ふたりでゲーム

るふぃーあ

文字の大きさ
4 / 22

4

しおりを挟む
なんとなく居心地が悪くなり、中庭の木陰で食べるか、と弁当を持って立ち上がった。


「んじゃ教官、今日もよろしくね!」

Skypeから元気な声が聞こえてくる。
とりあえず剣道部の練習が終わって、道場の床拭きをさせられてから家に帰り、ごはんを一人で済ませる。
父親は単身赴任で一年の大半は家にいないし、企業の研究員をしている母親はたぶんまた午前様だ。

ゲーム機の電源を入れ、同時に携帯からSkypeも立ち上げる。
待ってましたとばかりにmarisaから通知がやってきて、一緒にモンバス村にログイン。一人部屋を立てて、そこで待ち合わせる。

Skypeでは女神の声が、画面ではJJ「おう、よろしくな教官!」という表示が。
相変わらず、JJは男キャラ、で通すらしい。

「今日はごめんねかのんくん。いきなりでびっくりした?」
「ええ。もう、帰ってからみんなの嫉妬で大変でした」
「またまた。持ち上げなくていいよ?」

いつもより心持ち弾んだ、彼女の声。

「本当ですって」
「はいはいありがとう。で、どう?日曜、都合つきそう?」
「先週部活の大会が終わったとこなんで、今週は休みなので大丈夫です」
「カノジョさんとかは?二人で出かけたら怒られちゃったりしない?」

あ、やっぱり二人きりなんだ。

「いませんってば」
「そ。良かった。じゃあ、あと三日、がんばって鍛えようね!」
「本当に出場するつもりなんですか?」
「あー、何よその言い方、私じゃやっぱり不満?」
「いえ、そうじゃなくて、親御さんとか大丈夫かなーって」

女神が誰ともつきあわないのは、彼女が決めたことではなく両親の方針で、とか聞いたことがある。きっと厳しい家庭なのだろう。

「うん。最近ゲームが面白くて、って話をしてたら、パパがチケットもらってきてくれたの。もちろん、女の子と行くってことになってるけど」
「・・・・・・バレたら僕、殺されませんか」
「バレないバレない。信用あるから、私」
「ならいいんですけど」
「んじゃ、決まりだね!」

女神の声は嬉しそうだ。

「で、今日、どうします?昨日のフレはまだ来てないみたいで・・・・・・」
「うん、教官が良かったら、ちょっと二人で狩る練習でどうでしょうか」
「そうですね。三日後に勝つためにも、二人狩りにも慣れないと、ですね」
「ん!じゃあ、れっつごー!・・・・・・の前に」
「はい?」
「かのんくん、スマホ持ってる?」
「ええ」
「iPhone?」
「ええ。iPhone 13です」
「すごーい!あたしも欲しかったのに、ママがだめーって」
「うちの両親、そういうの好きなんで」

両親共に同じ機種を持っている。

「じゃあ、LIME交換しない?今日もかのんくんがいつ来るかなーって、もうずっと待ってたの」
「もちろん、いいですよ」
「じゃあ、携帯番号言うね。090-xxxx-xxxx」
「はい。メッセ送りますね」
「おっけー。・・・・・・きたきた。携帯番号いれとくね。うん、LIMEもばっちり。これで待ち合わせも大丈夫だね」
「ですね」

・・・・・・女神の携帯番号をゲットしてしまった。しかもLIMEまで。
こりゃ、スマホもうかうか他人に見せられないな。とりあえず、名前はJJって登録しとくか。

「じゃあ、はりきっていこー!」
「いきましょー!」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました

専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編7が完結しました!(2026.1.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

処理中です...