二回目の異世界では見た目で勇者判定くらいました。ところで私は女です。逆ハー状態なのに獣に落とされた話。

吉瀬

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 一軒目の指定されたお店は、ファッション系のお店だった。元の世界では見たことのない形態のお店で、洋服やら髪型やら化粧やらを全て整えてくれる様なお店だ。
 その店でアンズは私の服を選ぶ。

「こっちも可愛いけどー、僕こっち着てるのも見たいな。カリンはどれが好き?」

 どれも可愛く、そして私好みの服が多い。店のチョイスはリオネット様?

「うーん、迷っちゃうね」

 決めかねていたけど、ある服に目が留まる。

「これが良いな。アンズの目の色と同じ配色」
「いいね。僕はカリンの瞳の色のにしようかな?」

 黒ですけど。

 店員さんに私は預けられて、個室に連れて行かれる。髪も化粧もやってもらって、あっという間によそ行きに変身。
 化粧や髪のまとめ方を教えてもらって、私は慌ててメモを取った。

 個室ブースの外で、アンズも着替えて待っていてくれた。
 少し大きい方の人型のアンズは黒を基調にした正装に近くて、可愛さよりカッコ良さが引き立っている。
 少し見惚れてしまった私にアンズは気がついた。

「カリン、可愛いね。いつも可愛いけど、僕のために装ったと思ったら、特別に素敵だ」
「……ありがとう。アンズも素敵だね」
「えへへ、惚れなおした?」

 軽く答えれば良かったのに、さっき見惚れてしまって図星をさされた私は、自分の顔が赤くなるのを感じた。

「う、うん」
「可愛い、カリン」

 アンズは少し屈んで私にキスをした。

「……そんなのすると、口紅取れちゃうよ」
「ご飯の前にリップは取るんでしょ?丁度良いじゃん」

 手の甲でアンズは自分の口を拭って、その仕草に私はドキドキしてる。

 その後、好きな物を買って良いと言われたので、夜にみんなで食べられる様なお菓子を買う事に。
 試食のお菓子をあえて口移しで食べさせようとしてくるアンズを必死で取り押さえる。

「人前は!だめ!」
「えー、僕は隙があったらカリンとキスしたいだけなのにー」
「隙無いから!」

 リオネット様はアンズに一体どんなエスコートを教え込んだんだ?!

 「ちぇっ」と言って、アンズは買ったお菓子を開けて、私に一つ食べさせた。今開けるか?と思いながら、これくらなら、まぁ、と思った。ら、私の唇に触れた自分の指をアンズは舐めた。

「そ、それもダメ!」
「えー、ケチー」
「大体!もうすぐお昼だし!」

 続いてお昼ご飯のレストランへ。エスコートもマナーもアンズはバッチリだった。

「凄いね、アンズ。私食事のマナーちゃんとできるまで、ひと月はかかったのに」

 とりあえず出来る状態は数日でできるけど、身につくレベルになるのには結構時間がかかった。おまけに、毎食練習していたそぶりもない。

「……早くカリンに合う大人になりたかったから、頑張ったよ」
「私大人じゃないよ?」
「じゃあ僕が先に大人になって、カリンを甘やかしてあげる」

 私の手を取って指先キスをする。なんだっけ?なんだっけ?この仕草は……と、頭の中のマナーについての項目の滅多に使わない場所を探すと、あ。

「カリン、顔真っ赤じゃん。人前で恋人同士がする愛してる、って言うボディランゲージ、でしょ?慣れて」

 無理です!

 リオネット様の狙いが分からない。アンズにそういう事仕込んだ理由も分からないし、今日のデートも訳が分からない。

 美味しく食事を済ませて、次はお芝居へ。
 桟敷席位の広さで前以外の三面が囲ってある。そこに2人がけにしては少し広いソファとちょっとしたものが置ける程度のテーブルがあった。

「ここは防音かけてあるから、内側の音は外に漏れなくなってるんだよ」
「へえー」

 お芝居、との事だったが映画の様に舞台の上では大きなスクリーンに投射されていた。音はダイレクトに聞こえてきて、歓声を上げても他の客の迷惑にもならない。

「それとね、舞台からは客席が見えない」
「集中できそうだけど、お客さんの反応見れないのは……」

 ちょっと味気ないかも、と言うつもりだった。

「カリン、ごめん、限界」

 塞がれた口は深く繋がっていて、アンズが私を凄く求めてるのが伝わる様なキス。

「めちゃくちゃ可愛くて、もう無理」
「アンズ?この服が似合うならっ、家でも着るしっ、こんなとこでっ」
「違うよ」

 アンズは私の首筋を舐めた。

「赤らめた顔とか。僕を見る目が潤んでたりとか、今日カリン凄くセクシーなんだ。それに、凄く良い香りがしてきて」

 感情が昂ってきたのか、アンズにケモ耳も尻尾も生えてきた。
 ソファに押し倒されて、また口を貪られる。案の定、舌を絡めると牙にも当たった。食事の時に口紅取ってしまって良かったとか、アンズの服が黒ベースで化粧で汚しても目立たなくて良かったとか、どうでもいいか事が頭を占めた。冷静に考えたら、私は強く拒否しなくちゃダメなシチュエーションで、だから冷静に考えたくない。
 髪が乱れても直し方分かってるから大丈夫なんて、馬鹿みたいな言い訳をしながら、私は彼を受け入れた。
 彼が耳元で苦しそうに囁く。

「カリン、愛してる。カリンも僕の物になって?」

 
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