溺愛極道と逃げたがりのウサギ

イワキヒロチカ

文字の大きさ
136 / 188
極道とウサギの甘いその後+サイドストーリー

エッチなウサギとおとなのおもちゃ1(竜次郎・湊)

しおりを挟む
 無造作に襖を開いた竜次郎が寝室に足を踏み入れると、布団の隅に座った湊は真剣な眼差しで手元をじっと見ている。
 何だ?と思って聞くより先に、顔を上げた湊は『それ』を見せてきた。

「竜次郎、これどうやって使うの?」

 掲げられた『それ』は人の肌の色を模したシリコン製のもの……所謂オナホールと呼ばれるアダルトグッズだ。
 オナホと略されるそれは、据え置きの大型のものと、手で持つハンドホールと二種類あるが、湊が持っているのは後者である。
 オナホが入っていたと思われる畳の上のパッケージには、子供にしか見えない美少女のイラストが描かれていて、真剣に見るようなもんかとやや脱力した。
「何でお前がこんなもん持ってんだよ」
「八重崎さんがね、貰いものだけどうちは使わないから、ってくれたんだ」
 あの謎多きイキモノにこんなものを譲り渡している人物が不穏だが、それは深く考えないことにする。
 世の中には追求しない方が幸せでいられることというのが多数存在するものだ。

「別に使い方って程のものもねえだろ」
「パッケージ見れば大体はわかるけど、竜次郎の方が詳しいかなって思って」
 一体それはどういう認識なんだと聞いてみたい気もしたが、期待されているということにしておこう。
 竜次郎自身は小道具にさしたる興味はないとはいえ、使っている湊は見てみたい。
「じゃあ、今日はこれで遊んでやるよ」
 ニヤリと笑うと、湊は律儀によろしくお願いしますと頭を下げた。


 まずは服を脱ぐように言うと、湊は素直に全裸になった。
 その従順さには、恥じらう相手を脱がせるのとはまた違う興奮を覚える。
 一緒に脱いでほしい、という視線を感じたが、気付いていないふりで黙殺した。
 自分も一緒になって脱いでしまうと、スイッチが入って道具で遊ぶどころではなくなりそうだ。
 湊にオナホを持たせ、パッケージの近くにあった付属のローションの封を切り、中に流し入れる。

「これで、後は突っ込むだけだ」
 湊は不思議そうに内部を観察している。
「入口狭そうなのに、結構拡がるんだね」
「突っ込むのに手間がかかるようじゃ、こういうものを使う意味がねえんじゃねえか?」
 周囲から無駄な情報ばかりは入ってくるからこうしてレクチャーできるものの、特に興味はないので、どういったものや使い方が一般的なのかは、よくわからないが。

 しかし折角なので湊のソロプレイをじっくり見たい。
 対面で足を開かせ、やってみろと促すと、湊は少し驚いた顔をした。
「俺が使うの?」
「たまにはお前も突っ込んでみたいだろ。俺には少し小さそうだしな」
 そうなんだ、と微かに頬を染めた湊は、竜次郎の股間のあたりに視線をやった。
 それから手元のオナホを圧迫してパクパクさせて見比べる。
 ……言ったのは自分だが、そこのサイズ感はそんなに比べなくていい。

「見ててやるから、やって見せろよ」
「……うん」
 湊は少し恥ずかしそうにしながら、反応を示し始めているそこへとあてがった。
「ん、……っあれ?上手く、入らな……」
「もうちょい強めに押し込んでみろ」
 入りにくいのは、恐らくあの子供のようにしか見えない美少女のパッケージのせいだ。『そういう』挿入感に作ってあるようで、湊は苦戦していた。
 何度か試してみたが、早々に諦めたようだ。

「っ…りゅ、竜次郎…て、手伝って…」

 焦って上気した困り顔が腰を直撃して、入ってはいけないスイッチが入りそうになるのをなんとか理性で押しとどめる。
「仕方ねえな」
 後ろに回り、湊の手ごとオナホを掴んだ。
「あっ」
 ぐっと押し込むと、びくんと腕の中の体が跳ねた。
 押さえつけてそのまま奥まで一気に入れる。
「あーっ……」
 高い声が上がり、竜次郎はそこで手を離した。
 顎を上げた湊ははくはくと空気を食んでいる。
「どうだ?」
「や、っこれ、……なんか、」
「動かしてみろよ」
 唆すと、震える手で弱々しくストロークを始めた。
「あ、う、っ…っ、」
 狭いのもあるだろうが、かなりぎこちない。
「自分でするとき、いつもそんなそっとすんのか」
「あ、あんまり、しないから、わからな…っ」
「へえ、俺と再会する前もか?」
 湊はコクコクと頷いた。

 竜次郎からするとちょっと信じられないが、手つきの拙さからして本当のことのようだ。
 自慰行為もあまりしないのならば、『どうやって使うの?』という聞き方にもなるかもしれない。

 刺激が強すぎるせいか、うまく気持ちよくなれていないようで、そんなに初心者ならもう少し手伝ってやるかと竜次郎は再び手を添えた。
「こうするともっといいんじゃねえか」
 少し浮かせて先の方を圧迫すると、入っていた空気が下品な音をさせながら外に押し出される。
 そのままオナホを上下させれば、湊は腰に来るような声で啼いた。
「え、ぃや……っ、吸い付く……っ!」
「フェラされてるみたいでいいだろ」
「やぁ……っ、だめ、あ、あ……っ」

 すぐに湊は消え入るような声を上げて、ぶるぶる、と震えると、脱力した。

「……っぁ……、っでちゃ、…」
「中々、お楽しみだったじゃねえか」
「……ん……。竜次郎も、やってみたい?」
「そうだな、次は俺も楽しませてもらうぜ」

 言いながら形のいい耳に軽く噛みつくと、首を竦めた湊は、洗って共用とかするものかな?などと見当外れのことで悩んでいる。
 そうじゃねえだろと内心苦笑しながら、竜次郎は湊の体をそっと前に倒した。
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

発情期のタイムリミット

なの
BL
期末試験を目前に控えた高校2年のΩ・陸。 抑制剤の効きが弱い体質のせいで、発情期が試験と重なりそうになり大パニック! 「絶対に赤点は取れない!」 「発情期なんて気合で乗り越える!」 そう強がる陸を、幼なじみでクラスメイトのα・大輝が心配する。 だが、勉強に必死な陸の周りには、ほんのり漂う甘いフェロモン……。 「俺に頼れって言ってんのに」 「頼ったら……勉強どころじゃなくなるから!」 試験か、発情期か。 ギリギリのタイムリミットの中で、二人の関係は一気に動き出していく――! ドタバタと胸きゅんが交錯する、青春オメガバース・ラブコメディ。 *一般的なオメガバースは、発情期中はアルファとオメガを隔離したり、抑制剤や隔離部屋が管理されていたりしていますが、この物語は、日常ラブコメにオメガバース要素を混ぜた世界観になってます。

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(2024.10.21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...