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おいで。早く、おいで…。
第109話 エボニと薄暗い研究所
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街を出て、暗い道を進む事、数十分。
途中、物陰に隠れて、八本足の生き物や、長細い胴にびっしりと足を生やした生き物などから、身を隠して進んできた。
「そろそろ…」
「黙ってろ」
ダルさんの指示で、僕は口を紡ぐ。
ついて来るなら、緊急時を措いて喋らない事。自分たち以外は、たとえ同族であっても敵だと思う事。ダルさんの指示には従う事。が、条件だったのだ。
そんな条件を呑んでまで、ダルさんに付いてきている理由。それは、彼が、ラッカの同族に会わせてくれると言うからだ。
このままラッカを見つけ出しても、また同じことの繰り返しになると言う事は目に見えている。
僕はもっと、彼女の事を知らないといけないのだ。
「……ここだ。そっちを持て」
ダルさんは床に敷かれた、木の板に手をかけ、指示を出してくる。
「…」
僕は無言で、板の反対側に手をかける。
「…よし、いくぞ」
二人同時に板を引くと、その下には穴が開いていた。
僕は恐る恐る、その穴を覗いてみる。すると、どうやらそこは、僕のよく知る、透明な板で区切られた、向こう側の部屋と、よく似ている場所だった。
「どいてろ」
そう言って、ダルさんは物入から取り出した紐を、辺りの物に巻き付け、穴の中に垂らして行く。
「…降りるぞ」
ダルさんを先頭に、紐を伝って、僕らは天井に近い、物置棚の上へと降り立った。
「こっちだ」
僕はダルさんの後を追い、棚を降りていく。
その途中には、色々なものが置かれており…。
「ひっ!…」
透明な入れ物の中、僕たちの仲間が、液体に浸され、死んでいた。
「…おい、そんな物ぐらいで足を止めるな。置いて行くぞ」
そ、そんな物って!仲間が!仲間が死んでいるのに!
しかし、僕が抗議の声を出す間もなく、ダルさんはどんどんと先に進んで行く。
僕は、言葉を飲み込むと、急いでダルさんの後を追う。
その脇では、透明な入れ物の中、様々な生き物の死体が、液体に浸され、浮かんでいた。
原形をとどめている物など、まだ良い方で、腐敗していたり、バラバラにされた体の一部だけが浮かんでいる光景は、吐き気すら覚える。
「腐ってるやつらは失敗品だな。魔力が足りなかったんだろう」
ダルさんがポツリとつぶやいた。その、冷酷な言葉に、またしても、苛立ちが募る。
しかし、この空間は異常だ。彼と揉めている場合ではない。…それに、こんな場所を見ては、もう引けない。
「ちゅぅ。ちゅぅ」
同族の声に、視線を向けてみれば、籠の中には大勢の仲間たち。
あの人たちも、いずれ、透明な入れ物の中に入れられて…。
「…今、あいつらを助けてる余裕はねぇからな」
その声に、僕は反射的に、ダルさんを睨む。が、彼はこちらに振り向く事すらせず、一心不乱に、足を進めている。
……これは、ガラスの向こうにいた彼が行っている事なのだろうか。
いや、彼が直接手を下していなかったとして、この状況を知らないと言う事はあるのか?
…騙されて?或るいは、脅されて?
……。
…………。
「…着いたぞ」
僕は、ダルさんの声に足を止め、棚の上から、下を見下ろす。
「……こ、ここは…」
そこには、沢山の生き物。そして、いつも、僕ら家族の面倒を見てくれている彼の姿があった。
途中、物陰に隠れて、八本足の生き物や、長細い胴にびっしりと足を生やした生き物などから、身を隠して進んできた。
「そろそろ…」
「黙ってろ」
ダルさんの指示で、僕は口を紡ぐ。
ついて来るなら、緊急時を措いて喋らない事。自分たち以外は、たとえ同族であっても敵だと思う事。ダルさんの指示には従う事。が、条件だったのだ。
そんな条件を呑んでまで、ダルさんに付いてきている理由。それは、彼が、ラッカの同族に会わせてくれると言うからだ。
このままラッカを見つけ出しても、また同じことの繰り返しになると言う事は目に見えている。
僕はもっと、彼女の事を知らないといけないのだ。
「……ここだ。そっちを持て」
ダルさんは床に敷かれた、木の板に手をかけ、指示を出してくる。
「…」
僕は無言で、板の反対側に手をかける。
「…よし、いくぞ」
二人同時に板を引くと、その下には穴が開いていた。
僕は恐る恐る、その穴を覗いてみる。すると、どうやらそこは、僕のよく知る、透明な板で区切られた、向こう側の部屋と、よく似ている場所だった。
「どいてろ」
そう言って、ダルさんは物入から取り出した紐を、辺りの物に巻き付け、穴の中に垂らして行く。
「…降りるぞ」
ダルさんを先頭に、紐を伝って、僕らは天井に近い、物置棚の上へと降り立った。
「こっちだ」
僕はダルさんの後を追い、棚を降りていく。
その途中には、色々なものが置かれており…。
「ひっ!…」
透明な入れ物の中、僕たちの仲間が、液体に浸され、死んでいた。
「…おい、そんな物ぐらいで足を止めるな。置いて行くぞ」
そ、そんな物って!仲間が!仲間が死んでいるのに!
しかし、僕が抗議の声を出す間もなく、ダルさんはどんどんと先に進んで行く。
僕は、言葉を飲み込むと、急いでダルさんの後を追う。
その脇では、透明な入れ物の中、様々な生き物の死体が、液体に浸され、浮かんでいた。
原形をとどめている物など、まだ良い方で、腐敗していたり、バラバラにされた体の一部だけが浮かんでいる光景は、吐き気すら覚える。
「腐ってるやつらは失敗品だな。魔力が足りなかったんだろう」
ダルさんがポツリとつぶやいた。その、冷酷な言葉に、またしても、苛立ちが募る。
しかし、この空間は異常だ。彼と揉めている場合ではない。…それに、こんな場所を見ては、もう引けない。
「ちゅぅ。ちゅぅ」
同族の声に、視線を向けてみれば、籠の中には大勢の仲間たち。
あの人たちも、いずれ、透明な入れ物の中に入れられて…。
「…今、あいつらを助けてる余裕はねぇからな」
その声に、僕は反射的に、ダルさんを睨む。が、彼はこちらに振り向く事すらせず、一心不乱に、足を進めている。
……これは、ガラスの向こうにいた彼が行っている事なのだろうか。
いや、彼が直接手を下していなかったとして、この状況を知らないと言う事はあるのか?
…騙されて?或るいは、脅されて?
……。
…………。
「…着いたぞ」
僕は、ダルさんの声に足を止め、棚の上から、下を見下ろす。
「……こ、ここは…」
そこには、沢山の生き物。そして、いつも、僕ら家族の面倒を見てくれている彼の姿があった。
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