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第3章 夢の未来

23話 真冬の受難

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ここ数日というか今週ほどから、ユメノミライの運営や一期生に二期生のメンバー達は、ユメノミライ初の大型ライブという事もあり、忙しそうにしておりノマドはいつもの事だが他のメンバーも、ここ最近は少し配信回数が減ってきていた。

……そうこの俺を除いて

だがそんな事如きでは今更俺はへこたれない、それに何たって今日は件のライブのチケットの抽選の結果が出る日だからだ。

どうしても俺は同期や後輩達を間近で応援したく、現地に行きたいと思いチケットに応募をしておいたのだ。

何だ?こう言うものは同じところに所属してたら、頼めばもらえるんじゃないかって?

そうだな普通はもらえるな、けど俺は普通じゃ無かったのでもらえなかった。

いいじゃんチケット1枚ぐらいくれても、このケチンボどもが!

という訳で俺はチケットを正規の方法で入手するしかなくなったのだ。



という訳でチケット当選者の発表まで、じっとパソコンの画面を見ていたのだが……

「あれ?おかしいな、いつまで経っても当選通知が来ないぞ?」

おかしいなと思いながらも俺は、仕事用つまりは九重ホムラとしてのメアドをチェックしたり、俺個人藤堂 夏としてのメアドを端から端まで、舐める様に何度も何度もチェックしてみるが、やはり何度見てもそこにはチケットが当選したと言うメッセージはどこにもなかった。

「いやいやいやいや、いやまさかな、お、俺はユメノミライ所属のライバーだぞ?それなのにライブに出れないどころか、現地に応援にすら行けないなんてことあるか?いーやある訳がない!ある訳がないんだ……。そうだ、きっとどこかにどこかにあるはずだ!」

そう言いながら俺は、あるはずも無い当選通知を探し続けた。



私こと藤堂真冬は、週に何度か告白される程容姿が優れており、運動能力も走る速さなら陸上部に入っている生徒ともいい勝負ができるほど良く、勉強は入試で平均98点で首席合格したほどで、自分で言うのも何だが優秀である。

そんな私には1人兄がいる。

兄はネットで仕事をしており、ずっと家にいるせいかご近所の人には引きこもりに思われているらしい、その事は私もそれに両親も特に気にしてはおらず、もちろん兄も気にしていないと言うよりかは、そんなことを言われていることすら知らないだろう。

だがどこからかその情報が学校にまで広がり、女子からは私の株を落とすためだろうか、引きこもりの兄が居るんだから私も将来は引きこもりになると、アリもしない噂を流され、男子達には毎度告白の度に兄を引き合いに出されて、自分は私の兄よりも君を大切にできるなどと話される事が多くなった。

初めの頃は私の尊敬する兄のことを馬鹿にされ頭にキテいたが、このことを兄に相談したところ

「あーそれはアレだね、皆んな真冬の事が羨ましいんだよ」
「羨ましい?」
「ああ、俺も偶に偶にだよ?ネットで叩かれる時があるんだけど、真冬は何でそいつらが俺のことを叩くかってわかるか?」
「えっと……夏兄のことが嫌いだから?」
「残念!けど惜しいな、嫌いというよりかは羨ましいから、文句を言うんだよ。俺の場合で言えば俺の立場が羨ましいんだろうな、真冬も何となく知ってるとは思うけど、俺が所属してるグループって俺以外が女の子だろ?それがずるいと思った奴らが俺の事を羨んで、悪口とかを言ったりするんだな。真冬の場合は俺とは違い立場とかじゃなくて、真冬の能力を羨んだんだろうな。なんたって真冬は可愛くて頭もいいからな!」

そう言いながら私を安心させるためか、夏兄は満面の笑みで、夏兄の大きな手で私の頭をワシャワシャと力強く撫でてきた。

私は昔から夏兄に頭を撫でられるのが好きだったので、もっと撫でて欲しくて夏兄の方へと首を伸ばすが、頭を撫で始めてから少し経った時夏兄が、「あ、じゃあそろそろ俺配信あるからもう行くな」と言い、私が伸ばした首は無事空を切ったが、夏兄はそんな事は知らぬ存ぜぬで、そのまま私の部屋から足早に出て行ってしまった。

「ムーッ!」

私は夏兄の事が兄として大好きなのだが、偶にこうやって自分から私を誘っておいて、あと少しのところでお預けにする所は大嫌いだ。



そして何故今こんな話をするかって?

それは現在進行形で、またしても顔も名前も知らない生徒から、告白という名目で私の大好きな兄の悪口を聞かされているからだ。

と言うか普通に考えて欲しいのだが、告白の最中に実の兄の悪口を言う人を誰が好きになると思うんだ?

それとも単に私が知らないだけで、世間では相手に告白する時は、誰かの悪口を言わなければならない決まりなのか?

と言うか正直、夏兄の悪口を言う言わない以前の問題なのだが、私には告白しにくる男子達があまり魅力的には感じない、よくサッカー部のエースだとか、頭がいいとか自慢してくるが、それの良さがあまり理解できないし、私的にはどちらかと言うとそんな事よりも、家事ができるとかの方が好感が持てる。

それに比べて夏兄は、毎朝早起きして私たちの料理を作ってくれるし、お弁当だって栄養バランスをしっかり考えながらおいしいのだって作ってくれるし、仕事の合間に掃除や洗濯などをしてくれるおかげで、家はいつも綺麗な状態が続いているし、偶にあそびにも連れて行ってくれるし、勉強だって教えてくれる他にも……

そんな事を永遠と頭の中で考えていると、相手の自慢話が終わりようやっと告白してきた。

長い!

何で呼び出しから告白するまで10分ちょいも、興味のない話を長々と聞かなくちゃいけないのよ!

「ごめんなさい」

けどそんな事を言ってしまうと、相手を傷つけてしまうので、おくびにも出さずに断りの言葉をその相手に伝えた、いつもなら断られて元々付き合えたらラッキー程度の考えで、告白してくるものが多く、私が断った時点で帰ってくれるのだが、今回の男は偶にいるめんどくさいタイプで、「何故だめなんだ?」とか、「もしかして他に好きな人がいるのか?」など、前者はまだしも後者に関しては何であなたなんかに話さなきゃいけないの?

と言う事を聞いてくるのだが、さっき言ったが人の家族の悪口を言う人を誰が好きになるのか?

と正直に言ってしまいたい所だが、やはり一応は私に好意を向けてきてくれた相手なので、出来るだけ傷つけたく無いので、適当に勉強に専念したいと言う理由を言って、何とかその場は切り抜けることに成功した。

だが今日は何だが運が悪いらしく、1人目の告白を断った後にもう一度、今度は自称野球部のエースに捕まってしまい、そのせいで家に帰るのが何時もよりも30分近く遅れてしまった。


「ただいま~!」

家に帰り扉を開けてそう声をかけると、いつもなら夏兄がただいまと言ってくれるのに、今日は何故だか返事がなく、もしかして配信中なのかな?と思い自分のスマホで、九重ホムラと検索してみるが、今現在進行形で配信はしておらず、それならば買い物かな?とも思ったが、玄関には夏兄の靴と見知らぬ靴があったので、その可能性もない事がわかった……

「ん?」

さらっと流しそうになったが、基本この時間のうちには夏兄の靴しかないはずのだが、今日は夏兄以外のそれも女性物の靴が、夏兄の靴の横に並べられていた。

それを見た瞬間、私の頭の中には嫌な考えが浮かんだ。

すると私の体は無意識のうち動きだし、履いていた靴もその辺に適当に脱ぎ散らかし、手に持っていた教科書などが入ったカバンも適当な所に投げ捨てながら、私は急いで夏兄の部屋へと駆け足で向かった。

そうして夏兄の部屋の前まで行くと、いつもなら部屋に入る前はしっかりとノックをするのだが、今はそんなことも考えられずに、私は夏兄の部屋の扉を勢いよく開け放った。

「へ?真冬……っ!ちょ、ちょっと待てこれは誤解だ!」
「どうも、お邪魔してるっス!」

開け放たれた扉の中にいたのは、私が見たこともない20歳よりかは少し下あたりの女性と、その女性に覆いかぶるような格好をしながら、私の方に手を伸ばしながら叫ぶ夏兄の2人がいた。

「あ、あ……あぁぁぁぁあ!な、夏兄が、知らない女の人押し倒してる!?」

自分が想像していたよりも100倍は酷い状態だった為、上手く事の処理を頭ができずに、私は事実確認のためなのか、それとも衝撃が大きすぎた為か、目の前で行われている行為を言語化して大声で叫び、そのまま気を失ってしまった。

完全に気を失うまでに聞こえた最後の言葉は、夏兄の私を心配する声と、確かにこちらに向かってくる1つの足音だった。
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