いじわる社長の愛玩バンビ

イワキヒロチカ

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その後のいじわる社長と愛されバンビ

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 ぐったりと伏せた体の下の、久世の胸元およびワイシャツを汚してしまったのはわかっていて、いたたまれないながらも力が抜けて動けずにいると。
「お前にぶっかけられるのも、悪くないな」
 そんないらないことを言われたので、少しでも申し訳ないと思ってしまった気持ちを返せと赤い顔で怒る。
「ばっ……あんたが、……するから、」
「そうだな、お前を気持ちよくした俺が悪い」
 悪びれもせず愉しげに言い放ち、久世は万里の足の間から体を起こすと、脱いだシャツで体を拭い、無造作にベッドの下に放った。
「こっち、向けるか?」
「…………、」
 拒否権はなさそうなので、息を整えのろのろと向きを変えると、再び久世の腰を跨いで膝立ちにさせられる。
 先程自らこの体勢になったが、今はあのときと心身ともに状態が違う。

「このまま、挿れてみろ」

 そう言われると思った。
「む……り、」
「頑張れ」
「エールが他人事すぎる!」
 意地が悪いのは通常運転でも、とりあえず文句は言う。
 だが、ぎゅっと耳を引っ張ってやったのに久世の反応は鈍い。
 それどころか、思案げな目でじっと見つめられて戸惑う。
「な、何だよ」
「いや……昨日お前酔ってるとき、眠兎がエロいとか言ってたから」

 何を言ってるんだ酔っぱらいの俺ー!

「よ、酔っ払いの戯れ言ですから!」
「酔っていて覚えてなくても飲酒運転は犯罪だぞ」
 それはそうかもしれませんけれども。
「まあつまりジェラシーという名の愛情の発露だ。諦めろ」
「ううう……それでお仕置きは何か釈然としない……」
 迷惑をかけたと思ったから、甘んじて仕置きを受けているけれども、桜峰がエロいのは万国共通の認識ではないのか。よく副店長の望月も赤面している。
 そういえば、この男には以前もこんな言いがかりをつけられて意地悪をされた気が。
 鷹揚に見えて根に持つタイプだ。
「手伝ってやるから、このまま挿れてみろ」
 どうやら逃げることはできないらしく、万里は覚悟を決めた。

 ……何も考えるな。心を無にしろ。

 もう十分恥ずかしいから大丈夫(?)だと念じつつ、ふらつく腰を支えられながら、久世のものに手を添え位置を合わせる。
「ん……っ」
 腰を落としていくと、苦しいながらも何とか先端は入った。
 上手く入るか不安だったのに思っていたよりもスムーズで、きゅっと食い締める待ち侘びていたような己の反応が恥ずかしい。
 更に先へ進もうとすると、ある一点をぐりっと抉ってしまい、万里はびくりと動きを止めた。
「あ……ぅ、っ……」
「っ……、この辺、お前のいいところだろ?ここで擦ってイッてもいいぞ」
「や、」
 ふるふると首を振る。
「あんたも、……もっと、」
「健気だな」
「ち、が……っ、お、俺ばっかりってのは、いやな、だけ……っ、」
「なるほど義理堅いのか」

「も、ちょっと黙ってろ……っ」

 余計な事ばかり言う口を、塞いでやる。
 ぬるりと舌が絡み、束の間キスの甘さに気を取られていると、腰を掴まれて引き下げられた。
「んん……っ!っ、あっ……い、いきなり……っ」
「お前が可愛すぎて、我慢できなくなった」
 可愛いとか言うなと怒りたかったのに、狭い場所を押し拡げるものが熱すぎて、何も考えられなくなってしまう。
 甘やかすように揺すられると、繋がったそこから溶け出しそうな快感が全身に広がった。
「あっ、や、」
「っ……」
 内部を絞ったまま自然と腰が揺れ、至近の久世が息を詰めるのが聞こえた。
 久世も気持ちがいいのだろうかと相手の様子を窺がおうとしたのに、腰を固定されたまま激しい下からの突き上げが始まって、ただ快楽を与えられ続けることしかできなくなる。
「っあ!や、っあ!それ、激し、い……!」
「は……っ、いいな、お前の中……っ」
「も、あ……っだ、だ、め、昴、さ……っ」
「万里………っ」
 ぐんと深くまで入り込まれ、奥に飛沫が叩きつけられた衝撃で、万里も前を弾けさせた。


「は………………っ、………、………」
 ずるりと久世のものが抜け出ていくと、言葉もなくぐったりと目の前の身体に寄りかかる。
 本調子ではないこともあるが、流石に疲れた。
 久世の体温が心地よく、身を預けていたかったのに、ごろりと体勢を入れ替えるようにベッドに寝かされて、怪訝に思い覆いかぶさる男を見上げる。
 目が合うと、久世はニヤリと不穏に笑った。
 事後の穏やかな時間を共に分かち合いたいという表情ではない。
「名前を呼びながらイくなんて、なかなか煽ってくれるじゃないか」
「……は……?」
 まさかと思い、目線を下げると、視界に入ったものに目を瞠る。
「って、え……?今、出したのに、なんで……」
「お前も中々エロいってことじゃないか?」
「そ…………」
 エロいのはあんたの方だろ!と怒ってみても、火に油を注ぐだけというのか、未来を変えることはできず。
 万里はその後もたっぷりとお仕置きをされてしまったのであった。
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