ところで女√ナルニッサ R18

吉瀬

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43話 カリンを発見したナルさんは……(キス止まり)

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 己から愛する人への魔力の流れが、つっと切れた。

「ナルニッサ?おいっ!」

 西の街の宿にカリン様と思われる者が宿泊している、という話があった。そこへ向かっている最中、それを感じて索冥と飛んだ。
 後方でアッシャーの声が聞こえた気もしなくは無いが、そんな事はもはやどうでもいい。

 我が君を離れた鳥の使令は、私から流れ込む魔力を使う事ができる。その魔力を使い、すぐにその場を知らせる様に事前に命を下しておいて正解だった。

 情報量は少ない。方向とぼんやりとした距離だけ。それに向かい索冥を飛ばす。

「煙……?火が出ておったのか?」
「……我が君が、火をとめたに違いない。火元へ!」

 魔力が無いというのに、火を止めたのか!あの方は!

 心臓が燃えるほど熱く鼓動し、身体は耐える最大のスピードで飛ぶゆえに冷たく冷える。

 間に合うならば、命など惜しく無い。

 魔力が尽きれば、あの方の内部破壊耐性が消える。それは、即ち死となり得る。

「焼けた地は狭いが……、どこにおる?」

 索冥には見えないのか?
 彼女はピクリともせずに横たわっている。煤に汚れてなお、その姿は輝くほど美しい。索冥の背から飛び降り、1秒も惜しんで向かう。

「我が君……」

 髪を伸ばした彼女は触れるのを躊躇うほどの美しさを放っている。その感覚を無理矢理押し込めると、今度は抗う事のできない欲望が現れた。

 魔石の玉は携帯している。だから、この様なことはいけない。

 そんな、なけなしの理性は無力だ。
 堪らない愛しき娘に口付けをする。

「くっ」

 魔力がごっそりと抜けた。それでも、口は甘く、離れがたい。

「ん」

 魔力が流れ込み、少し力を取り戻した彼女は無意識に口を開く。そこに舌を差し込む。どくどくと血が激る。

「ちゅ」

 魔力を欲す彼女は、その舌先を吸った。誘われて、そのまま舌を絡ませ合う。

 私の魔力が、唾液を介して彼女に飲み下されていく……。

「……ナルニッサ、そのままではお前が魔力切れで倒れる」
「……ああ」

 昂りで彼女を汚しかけた時、索冥が止めに入った。

 愛しき彼女は、魔力が満たされたとは言い難いが峠は越えた様だ。万全で無い肉体はまだ、彼女を眠らせたままだろう。

「帰りましょう、カリン様」

 彼女を両手で包み、その伸びた髪にキスをした。
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