8 / 17
本当の恋人になりたい
須藤を好きだと自覚してから学校で、休みの日に須藤と会えるのが嬉しくて仕方がない。
それと同時にこのままじゃ嫌だという気持ちが膨れ上がっていく。
「よし、やるか」
勉強を終えて、床に寝転び腹筋を始める。最近サボりがちだった筋トレをまた始めた。格好いい須藤の隣に並ぶならヒョロヒョロしていると恥ずかしいと思うようになった。筋肉はつきにくいけれどやらないよりはマシだ。ブブブとスマホが震えた。瞬時にスマホの元へ向かう。
「須藤だ」
土曜日家に来てというメッセージに速攻でいいよと返す。浮かれている僕は、あっと思う。須藤の家に行くということは須藤のお母さんに会う。また軽率に返事をしてしまった。
僕には気がかりなことがある。それは須藤の両親に嘘をついているということ。特にお母さんはいつも優しく接してくれて、顔を見る度に罪悪感に苛まれる。それならば行かなければいいと思うのに、二人きりで過ごすことができるあの空間の心地良さは何ものにも代え難く、須藤に誘われると今日みたいにいいよと返事をしてしまう。
本当の恋人になることができたならと毎日のように思う。
「僕の事好きになってよ、須藤」
メッセージ画面に向かって呟いてため息をつく。どうしたら好きになってもらえるのだろう。どうしたら本当の恋人になれるのだろう。全然答えが分からない。
「続きやろう」
ポツリと呟いて、今日もとりあえず肉体改造に勤しむ。
約束の土曜日。須藤家の玄関前で葛藤する。あぁ、また来てしまった。今日もお母さんいるな。きっと優しく出迎えてくれるんだ。本当に申し訳ない。ずっと留まっているわけにもいかず、玄関前のインターホンを鳴らす。
「りとくん、いらっしゃい」
扉が開いてお母さんが優しく出迎えてくれた。
「お邪魔します」
「後でケーキ持っていくからね」
「ありがとうございます」
やっぱり優しい。また嘘をついているという罪悪感が僕を襲う。
階段を登って須藤の部屋の扉をノックする。いつも返事はないから勝手に開けて中に入る。
「よぉ、りと」
笑顔の須藤を見てニヤけそうになる。今日も格好いいな。
「ちょっとトイレ」
「先に行っとけよ」
ハハハと笑いながら須藤が出ていった。来てそうそうトイレに行くなよ。
座って須藤を待っているとドアをノックする音が聞こえた。遠慮がちに返事をするとケーキと紅茶を乗せたトレイを持ったお母さんが入ってきた。
「あら?拓海は?」
「トイレです」
「そうだったのね」
「いつもありがとうございます」
「りとくんが来てくれると私も食べられるから嬉しいの」
フフフと笑いながらケーキを用意してくれるお母さんの姿にまた胸が痛くなる。
「りとくん、拓海とお付き合いしてくれてありがとう」
何と返事をしていいのか分からなくて曖昧な笑みを浮かべた。
「ちょっとお話してもいい?」
「はい、どうぞ」
「私ね、Ωなの。あなたもそうなのよね?」
「そうです。驚きました」
それから須藤の祖母に当たる人がα至上主義で、お母さんはαの子供を産む道具としか思われず冷たく当たられ、跡継ぎを産まなきゃいけないというプレッシャーのなか、ようやく授かったのが須藤で、祖母の厳しい教育や躾から守ってあげられなかった事、周りからの期待やプレッシャーが全部彼1人に伸し掛かかかり、その期待に応えようとしてくれていたという事を話してくれた。
「高校に入ってから積もり積もったものが爆発したのか夜遊びを繰り返して荒れるようになってしまって。でも、ある日突然嘘みたいになくなって、真面目に学校へ行くようになったの。その後に付き合ってる人がいるって聞いてその子のおかげなんだって思って。表情もとても柔らかくなったのよ。だから、りとくんには感謝してるの。本当にありがとう」
「僕は何も……」
「ずっとあの子の側にいてくれたら嬉しい。あっ、今はもう祖母は亡くなってるからね。安心してね?」
「安心ですか?」
「いつか本当の息子になってくれたらいいなって思って」
「えっ!?本当の?」
「気が早いわよね。ごめんね、長々と。拓海に叱られちゃう」
「いえ……」
胸が痛い。僕は何もしていないのに……。あんな事言ってもらう資格なんてない。だって本物ではないのだから。
お母さんと入れ違いで須藤が戻ってきた。
「遅かったな。お腹の調子悪いのか?」
「ちげーよ。ケーキ取ってきてやろうと思って下に行ってたの」
隣に座った須藤の頭に触れた。柔らかいその髪を撫でる。
「えっ、何?」
「いろいろ頑張ってきたんだな」
「はぁ?」
「須藤、僕達はいつまでこの関係を続ければいいんだ?」
「りと?」
「お母さんの顔を見る度に申し訳ない気持ちでいっぱいになるんだ。須藤と付き合ってるわけじゃないし何もしてないのにお礼まで言われて。苦しくなるよ」
「ごめん、迷惑だよな」
「迷惑とかじゃないんだよ。須藤のおかげで僕だって襲われたり告白されることも減ったから助かってるし」
「もうやめたい?」
やめたくない。いや、でもこのままじゃ嫌だ。フリじゃなくて、僕を本当の恋人にしてほしい。そう言いたいのに言葉は出てこない。
「分からないんだ、どうすればいいのか……」
「りと、俺はやめたくない」
「それは」
「りとといると楽しいし、りとがいてくれたら色々な事頑張ろうって思える。もうここには来なくていいから、りとが悩まなくてもいいようにするから……だから頼むよ」
それじゃいつまで経っても変わらないじゃないか。根本的な解決になっていないじゃないか。そうじゃなくて……。
「そうじゃなくて、僕を……」
「何?」
「本当の恋人にしてくれないか?」
「本当のって?」
「フリじゃなくて本当の恋人にしてほしい。須藤、僕須藤のことが好きなんだ」
言ってしまった。人生で一番勇気を振り絞ったと思う。無理だと言われたらもう須藤と会うのはやめよう。友達としか思えないと言われるだろうか。嫌な事ばかりが頭をよぎって俯いた。
「りと、好きだよ」
「え……」
顔をあげると真剣な顔をした須藤がいた。
「ずっと前から大好きだよ。俺だってフリじゃなくて本当に付き合ってほしいって思ってる」
「待って……本当に?」
「本当に」
そう言ってギュッと抱きしめられた。鼓動が激しくなる。須藤から好きだと、付き合って欲しいと言われた。心臓が壊れそうなくらいにドキドキしている。
「須藤、ちょっと離してくれないか?」
「嫌だ。せっかく俺のものになったのに」
「でも」
「これからもっとすごいことするのに?」
「えぇ!?」
「だって付き合うんだし」
「まぁ、そうなんだけど……」
体を離して僕を見つめる須藤は見た事がないくらい優しい顔をしていた。その顔が近づく。あっキスをされる。そう思って目を閉じると唇が重なった。唇が離れて、どうしていいか分からず俯いてしまう。須藤の顔を見ることができない。
「りと?」
「ちょっとそっとしておいてくれ。容量オーバーだ」
「もう、かわいいんだから」
初めてキスをしたんだ。そりゃどうしていいか分からないだろう。あれ、須藤は……?
「須藤は初めてじゃないよな……?」
顔を上げて恐る恐る須藤に問いかける。
「初めてだけど」
「どうしてそんなに普通なんだ!?」
「普通に見える?」
「見える」
僕の手を取って自身の心臓に当てた。僕と同じくらい鼓動が早い。
「俺もすごくドキドキしてるよ。好きな人と初めてキスしたんだから」
「そっか、同じか」
「りとが初めて。好きになったのも付き合うのもキスもその先も全部」
「僕も同じだよ」
「こんなに幸せなことってないんじゃないかって思うくらい幸せ」
胸がギュっとなった。目の前の須藤がとても愛おしい。
「二人でいっぱい初めてのことをしよう」
顔を見合わせて笑ったあとにもう一度キスをした。
それと同時にこのままじゃ嫌だという気持ちが膨れ上がっていく。
「よし、やるか」
勉強を終えて、床に寝転び腹筋を始める。最近サボりがちだった筋トレをまた始めた。格好いい須藤の隣に並ぶならヒョロヒョロしていると恥ずかしいと思うようになった。筋肉はつきにくいけれどやらないよりはマシだ。ブブブとスマホが震えた。瞬時にスマホの元へ向かう。
「須藤だ」
土曜日家に来てというメッセージに速攻でいいよと返す。浮かれている僕は、あっと思う。須藤の家に行くということは須藤のお母さんに会う。また軽率に返事をしてしまった。
僕には気がかりなことがある。それは須藤の両親に嘘をついているということ。特にお母さんはいつも優しく接してくれて、顔を見る度に罪悪感に苛まれる。それならば行かなければいいと思うのに、二人きりで過ごすことができるあの空間の心地良さは何ものにも代え難く、須藤に誘われると今日みたいにいいよと返事をしてしまう。
本当の恋人になることができたならと毎日のように思う。
「僕の事好きになってよ、須藤」
メッセージ画面に向かって呟いてため息をつく。どうしたら好きになってもらえるのだろう。どうしたら本当の恋人になれるのだろう。全然答えが分からない。
「続きやろう」
ポツリと呟いて、今日もとりあえず肉体改造に勤しむ。
約束の土曜日。須藤家の玄関前で葛藤する。あぁ、また来てしまった。今日もお母さんいるな。きっと優しく出迎えてくれるんだ。本当に申し訳ない。ずっと留まっているわけにもいかず、玄関前のインターホンを鳴らす。
「りとくん、いらっしゃい」
扉が開いてお母さんが優しく出迎えてくれた。
「お邪魔します」
「後でケーキ持っていくからね」
「ありがとうございます」
やっぱり優しい。また嘘をついているという罪悪感が僕を襲う。
階段を登って須藤の部屋の扉をノックする。いつも返事はないから勝手に開けて中に入る。
「よぉ、りと」
笑顔の須藤を見てニヤけそうになる。今日も格好いいな。
「ちょっとトイレ」
「先に行っとけよ」
ハハハと笑いながら須藤が出ていった。来てそうそうトイレに行くなよ。
座って須藤を待っているとドアをノックする音が聞こえた。遠慮がちに返事をするとケーキと紅茶を乗せたトレイを持ったお母さんが入ってきた。
「あら?拓海は?」
「トイレです」
「そうだったのね」
「いつもありがとうございます」
「りとくんが来てくれると私も食べられるから嬉しいの」
フフフと笑いながらケーキを用意してくれるお母さんの姿にまた胸が痛くなる。
「りとくん、拓海とお付き合いしてくれてありがとう」
何と返事をしていいのか分からなくて曖昧な笑みを浮かべた。
「ちょっとお話してもいい?」
「はい、どうぞ」
「私ね、Ωなの。あなたもそうなのよね?」
「そうです。驚きました」
それから須藤の祖母に当たる人がα至上主義で、お母さんはαの子供を産む道具としか思われず冷たく当たられ、跡継ぎを産まなきゃいけないというプレッシャーのなか、ようやく授かったのが須藤で、祖母の厳しい教育や躾から守ってあげられなかった事、周りからの期待やプレッシャーが全部彼1人に伸し掛かかかり、その期待に応えようとしてくれていたという事を話してくれた。
「高校に入ってから積もり積もったものが爆発したのか夜遊びを繰り返して荒れるようになってしまって。でも、ある日突然嘘みたいになくなって、真面目に学校へ行くようになったの。その後に付き合ってる人がいるって聞いてその子のおかげなんだって思って。表情もとても柔らかくなったのよ。だから、りとくんには感謝してるの。本当にありがとう」
「僕は何も……」
「ずっとあの子の側にいてくれたら嬉しい。あっ、今はもう祖母は亡くなってるからね。安心してね?」
「安心ですか?」
「いつか本当の息子になってくれたらいいなって思って」
「えっ!?本当の?」
「気が早いわよね。ごめんね、長々と。拓海に叱られちゃう」
「いえ……」
胸が痛い。僕は何もしていないのに……。あんな事言ってもらう資格なんてない。だって本物ではないのだから。
お母さんと入れ違いで須藤が戻ってきた。
「遅かったな。お腹の調子悪いのか?」
「ちげーよ。ケーキ取ってきてやろうと思って下に行ってたの」
隣に座った須藤の頭に触れた。柔らかいその髪を撫でる。
「えっ、何?」
「いろいろ頑張ってきたんだな」
「はぁ?」
「須藤、僕達はいつまでこの関係を続ければいいんだ?」
「りと?」
「お母さんの顔を見る度に申し訳ない気持ちでいっぱいになるんだ。須藤と付き合ってるわけじゃないし何もしてないのにお礼まで言われて。苦しくなるよ」
「ごめん、迷惑だよな」
「迷惑とかじゃないんだよ。須藤のおかげで僕だって襲われたり告白されることも減ったから助かってるし」
「もうやめたい?」
やめたくない。いや、でもこのままじゃ嫌だ。フリじゃなくて、僕を本当の恋人にしてほしい。そう言いたいのに言葉は出てこない。
「分からないんだ、どうすればいいのか……」
「りと、俺はやめたくない」
「それは」
「りとといると楽しいし、りとがいてくれたら色々な事頑張ろうって思える。もうここには来なくていいから、りとが悩まなくてもいいようにするから……だから頼むよ」
それじゃいつまで経っても変わらないじゃないか。根本的な解決になっていないじゃないか。そうじゃなくて……。
「そうじゃなくて、僕を……」
「何?」
「本当の恋人にしてくれないか?」
「本当のって?」
「フリじゃなくて本当の恋人にしてほしい。須藤、僕須藤のことが好きなんだ」
言ってしまった。人生で一番勇気を振り絞ったと思う。無理だと言われたらもう須藤と会うのはやめよう。友達としか思えないと言われるだろうか。嫌な事ばかりが頭をよぎって俯いた。
「りと、好きだよ」
「え……」
顔をあげると真剣な顔をした須藤がいた。
「ずっと前から大好きだよ。俺だってフリじゃなくて本当に付き合ってほしいって思ってる」
「待って……本当に?」
「本当に」
そう言ってギュッと抱きしめられた。鼓動が激しくなる。須藤から好きだと、付き合って欲しいと言われた。心臓が壊れそうなくらいにドキドキしている。
「須藤、ちょっと離してくれないか?」
「嫌だ。せっかく俺のものになったのに」
「でも」
「これからもっとすごいことするのに?」
「えぇ!?」
「だって付き合うんだし」
「まぁ、そうなんだけど……」
体を離して僕を見つめる須藤は見た事がないくらい優しい顔をしていた。その顔が近づく。あっキスをされる。そう思って目を閉じると唇が重なった。唇が離れて、どうしていいか分からず俯いてしまう。須藤の顔を見ることができない。
「りと?」
「ちょっとそっとしておいてくれ。容量オーバーだ」
「もう、かわいいんだから」
初めてキスをしたんだ。そりゃどうしていいか分からないだろう。あれ、須藤は……?
「須藤は初めてじゃないよな……?」
顔を上げて恐る恐る須藤に問いかける。
「初めてだけど」
「どうしてそんなに普通なんだ!?」
「普通に見える?」
「見える」
僕の手を取って自身の心臓に当てた。僕と同じくらい鼓動が早い。
「俺もすごくドキドキしてるよ。好きな人と初めてキスしたんだから」
「そっか、同じか」
「りとが初めて。好きになったのも付き合うのもキスもその先も全部」
「僕も同じだよ」
「こんなに幸せなことってないんじゃないかって思うくらい幸せ」
胸がギュっとなった。目の前の須藤がとても愛おしい。
「二人でいっぱい初めてのことをしよう」
顔を見合わせて笑ったあとにもう一度キスをした。
あなたにおすすめの小説
沈黙のΩ、冷血宰相に拾われて溺愛されました
ホワイトヴァイス
BL
声を奪われ、競売にかけられたΩ《オメガ》――ノア。
落札したのは、冷血と呼ばれる宰相アルマン・ヴァルナティス。
“番契約”を偽装した取引から始まったふたりの関係は、
やがて国を揺るがす“真実”へとつながっていく。
喋れぬΩと、血を信じない宰相。
ただの契約だったはずの絆が、
互いの傷と孤独を少しずつ融かしていく。
だが、王都の夜に潜む副宰相ルシアンの影が、
彼らの「嘘」を暴こうとしていた――。
沈黙が祈りに変わるとき、
血の支配が終わりを告げ、
“番”の意味が書き換えられる。
冷血宰相×沈黙のΩ、
偽りの契約から始まる救済と革命の物語。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
【完結】番になれなくても
加賀ユカリ
BL
アルファに溺愛されるベータの話。
新木貴斗と天橋和樹は中学時代からの友人である。高校生となりアルファである貴斗とベータである和樹は、それぞれ別のクラスになったが、交流は続いていた。
和樹はこれまで貴斗から何度も告白されてきたが、その度に「自分はふさわしくない」と断ってきた。それでも貴斗からのアプローチは止まらなかった。
和樹が自分の気持ちに向き合おうとした時、二人の前に貴斗の運命の番が現れた──
新木貴斗(あらき たかと):アルファ。高校2年
天橋和樹(あまはし かずき):ベータ。高校2年
・オメガバースの独自設定があります
・ビッチング(ベータ→オメガ)はありません
・最終話まで執筆済みです(全12話)
・19時更新
※なろう、カクヨムにも掲載しています。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
【完結】end roll.〜あなたの最期に、俺はいましたか〜
みやの
BL
ーー……俺は、本能に殺されたかった。
自分で選び、番になった恋人を事故で亡くしたオメガ・要。
残されたのは、抜け殻みたいな体と、二度と戻らない日々への悔いだけだった。
この世界には、生涯に一度だけ「本当の番」がいる――
そう信じられていても、要はもう「運命」なんて言葉を信じることができない。
亡くした番の記憶と、本能が求める現在のあいだで引き裂かれながら、
それでも生きてしまうΩの物語。
痛くて、残酷なラブストーリー。