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終章・魔王大戦

90 エピローグその1・アレクシス

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その後各国は今回の魔王討伐の件を重く受け止め、今後同じようなことが起きないように対策を講じた。


その結果、魔王や聖霊力など研究する特別組織が発足することになる。


世界魔王総合研究所と名付けられたその組織は各国からの資金提供で運営されるもののどこの国にも属さない独立機関。


資金関係の国際法などを幾度かの改善を経て厳しく制定また研究所自身も資金が得られるように研究の商業利用もみとめたりと、世界魔王総合研究所が特定の国に肩入れすることが無いように様々な対策がとられた。


そんな世界魔王総合研究所が魔王問題だけではなく、世界全体の技術の向上に貢献することになるのはまた別の話である。






魔王との戦いの後、ディートたちは皆無事に回復した。

そしてそれぞれがそれぞれの人生を歩き始める。


彼らのその後を少しだけ見てみよう。












「こちらが本日目を通していただきたい案件です」




どさりと大量の書類がアレクシスの前に落とされる。

世界魔王総合研究所の最高責任者に就任した彼は多忙な毎日を送っていた。




「…やはりまだやることが多いな…せめて研究所の建設が完了すればもう少し楽になるんだが…」

「あと半年ほどの辛抱です。ワタクシたちもサポートいたしますから、今しばらく御辛抱ください」




アレクシスの秘書を務める女性が申し訳なさそうに眉を下げる。

それだけ彼の多忙具合はひどかったのだ。



アレクシスは最初は帝国に所属する普通の聖人であった。

それがいくつもの死線を潜り抜けている内に力を付けて気が付けば帝国最高の大聖人と謳われていた。


そうこうしている内に魔王と戦うことになって挙句世界魔王総合研究所の最高責任者。




「聖人になったばかりはまさか自分がこんなことになるとは思わなかった…」



だが悪くはない。


連続する激戦を目まぐるしく変わる環境、つらい時が無かったかと聞かれれば無いとは決して言えない道のりであったが、心はとても充実している。


これからは戦うことは激減するだろうが、今まで以上に忙しい日々になるだろう。


アレクシスは心地の良い満足感に満たされながら、忙しい日々を過ごしていく。
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