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43話 カリンを発見したナルさんは……(キス止まり)
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己から愛する人への魔力の流れが、つっと切れた。
「ナルニッサ?おいっ!」
西の街の宿にカリン様と思われる者が宿泊している、という話があった。そこへ向かっている最中、それを感じて索冥と飛んだ。
後方でアッシャーの声が聞こえた気もしなくは無いが、そんな事はもはやどうでもいい。
我が君を離れた鳥の使令は、私から流れ込む魔力を使う事ができる。その魔力を使い、すぐにその場を知らせる様に事前に命を下しておいて正解だった。
情報量は少ない。方向とぼんやりとした距離だけ。それに向かい索冥を飛ばす。
「煙……?火が出ておったのか?」
「……我が君が、火をとめたに違いない。火元へ!」
魔力が無いというのに、火を止めたのか!あの方は!
心臓が燃えるほど熱く鼓動し、身体は耐える最大のスピードで飛ぶゆえに冷たく冷える。
間に合うならば、命など惜しく無い。
魔力が尽きれば、あの方の内部破壊耐性が消える。それは、即ち死となり得る。
「焼けた地は狭いが……、どこにおる?」
索冥には見えないのか?
彼女はピクリともせずに横たわっている。煤に汚れてなお、その姿は輝くほど美しい。索冥の背から飛び降り、1秒も惜しんで向かう。
「我が君……」
髪を伸ばした彼女は触れるのを躊躇うほどの美しさを放っている。その感覚を無理矢理押し込めると、今度は抗う事のできない欲望が現れた。
魔石の玉は携帯している。だから、この様なことはいけない。
そんな、なけなしの理性は無力だ。
堪らない愛しき娘に口付けをする。
「くっ」
魔力がごっそりと抜けた。それでも、口は甘く、離れがたい。
「ん」
魔力が流れ込み、少し力を取り戻した彼女は無意識に口を開く。そこに舌を差し込む。どくどくと血が激る。
「ちゅ」
魔力を欲す彼女は、その舌先を吸った。誘われて、そのまま舌を絡ませ合う。
私の魔力が、唾液を介して彼女に飲み下されていく……。
「……ナルニッサ、そのままではお前が魔力切れで倒れる」
「……ああ」
昂りで彼女を汚しかけた時、索冥が止めに入った。
愛しき彼女は、魔力が満たされたとは言い難いが峠は越えた様だ。万全で無い肉体はまだ、彼女を眠らせたままだろう。
「帰りましょう、カリン様」
彼女を両手で包み、その伸びた髪にキスをした。
「ナルニッサ?おいっ!」
西の街の宿にカリン様と思われる者が宿泊している、という話があった。そこへ向かっている最中、それを感じて索冥と飛んだ。
後方でアッシャーの声が聞こえた気もしなくは無いが、そんな事はもはやどうでもいい。
我が君を離れた鳥の使令は、私から流れ込む魔力を使う事ができる。その魔力を使い、すぐにその場を知らせる様に事前に命を下しておいて正解だった。
情報量は少ない。方向とぼんやりとした距離だけ。それに向かい索冥を飛ばす。
「煙……?火が出ておったのか?」
「……我が君が、火をとめたに違いない。火元へ!」
魔力が無いというのに、火を止めたのか!あの方は!
心臓が燃えるほど熱く鼓動し、身体は耐える最大のスピードで飛ぶゆえに冷たく冷える。
間に合うならば、命など惜しく無い。
魔力が尽きれば、あの方の内部破壊耐性が消える。それは、即ち死となり得る。
「焼けた地は狭いが……、どこにおる?」
索冥には見えないのか?
彼女はピクリともせずに横たわっている。煤に汚れてなお、その姿は輝くほど美しい。索冥の背から飛び降り、1秒も惜しんで向かう。
「我が君……」
髪を伸ばした彼女は触れるのを躊躇うほどの美しさを放っている。その感覚を無理矢理押し込めると、今度は抗う事のできない欲望が現れた。
魔石の玉は携帯している。だから、この様なことはいけない。
そんな、なけなしの理性は無力だ。
堪らない愛しき娘に口付けをする。
「くっ」
魔力がごっそりと抜けた。それでも、口は甘く、離れがたい。
「ん」
魔力が流れ込み、少し力を取り戻した彼女は無意識に口を開く。そこに舌を差し込む。どくどくと血が激る。
「ちゅ」
魔力を欲す彼女は、その舌先を吸った。誘われて、そのまま舌を絡ませ合う。
私の魔力が、唾液を介して彼女に飲み下されていく……。
「……ナルニッサ、そのままではお前が魔力切れで倒れる」
「……ああ」
昂りで彼女を汚しかけた時、索冥が止めに入った。
愛しき彼女は、魔力が満たされたとは言い難いが峠は越えた様だ。万全で無い肉体はまだ、彼女を眠らせたままだろう。
「帰りましょう、カリン様」
彼女を両手で包み、その伸びた髪にキスをした。
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