1 / 107
序章
1 後悔と巻き戻り
しおりを挟む
「どうしてこうなってしまったんだろう…」
ぼろぼろの服を着て荒野を歩く青年が一人。
その心の中にあるのはあふれんばかりの後悔。
少し前までは時期侯爵としてちやほやされていた彼は今や平民以下の生活を強いられていた。
それもこれも義姉と義母の言うことしか信じず実の妹を虐げたせいだ。
「どうしてシェリィを信じなかったんだろう…どうして公平に判断できなかったんだろう…」
もし二度目があるのなら今度は絶対に間違えない。
そう思った瞬間に青年は気を失ってしまう。
倒れた彼の懐から先祖代々伝わる公爵のペンダントが滑り落ちた。
「はっ!」
目を覚ますとそれはかつて毎日見ていた、もう見ることもできないはずの天井だった。
「今日は珍しくお寝坊さんですね。ディート様」
起き上がった彼の前にはずいぶん前に侯爵家から出て行ったはずの使用人が優しく微笑みかけていた。
「…マリー今日は何年何月だったっけ?頭がぼーっとしてて忘れちゃった」
少し声が上ずってしまったがマリーはそんなディートの様子には気が付かずに答えてくれた。
「あらあら坊ちゃん。今日はアルベルト暦5256年の3月3日。坊ちゃんのお誕生日じゃありませんか」
ふふふと優しく笑うマリーの答えにディートはわずかに目を見開いた。
その日はディートが15歳になる日。
そして我が家の運命を大きく左右する出来事があった日であった。
「(間違いない。僕は過去に巻き戻っている!)」
ぼろぼろの服を着て荒野を歩く青年が一人。
その心の中にあるのはあふれんばかりの後悔。
少し前までは時期侯爵としてちやほやされていた彼は今や平民以下の生活を強いられていた。
それもこれも義姉と義母の言うことしか信じず実の妹を虐げたせいだ。
「どうしてシェリィを信じなかったんだろう…どうして公平に判断できなかったんだろう…」
もし二度目があるのなら今度は絶対に間違えない。
そう思った瞬間に青年は気を失ってしまう。
倒れた彼の懐から先祖代々伝わる公爵のペンダントが滑り落ちた。
「はっ!」
目を覚ますとそれはかつて毎日見ていた、もう見ることもできないはずの天井だった。
「今日は珍しくお寝坊さんですね。ディート様」
起き上がった彼の前にはずいぶん前に侯爵家から出て行ったはずの使用人が優しく微笑みかけていた。
「…マリー今日は何年何月だったっけ?頭がぼーっとしてて忘れちゃった」
少し声が上ずってしまったがマリーはそんなディートの様子には気が付かずに答えてくれた。
「あらあら坊ちゃん。今日はアルベルト暦5256年の3月3日。坊ちゃんのお誕生日じゃありませんか」
ふふふと優しく笑うマリーの答えにディートはわずかに目を見開いた。
その日はディートが15歳になる日。
そして我が家の運命を大きく左右する出来事があった日であった。
「(間違いない。僕は過去に巻き戻っている!)」
21
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜
嘉神かろ
恋愛
魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。
妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。
これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
【完結】竜王に嫁いだら、推しの半竜皇子の継母になりました〜冷酷な夫には興味ありませんが、闇落ち予定の皇子は私が全力で幸せにします!〜
せりもも
恋愛
転生したのは、web小説の世界だった。物語が始まる前の時間、隣国の竜王へ嫁ぐ薄幸の王女、デジレに。
結婚相手である竜王ワッツァは、冷酷非道で人間を蔑む恐ろしい竜人だ。彼はデジレを、半竜(半分竜で半分人間)である息子の養育係としかみていない。けれどその息子バートラフこそ、前世の「わたし」の最オシだった。
この世界のバートラフはまだ5歳。懸命に悪ガキぶっているけど、なんてかわいいの!? 小説のバートラフは、闇落ちして仲間の騎士たちに殺されてしまうけど、そんな未来は、絶対に許さないんだから!
幼いバートラフに対する、愛情いっぱいの子育ての日々が始まる。やがて彼の成竜への通過儀礼を経て、父の竜王は、デジレに対して執着を見せ始める。
ところが、竜と人間の戦争が始まってしまう。おとなになったバートラフは人間側につき、聖女の騎士団に入った。彼は、父の竜王に刃を向けられるのか? そして、転生者デジレに与えられたスキル「プロットを破断する者」を、彼女はどう発動させるのか。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる