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運命の相手
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私の名前はエリシア、バロス商会の次女で婚約者は漁師のアーリィ。
バロス商会が海産物の取り扱いを強化するに伴い漁師とつながりを作るために婚約したことになっているけれど、実際はごく普通に恋愛して恋人になっただけ。
【王国恋愛法】なんて馬鹿げた法律も今や適当に理由さえでっち上げれば普通に好きな人と結婚できてしまうから、有って無いようなものだとずっと思っていたの。
あんなことがあるまでは…
時は1日前にさかのぼる
とある港にて
「エリシア!今日も大物が捕れたよ!」
そういって大きな魚を頭上に掲げて楽しそうに笑うのは私の婚約者のアーリィ。
そんな彼にバロス商会海産物担当の私はいつものように話しかける。
「すごいわアーリィ3日連続で大物を釣り上げるなんて!そのうちお義父さまを超えて街一番の漁師になりそうね」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。だけど僕じゃまだまだ父さんを超えるには足りないと思ってる。」
アーリィはそういうと頭上に掲げていた魚をかごにそっと戻した。
その時
「運命の相手を見つけましたわ!」
突然の声に驚いて振り向くとそこには明るめの茶髪に妙にフリフリしたドレスを着た少女が立っていた。
「…貴族のご令嬢に見えますが、何か御用でしょうか?」
嫌な予感はしつつも冷静に少女に語り掛ける。
「あなたには用はないわ!わたくしが用があるのは底の運命の殿方ですわ~!」
そういうとビシッっと聞こえそうな勢いでアーリィを指さした。
この時点で嫌な予感が的中したのを確信して思わず頭を抱えたくなる。
というのもこういった貴族の自由恋愛による暴走は今までもいくつか例があったのだ。そして面倒なことに貴族から平民への求婚は立場上断れないことが多いのだった。
「運命とおっしゃられても僕はあなたの名前も知りませんよ」
頭を抱えそうな私とは対照的に冷静に答えるアーリィ。彼のこういう冷静沈着なところに魅かれたのだ。
「それは申し訳ありませんでした。私ラバイカ公爵家のレーティアと申します。一目ぼれしましたので恋人になってくださいませ。」
内容はともかく、さすが貴族といったところかレーティアは美しく挨拶する。
「レーティア様申し訳ありませんが僕は婚約者がいるので恋人になることはできません。貴族のご令嬢と言っても婚約者を奪うような真似はできないはずですよね?」
アーリィの言葉に一瞬動きを止めたレーティアだったが、すぐに何かを考えるそぶりをするとそういうことなら出直しますわと告げてさっさと帰ってしまった。
ただ、出直すということはあきらめたわけでは無いというわけで、これから起こるであろう面倒ごとに今度こそ私は頭を抱えた。
「なんて面倒くさい!」
「まあまあ、でもこっちだって対策はあるでしょう?」
叫ぶ私にそういって笑いかけるアーリィ。
【王国恋愛法】が出来て150年もたっているのだ今回のことだって別に初めてではない。法律が出来た当初はレーティアのようなわがままで無理やり婚姻させられた平民は多かったが今はそうではない。
「ええもちろん、幸か不幸か相手は<あの>ラバイカ公爵家だしね。面倒だけど何とかなるわ」
私はほんの少しだけ悪い笑顔を浮かべる。
(人の恋路を邪魔する奴はなんとやら…ね)
バロス商会が海産物の取り扱いを強化するに伴い漁師とつながりを作るために婚約したことになっているけれど、実際はごく普通に恋愛して恋人になっただけ。
【王国恋愛法】なんて馬鹿げた法律も今や適当に理由さえでっち上げれば普通に好きな人と結婚できてしまうから、有って無いようなものだとずっと思っていたの。
あんなことがあるまでは…
時は1日前にさかのぼる
とある港にて
「エリシア!今日も大物が捕れたよ!」
そういって大きな魚を頭上に掲げて楽しそうに笑うのは私の婚約者のアーリィ。
そんな彼にバロス商会海産物担当の私はいつものように話しかける。
「すごいわアーリィ3日連続で大物を釣り上げるなんて!そのうちお義父さまを超えて街一番の漁師になりそうね」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。だけど僕じゃまだまだ父さんを超えるには足りないと思ってる。」
アーリィはそういうと頭上に掲げていた魚をかごにそっと戻した。
その時
「運命の相手を見つけましたわ!」
突然の声に驚いて振り向くとそこには明るめの茶髪に妙にフリフリしたドレスを着た少女が立っていた。
「…貴族のご令嬢に見えますが、何か御用でしょうか?」
嫌な予感はしつつも冷静に少女に語り掛ける。
「あなたには用はないわ!わたくしが用があるのは底の運命の殿方ですわ~!」
そういうとビシッっと聞こえそうな勢いでアーリィを指さした。
この時点で嫌な予感が的中したのを確信して思わず頭を抱えたくなる。
というのもこういった貴族の自由恋愛による暴走は今までもいくつか例があったのだ。そして面倒なことに貴族から平民への求婚は立場上断れないことが多いのだった。
「運命とおっしゃられても僕はあなたの名前も知りませんよ」
頭を抱えそうな私とは対照的に冷静に答えるアーリィ。彼のこういう冷静沈着なところに魅かれたのだ。
「それは申し訳ありませんでした。私ラバイカ公爵家のレーティアと申します。一目ぼれしましたので恋人になってくださいませ。」
内容はともかく、さすが貴族といったところかレーティアは美しく挨拶する。
「レーティア様申し訳ありませんが僕は婚約者がいるので恋人になることはできません。貴族のご令嬢と言っても婚約者を奪うような真似はできないはずですよね?」
アーリィの言葉に一瞬動きを止めたレーティアだったが、すぐに何かを考えるそぶりをするとそういうことなら出直しますわと告げてさっさと帰ってしまった。
ただ、出直すということはあきらめたわけでは無いというわけで、これから起こるであろう面倒ごとに今度こそ私は頭を抱えた。
「なんて面倒くさい!」
「まあまあ、でもこっちだって対策はあるでしょう?」
叫ぶ私にそういって笑いかけるアーリィ。
【王国恋愛法】が出来て150年もたっているのだ今回のことだって別に初めてではない。法律が出来た当初はレーティアのようなわがままで無理やり婚姻させられた平民は多かったが今はそうではない。
「ええもちろん、幸か不幸か相手は<あの>ラバイカ公爵家だしね。面倒だけど何とかなるわ」
私はほんの少しだけ悪い笑顔を浮かべる。
(人の恋路を邪魔する奴はなんとやら…ね)
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