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第4章 そうだ実家へ行こう
39話 一条姫乃
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「あ!お兄ちゃん見ぃつけた♡」
「姫ちゃん?」
扉を勢いよく開けたのは母さんのお兄さんの娘さんの1人の一条姫乃ちゃんだった。
一条姫乃ちゃん通称姫ちゃんは確か……えーっと小学…いや中学1年?アレ?まぁ確かそのぐらいの……いやもっと小さかった様な……そう、そうそう!
「確か小3になったんだっけ?」
「違うわよ!姫は歴としたスーパー中学生なんだから♡」
「あーそっか!ごめんごめん色々小さかったからてっきり俺は小学生くらいかと、いやーにしても姫ちゃんって真冬と同学年だったんだね忘れてたよ」
そう言って俺がワハハと笑っていると姫ちゃんはぷりぷりと怒り出した。
そんな感じで俺と姫ちゃんが和気藹々としていると、すっかりと存在を忘れられていた大爺様が咳払いをした。
そしてその瞬間俺の頭に危険信号が響き渡った。
今すぐ手に持っているものを隠せと。
俺は姫ちゃんに悟られない様に素早くお見合い写真の束を服の中に隠すと、そのまま大爺様に今のところこういうことは考えてない事を伝え、姫ちゃんの背中を押して2人で大爺様の部屋から退出した。
「ねぇねぇお兄ちゃん大爺様となにはなしてたの?姫気になる♡」
そう言って姫ちゃんは例えその人がロリコンで無くても、恋に堕ちてしまいそうなほどの可愛らしい顔で上目遣いをして聞いて来たが、俺には絶対にして至高なる存在の真冬が居るので、姫ちゃんのその攻撃には一切靡く事なく、それよりも俺は中学生にお見合いの話をしても教育上大丈夫なのか?と色々考えていた。
「うーん姫ちゃんにはまだ早い話かな?」
「何それ姫の事まだ子供だと思ってるのお兄ちゃん?」
そう言われて俺は一度姫ちゃんから少し離れ、全身まな板の様な姫ちゃんの体を上から下まで一望し、俺は姫ちゃんにぐっと指を立てた。
それを見た姫ちゃんは目をキラキラ輝かせながら俺の言葉を待った。
「うんまだまだ子供かな」
それを聞いた途端姫ちゃんは頬をふぐの様にプクーっと膨らませると、両腕を縦に回転させながらポコポコと俺のことを殴り始めた。
全く痛みの感じないその攻撃に微笑ましさを感じワハハと笑っていると、廊下の奥の方からドタドタと誰かが急いでここへと走って来ている足音が聞こえた。
その足音が気になり俺がそちらの方を振り向くとそこには、我が最強可憐な妹真冬がこちらに全力疾走して来ている姿があった。
「おーい真冬!」
俺がそう言って真冬に手を振ると、その声で姫ちゃんは真冬がこちらの方へと走って来ている事に気づくと、すぐさま俺のことを盾にするように後ろに回り込み、真冬から距離を取った。
姫ちゃんが俺を盾の様にした際に俺が少し前へと移動した事によって、真冬はそのまま勢いを殺しきれずにぽふんと、俺のお腹あたりに勢いよく顔を埋めた。
「大丈夫か真冬?」
俺がぶつかった真冬にそう聞くが真冬は何も答えず、走って息が上がっているのか何度かスーハーと息を吸う様な音が聞こえた。
それから少し経った頃に真冬がゆっくりと顔を俺のお腹辺りから離すと、やはり勢いよくぶつかった為顔が少し赤くなっており、怪我なんてしていないか心配になった俺は真冬の顔に目線を合わせ大丈夫かと聞いたのだが、真冬は勢いよく俺から顔を逸らしてそう答えるだけで、真冬の顔を確認させてはくれなかった。
そしてその様子を見ていた姫ちゃんが俺の陰から体を少し出すと、真冬のその姿を見てプププと少し小馬鹿にする様に笑い、それを聞いた真冬が姫ちゃんを睨みつけると、姫ちゃんは真冬を煽る様にケラケラと笑いながら真冬のいる位置と真逆に全力で駆け出していき、真冬も姫ちゃんを追う様に俺に一言「夏兄ごめんね」と残して、2人は廊下の先へとかけていってしまった。
そんな2人の怒涛の展開に少し驚きながらも俺は、昔からあの2人は仲がいいなと思った。
そして今現在も俺の服の中に隠してある爆弾(お見合い写真)を隠すために、今日俺と真冬が泊まるための部屋へと足早に向かった。
◯
部屋についた俺は部屋の周りに誰もいない事を確認すると、お見合い写真集を勢いよく服から取り出してその勢いのまま、パジャマなどのお泊まりセットが入っている俺の鞄の1番底へと突っ込んだ。
「よし封印完了。ミッションコンプリートだな」
まさか実家に着いて早々いきなりお見合い話を持ち掛けられるとは思っていなかった為、大変驚きそのせいもあり今更ながらにどっと疲れが出たので、少しでも体力を回復させようと俺はそのまま床へとドカンと座り込んだ。
だがただ休憩しているだけでは時間がもったいないと感じた俺は、ここに来るまでに考えていたバーチャルキャバクラの台本を確認しようと考え、台本が書かれた手のひらサイズのメモ帳ズボンのポケットから取り出そうと、ズボンのポケットにてをつっこんでみるのだが……
「あれ?いやそんなわけ……ちょっとまってくれよマジで!」
俺はズボンのポケットとは言わず体全身に更には荷物の中を全て確認してみたのだが、その何処にもメモ帳は存在しなかった。
「まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい!!マジでまずい!」
あんな身バレRTAができそうなレベルで九重ホムラで使ったネタや、これから使おうと考えてたネタなどがふんだんに書き込まれている、例えそれが真冬のお願いでも見せるのを躊躇ってしまう様な物を何処かに落としてしまったのだ。
その事実を知って俺は勢いよく膝から地面に崩れ落ちた。
「姫ちゃん?」
扉を勢いよく開けたのは母さんのお兄さんの娘さんの1人の一条姫乃ちゃんだった。
一条姫乃ちゃん通称姫ちゃんは確か……えーっと小学…いや中学1年?アレ?まぁ確かそのぐらいの……いやもっと小さかった様な……そう、そうそう!
「確か小3になったんだっけ?」
「違うわよ!姫は歴としたスーパー中学生なんだから♡」
「あーそっか!ごめんごめん色々小さかったからてっきり俺は小学生くらいかと、いやーにしても姫ちゃんって真冬と同学年だったんだね忘れてたよ」
そう言って俺がワハハと笑っていると姫ちゃんはぷりぷりと怒り出した。
そんな感じで俺と姫ちゃんが和気藹々としていると、すっかりと存在を忘れられていた大爺様が咳払いをした。
そしてその瞬間俺の頭に危険信号が響き渡った。
今すぐ手に持っているものを隠せと。
俺は姫ちゃんに悟られない様に素早くお見合い写真の束を服の中に隠すと、そのまま大爺様に今のところこういうことは考えてない事を伝え、姫ちゃんの背中を押して2人で大爺様の部屋から退出した。
「ねぇねぇお兄ちゃん大爺様となにはなしてたの?姫気になる♡」
そう言って姫ちゃんは例えその人がロリコンで無くても、恋に堕ちてしまいそうなほどの可愛らしい顔で上目遣いをして聞いて来たが、俺には絶対にして至高なる存在の真冬が居るので、姫ちゃんのその攻撃には一切靡く事なく、それよりも俺は中学生にお見合いの話をしても教育上大丈夫なのか?と色々考えていた。
「うーん姫ちゃんにはまだ早い話かな?」
「何それ姫の事まだ子供だと思ってるのお兄ちゃん?」
そう言われて俺は一度姫ちゃんから少し離れ、全身まな板の様な姫ちゃんの体を上から下まで一望し、俺は姫ちゃんにぐっと指を立てた。
それを見た姫ちゃんは目をキラキラ輝かせながら俺の言葉を待った。
「うんまだまだ子供かな」
それを聞いた途端姫ちゃんは頬をふぐの様にプクーっと膨らませると、両腕を縦に回転させながらポコポコと俺のことを殴り始めた。
全く痛みの感じないその攻撃に微笑ましさを感じワハハと笑っていると、廊下の奥の方からドタドタと誰かが急いでここへと走って来ている足音が聞こえた。
その足音が気になり俺がそちらの方を振り向くとそこには、我が最強可憐な妹真冬がこちらに全力疾走して来ている姿があった。
「おーい真冬!」
俺がそう言って真冬に手を振ると、その声で姫ちゃんは真冬がこちらの方へと走って来ている事に気づくと、すぐさま俺のことを盾にするように後ろに回り込み、真冬から距離を取った。
姫ちゃんが俺を盾の様にした際に俺が少し前へと移動した事によって、真冬はそのまま勢いを殺しきれずにぽふんと、俺のお腹あたりに勢いよく顔を埋めた。
「大丈夫か真冬?」
俺がぶつかった真冬にそう聞くが真冬は何も答えず、走って息が上がっているのか何度かスーハーと息を吸う様な音が聞こえた。
それから少し経った頃に真冬がゆっくりと顔を俺のお腹辺りから離すと、やはり勢いよくぶつかった為顔が少し赤くなっており、怪我なんてしていないか心配になった俺は真冬の顔に目線を合わせ大丈夫かと聞いたのだが、真冬は勢いよく俺から顔を逸らしてそう答えるだけで、真冬の顔を確認させてはくれなかった。
そしてその様子を見ていた姫ちゃんが俺の陰から体を少し出すと、真冬のその姿を見てプププと少し小馬鹿にする様に笑い、それを聞いた真冬が姫ちゃんを睨みつけると、姫ちゃんは真冬を煽る様にケラケラと笑いながら真冬のいる位置と真逆に全力で駆け出していき、真冬も姫ちゃんを追う様に俺に一言「夏兄ごめんね」と残して、2人は廊下の先へとかけていってしまった。
そんな2人の怒涛の展開に少し驚きながらも俺は、昔からあの2人は仲がいいなと思った。
そして今現在も俺の服の中に隠してある爆弾(お見合い写真)を隠すために、今日俺と真冬が泊まるための部屋へと足早に向かった。
◯
部屋についた俺は部屋の周りに誰もいない事を確認すると、お見合い写真集を勢いよく服から取り出してその勢いのまま、パジャマなどのお泊まりセットが入っている俺の鞄の1番底へと突っ込んだ。
「よし封印完了。ミッションコンプリートだな」
まさか実家に着いて早々いきなりお見合い話を持ち掛けられるとは思っていなかった為、大変驚きそのせいもあり今更ながらにどっと疲れが出たので、少しでも体力を回復させようと俺はそのまま床へとドカンと座り込んだ。
だがただ休憩しているだけでは時間がもったいないと感じた俺は、ここに来るまでに考えていたバーチャルキャバクラの台本を確認しようと考え、台本が書かれた手のひらサイズのメモ帳ズボンのポケットから取り出そうと、ズボンのポケットにてをつっこんでみるのだが……
「あれ?いやそんなわけ……ちょっとまってくれよマジで!」
俺はズボンのポケットとは言わず体全身に更には荷物の中を全て確認してみたのだが、その何処にもメモ帳は存在しなかった。
「まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい!!マジでまずい!」
あんな身バレRTAができそうなレベルで九重ホムラで使ったネタや、これから使おうと考えてたネタなどがふんだんに書き込まれている、例えそれが真冬のお願いでも見せるのを躊躇ってしまう様な物を何処かに落としてしまったのだ。
その事実を知って俺は勢いよく膝から地面に崩れ落ちた。
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