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「ぴっちゃげじる」で、あさごはん

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ばあちゃんがうちにつくと、すでになんびきかのこねこがめをさましていて、ふあんそうにあーん、あーん、と、ないていました。

「あーあ、おきてたんかい。よしよし、だいじょうぶだからね。なかねえなかねえ。」

ひょい、となんびきかまとめてだきあげて、ばあちゃんはとんとんとやさしくこねこたちのせなかをたたきました。

かたてでまだ、ぐずっているこねこをかかえてゆすりながら、みけねこばあちゃんはきように、もうかたほうのてでおなべをかまどにかけて、みずをいれ、ひをかきまわしておおきくしました。

ぐつぐつにえたらおみそをといて、「ぴっちゃげじる」のできあがり。
おかかごはんのおにぎりをつくりおわるころには、ねていたこねこたちはみんなおきて、さっきないてたこねこたちも、いつのまにかけらけら、わらっていっしょにあそんでいました。

「さあさあおまたせ、できました。」

みんなはあそぶのをやめて、まるいちゃぶだいをぐるりととりかこんですわりました。ちいさなおててをおひざにおいて、ミケネコばあちゃんが、あさごはんをくばるのをじっとみていました。

「まあ、なーんておりこうさんばかり。おめたちゃきっと、いーいおとなねこになる。そしたらみんなにしんせつにして、うんとながいきするんだぞ。」

ばあちゃんは、ひとりごとをいうようにはなしながら、おたまで「ぴっちゃげじる」をおわんによそっては、つぎつぎとこねこたちのまえにおいていきました。

「おにゃかすいた!いただきます!」

まだ、ちいさなおさらにおにぎりをのせてはくばっているさいちゅうでしたが、こねこたちはまちきれず、「ぴっちゃげじる」のおわんをりょうてにもって、さっさとくちをつけました。

「あつっ!」
「にょほほほ。よーくふうふうして、ずーっとすすれ。うんまいよぉ。」

ふう。ふう。こんどはみんな、ようじんして、よーくふいてさまします。
ふう。ふう。ず、ずずーっ、ごくっ。

「あー、うまい。」

だしのよくきいたおみそしるは、からだじゅうにしみわたるようで、そのおいしさはちいさなこねこたちにもよーくわかりました。

おしょうゆのしみたおかかごはんのおにぎりをかじってから、こんどはしるのみをおはしでたぐりよせて、ぱくり。

うーん、うまいなあ。もぐもぐもぐ、ごくん。

……ぴかぁ!!
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