【完結】大聖女の息子はやり直す

ゆるぽ

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ジュディ編

43 森の変化

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ディートがルナライズ家に帰宅した時、時計の針はすでに正午を過ぎていた。


軽く昼食を済ませた後に侯爵とシェリィ、イリスを交えて昨夜から今朝にかけてあったことを伝えた。


あまりな出来事に侯爵は混乱した様子だったが、シェリィとイリスはディートらしいと笑っていた。



振り分けに関しても特に異存はないため、話し合いはあっさりと終わり全員が席を立とうとしたその時。




「大変よ!魔王の森が!」



慌てた様子でルナライズ侯爵夫人イザベラが駆け込んできた。














イザベラはディートとシェリィの母親で大聖女のシャーリィと頻繁にやり取りをしていた。


それは単純に仲が良いというだけではなく、シャーリィからの依頼で大魔王の森について調べていたからでもある。


その結果大魔王の森が意図的に力を増幅させられたことを突き止めたイザベラはシャーリィとともに秘密裏に増幅の根源を探していた。


捜索は難航していたのだが、ここ数日で突然森の力が以前と同程度に弱体化したのだった。






「森が弱体化したことで捜索範囲が広がってようやく根源を見つけられたの」




そういって彼女が見せたのは1枚の写真だった。

現在の科学技術では白黒の写真しか機械では作れないが魔術を用いた念写であればカラーの写真を作ることが出来る。

不思議な文字の書かれた球状の物体が映った写真はイザベラ自らが念写した物だった。




「これは…魔族文字か…?」




写真を凝視しながらディートがつぶやく。

魔族文字とはその名の通り魔族が用いる文字で、禁術使いについての勉強の際に学び今では多少読み解けるまでになっている。





「お兄様何が書かれているのです?」

「…単純な増幅系の呪文っぽい…これ1つではそこまで威力はなさそう…いや、複数個使うことが前提の道具か!」

「さすがシャーリィの息子ね!その通りよ。このほかにも何かしらの陣を描くようにこれらが置かれていたわ」





瘴気の強い中心部には近づくことが出来ないため森にわずかに入ったところまでしか調査はできていない、と前置きしてイザベラが道具の発見時のことを説明していく。

大魔王の森に少し入ったとこに10メートルごとに設置されていたこの道具は上から見ると森の中心部を軸に円形になるように置かれていたという。

シャーリィの見立てでは同じようなものが森の中心に行くごとに設置されているだろうとのことだった。


ちょうど上から見ると多重の円になるかたちはこの世界の魔術的に最も簡単な陣であるという。






「つまりこの道具を使った単純な魔術陣だったということね。普通ならすぐばれてしまうけど、人がなかなか近づけない大魔王の森であればばれる可能性はかなり低くなる」






イリスが情報を整理するようにつぶやく。

ディートとシェリィもイリスの意見に同意していた。






「とりあえず装備を整えてシャーリィと数名の聖人、聖女たちで調査を行う予定よ。それで完全に弱体化が認められればシャーリィは帰ってこられるわ!」


「お母さまが!」

「母上が!」

「シャーリィさまが!」

「シャーリィっ…!」





イザベラの言葉にそれぞれが反応する。

前の時とは異なり今のルナライズ侯爵家はイザベラとイリスも含めて大切な家族となっている。

家族全員がシャーリィの帰還の目途が立ちそうなことに喜びを隠せないでいた。





しかしこの調査の結果、驚愕の事実が明らかになる。
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