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ばあちゃんのおもい

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「あれえ、ばあちゃん、ぼく、なんか、あかるいよ?」

トラのこねこが、おにぎりをりょうてでもって、かじりながら、うえをみたり、したをみたり、めだまをくるっとまわしたりしました。それにあわせてみているところが、まわりよりすこし、あかるくてらされています。

「おばあちゃん!あたしたちのめんめ、ぴっかりぴかぴか!」

おしゃまなさびいろのこねこが、おはしをおいてたちあがって、りょうてをほっぺにあてて、ひかっているめをぱちぱちとさせてみています。

「にょほほほ。おどろいたかい?よるのトラックにひかれたカエルの「ぴっちゃげ」には、くるまのライトがよーくしみってんだわー。にだしてのむと、ねこのめがひかるようになる。ばあちゃんのばあちゃんは、このきせつにはホタルをのんだんだと。でもにがくてまずくて、どくもあって、むかしのねこがめをひからせるのはいのちがけだったんだってよ。
「ぴっちゃげじる」をかんがえだしたごせんぞさまに、ありがとう、っていおうねえ。」

ミケネコばあちゃんは、そういうと、みんなのおわんにまた、おかわりをついでいきました。

「おばあちゃん!…ぼく、ぼく…かたっぽしかひかってないよぉー。」

しろくろぶちのこねこが、かためだけひからせて、おろおろとなきだしました。

「あれあれ、めずらしいのにあたったねえ。ブッチのカエルは、バイクにひかれたやつだったんだわー。にょほほ、なかねでもいいんだよお。ほーれ、おかわりをくってみろ。みんなも、おなかいっぱいになるまで、なんばいもくうんだぞお。」

ブッチはおおいそぎでもういっぱい、おはしをかちゃかちゃとならしながらかきこみました。

……ぴかー!

こんどは、ブッチのりょうめがみごとにひかりました。

「ほーれ、ばあちゃんのいったとおりだんべえ。これでよるでもよくみえる。」

ミケネコばあちゃんは、いっしょうけんめいたべているこねこたちを、めをほそめてながめました。

あけはなしたえんがわから、むこうやまのみちをおしゃべりしながらあるいてくる、おかあさんねこのしゅうだんがみえました。

「ほーれ、そろそろおむかえがくるぞ。いそいでくっちめ。たべたこはあそんでていいからな。」

そういいながらばあちゃんは、ごはんつぶをひろったり、だいふきんでぐりぐりといたずらっこのくびのしたをふいたりしました。

「まあ、このこたちがよるのネズミたいじをするようになるのかはわかんないけどね。でもやっぱり、むかしどおりにやってやりたいさねえ。」

えんがわにたって、おかあさんねこたちにてをふりながら、ミケネコばあちゃんはそんなひとりごとをつぶやいていました。

おしまい
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