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しおりを挟む未知の感覚と、やめて欲しいと訴えたのに何故かより一層されるという仕打ちに困惑しながら、ともすれば声になってしまう吐息を殺していると、不意に彼の手が胸から離れた。
ほっとしたのも束の間、その指は、腹部を辿りながら下の方へと滑り落ちて、まだ脱いでいないボトムスの前を開くと、するりとその中へと潜り込む。
「ぁ……っ、」
下着の上から敏感な場所を優しく撫でられて、身体が揺れた。
いつの間にそんなことになっていたのか、下着の中が濡れているのが自分でも分かって、とても恥ずかしい。
「だ、だめ……っ」
思わず、ぎゅっと彼の手を掴み、止めていた。
恥ずかしくて反射的にしたことだったが、後ろから顔を覗き込んできた御薙に、真意を問われる。
「……嫌なのか?」
言葉に詰まった。
嫌ではない。
むしろ、大きな手でそこを撫で上げられるのは、気持ちが良くて、もっとして欲しいと感じてしまっている。
しかしそれを正直に伝えるのは恥ずかしくて「だ、大丈夫……」と曖昧な言葉で手をひっこめることしかできなかった。
行為が再開されて、割れ目の上の方へと指が滑る。
ささやかながら形を変え始めているそこをくるりと撫でられて、声が出た。
布の上から強く擦られると、胸と違って、腰が跳ねてしまうような、直接的な快感がある。
「……は、…んっ……、あ、っ、…」
息が乱れて、声を殺すことができなくなり、快楽と羞恥で頭がぼーっとなった。
「(でも、これ……っ)」
気持ちはいいけれど、決定的な刺激にはならず、どうしていいかわからなくなる。
ただずっと気持ちがいいという状態が不安で、身を捩った。
「直接触ってほしいか?」
低く耳元で囁かれて、自分がそう感じていたことを知り、またそれを把握されていたことに、羞恥で頭が煮えた。
手を止められると、自分からそこを押し付けてしまいそうになる。
もっと、直接触ってほしい、と言っていいのだろうか。
慣れない冬耶は上手く強請れず、助けを求めるように御薙を見つめた。
想いが通じたのか、下着の中に彼の手が入ってくる。
熱い指が、湿ったそこをかきわけ、もっと強い刺激を欲しがっていた小さな肉芽を擦る。
「っ……、」
強い刺激に驚いてびくっと身体が揺れると、硬いものが背中に当たった。
「ぁ……、」
それがなんだかわかって振り返ると、そんなに驚くことでもないだろと笑われる。
こんなことをしているのだから当たり前かもしれないが、求められていると思うと、触れられている場所が更に熱くなった気がした。
冬耶の声が高くなると、指の動きも大胆になる。
ぬるぬる擦られ、挟んだり摘ままれたりして、すぐに限界はやってきた。
「あ、やぁ、だ、だめ……っ」
ふわっとなるような浮遊感があり、それから頭が真っ白になる。
「っ……ぁ、っ……、」
高みから降りてきてもなお長く続く絶頂感が怖い。
女性の身体とは、こういうものなのだろうか。
「……ぇ、ゃ……、」
困惑したまま余韻にひくひくと震えていると、彼の指は下の方へ、ぐっしょりと濡れてしまっている奥を目指す。
以前の自分にはついていなかった器官に異物を受け入れることに、つい緊張して、途端に脱力していた体が強張った。
「ん……、力、抜け」
「ご、めんなさ……、」
拒みたいわけではないが、そんなところの力の抜き方なんてわからない。
上手くできずにいると、もう片方の手が再び胸を弄りはじめて、気が逸れた。
「あ……っ、」
どうやら力が抜けたらしく、彼の指がゆっくりと入り込んでくる。
「痛かったら、言えよ」
優しい囁きに、素直に頷く。
だが、たっぷりと濡れたそこは、痛みもなくそれを受け入れていった。
入り込んだ指は、試すようにゆるゆると内部を擦る。
痛くはないけれど、先程のような快感はなくて、ほっとするような拍子抜けするような。
ところが、比較的浅い場所で曲げられた指が触れた場所。
そこをぐっと押されると、腹が熱くなるような感じがして、身体が勝手にのけぞった。
「ゃ、そ、れ……っ」
「ここ、好きか?」
「ん、ちが、だ、め……っ」
「駄目?」
「あ……!あっ、あっ……!」
駄目だという場所を何度も押されて、半泣きになる。
胸の時もそうだが、やめてというとより一層されるのは何故なのだろうか。
そんな釈然としない気持ちも、未知の快楽の前にすぐにかき消された。
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