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ダメ!それは私の!
第48話
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「ひぐっ。ひぐっ。…姉さん。ねぇさん…」
一通り泣きじゃくった彼はもう立つ気力すらないのか、その場にしゃがみ込んでしまった。
私はどうしたものかと、右往左往するが、全く良い案が思い浮かばない。
そうこうしている内に日は落ち、辺りは暗くなってきた。
あまりの不安感と、泣きじゃくるだけの彼に私も泣き出しそうになる。
でもそれでは駄目なのだ。私はお姉ちゃんなのだから。
…お姉ちゃん。
そうだ、私がお姉ちゃんになってあげれば良いんだ。
「大丈夫。泣かないで。私が、お姉ちゃんが助けてあげるから…」
私は彼を優しく抱きしめようと手を伸ばす。
しかし、無情にもその手は少年によって叩き落とされてしまった。
「お前が姉さんなわけあるか!お前のせいで!お前のせいで姉さんに嫌われたかもしれないんだぞ!」
そんな事言われたって…。
「そんな事言われたってしょうがないじゃない!私だって!私だって!…ウッ、ウウウッ」
少年は怒鳴り終えた後に冷静になったのか、小さな声で「あっ」と呟いた。
でも、もうそんな言葉は私の耳には届かない。
「ヴぁあああああ!おどうざぁ~ん!おねぇぢぁ~ゃん!」
寸での所で堰き止めていた不安が一気に溢れ出す。
もう何も考えられなかった。
唯々不安で、怖くて、誰かの温もりが欲しかった。
私を安心させて欲しかった。
でも、ここには誰もいない。誰も助けてくれない。
その恐怖がさらに私の心を揺さぶる。
もう立てそうになかった。
こんな事になるなら彼を追わなければよかった。
彼がいなければよかった。…彼のせいだ。
しかし私には彼に文句を言う勇気もない。
そんな私自身も嫌になる。
全てが嫌になった私にはもう泣きわめく事しかできなかった。
=======
泣きじゃくる彼女を前に僕は唖然とした。
何故僕はこんな事をしてしまったのだろうと。
今のは僕の完全に八つ当たりだ。
彼女のせいではないし、それどころか慰めようとさえしてくれていた彼女を責めるのは筋違いにも程がある。
しかし、口に出す前は頭が真っ白で何も考えられなかったのだ。
…誰かのせいにしたかった。姉さんに置いて行かれた理由を。
そんな事をした所で姉さんが戻ってきてくれるはずがないのに…。
唯、手を差し伸べてくれた相手を傷つけただけだ。
僕はリリーが弱い事を知りながら、その行動にどれだけの勇気が必要か知りながら、その手を振り払ってしまった。
…甘えてしまった。
…そうだ。この頃は皆に甘えていた。甘えすぎていた。
母さんに。シバに。姉さんに。家族全員に。
僕は絶対に見捨てられないと思っていたのだ。
何をしても許される。何もしなくても許されると。
本当の家族ではないのに…。
ましてここは野生が生きる森の中。掛ける恩情にも限度がある。
だから僕は見限られて捨てられてしまったのだろう。
もっと訓練しておけばよかった。もっと役に立つことをするべきだった。
もしかしたら姉さんたちは人間と関わるのは反対だったのかもしれない。
それならば関わらなければよかった。
色々な想いが頭をよぎる。
もっと考えて行動すればよかった。
そうすれば僕は…。
僕は「ごめんね」彼女に手を伸ばす。
自身の弱さに再び涙が溢れ出しそうだった。
彼女はそんな僕の手を泣きじゃくりながらも優しく掴む。
彼女がこうも簡単にできる事。
昔の僕なら絶対に間違わずにできた事。
僕がどれだけ甘え切って、駄目になってしまっていたか今ならわかる。
こんな僕は捨てられてしまって当然だ。
僕は歩く力もない彼女を背負うと山を下った。
「ごめんねっ…。ごめんねっ…」
僕は謝り続けた。
彼女に対してか、母さんたちに対してか、あるいは自分自身に対して。
二人の悲しい叫び声は夜の暗闇に吸い込まれて行く。
それでも互いの暖かさを感じていた二人は立ち止らずに歩き続けた。
一通り泣きじゃくった彼はもう立つ気力すらないのか、その場にしゃがみ込んでしまった。
私はどうしたものかと、右往左往するが、全く良い案が思い浮かばない。
そうこうしている内に日は落ち、辺りは暗くなってきた。
あまりの不安感と、泣きじゃくるだけの彼に私も泣き出しそうになる。
でもそれでは駄目なのだ。私はお姉ちゃんなのだから。
…お姉ちゃん。
そうだ、私がお姉ちゃんになってあげれば良いんだ。
「大丈夫。泣かないで。私が、お姉ちゃんが助けてあげるから…」
私は彼を優しく抱きしめようと手を伸ばす。
しかし、無情にもその手は少年によって叩き落とされてしまった。
「お前が姉さんなわけあるか!お前のせいで!お前のせいで姉さんに嫌われたかもしれないんだぞ!」
そんな事言われたって…。
「そんな事言われたってしょうがないじゃない!私だって!私だって!…ウッ、ウウウッ」
少年は怒鳴り終えた後に冷静になったのか、小さな声で「あっ」と呟いた。
でも、もうそんな言葉は私の耳には届かない。
「ヴぁあああああ!おどうざぁ~ん!おねぇぢぁ~ゃん!」
寸での所で堰き止めていた不安が一気に溢れ出す。
もう何も考えられなかった。
唯々不安で、怖くて、誰かの温もりが欲しかった。
私を安心させて欲しかった。
でも、ここには誰もいない。誰も助けてくれない。
その恐怖がさらに私の心を揺さぶる。
もう立てそうになかった。
こんな事になるなら彼を追わなければよかった。
彼がいなければよかった。…彼のせいだ。
しかし私には彼に文句を言う勇気もない。
そんな私自身も嫌になる。
全てが嫌になった私にはもう泣きわめく事しかできなかった。
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泣きじゃくる彼女を前に僕は唖然とした。
何故僕はこんな事をしてしまったのだろうと。
今のは僕の完全に八つ当たりだ。
彼女のせいではないし、それどころか慰めようとさえしてくれていた彼女を責めるのは筋違いにも程がある。
しかし、口に出す前は頭が真っ白で何も考えられなかったのだ。
…誰かのせいにしたかった。姉さんに置いて行かれた理由を。
そんな事をした所で姉さんが戻ってきてくれるはずがないのに…。
唯、手を差し伸べてくれた相手を傷つけただけだ。
僕はリリーが弱い事を知りながら、その行動にどれだけの勇気が必要か知りながら、その手を振り払ってしまった。
…甘えてしまった。
…そうだ。この頃は皆に甘えていた。甘えすぎていた。
母さんに。シバに。姉さんに。家族全員に。
僕は絶対に見捨てられないと思っていたのだ。
何をしても許される。何もしなくても許されると。
本当の家族ではないのに…。
ましてここは野生が生きる森の中。掛ける恩情にも限度がある。
だから僕は見限られて捨てられてしまったのだろう。
もっと訓練しておけばよかった。もっと役に立つことをするべきだった。
もしかしたら姉さんたちは人間と関わるのは反対だったのかもしれない。
それならば関わらなければよかった。
色々な想いが頭をよぎる。
もっと考えて行動すればよかった。
そうすれば僕は…。
僕は「ごめんね」彼女に手を伸ばす。
自身の弱さに再び涙が溢れ出しそうだった。
彼女はそんな僕の手を泣きじゃくりながらも優しく掴む。
彼女がこうも簡単にできる事。
昔の僕なら絶対に間違わずにできた事。
僕がどれだけ甘え切って、駄目になってしまっていたか今ならわかる。
こんな僕は捨てられてしまって当然だ。
僕は歩く力もない彼女を背負うと山を下った。
「ごめんねっ…。ごめんねっ…」
僕は謝り続けた。
彼女に対してか、母さんたちに対してか、あるいは自分自身に対して。
二人の悲しい叫び声は夜の暗闇に吸い込まれて行く。
それでも互いの暖かさを感じていた二人は立ち止らずに歩き続けた。
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