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1章 ようこそエルデネンスへ!
異世界の長い一日
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「しかし、住むところはここが見つかったから良いもののこれからどうやって生活しようか……」
部屋のクローゼットの上を拭きながら考える。
きれいに掃除されているようで、ほとんどホコリは見当たらないけど一応部屋に感謝というか挨拶代わりの掃除だ。
「そうですね、ここは住民全員でお金を出し合って生活をしている場所なのでしばらくはこのままでも良いと思いますが……。あんまり長く無職でいると確実に白い目では見られますね。」
良いと言ったのに、ミアナも手伝って窓ガラスを拭いてくれている。
無職という言葉が鋭く胸に突き刺さる。
今日来たばかりなのに!元学生なのになんでこんな!
「でも俺に一体何ができるんだろうな……戦闘能力高いわけじゃないし、ミアナみたいな便利な能力があるわけでもないしな……」
というか、まだ異世界生活1週間目らしいのにミアナはこの世界に順応しすぎというかもう仕事を見付けてるのは素直にすごいと思う。
「便利な能力はなくても仕事はありますし……うーん、とりあえず今日はこの辺にして、休むことにしましょう?ね?」
掃除の手を止め、手をパンと叩くミアナ。
確かに、掃除もあらかた終わったし、流石に今日は自身の死を始めとして色々な事がありすぎた。
頭も混乱しつつある。
「うーん。じゃあそうさせてもらうよ。まだ夢だと思ってるところもあるし、じゃあモモさんのところにもう一度挨拶に行ったら休む事にしよう」
寝て起きたらなんだやっぱり夢だった、なんて事もまだありえる。
窓の外を見ると、陽の光がほのかに茜色を帯びてきていた。
もう夕方なのか……。
「モモさんのところに挨拶したら……もうすぐ晩御飯になりますから、そのままロビーで休んでてくださいね。私はこれから晩御飯作りおお手伝いがあるので、他の住民の方との親交を深めててくださいね!」
そういうとミアナは一足先に、と廊下を歩いて行った。
そう言えばミアナの部屋がどこなのか聞き忘れた気がする。
……いや、若い女の子なんだし部屋の場所なんか普通教えたりはしないか。
少し考えてから俺も廊下に出る。
もうミアナの姿は見当たらなくなって居た。
「……モモさんの部屋まで辿り着けるかな」
「私がどうかしたの?」
「うわぁっ!」
気付いたらモモさんが背後に立って、俺の顔を覗き込んでいた。
「いや、今モモさんの部屋まで挨拶に行こうと思ってたとこなんですよ」
モモさんに向き合って話しかける。
可愛らしい女の子という雰囲気のミアナとは違い、大人のお姉さんという雰囲気満々のモモさん。
なんだか少しふわふわしたところはあるけど、色気が凄い。とにかく凄い。
「あぁ!そうなの~?私も今、ケント君お部屋気に入ってくれたかな~?って様子見に行こうと思ってたの」
ニコニコと微笑みながらモモさんはそういった。
癒やし系お姉さん枠だ……。
「部屋、凄く良いです!異世界感ありつつ過ごしやすそうというか、豪華過ぎず質素すぎずって感じで!」
「でしょ~?結構こだわったんだからね。でも気に入ってもらえて良かった。あ、そうだ。これからロビーに行くの?」
ニコニコと微笑みながら首を傾げるモモさん。ふわり、とウェーブのかかった金色の髪が揺れる
「はい、そうしようと思ってます」
「じゃあ一緒に行きましょう?私もこのあとロビーに行こうと思ってたから~」
まさに渡りに船だった。
俺が「はい」と言って頷くと、どちらかという訳でもなく歩き出した。
部屋のクローゼットの上を拭きながら考える。
きれいに掃除されているようで、ほとんどホコリは見当たらないけど一応部屋に感謝というか挨拶代わりの掃除だ。
「そうですね、ここは住民全員でお金を出し合って生活をしている場所なのでしばらくはこのままでも良いと思いますが……。あんまり長く無職でいると確実に白い目では見られますね。」
良いと言ったのに、ミアナも手伝って窓ガラスを拭いてくれている。
無職という言葉が鋭く胸に突き刺さる。
今日来たばかりなのに!元学生なのになんでこんな!
「でも俺に一体何ができるんだろうな……戦闘能力高いわけじゃないし、ミアナみたいな便利な能力があるわけでもないしな……」
というか、まだ異世界生活1週間目らしいのにミアナはこの世界に順応しすぎというかもう仕事を見付けてるのは素直にすごいと思う。
「便利な能力はなくても仕事はありますし……うーん、とりあえず今日はこの辺にして、休むことにしましょう?ね?」
掃除の手を止め、手をパンと叩くミアナ。
確かに、掃除もあらかた終わったし、流石に今日は自身の死を始めとして色々な事がありすぎた。
頭も混乱しつつある。
「うーん。じゃあそうさせてもらうよ。まだ夢だと思ってるところもあるし、じゃあモモさんのところにもう一度挨拶に行ったら休む事にしよう」
寝て起きたらなんだやっぱり夢だった、なんて事もまだありえる。
窓の外を見ると、陽の光がほのかに茜色を帯びてきていた。
もう夕方なのか……。
「モモさんのところに挨拶したら……もうすぐ晩御飯になりますから、そのままロビーで休んでてくださいね。私はこれから晩御飯作りおお手伝いがあるので、他の住民の方との親交を深めててくださいね!」
そういうとミアナは一足先に、と廊下を歩いて行った。
そう言えばミアナの部屋がどこなのか聞き忘れた気がする。
……いや、若い女の子なんだし部屋の場所なんか普通教えたりはしないか。
少し考えてから俺も廊下に出る。
もうミアナの姿は見当たらなくなって居た。
「……モモさんの部屋まで辿り着けるかな」
「私がどうかしたの?」
「うわぁっ!」
気付いたらモモさんが背後に立って、俺の顔を覗き込んでいた。
「いや、今モモさんの部屋まで挨拶に行こうと思ってたとこなんですよ」
モモさんに向き合って話しかける。
可愛らしい女の子という雰囲気のミアナとは違い、大人のお姉さんという雰囲気満々のモモさん。
なんだか少しふわふわしたところはあるけど、色気が凄い。とにかく凄い。
「あぁ!そうなの~?私も今、ケント君お部屋気に入ってくれたかな~?って様子見に行こうと思ってたの」
ニコニコと微笑みながらモモさんはそういった。
癒やし系お姉さん枠だ……。
「部屋、凄く良いです!異世界感ありつつ過ごしやすそうというか、豪華過ぎず質素すぎずって感じで!」
「でしょ~?結構こだわったんだからね。でも気に入ってもらえて良かった。あ、そうだ。これからロビーに行くの?」
ニコニコと微笑みながら首を傾げるモモさん。ふわり、とウェーブのかかった金色の髪が揺れる
「はい、そうしようと思ってます」
「じゃあ一緒に行きましょう?私もこのあとロビーに行こうと思ってたから~」
まさに渡りに船だった。
俺が「はい」と言って頷くと、どちらかという訳でもなく歩き出した。
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