後輩のカノジョ

るふぃーあ

文字の大きさ
13 / 18

<入院11日目>

しおりを挟む
<入院11日目>

翌朝。
朝食が終わると、退院したいと申し出た。

「もう少しリハビリしていてもいいけど、まあトイレ歩行でも痛みがなければ退院可能だね」
「ありがとうございます」

担当医が診察に来てくれて、退院を許可してくれた。
手続きはすぐに終わり、俺は着替えて病院を出た。

「退院、おめでとうございます」

病院の駐車場で、舞さんが車を止めて待っていてくれた。

「わざわざ迎えに来ていただいて。すみません」
「当然のことです。会社へ行かれますか?それともご自宅へ?」
「一度家に帰ります。放ったらかしなんで」

家の場所を伝え、荷物を積んでもらって、助手席に乗り込む。
BMW X7の助手席なんて初めてだ。朝のラッシュは終わっていて、舞さんの運転する車は快適に道路を進み、俺は自宅の詳細な場所を告げる。

「じゃ、ここで」
「荷物多いですから、お運びします」

俺のボロいアパートはあまり見せたくなかったが、舞さんはうんしょ、と階段を3階まで往復して入院中の着替えやら、書類やらを運んでくれた。
部屋は散らかっていたが、エロ本が放り出してなくて助かった。ゴミ箱へ色々と放り込み、ゴミ置き場へと捨てる。

「お着替えは?」
「大丈夫です」

綿パンにポロシャツのラフな格好だが、会社も来週からでいい、と言ってくれているので、とりあえず今日は顔見せだ。
また舞さんに運転してもらい、マルイスポーツへと向かう。
部長と社長に挨拶して、ついでに舞さんも紹介して、途中の喫茶店に寄って昼食を食べ、アパートへと戻った。

「では、気をつけてくださいね」
「ずっと運転してもらってすみません。今度は俺がドライブに誘います」
「連絡、お待ちしています」

舞さんの携帯とLIMEは交換済みだ。いつでも連絡できる。
高梨さんは・・・・・・結局、連絡先を聞けなかった。舞さんに聞いたら教えてくれるかもしれないが、きっと高梨さんはそんな手段を望まないだろう。

ふう。
1週間以上ぶりの我が家で、俺はソファに腰掛けた。

終わった、か。
冷蔵庫に残っていたビールを開け、喉へ流す。

思ったほど美味しくなかった。
ここに高梨さんがいたら、どんな味だっただろう。何を話しただろう。

(退院、おめでとうございます)
(ほら、ビールこぼしてますよ)
(冷蔵庫、空っぽですね。もっと野菜を摂らないと)

涙が一滴だけ、こぼれ落ちた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...