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第6章 過去の思い出
83話 ひと段落
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「…………夏兄!…………夏兄!夏兄!起きて!」
「ん?ああ、真冬か?」
そう重い瞼を擦りながら声の聞こえる方へと、寝惚けながら振り向くと、そこには何やら焦った様子の真冬の姿があった。
「どうかしたか?」
まだ半分夢の中なのか、ぼーっとしながらも真冬に質問すると、真冬は俺の方を掴んで前後に勢いよく揺らした。
寝惚けた頭に効率よく刺激を与えられた俺は、体にはまだ少し疲労が少し溜まっているが、頭の方はよく寝たからか、少しのモヤモヤを残しながらも疲労綺麗さっぱりなくなった。
そこでようやく真冬が焦っている事に気がつき、一瞬もしかしてガスの元栓でも閉め忘れたのか?と、不安になったが、真冬に渡されたうちでは取っていないはずの新聞紙を手渡された事によって、俺は真冬が何故こんなにも焦っているのかを理解することができた。
真冬に渡された新聞紙に書かれていたのは、ユメノミライの大元である会社の役員が大量に逮捕されたという記事だった。
真冬も過去に俺が詳しい理由は知らないが、vtuberとしての信用を最底辺まで落として、今ようやく元の状態に戻って来ているのを知っている為、今度は俺だけではなく他のユメノミライのメンバーも含めて、昔の俺と同じ状態になってしまうと考えて、ここまで焦っているのだと理解した。
そして俺はそんな真冬を落ち着かせる為に、優しく真冬の頭を撫でて、俺がユメノミライを脱退する事を発表した大体1週間前に出された、ユメノミライ公式からの記事を1つ真冬に見せることにした。
その記事とはユメノミライの独立を発表する記事だった。
本当はこの記事の発表はもっと後、正確に言えば俺の独立を発表して世間にユメノミライの名前を注目させた時に発表する予定だったが、ちょうど今俺が手に持っている新聞を出している会社のライターの1人が、どうやってかは知らないが今回の事を調べ上げてくれたお陰で、さっさと独立しないとユメノミライも巻き込まれると思って、急いで公式でユメノミライ独立を発表したのだった。
まぁそのせいで独立というすごい事をやったのにも関わらず、俺九重ホムラの脱退騒動のせいでユメノミライが独立したということは、そこまで盛り上がらなかったという……
そんな俺達の考えをめちゃくちゃにしてくれたのが、この新聞紙を自信満々で俺の家に投函してくれた男、元自称新聞サークルエースで、現在大手の新聞紙を世に出している会社の自称若きエースだ。
「はぁ……」
俺は自分の知り合いのせいで、園野さん達と一生懸命考えた作戦をめちゃくちゃにされたと思うと、何ともやるせ無い気持ちになり、自然と口からため息が溢れた。
「どうしたの夏兄?やっぱり何か影響とかあったの?」
「ああ、いや違うんだよ。ちょっとこの記事を書いたバカの事を思い出してな……」
俺はそう言って手に持っていた新聞紙の端っこに書かれたAという文字を、自分の指でトントンと続きながらそう呟いた。
「え!?じゃあこれ書いたのって夏兄の知り合いなの?」
「大学時代のな、ほら真冬覚えてるか?俺が事故った時に俺と一緒に捜査してたって奴」
そう言われると真冬は少し考えた後、俺に病院に居た人?と聞いて来た。
それに対して俺は、頷きながらそうそうそいつと答えた。
「にしてもコイツ本当どうやって今回の件知ったんだか……。まぁそんな事どうでもいいか、よし真冬今日は色んなお祝い含めて鍋パーティーでもやるか!」
「本当!やったー」
そう言って俺達は新聞紙を机の上に置いて、鍋の準備の為に台所へと向かった。
◯
「さぁ始まりました!今をときめくアイドル達による、蹴落としあいのガチマッチ!誰がその手に栄光の冠を手にするか!第1回アイドル大運動会開幕です!」
司会の人の叫び声が俺達アイドルの居る控え室にまで聞こえ、控え室全体に緊張が走る。
「行くわよ!我がライバル!」
「ああ、そうだなゴスロリ」
そう言ってゴスロリと呼ばれた少女は、ゴッテゴテの装飾まみれの日傘をさし、ライバルと呼ばれた男性は白の礼服を身に纏い、今まで横に置いてあった二次元キャラの顔が描かれた仮面を頭に被り立ち上がった。
「「行くか!」」
そう言って2人は控え室を背に歩き始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください!お2人共本当にそんな格好で行くんですか?」
「「もちろん」」
そう言って俺達は、さっきからガッチガチに緊張して固まって居た少女に親指を立てた。
そうして俺達2人は控え室を後にして、会場へと歩を進め、その後ろをオドオドしながら先程の少女が後に続き、司会者に自分達のチーム名を呼ばれたと同時に、俺達3人は会場に入場した。
「ん?ああ、真冬か?」
そう重い瞼を擦りながら声の聞こえる方へと、寝惚けながら振り向くと、そこには何やら焦った様子の真冬の姿があった。
「どうかしたか?」
まだ半分夢の中なのか、ぼーっとしながらも真冬に質問すると、真冬は俺の方を掴んで前後に勢いよく揺らした。
寝惚けた頭に効率よく刺激を与えられた俺は、体にはまだ少し疲労が少し溜まっているが、頭の方はよく寝たからか、少しのモヤモヤを残しながらも疲労綺麗さっぱりなくなった。
そこでようやく真冬が焦っている事に気がつき、一瞬もしかしてガスの元栓でも閉め忘れたのか?と、不安になったが、真冬に渡されたうちでは取っていないはずの新聞紙を手渡された事によって、俺は真冬が何故こんなにも焦っているのかを理解することができた。
真冬に渡された新聞紙に書かれていたのは、ユメノミライの大元である会社の役員が大量に逮捕されたという記事だった。
真冬も過去に俺が詳しい理由は知らないが、vtuberとしての信用を最底辺まで落として、今ようやく元の状態に戻って来ているのを知っている為、今度は俺だけではなく他のユメノミライのメンバーも含めて、昔の俺と同じ状態になってしまうと考えて、ここまで焦っているのだと理解した。
そして俺はそんな真冬を落ち着かせる為に、優しく真冬の頭を撫でて、俺がユメノミライを脱退する事を発表した大体1週間前に出された、ユメノミライ公式からの記事を1つ真冬に見せることにした。
その記事とはユメノミライの独立を発表する記事だった。
本当はこの記事の発表はもっと後、正確に言えば俺の独立を発表して世間にユメノミライの名前を注目させた時に発表する予定だったが、ちょうど今俺が手に持っている新聞を出している会社のライターの1人が、どうやってかは知らないが今回の事を調べ上げてくれたお陰で、さっさと独立しないとユメノミライも巻き込まれると思って、急いで公式でユメノミライ独立を発表したのだった。
まぁそのせいで独立というすごい事をやったのにも関わらず、俺九重ホムラの脱退騒動のせいでユメノミライが独立したということは、そこまで盛り上がらなかったという……
そんな俺達の考えをめちゃくちゃにしてくれたのが、この新聞紙を自信満々で俺の家に投函してくれた男、元自称新聞サークルエースで、現在大手の新聞紙を世に出している会社の自称若きエースだ。
「はぁ……」
俺は自分の知り合いのせいで、園野さん達と一生懸命考えた作戦をめちゃくちゃにされたと思うと、何ともやるせ無い気持ちになり、自然と口からため息が溢れた。
「どうしたの夏兄?やっぱり何か影響とかあったの?」
「ああ、いや違うんだよ。ちょっとこの記事を書いたバカの事を思い出してな……」
俺はそう言って手に持っていた新聞紙の端っこに書かれたAという文字を、自分の指でトントンと続きながらそう呟いた。
「え!?じゃあこれ書いたのって夏兄の知り合いなの?」
「大学時代のな、ほら真冬覚えてるか?俺が事故った時に俺と一緒に捜査してたって奴」
そう言われると真冬は少し考えた後、俺に病院に居た人?と聞いて来た。
それに対して俺は、頷きながらそうそうそいつと答えた。
「にしてもコイツ本当どうやって今回の件知ったんだか……。まぁそんな事どうでもいいか、よし真冬今日は色んなお祝い含めて鍋パーティーでもやるか!」
「本当!やったー」
そう言って俺達は新聞紙を机の上に置いて、鍋の準備の為に台所へと向かった。
◯
「さぁ始まりました!今をときめくアイドル達による、蹴落としあいのガチマッチ!誰がその手に栄光の冠を手にするか!第1回アイドル大運動会開幕です!」
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「行くわよ!我がライバル!」
「ああ、そうだなゴスロリ」
そう言ってゴスロリと呼ばれた少女は、ゴッテゴテの装飾まみれの日傘をさし、ライバルと呼ばれた男性は白の礼服を身に纏い、今まで横に置いてあった二次元キャラの顔が描かれた仮面を頭に被り立ち上がった。
「「行くか!」」
そう言って2人は控え室を背に歩き始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください!お2人共本当にそんな格好で行くんですか?」
「「もちろん」」
そう言って俺達は、さっきからガッチガチに緊張して固まって居た少女に親指を立てた。
そうして俺達2人は控え室を後にして、会場へと歩を進め、その後ろをオドオドしながら先程の少女が後に続き、司会者に自分達のチーム名を呼ばれたと同時に、俺達3人は会場に入場した。
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