[R-18]魔王を倒し世界を救った勇者のお仕事は×××

紫熊

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 魔王を倒した者はその責務を果たさなくてはならない。
 その責務とは全ての種族と子孫を残すことであり、勇者エルクは人の姫を孕ませた後に次なる種族の元に向かう。

「止まれ、そこの者! 少しでも怪しい動きをすれば撃つ!!」

 森の中を歩いていると何処からともなく警告をされる。
 声の持ち主は周囲を見渡しても見つけることは叶わない。
 それもその筈で木の上からエルクを弓で狙っているのだ。

「まぁ、待てって。俺は敵ではないよ」
「なっ!?」

 エルクは手を挙げ、声の持ち主の方向を見つめる。
 森に溶け込み見つけることは容易では無いのだが、魔力を察知出来るエルクには造作も無いことだ。

「も、申し訳ございません、エルク様!」

 顔を見て森へ侵入してきた人物が誰だか分かったので、声の主は木から降り直ぐ様に近寄って謝罪する。
 そのものの見た目はスラッと長い手足に整った顔立ち、そして尖った耳──そう、ここはエルフの里なのだ。

「別に構わないよ。まぁそれに君の矢では俺を傷付けることは出来ないしね」
「左様でございますか……しかし何故、エルク様がエルフの里に?」
「えっと、それは……」

 エルクは何と説明すれば良いか戸惑う。
 全ての種族の姫を孕ませることが義務付けられていることなど、国王などの極一部の者しか知らぬ話だ。
 もしも素直にエルフの姫を孕ませる為と伝えれば、忠義深い彼らの敵意がエルク自身に向かって来かねない。

「ああ! 内密な話でございましたか。話難いことをお聞きして申し訳ございません。直ぐに長の元へ案内させて頂きます」

 上手いこと勘違いをしてくれたので、エルクは安堵する。
 そして久しぶりに訪れたエルフの里に足を踏み入れ、族長の元に向かう。

「久しいなエルク」
「はい、スーリオン様もお元気そうで何よりです」
「私は君が魔王討伐を成し遂げてくれたことを嬉しく思うよ」
「スーリオン様を始め、全ての種族が力を合わせた結果です。多くの命を失いましたが、平和を手に出来たので彼らの死も報われたと思います」
「そうだな……」

 積もる話もあり暫くの間は話を続けるが、話は本題に入るを

「して、今日、君がここに来たのは例の誓約の為であろう?」
「やはりスーリオン様もご存知でしたか……」
「当然だ。古より勇者となったものが敵とならぬようにも必要な儀式でもあるからな」
「ハハ、敵にはならないんですけどね……しかし、その……スーリオン様は構わないのですか? その、姫を……」

 厳格に伝統を守り節制をするようなエルフの一族に、今回のような決まりは些か冒涜にも取れるのだ。
 無理に迫ったりしたならば、里中の男たちから命を狙われかねない。

「勿論だとも。むしろ願ったり叶ったりだ」
「そうなのですか?」

 思っても見なかった答えに、エルクは驚く。

「ああ、エルフの種族は長寿故に、子を為さなければならないという概念が希薄なのだ。そのせいで、なかなか子供は産まれずに、里は縮小する一方でね」
「そうだったのですか……」

 エルフ程の力を持った種族が森の中でひっそりと暮らしているのは、人口が増えないからということも関係しているのだ。

「そこで君に一つ提案なのだが聞いてもらえるかな?」
「はい?」

 エルクはその後にスーリオンの提案に驚くも、男として断ることは出来ない内容だったので快諾する。
 そして用意された部屋にとエルクは案内され、そこに広がる光景に目を奪われてしまう。

「さぁ、そんなところで固まっていないで、こちらにいらして下さい」
「あ、ああ」

 エルクが思わず固まってしまうのも無理はない。
 何せ人が持ち得る美貌の全てを持ち合わせたような美女が薄い衣だけを身に纏い、肌を露わにして目の前に何人も待っているのだから。

「お初にお目に掛かります、エルク様。私がスーリオンの娘、ララノアです」
「そうか、君が──って、何を!?」
「あら、それを私に口にさせるのかしら?」
「いや、っ──」

 挨拶もそこそこにララノアの手はエルクの体に伸び、そして唇を重ねる。
 しかしララノアのそれは余りにも拙いものであり、焦ったく思ったエルクが舌を入れると主導権は一気にエルクに移る。
 それもその筈で、幾ら歳上であろうともエルフの姫に恋愛の経験など求める方が酷であるのだ。
 対して勇者エルクは様々な手管を仕込まれた人の姫リリィと濃厚な日々を過ごしたばかり。
 それは周りのウブなエルフたちが顔を手で覆ってしまうほどである。

「そんな、ああ、下を入れるなんて……」

 丁寧な愛撫からの挿入で、ララノアは瞬く間に快楽の頂点に達して果ててしまう。

「はぁ、はぁ、こんな快楽を味わえるなど、子作りとは悪くないものだな」
「ええ、そうですね……」

 ララノアはベッドの上で絡み合う手越しに語り掛け、エルクは優しく微笑みながら頷く。
 しかしエルクには少し前に聞かされた言葉が脳裏によぎっている。

「見えるか、エルクよ。あそこにいる者たちが、これから君に抱かれることを期待して待っているのだ」

 エルクの眼下には欲情した美女たちがいる。
 その様子はとてもではないが、子作りを望んでいないとは思えない。

「あれだけの人たちを持て余すなんて、エルフの男達はなんて罪深い……」

 あれだけ欲情した表情を見せ、快楽を味わうことに抵抗が無いのであれば、もっと愛を貪り合っていてもおかしくない。
 館の外で待機しているエルフの女性達を見て、エルクは疑問に思う。

「そうではないのだ。彼女たちには特別な準備をしてもらっていてね」
「特別?」
「ああ、少しでも子供が出来る可能性を高める為に、ここに来る前に秘薬を投与してあるのだよ」
「秘薬……それを彼女たちは知っているのですか?」

 その問いに対してスーリオンは首を横に振るう。

「だが、たとえ自然に逆らうことであろうとも、君との間に子供をもうけて貰わなくてはいけないのだ。君はただ何も気にせずに、彼女たちの疼きを慰めてくれるだけでいいんだ」
「…………分かりました」

 己の意図とは違う感情に左右される状態であるという事実に躊躇いを感じつつも、そうでもしなければ情事を致すまでに至らないという事実からエルクは受け入れる。

「……クさま。エルクさま?」

 エルクは考え事をして、名前を呼ばれていることに気付かないでいた。
 そして視線をあげると、ララノアの行為を見守っていた他の女性たちがエルクの逸物を咥えている。
 たどたどしくも一生懸命なその舌遣いに、エルクの逸物は直ぐ様に元気を取り戻す。

「さぁ、次は私にお願いしますわ、勇者様!」
「何を言っているの! 私が立たせたのだから、私でしょ!!」

 待ち切れずに目の前で自分を取り合う姿を見て、エルクは思わず笑みをこぼしてしまう。

「まぁまぁ、夜はまだまだ始まったばかりなんだから順番にね」

 エルクはそういいつつ、待ち兼ねて蜜を垂れ流す壺に指を入れて愛撫する。
 それだけで女たちは軽くイッて、へたり込む。
 ここに来た女性たちは全員がエルクよりも歳上だが、経験は無いに等しい女性ばかりである。
 いきなりの挿入では折角の情事が悪い思い出になるかもしれないのだが、それも秘薬の効果か全てが快楽に繋がるようになってしまっているのだ。

「ああ! 凄い、こんなの!」
「俺もだ。もう……」
「ええ私も、出して、全てを私の中に!!」

 こうして寝食を忘れるほどに情事に励んだエルクと彼女たち。
 秘薬の効果などとっくに切れてしまっているが、覚えさせられた快楽に体が自然とお互いを求めていく。
 薄々、里にいる他のエルフたちにも勘づかれているようだが、そんなことも御構い無しである。
 しかし着床率の低いエルフということもあってエルクは数週間にも渡って滞在し、夫のいないエルフの淑女たちを孕ませるに至ったのだった。

「エルクさま。必ずまた、エルフの里に来て下さいませ」
「──ああ、必ず」

 ララノアにキスをされ、そして着床し身籠った者たちに見送られてエルクは別れを告げる。
 男の楽園とも呼べる生活に名残り惜しい気持ちが残るものの、エルクの役割はここで終わりではない。
 全ての種族で子供を為さなくては、己の命が危うくなるのだ。
 エルフの里で役割を果たしたエルクは後ろ髪を引かれる思いを断ち切り、新たな種族が待つ場所へと旅立つのであった。
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