【完結】大聖女の息子はやり直す

ゆるぽ

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ジュディ編

44 穢れなき森

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大魔王の森ーーーはるか昔大魔王ゼグリドと勇者たちが激しい戦いを繰り広げた古戦場後地であり、現在は魔王の血によって穢れ瘴気があふれる死の森となっているはずだった。




「どういうことなの…!?」



大聖女シャーリーと実力のある数名の聖人聖女で結成された調査隊による大魔王の森探索は順調に進んでいた。いや、調


途中でいくつか魔族文字が刻まれた魔導具を見つけたが、見つけるたびに浄化することで探索範囲を広げることが出来た。


そうやって進むうちに森の中央、魔王が討伐されたとされる場所までついてしまった。






「これが魔王の森の瘴気の根源だというの?こんなものが…」




調査隊の前にあったのは魔法陣の上に置かれた生贄の姿だった。



















調べたところ魔族から伝えられるものとは違うが禁術と指定されている魔術であることが判明した。


効果は呪術を行うための媒体を作るというもので、この魔術で作られた媒体は瘴気を発するようになるという。





「生きた生物を媒体に変えるという非道なもののために150年ほど前に禁術指定されているもので間違いないようです」





浄化された中心部に作られた調査拠点で聖女たちの報告を聞きながらシャーリィは眉間を抑えた。

数ある魔術の中で呪術と呼ばれるジャンルがある。

それは媒体などを用いた遠隔式の間接攻撃魔術の総称であり、呪術そのものは合法ではあるが内容があまりにも倫理から外れているものは禁術指定されることもあった。




「ほかに何か分かったことは?」

「周辺を調査したところ同様の術式が陣を描くように5陣ほど確認できました。すべて浄化し無効化済みです」

「そう、つまりなのね?」

「…はいでした」





シャーリィと調査員たちの間にしばしの沈黙が流れる。

この調査の結果判明したのは魔王の血による穢れなどはるか昔に無くなっていたという事実。


すでに穢れは失われただの森になっていたはずの大魔王の森を何者かが細工し、いまだに瘴気あふれる死の森に見せかけていただけだったのだ。




「私たちは一体どれほどの時間この森を魔の森だと思っていたのでしょうね…」



シャーリィの口からこぼれた問の答えを持つものは今ここにはいない。





















大魔王の森の真実についての情報は秘密裏にかつ迅速にソラリヤ王国の王宮に届けられた。

そして数日後には隣国であり同盟関係でもあるスカイピオ王国にも届けられた。

だが、その内容は今までの常識を根底から覆したものであったため両国ともひとまずは公表を控える方針である。








スカイピオ王国王宮のとある一部屋






「これやばくね。ディートの奴大丈夫かあ?」


自室にて一連の事件の資料を眺めているのはスカイピオ王国第5王子ルーベルト・リード・スカイピオである。

ディートとは文通友達であり、彼に情報提供した人物である。

ちなみに手紙の文面では多少取り繕っているものの、素は大変王子らしくない性格だったりする。


「これは大親友の俺様が助けてやらねーとな!」




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