54 / 61
54
しおりを挟む
一軒目の指定されたお店は、ファッション系のお店だった。元の世界では見たことのない形態のお店で、洋服やら髪型やら化粧やらを全て整えてくれる様なお店だ。
その店でアンズは私の服を選ぶ。
「こっちも可愛いけどー、僕こっち着てるのも見たいな。カリンはどれが好き?」
どれも可愛く、そして私好みの服が多い。店のチョイスはリオネット様?
「うーん、迷っちゃうね」
決めかねていたけど、ある服に目が留まる。
「これが良いな。アンズの目の色と同じ配色」
「いいね。僕はカリンの瞳の色のにしようかな?」
黒ですけど。
店員さんに私は預けられて、個室に連れて行かれる。髪も化粧もやってもらって、あっという間によそ行きに変身。
化粧や髪のまとめ方を教えてもらって、私は慌ててメモを取った。
個室ブースの外で、アンズも着替えて待っていてくれた。
少し大きい方の人型のアンズは黒を基調にした正装に近くて、可愛さよりカッコ良さが引き立っている。
少し見惚れてしまった私にアンズは気がついた。
「カリン、可愛いね。いつも可愛いけど、僕のために装ったと思ったら、特別に素敵だ」
「……ありがとう。アンズも素敵だね」
「えへへ、惚れなおした?」
軽く答えれば良かったのに、さっき見惚れてしまって図星をさされた私は、自分の顔が赤くなるのを感じた。
「う、うん」
「可愛い、カリン」
アンズは少し屈んで私にキスをした。
「……そんなのすると、口紅取れちゃうよ」
「ご飯の前にリップは取るんでしょ?丁度良いじゃん」
手の甲でアンズは自分の口を拭って、その仕草に私はドキドキしてる。
その後、好きな物を買って良いと言われたので、夜にみんなで食べられる様なお菓子を買う事に。
試食のお菓子をあえて口移しで食べさせようとしてくるアンズを必死で取り押さえる。
「人前は!だめ!」
「えー、僕は隙があったらカリンとキスしたいだけなのにー」
「隙無いから!」
リオネット様はアンズに一体どんなエスコートを教え込んだんだ?!
「ちぇっ」と言って、アンズは買ったお菓子を開けて、私に一つ食べさせた。今開けるか?と思いながら、これくらなら、まぁ、と思った。ら、私の唇に触れた自分の指をアンズは舐めた。
「そ、それもダメ!」
「えー、ケチー」
「大体!もうすぐお昼だし!」
続いてお昼ご飯のレストランへ。エスコートもマナーもアンズはバッチリだった。
「凄いね、アンズ。私食事のマナーちゃんとできるまで、ひと月はかかったのに」
とりあえず出来る状態は数日でできるけど、身につくレベルになるのには結構時間がかかった。おまけに、毎食練習していたそぶりもない。
「……早くカリンに合う大人になりたかったから、頑張ったよ」
「私大人じゃないよ?」
「じゃあ僕が先に大人になって、カリンを甘やかしてあげる」
私の手を取って指先キスをする。なんだっけ?なんだっけ?この仕草は……と、頭の中のマナーについての項目の滅多に使わない場所を探すと、あ。
「カリン、顔真っ赤じゃん。人前で恋人同士がする愛してる、って言うボディランゲージ、でしょ?慣れて」
無理です!
リオネット様の狙いが分からない。アンズにそういう事仕込んだ理由も分からないし、今日のデートも訳が分からない。
美味しく食事を済ませて、次はお芝居へ。
桟敷席位の広さで前以外の三面が囲ってある。そこに2人がけにしては少し広いソファとちょっとしたものが置ける程度のテーブルがあった。
「ここは防音かけてあるから、内側の音は外に漏れなくなってるんだよ」
「へえー」
お芝居、との事だったが映画の様に舞台の上では大きなスクリーンに投射されていた。音はダイレクトに聞こえてきて、歓声を上げても他の客の迷惑にもならない。
「それとね、舞台からは客席が見えない」
「集中できそうだけど、お客さんの反応見れないのは……」
ちょっと味気ないかも、と言うつもりだった。
「カリン、ごめん、限界」
塞がれた口は深く繋がっていて、アンズが私を凄く求めてるのが伝わる様なキス。
「めちゃくちゃ可愛くて、もう無理」
「アンズ?この服が似合うならっ、家でも着るしっ、こんなとこでっ」
「違うよ」
アンズは私の首筋を舐めた。
「赤らめた顔とか。僕を見る目が潤んでたりとか、今日カリン凄くセクシーなんだ。それに、凄く良い香りがしてきて」
感情が昂ってきたのか、アンズにケモ耳も尻尾も生えてきた。
ソファに押し倒されて、また口を貪られる。案の定、舌を絡めると牙にも当たった。食事の時に口紅取ってしまって良かったとか、アンズの服が黒ベースで化粧で汚しても目立たなくて良かったとか、どうでもいいか事が頭を占めた。冷静に考えたら、私は強く拒否しなくちゃダメなシチュエーションで、だから冷静に考えたくない。
髪が乱れても直し方分かってるから大丈夫なんて、馬鹿みたいな言い訳をしながら、私は彼を受け入れた。
彼が耳元で苦しそうに囁く。
「カリン、愛してる。カリンも僕の物になって?」
その店でアンズは私の服を選ぶ。
「こっちも可愛いけどー、僕こっち着てるのも見たいな。カリンはどれが好き?」
どれも可愛く、そして私好みの服が多い。店のチョイスはリオネット様?
「うーん、迷っちゃうね」
決めかねていたけど、ある服に目が留まる。
「これが良いな。アンズの目の色と同じ配色」
「いいね。僕はカリンの瞳の色のにしようかな?」
黒ですけど。
店員さんに私は預けられて、個室に連れて行かれる。髪も化粧もやってもらって、あっという間によそ行きに変身。
化粧や髪のまとめ方を教えてもらって、私は慌ててメモを取った。
個室ブースの外で、アンズも着替えて待っていてくれた。
少し大きい方の人型のアンズは黒を基調にした正装に近くて、可愛さよりカッコ良さが引き立っている。
少し見惚れてしまった私にアンズは気がついた。
「カリン、可愛いね。いつも可愛いけど、僕のために装ったと思ったら、特別に素敵だ」
「……ありがとう。アンズも素敵だね」
「えへへ、惚れなおした?」
軽く答えれば良かったのに、さっき見惚れてしまって図星をさされた私は、自分の顔が赤くなるのを感じた。
「う、うん」
「可愛い、カリン」
アンズは少し屈んで私にキスをした。
「……そんなのすると、口紅取れちゃうよ」
「ご飯の前にリップは取るんでしょ?丁度良いじゃん」
手の甲でアンズは自分の口を拭って、その仕草に私はドキドキしてる。
その後、好きな物を買って良いと言われたので、夜にみんなで食べられる様なお菓子を買う事に。
試食のお菓子をあえて口移しで食べさせようとしてくるアンズを必死で取り押さえる。
「人前は!だめ!」
「えー、僕は隙があったらカリンとキスしたいだけなのにー」
「隙無いから!」
リオネット様はアンズに一体どんなエスコートを教え込んだんだ?!
「ちぇっ」と言って、アンズは買ったお菓子を開けて、私に一つ食べさせた。今開けるか?と思いながら、これくらなら、まぁ、と思った。ら、私の唇に触れた自分の指をアンズは舐めた。
「そ、それもダメ!」
「えー、ケチー」
「大体!もうすぐお昼だし!」
続いてお昼ご飯のレストランへ。エスコートもマナーもアンズはバッチリだった。
「凄いね、アンズ。私食事のマナーちゃんとできるまで、ひと月はかかったのに」
とりあえず出来る状態は数日でできるけど、身につくレベルになるのには結構時間がかかった。おまけに、毎食練習していたそぶりもない。
「……早くカリンに合う大人になりたかったから、頑張ったよ」
「私大人じゃないよ?」
「じゃあ僕が先に大人になって、カリンを甘やかしてあげる」
私の手を取って指先キスをする。なんだっけ?なんだっけ?この仕草は……と、頭の中のマナーについての項目の滅多に使わない場所を探すと、あ。
「カリン、顔真っ赤じゃん。人前で恋人同士がする愛してる、って言うボディランゲージ、でしょ?慣れて」
無理です!
リオネット様の狙いが分からない。アンズにそういう事仕込んだ理由も分からないし、今日のデートも訳が分からない。
美味しく食事を済ませて、次はお芝居へ。
桟敷席位の広さで前以外の三面が囲ってある。そこに2人がけにしては少し広いソファとちょっとしたものが置ける程度のテーブルがあった。
「ここは防音かけてあるから、内側の音は外に漏れなくなってるんだよ」
「へえー」
お芝居、との事だったが映画の様に舞台の上では大きなスクリーンに投射されていた。音はダイレクトに聞こえてきて、歓声を上げても他の客の迷惑にもならない。
「それとね、舞台からは客席が見えない」
「集中できそうだけど、お客さんの反応見れないのは……」
ちょっと味気ないかも、と言うつもりだった。
「カリン、ごめん、限界」
塞がれた口は深く繋がっていて、アンズが私を凄く求めてるのが伝わる様なキス。
「めちゃくちゃ可愛くて、もう無理」
「アンズ?この服が似合うならっ、家でも着るしっ、こんなとこでっ」
「違うよ」
アンズは私の首筋を舐めた。
「赤らめた顔とか。僕を見る目が潤んでたりとか、今日カリン凄くセクシーなんだ。それに、凄く良い香りがしてきて」
感情が昂ってきたのか、アンズにケモ耳も尻尾も生えてきた。
ソファに押し倒されて、また口を貪られる。案の定、舌を絡めると牙にも当たった。食事の時に口紅取ってしまって良かったとか、アンズの服が黒ベースで化粧で汚しても目立たなくて良かったとか、どうでもいいか事が頭を占めた。冷静に考えたら、私は強く拒否しなくちゃダメなシチュエーションで、だから冷静に考えたくない。
髪が乱れても直し方分かってるから大丈夫なんて、馬鹿みたいな言い訳をしながら、私は彼を受け入れた。
彼が耳元で苦しそうに囁く。
「カリン、愛してる。カリンも僕の物になって?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる