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おいで。早く、おいで…。
第122話 エボニ of view
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ふと、目が覚めると、一瞬、ラッカと目が合った。
ラッカは、咄嗟に目を逸らしたが、尻尾の先がちょろちょろしているので、バレバレである。
「………」
僕が寝ている間、ずっと、僕を見ていたのだろうか。
ジーっと、ラッカを見つめる僕。
ラッカも無言だ。
「……寝ないの?」
僕の問いに、ラッカは「あぁ」と、答える。
未だに、彼女の視線は、彼方を向いていた。
「……ラッカ。お腹空いてるでしょ?」
意地悪な問いに、彼方を向いていたラッカが、ピクリと反応した。
尻尾の先まで、ピーン!となって……。ちょっと可愛い。
「もしかして、お腹が空いて、眠れないの?」
僕たちは、あの後、お父さんから投げつけられた布の図を手掛かりに、外に出ようとした。
結果、その場所まで辿り着いた僕たちは、そ隙間から光を零す、木の板を確認した。きっと、外に繋がる、最後の板なのだろう。
しかし、布には、その場所から光が漏れている時には、開けるべからず。と、記載されていたのだ。
僕たちは、忠告を守る事にし、今は安全そうな場所を見つけて、休憩中なのである。
「わ、私は、辺りに危険がないか、見ているだけじゃ!」
僕を騙したいなら、せめて、尻尾の先をブンブンと震わせながら、言わないで欲しい。
それに、ここが安全だと言ったのも、ラッカだし…。
第一、僕は、今、巨大なラッカの巻いた、蜷局の中心にいるんだから、誰も襲ってこないよ…。
でも、もう、ラッカも限界なのかもしれない。
僕と出会ってからは、食事を一度も摂っていないと聞いているので、少なくとも……僕のご飯、100食分は抜きだ!死んでしまう!
「大変だ!ちょっと待っててね!」
僕はラッカの蜷局をよじ登り、体の上を駆け抜ける。
途中「おぃ!」と言って、ラッカが僕を止めようと、身をくねらせた。
いつものラッカなら止められただろう。しかし、今の動きには切れがなく、反応も緩慢だった。…それだけ、弱っていると言う事なんだろう。
僕は、例の毛玉の遺体が置いてあった場所へ向かう。
板をちょっとずらして、辺りを確認。……なんだか部屋の壁や床中に、白色で、変な模様が書き足されているけど……。誰もいないし、大丈夫だよね?
紐を下ろし、素早く棚の上に飛び降りる。
「チュウチュウチュウ」
入れ物に入った、同族たちが見える。…彼らは何を考えているのだろうか?
僕は再び辺りを確認する。……上の位置からでは、棚に隠れて見えなかったが、先刻の少女が、椅子に座ったまま、机に頭を預けて、眠っていた。
……今なら、あの、同族が入った、入れ物の蓋を開けられるだろうか?
「………」
僕は、ササッと、棚から降りると、同族の元へ向かう。
「チュウチュウチュウ」
相変わらず、同族が何を言っているかは分からなかったが、片っ端から、入れ物の蓋を開けて行く。
同族たちは、暫く、空いた蓋を見つめた後、次々に、入れ物化が這い出してきた。
……同族の、僕を見つめる瞳が、怖い……。
僕は、素早く棚の上に戻ると、下を見下ろした。
「チチィ!」「チュチュゥ!」「チチチチチチッ!」
棚の淵から下を見下ろすと、違う入れ物同士の同族が、争っていた。いや、殺し合っていた。そして、死んだ奴は貪られて……。
「………」
あまりの惨状に言葉を失う。
こんな事になるとは、思っても見なかった。
…いや、良い子ぶるな。そんな物は演技だろ?心の何処かでは、思っていたんだ。こんな結末になるんじゃないかって。…こんな状況になれば良いって。
この状況を見て、恐怖している僕は、確かにいる。しかし、それ以上に安心しているんだ。
だって、こんな奴らが相手なら……。僕も一線を越えられる。
…そうしないと、ラッカがいつまでも、苦しそうだしね。
僕は、この惨状を目に焼き付ける。僕らと、彼らは全く別の生き物なのだと。
見た目が似ているだけ、ただそれだけの存在なのだ。
これだけ、僕が苦悩し、見つめていても、毛玉達は、殺し合いに夢中で、こちらに目を向けようともしない。
きっと、彼らは、僕が目の前に来れば、何の躊躇もなく、何も考えず、僕を食らうのだろう。
だから、僕らは、彼らを食べて、彼らもその機会があれば、僕らを食べる。そこに感情はいらない。
……もういいかな。
僕は、視線を上げると、棚の淵から、身を引く。
…さて!これからが本番だぞ!
気合を入れ直すと、容器に入った、肉片達を見つめる。
ラッカの好みは、どれなのだろうか。どれだけあれば、お腹一杯になってくれるのだろうか。…ラッカは喜んでくれるだろうか。
…まぁ、初めの内は、気まずい空気になるのは仕方ないけど……。大丈夫。少しずつ慣れて行こう。
僕は容器を持ち上げると、慎重に歩き出す。
その歩みに、もう迷いはなかった。
ラッカは、咄嗟に目を逸らしたが、尻尾の先がちょろちょろしているので、バレバレである。
「………」
僕が寝ている間、ずっと、僕を見ていたのだろうか。
ジーっと、ラッカを見つめる僕。
ラッカも無言だ。
「……寝ないの?」
僕の問いに、ラッカは「あぁ」と、答える。
未だに、彼女の視線は、彼方を向いていた。
「……ラッカ。お腹空いてるでしょ?」
意地悪な問いに、彼方を向いていたラッカが、ピクリと反応した。
尻尾の先まで、ピーン!となって……。ちょっと可愛い。
「もしかして、お腹が空いて、眠れないの?」
僕たちは、あの後、お父さんから投げつけられた布の図を手掛かりに、外に出ようとした。
結果、その場所まで辿り着いた僕たちは、そ隙間から光を零す、木の板を確認した。きっと、外に繋がる、最後の板なのだろう。
しかし、布には、その場所から光が漏れている時には、開けるべからず。と、記載されていたのだ。
僕たちは、忠告を守る事にし、今は安全そうな場所を見つけて、休憩中なのである。
「わ、私は、辺りに危険がないか、見ているだけじゃ!」
僕を騙したいなら、せめて、尻尾の先をブンブンと震わせながら、言わないで欲しい。
それに、ここが安全だと言ったのも、ラッカだし…。
第一、僕は、今、巨大なラッカの巻いた、蜷局の中心にいるんだから、誰も襲ってこないよ…。
でも、もう、ラッカも限界なのかもしれない。
僕と出会ってからは、食事を一度も摂っていないと聞いているので、少なくとも……僕のご飯、100食分は抜きだ!死んでしまう!
「大変だ!ちょっと待っててね!」
僕はラッカの蜷局をよじ登り、体の上を駆け抜ける。
途中「おぃ!」と言って、ラッカが僕を止めようと、身をくねらせた。
いつものラッカなら止められただろう。しかし、今の動きには切れがなく、反応も緩慢だった。…それだけ、弱っていると言う事なんだろう。
僕は、例の毛玉の遺体が置いてあった場所へ向かう。
板をちょっとずらして、辺りを確認。……なんだか部屋の壁や床中に、白色で、変な模様が書き足されているけど……。誰もいないし、大丈夫だよね?
紐を下ろし、素早く棚の上に飛び降りる。
「チュウチュウチュウ」
入れ物に入った、同族たちが見える。…彼らは何を考えているのだろうか?
僕は再び辺りを確認する。……上の位置からでは、棚に隠れて見えなかったが、先刻の少女が、椅子に座ったまま、机に頭を預けて、眠っていた。
……今なら、あの、同族が入った、入れ物の蓋を開けられるだろうか?
「………」
僕は、ササッと、棚から降りると、同族の元へ向かう。
「チュウチュウチュウ」
相変わらず、同族が何を言っているかは分からなかったが、片っ端から、入れ物の蓋を開けて行く。
同族たちは、暫く、空いた蓋を見つめた後、次々に、入れ物化が這い出してきた。
……同族の、僕を見つめる瞳が、怖い……。
僕は、素早く棚の上に戻ると、下を見下ろした。
「チチィ!」「チュチュゥ!」「チチチチチチッ!」
棚の淵から下を見下ろすと、違う入れ物同士の同族が、争っていた。いや、殺し合っていた。そして、死んだ奴は貪られて……。
「………」
あまりの惨状に言葉を失う。
こんな事になるとは、思っても見なかった。
…いや、良い子ぶるな。そんな物は演技だろ?心の何処かでは、思っていたんだ。こんな結末になるんじゃないかって。…こんな状況になれば良いって。
この状況を見て、恐怖している僕は、確かにいる。しかし、それ以上に安心しているんだ。
だって、こんな奴らが相手なら……。僕も一線を越えられる。
…そうしないと、ラッカがいつまでも、苦しそうだしね。
僕は、この惨状を目に焼き付ける。僕らと、彼らは全く別の生き物なのだと。
見た目が似ているだけ、ただそれだけの存在なのだ。
これだけ、僕が苦悩し、見つめていても、毛玉達は、殺し合いに夢中で、こちらに目を向けようともしない。
きっと、彼らは、僕が目の前に来れば、何の躊躇もなく、何も考えず、僕を食らうのだろう。
だから、僕らは、彼らを食べて、彼らもその機会があれば、僕らを食べる。そこに感情はいらない。
……もういいかな。
僕は、視線を上げると、棚の淵から、身を引く。
…さて!これからが本番だぞ!
気合を入れ直すと、容器に入った、肉片達を見つめる。
ラッカの好みは、どれなのだろうか。どれだけあれば、お腹一杯になってくれるのだろうか。…ラッカは喜んでくれるだろうか。
…まぁ、初めの内は、気まずい空気になるのは仕方ないけど……。大丈夫。少しずつ慣れて行こう。
僕は容器を持ち上げると、慎重に歩き出す。
その歩みに、もう迷いはなかった。
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