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第五十六話 取り戻した世界。
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巨人が空中でバラバラになっていく、それと同時だった。
王都アトスの一角が紅い光に溢れる。
巨人を中心に半径100メートルほど円状の地域から溢れ出した光は、まさしく何かを放出しているような印象を受ける。
まるで、蝋燭の炎が蝋燭自身を食い尽くすように、光が夢の都の建物を食い尽くしているのだ。
そしてカミネはそこでようやくわかった。
この紅の光は夢そのものなのだ。
アールに連れられた家屋の影からその光を見つめていた。
どこか、儚く。空中に消えていく光。そして夢の光が空に溶けると同時に、王都の一部が元の姿を表す。
瓦礫の家々と、ひび割れ破壊され尽くした大通り。
神獣達によって破壊された王都の真の姿が現実に晒させる。
「……」
改めて実感する。
カミネは、王都アトスから逃げ出したかった。
他の家にはない透明なガラスの窓も、外を出れば見える高い城壁。
どれも自分自身を閉じ込める檻のようにカミネは感じていた。
だが、こうして荒廃した王都アトスを見ると底知れない不安と寂しさが込み上げてくる。
他の人々もきっと同じ気持ちだったのだろう。
夢に籠る人々の気持ちも理解できる。自身の故郷がこのような痛ましい姿を見れば夢の世界に救いを見出したい気持ちも沸くはずだ。
「いやぁー終わったのであるな!!」
廃墟に変わっていく、世界を横目に見つつラクレがカミネ達の元へと歩いてくる。
先ほどまでの大立ち回りは嘘のようにヘラヘラと笑いながら近づいてくる半裸男にカミネは気が抜けていく。
「夢……終わったんですか?」
カミネの言葉にラクレはこくりと頷く。
「ああ、一部だけ……であるがな」
「ラクレ殿!」
するとアールの叫びが二人の鼓膜に響く。
「少女が目を覚さない!!」
アールの言葉に、カミネとラクレは急いで金髪の少女に近づいた。
ラクレは彼女の首に指を当てる。
「生きている……大丈夫だ」
ラクレの言葉に思わず取り乱していたアールとカミネは安堵の息を吐き出す。
「この子……目覚めるんじゃないの?」
カミネはそう言う。
ラクレもどうやらカミネと同じ事を思っていたようで、疑問が彼の眉に浮かんでいる。
「なぜだ……夢を破壊すれば、皆が解放されるはず……」
「誰がそんなことを望んだ?」
その時だった。
アールでもカミネでもラクレでもない声が響く。
「夢の世界から出たいなど誰が望んだ?」
カミネ達が一斉に声にする方を見た。
そこにいたのは見窄らしい老人だった。
禿げ上がった頭に、ボロボロの衣服。
落伍者と表現すれば、まさに相応しいその男はじっ……とカミネ達、3人を見つめる。
「ラクレさん、この人もしかして……!」
尋常ならざる者の雰囲気を醸し出すその老人を見てカミネはすぐに気がついた。
この男はただの人ではない。
いや、正確には──。
「ああ、その通りであるカミネ姫、この都の支配者である。もっとも他人の体を遠隔で操っての登場のようであるがな?」
男の精神の影に潜む支配者は、カミネ達3人をただ睨みつけた。
王都アトスの一角が紅い光に溢れる。
巨人を中心に半径100メートルほど円状の地域から溢れ出した光は、まさしく何かを放出しているような印象を受ける。
まるで、蝋燭の炎が蝋燭自身を食い尽くすように、光が夢の都の建物を食い尽くしているのだ。
そしてカミネはそこでようやくわかった。
この紅の光は夢そのものなのだ。
アールに連れられた家屋の影からその光を見つめていた。
どこか、儚く。空中に消えていく光。そして夢の光が空に溶けると同時に、王都の一部が元の姿を表す。
瓦礫の家々と、ひび割れ破壊され尽くした大通り。
神獣達によって破壊された王都の真の姿が現実に晒させる。
「……」
改めて実感する。
カミネは、王都アトスから逃げ出したかった。
他の家にはない透明なガラスの窓も、外を出れば見える高い城壁。
どれも自分自身を閉じ込める檻のようにカミネは感じていた。
だが、こうして荒廃した王都アトスを見ると底知れない不安と寂しさが込み上げてくる。
他の人々もきっと同じ気持ちだったのだろう。
夢に籠る人々の気持ちも理解できる。自身の故郷がこのような痛ましい姿を見れば夢の世界に救いを見出したい気持ちも沸くはずだ。
「いやぁー終わったのであるな!!」
廃墟に変わっていく、世界を横目に見つつラクレがカミネ達の元へと歩いてくる。
先ほどまでの大立ち回りは嘘のようにヘラヘラと笑いながら近づいてくる半裸男にカミネは気が抜けていく。
「夢……終わったんですか?」
カミネの言葉にラクレはこくりと頷く。
「ああ、一部だけ……であるがな」
「ラクレ殿!」
するとアールの叫びが二人の鼓膜に響く。
「少女が目を覚さない!!」
アールの言葉に、カミネとラクレは急いで金髪の少女に近づいた。
ラクレは彼女の首に指を当てる。
「生きている……大丈夫だ」
ラクレの言葉に思わず取り乱していたアールとカミネは安堵の息を吐き出す。
「この子……目覚めるんじゃないの?」
カミネはそう言う。
ラクレもどうやらカミネと同じ事を思っていたようで、疑問が彼の眉に浮かんでいる。
「なぜだ……夢を破壊すれば、皆が解放されるはず……」
「誰がそんなことを望んだ?」
その時だった。
アールでもカミネでもラクレでもない声が響く。
「夢の世界から出たいなど誰が望んだ?」
カミネ達が一斉に声にする方を見た。
そこにいたのは見窄らしい老人だった。
禿げ上がった頭に、ボロボロの衣服。
落伍者と表現すれば、まさに相応しいその男はじっ……とカミネ達、3人を見つめる。
「ラクレさん、この人もしかして……!」
尋常ならざる者の雰囲気を醸し出すその老人を見てカミネはすぐに気がついた。
この男はただの人ではない。
いや、正確には──。
「ああ、その通りであるカミネ姫、この都の支配者である。もっとも他人の体を遠隔で操っての登場のようであるがな?」
男の精神の影に潜む支配者は、カミネ達3人をただ睨みつけた。
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