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右隣の男 after story

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【龍神様と大太刀】

毒矢で殺された男(1)

男の肉(毒)を食べて死んだカラス

男と烏の魂に『無念だ』と巻き込まれた大蛇

=『龍神様』


黒い大蛇に、黒い翼が生えた姿。

人間の姿、人間に翼が生えた姿にもなれる。



大熊を狩った時、その熊に襲われていた人間を助ける結果になった。

人間の肉を食べることもあったが、熊肉で満腹になったためその日は見逃した。

『助けてもらった』と勘違いした人間が、『龍神様』と呼び、勝手に崇め始めた。




生きていた頃の男(1)が持っていた武器が『大太刀』のモデル。

『龍神様』が『人(1)』の形になった時、その記憶から『大太刀』を作り出した。

当初は太く厚い無骨な刀身だったが、邪魔に思い細く薄く変えた。
反りはなく、突き刺したり、力任せに断ち切るように使う。折れない。

170センチくらいの長さがあり、重い。

祖父や竜臣は両手で持って舞うが、祖父は江戸時代の宮司が残した絵巻を元に竜瑚用の舞い方(本来の片手持ち)へ変えた。

片手で軽々と振り回す竜瑚は怪力すぎる。

『龍神様』は色を気にしなかった為、刀身は透明になった。


ノンノの弟』とその縁者を守るため、『大太刀』を地面に残して去った。

『氷太刀』家の者は触れることを許されるが、例え一族であっても邪心を持って触れれば『首から血を噴き出して死ぬ』。





【過去の人物】

『村長』の先祖は毒矢で(1)を殺した男。

『風』の先祖は『長の弟』。

『牙』の先祖は(1)。


『風』と『牙』の子は『花』と『弟』。

『弟』の名前は『竜』。

『竜』と隣の娘『朝』の子孫が、宮司の竜臣、竜瑚、竜仁。子孫は代々『竜』の名を継ぐ。


『風』の家が本来の村長だったが、
他所から来た『村長』の祖父が『風』の祖父を毒酒で殺して、村を乗っ取った。
(表向きは“死の直前に譲った”とされている)

『村長』の祖父と父が『龍神様』を恐れていたのは、山の洞窟で眠る『龍神様』本来の姿を見たから。

『村長』は『人型のカララク』しか見た事がないため、ただの人間だと思っている。大昔に交わされた『長』との盟約を知らず、村に下りてこない彼を『山籠り烏』と馬鹿にしている。


『風』の先祖である、『長の弟』は、『長』を『龍神様』の元に送り出してからも、山を訪れ交流を続けた。
塩、土鍋などの生活道具、糸や織り機などを差し入れ、『長』が作った布や服、薬、『龍神様』が狩った獲物を貰って帰った。

愛し合う2人を見ていたため、『龍神様』を恐れるより敬愛を持って信仰していた。

それを『昔話』として聞いていた『風』は『龍神様』へ会いに来た。


『牙』は最初、『風』を守ろうと山へ付いてきた。
カララク』姿の『龍神様』に憧れ、背中の『翼』や『大太刀』をカッコいいと思い、慕っていた。


『風』と『牙』は、村では話せない事を、山で『烏』に聴いてもらっていた。





【現代の人物】

風化や地震によって洞窟の奥が崩落し、『龍神様』が目覚める。


『牙』は山神啓一に、

『風』は牧村芽衣に生まれ変わった。


竜瑚5歳、祭りで祖父の舞を見た後
発熱して背中にアザが出る。

その時『龍神様』が取り憑いていた。

竜瑚は(1)の先祖返り。 
家族と全く似ていないため、他の村人達から『拾われた子』と言われていた。

人型の『龍神様』・『カララク』と容姿が似ており、『器』にされた。


竜瑚の両親は健在。
3人の息子達を大学へ進学させるため(現金収入を得るため)、都会の会社へ働きに出た。息子達と不仲ではないが、村の閉鎖的な雰囲気が苦手で帰ってこない。
竜臣は家族を連れて、年に一度ほど両親へ会いに行っている。


『花』は彩人に生まれ変わった。


彩人の母・芽衣(風)を殺した犯人は、祭りの1年前(事件が起きた年・裁判中)に山で練習していた竜瑚の舞(龍神様の呪い)で死んだ。

その19年後、彩人(花)を傷つけた主な男達15人は、竜瑚の舞(龍神様の呪い)で死んだ。

『村長の娘』は施設長に、
『村長』は施設長の息子に生まれ変わり、
金と彩人(花)に執着していた。

八嶋が死ななかったのは、啓一(牙)を大切に想い、想われていたから。


先祖(1)返りの身体に『龍神様』が取り憑いた
→氷太刀竜瑚

長→花→牧村彩人

長の弟→花の弟→江戸時代の宮司→真山結人

風→牧村芽衣

牙→山神啓一

村長の娘→彩人のいた児童養護施設の施設長

村長→施設長の息子





【長について】

『長』の真名も実は『花』。

『男なのに女性的な名前』だと恥じ、『村の長』として、『龍神様』に『長』と名乗った。

『烏』が『長』と呼ぶ声が好きだったので、最後まで真名は伝えなかった。

白い花を『烏』の髪に飾る時、伝えようか迷ったが、贈られた花を見た『烏』が『我はが好きだ』と言ってくれたから、満足した。

『烏』の子を『孕みたい』と泣いたのは、2人が生きる時間の違いを知ったから。
自分が先に逝き、『烏』を一人残してしまうことを悟り、『烏』に子孫を残してあげたくなった。

『長』は亡くなる前、弟と、その子ども達に、『烏』の事を頼んでいた。
亡くなった『長』を抱き、洞窟で長い眠りについた『龍神様』のことを、彼らは子孫へと語り継いだ。

出会った日に『長』が『人の肉を喰らわないでほしい』と願ったため、盟約通り『烏』は骨になった後『長』を飲み込んだ。

『身体に取り込む』=『共にありたい』
という考え方。
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