異世界エロ文房具小説家

ぶりーき

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第2章

04 とりま反省会

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「どうして、こうなった。」珍しく暗い顔をしたカラカラちゃん。
「おい。このくされビッ★。お前ちゃんと書いたんだろうな?」いつも通りイラついているウィルさん。目がマジです。

みんなが怒るのも当然。だってバラまいた本のほとんどが回収される騒ぎに。
しかも、発禁本指定にされたらしく、教会が動き出したそうな。

ヤベー。教会って言ったら、融通のまったく利かないあの正義マンの集まり、まさしく悪魔の敵。

「しかし、どうして村人はせっかくのお宝を、わざわざ教会へ持っていったんだ?」
「それはですね」珍しく私が話を切り出した。
「村人からすれば、突然枕元にまともな内容でない本が置いてあったら怖いですよ。しかも、村人のほとんどが字読めないから、本がいらないし。」
「先に言えよ!」珍しく愛のないツッコミのカラカラちゃん。そう私は、昔からそうだ。

私は、自分が言いだしっぺになるのが怖い。小学校の時は、結構活発なおてんば娘だった。クラス委員には自分から立候補していたし、友達の輪にぐいぐい入っていく女の子だった。中学校に入ってからだったかしら、急に友達と思っていた子がよそよそしくなった。なんでも私が小学校の時に彼女を傷つけていたらしいとの後で知った。すると私は、人間の目を見るのが怖くなった。相手が何を考えているか、うわべでしか判断できなくなった。相手を傷つけないようにするにはどうすればいいかしか考えなくなった。だから責任を取りたくなくて私は引っ込み思案になった。

だから今回も曇りのない目で成功しか考えていないカラカラちゃんの邪魔にはなりたくなかった。本を配布するときに疑問はあったのだけれど真剣にカラカラちゃんと向き合っていたかといえば自信がない。でも・・・

「おいおい そんなことはどうでもいい。大事なのは次をどうするかだ。」ウィルさんが言い出した。
「今回失敗したと思う点をお互いに話し合おうではないか。このまま負けたままでは寝覚めが悪いだろ?僕は夜型だから起きないけどね。」
「起きんのか~い!!」カラカラちゃんのツッコミが戻る。三人は目を合わせてクスリとした。
「まぁ 反省会でもすっか?」
「どこでするの?」
「ベドベド亭に決まってるだろ?」
「それじゃ僕は100年もののグラッ」
「おいおいウィル、反省会なんだからそんな高級なもの飲めるか!発泡酒だよ発泡酒。」いつものカラカラちゃんが戻ってきた。

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ぶりーき

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