜瑚さんが引き止めようとしてやめた。

祭りの4日間は『パートナー』以外との接触が許されていないのだ。

周吾さんと手を繋ぎ、竜瑚さん達の後ろを追うことにした。




神社の裏。

この村に来てから、ずっと気になっていた『あの洞窟』に来ている。

中に入ると滝のような音がした。


「氷太刀の一族は、代々あの滝で身を清めるんだ」

そう話す竜瑚さんは、暗くて見えないはずなのに、彩人さんの腰を抱いたまま迷うことなく前へ進む。

「あぁ、そこは水が溜まってるから滑らないようにな」


闇に浮かび上がる2人の白い着物を目印に、離れないよう付いて行く。

(崩落の危険があるんじゃなかったっけ?)

周吾さんの手を、思わずキュッと握れば、彼も握り返してくれるから、少しホッとした。



洞窟の奥にいくと、天井が抜け落ち、月の光が眩しいほどに射していた。

彩人さんが『きれい…』と呟く。


宮司さんが言っていた通り、奥の道は崩落していて進めないようだ。


竜瑚さんによると、この細い滝は、山の泉が地層に濾過ろかされたものらしい。

(その泉ってもしかして…)


4人でその水をすくい、足元から順に頭までかけていく。

竜瑚さんは彩人さんと。

僕は周吾さんと。

お互いに向かい合い、水をかけ合うのだ。



夏とはいえ、洞窟の中は冷えた。

僕たちは急いで離れへ戻ることにした。



先を歩く竜瑚さんの背中を見てドキッとする。

月の光に照らされ、濡れた着物越しに見えたのは…。

カララク』と同じアザ。

黒くて縦に長い、2つ並んだ模様は、まさに翼をもぎ取られた痕のようで…。


やっぱり竜瑚さんは、夢の中に出てくる『彼』なんだ。


僕は興奮して、早く周吾さんに話したくて仕方なかった。




明るい部屋に現実へ引き戻される筈だった。

それなのに。


いつの間に用意されたのか、離れには行燈あんどんの明かりしかなくて。


濡れた身体に布が張り付き、乳首やちんこが透けた白い着物はエッチで。

僕達は無言のまま、それぞれの部屋へ別れた。



畳を汚さないように、濡れた着物を廊下に脱ぎ落とす。

久しぶりに触れた彼の身体は熱く、

勃ち上がったモノは大きくて、

僕は思わず生唾を飲んでいた。


立ったままの彼の前に膝をつくと、それに手を伸ばし、唇を開いた。


頭を激しく動かしながら彼を見上げれば、ギラギラした目がこちらを見ていた。

じゅぼっ、じゅぼっ、と

卑猥な音を立てて頬と唇で扱くと、

ビュルルルル、と口内に射精してくれた。

尿道を吸い、ペロペロ舐めていると、そのまま布団に押し倒される。


仰向けに脚を開かされ、『自分で持っているように』と囁かれた。

尻の穴に、彼の舌が入ってくる。

ぬぽぬぽ、ぐちぐち、ずぼすぼ、

両手の人差し指で左右にぐにっと開かれ、さらに舌による責めが続く。


普段使われる玩具がなくても、焦らされて昂められた身体は既に限界を迎えていた。


「も…う、挿れて…」

快感に震えながら強請ねだれば、勃った熱いモノが、開かれた穴にピトリと当てられる。


「あ……、ぁぁ…、」

くぽっ、と肉の輪が拡げられ、
亀頭がめり込んでいく。


慣れてきたところで、ぬぽっ、ぬぽっ、と腰を振られて出し挿れされる。


時折、無意識に締め付けると、

「くっ…、」

周吾さんが小さくうめいた。
色っぽい、低い声にゾクリとした。


「あっ、あっ、あっ、あっ、」

そこからはひたすらイイトコロを突かれ、はぐらかされ、また弱点を狙い打ちされる。


「~~~!!!」

はく、はく、と口が開くが声にならない。


2人同時に達した後、すぐに彼がピストンを再開する。


「なんれ…、も…、らめ…、」

口が回らない。


朦朧もうろうとする意識のなか、ふわりと、周吾さんの身体からいつもの『いい匂い』がした。


「夢の中で他の男に犯されないように、朝までずーっとヤろうね?」


そんな声が聞こえた後、

僕が気を失うまで、周吾さんの意地悪で激しい責めが続いたのだった。
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