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終章・魔王大戦
78 剛拳のアルマリア
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ディートたちを先に進めるために一人、また一人と味方が敵を足止めするために減っていく。
そしてついに魔王の目前まで迫ったとき、それは現れた。
「よくぞここまで参られました。そのことは褒めてあげましょう」
空から現れたそれは額に1本の角がある以外はどこかの屋敷の執事のような見た目をしていた。
「あれは…魔物なのか…?人にしか見えないけど…」
ジャンが小さくつぶやく。
それはこの場にいる全員の疑問であった。
「まあ、驚くのも無理はありませんね。私は魔王様が生み出した次世代の魔物…魔人でありますから」
魔王は身動きが取れない間ずっと眷属たちの改造に力を入れていた。
全面対決を視野に入れて準備をしていたのは魔王も同じ。
そうして3カ月の間にようやく完成したのが魔人という新たな種族である。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私は魔人ヴァイドと申します。以後よろしくお願いいたしますね?」
その瞬間広範囲の衝撃波がディートたちを襲う。
挨拶と同時に攻撃を仕掛けてきたのだ。
だが、その攻撃は彼らには届かない。
彼女が全て受け止めたからだ。
「うむ、なかなか良い挨拶だ」
いつの間にかヴァイドの背後に現れていたアルマリアが蹴りを繰り出す。
ヴァイドは数百メートル飛ばされ岩山に激突する。
当たり前のように浮遊するアルマリアと聖獣白虎は戦闘態勢を崩していない。
「ここは我々が引き受けよう!お前たちは魔王にさっさと行ってこい!」
「わかったよ~楽しんで来てねぇ~」
レイヴンの気の抜けた答えと同時にアルマリアを残して魔王の元へ再び走り出した一行。
「さて、邪魔もいなくなったことだしトコトン死合おうぞ!」
「…まったく豪快なお方だ…本当なら魔王様の元に向かうものを止めなければならないが…ふふ」
使命よりも今この戦いを愉しみたい。
魔物よりはるかに高い知能を得た魔人であるヴァイドは本能とは異なる愉悦といった感情も持つようになってしまった。
その為、この場で魔王の命より己の欲を優先してしまった。
「私が得た力を試すのにはちょうど良い…!」
「そうだ!それでこそだ!私を退屈させるなよ?」
それは単純な殴り合いだった。
新しき種族で魔人と聖獣に選ばれし巫女。
あまたの魔法を自在に扱えるはずの2人がただただ殴り合っている。
正確に言えば最初はそれこそ魔法合戦もあったのだが、すぐに殴り合いに移行したのだ。
この相手に小細工は不要。
「面白いな!魔人よ!生まれて間もない種族だとは思えんな!」
「あなたこそ!事前に仕入れていた巫女像と全く当てはまらない!」
時折交わされる短い会話。
その内容は互いを称賛するものであり、まるで好敵手あいての組手のようであった。
魔王と人間の互いの存亡をかけた大戦の中でこの闘いだけは異質。
あれからどのくらい殴り合っていただろうか。
数分かもしれない、数時間かもしれない、もしくは数秒間の出来事だったのかもしれない。
永遠とも一瞬とも感じるその戦いについに決着の時が来た。
「はあああああ!」
「ぐふっ!」
アルマリアの右ストレートがヴァイドのみぞおちにヒットした。
そのまま崖に激突するヴァイドにもう戦う力は無い。
「まさかただのパンチで倒されることになるとは…ふふふ満足ですよ。アルマリア殿」
「剛拳のアルマリアと周りに言われるくらいには殴りには自信があるのでな…楽しかったぞ。ヴァイド」
アルマリアに笑顔で答えるとヴァイドは魔物と同じように煙になって消えた。
その後に残されたのは彼の力の源であった角型の魔石のみである。
アルマリアはそれを大事そうにしまうと地に倒れ伏した。
「…うむ。疲れてもう動けん…ヴァイドよ次は人に生まれてきてくれ…そうしたらまた試合う…ぞ…ぐぅZZZZZZ」
死力を尽くした彼女は満足げに寝息を立て始めた。
そんな彼女をあきれながらも愛おしそうに白虎は見守っていた。
そしてついに魔王の目前まで迫ったとき、それは現れた。
「よくぞここまで参られました。そのことは褒めてあげましょう」
空から現れたそれは額に1本の角がある以外はどこかの屋敷の執事のような見た目をしていた。
「あれは…魔物なのか…?人にしか見えないけど…」
ジャンが小さくつぶやく。
それはこの場にいる全員の疑問であった。
「まあ、驚くのも無理はありませんね。私は魔王様が生み出した次世代の魔物…魔人でありますから」
魔王は身動きが取れない間ずっと眷属たちの改造に力を入れていた。
全面対決を視野に入れて準備をしていたのは魔王も同じ。
そうして3カ月の間にようやく完成したのが魔人という新たな種族である。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私は魔人ヴァイドと申します。以後よろしくお願いいたしますね?」
その瞬間広範囲の衝撃波がディートたちを襲う。
挨拶と同時に攻撃を仕掛けてきたのだ。
だが、その攻撃は彼らには届かない。
彼女が全て受け止めたからだ。
「うむ、なかなか良い挨拶だ」
いつの間にかヴァイドの背後に現れていたアルマリアが蹴りを繰り出す。
ヴァイドは数百メートル飛ばされ岩山に激突する。
当たり前のように浮遊するアルマリアと聖獣白虎は戦闘態勢を崩していない。
「ここは我々が引き受けよう!お前たちは魔王にさっさと行ってこい!」
「わかったよ~楽しんで来てねぇ~」
レイヴンの気の抜けた答えと同時にアルマリアを残して魔王の元へ再び走り出した一行。
「さて、邪魔もいなくなったことだしトコトン死合おうぞ!」
「…まったく豪快なお方だ…本当なら魔王様の元に向かうものを止めなければならないが…ふふ」
使命よりも今この戦いを愉しみたい。
魔物よりはるかに高い知能を得た魔人であるヴァイドは本能とは異なる愉悦といった感情も持つようになってしまった。
その為、この場で魔王の命より己の欲を優先してしまった。
「私が得た力を試すのにはちょうど良い…!」
「そうだ!それでこそだ!私を退屈させるなよ?」
それは単純な殴り合いだった。
新しき種族で魔人と聖獣に選ばれし巫女。
あまたの魔法を自在に扱えるはずの2人がただただ殴り合っている。
正確に言えば最初はそれこそ魔法合戦もあったのだが、すぐに殴り合いに移行したのだ。
この相手に小細工は不要。
「面白いな!魔人よ!生まれて間もない種族だとは思えんな!」
「あなたこそ!事前に仕入れていた巫女像と全く当てはまらない!」
時折交わされる短い会話。
その内容は互いを称賛するものであり、まるで好敵手あいての組手のようであった。
魔王と人間の互いの存亡をかけた大戦の中でこの闘いだけは異質。
あれからどのくらい殴り合っていただろうか。
数分かもしれない、数時間かもしれない、もしくは数秒間の出来事だったのかもしれない。
永遠とも一瞬とも感じるその戦いについに決着の時が来た。
「はあああああ!」
「ぐふっ!」
アルマリアの右ストレートがヴァイドのみぞおちにヒットした。
そのまま崖に激突するヴァイドにもう戦う力は無い。
「まさかただのパンチで倒されることになるとは…ふふふ満足ですよ。アルマリア殿」
「剛拳のアルマリアと周りに言われるくらいには殴りには自信があるのでな…楽しかったぞ。ヴァイド」
アルマリアに笑顔で答えるとヴァイドは魔物と同じように煙になって消えた。
その後に残されたのは彼の力の源であった角型の魔石のみである。
アルマリアはそれを大事そうにしまうと地に倒れ伏した。
「…うむ。疲れてもう動けん…ヴァイドよ次は人に生まれてきてくれ…そうしたらまた試合う…ぞ…ぐぅZZZZZZ」
死力を尽くした彼女は満足げに寝息を立て始めた。
そんな彼女をあきれながらも愛おしそうに白虎は見守っていた。
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