52 / 77
第二章 修行、そして旅に出る
10話 事情聴取されました。
しおりを挟む
あの後三人で急いで首都に戻ろうとすると、首都の関所へと並ぶ列がパニックを起こしていた。
まぁ……間違いなく、カー君が森で暴れたせいだと思うけど……
「早く入れろ!俺は見たんだっ!森で恐ろしいデカさの化け蛇が暴れてるのを!」
「私は森から有名な殺人犯や盗賊達が焦ったような顔をしながら、森から出て行くのをっ!」
「お、おでは……猪がいきなり飛び出して来て馬車を壊されたんだな!」
うわぁ、大参事……怖い位に大参事、大事な事だから二回言ってしまう位には酷い状況で、場を治めようとしている衛兵さん達が対応に困っている。
さすがにこれは私達のせいだと思うから、ちゃんと謝った方がいいよね。
「ゼンさん!そこにいるのはゼンさんじゃないですか!」
「ん?あぁ……誰だ?」
「いきなり名前を呼ぶなんて失礼だろ!……あぁ、俺達はここの衛兵をしているものでして……この国の英雄であるゼン様が見えたので少しだけお話が出来ないかなと」
「お話だぁ?そんな事よりも衛兵としての仕事をしろよ」
人の列から武装して腰に剣を差した二人組が来たかと思うと、いきなり敬礼みたいな仕草をしてゼンさんに話しかけてくる。
けど、いきなり友達みたいな距離感で来られて気に入らなかったのか、凄い機嫌悪そうな顔をしながら対応している彼を見て、内心びくびくしながらカー君の方を見ると
「……何だか森の方が凄かったらしいね」
「あぁ、うん……そうだね」
と呑気な言葉が帰って来たから今はあんまり気にしないようにする。
多分、私達が原因だってバレないように気を使ってくれてるんだろうけど、カー君と話していたらそのうちボロを出して疑われてしまうかもしれないから、悪いけど今は無視しちゃうけどごめんね?
「……申し訳ございません、けどこれも仕事なので」
「まぁ、仕事ならしょうがねぇな、で?何が聞きたいんだ?」
「実はあちらの列にいる方が、ゼンさん達が森から出て来たところを見たという事で事情聴取をさせて頂ければなと……」
「あ?今俺を見かけたからって言ったのに、その言い方は矛盾してねぇか?」
「あ……無理にとはいいません、えっとけどこれも仕事なので」
相手は仕事だって言ってるんだから答えてあげればいいのに……
「あ、あの……えっと、わ、わた」
「ん?あ……すごい、かわいい」
「……え?」
「ご、ごめんなさい!え、えっと……森の奥で、蛇がいて……ゼ……さんが倒し、く……たよ?」
「えっと……ごめんなさい、もっとはっきり話して頂けると」
ダメだ、ゼンさんやカー君とか仲が良い人や、ある程度交流がある人相手だったら話せはするんだけど……そうじゃない人ってなると緊張してどう話せばいいのか分からない。
「あぁ、こいつが言いたいのは、俺が森で蛇の化物を退治したって言ってんだよ」
「おぉ、そうなのですか!?それなら初めからそう仰って頂ければ良かったのに」
「あんな回りくどい聞かれ方したら、応え辛いだろ……取り合えずこれで事情聴取ははいいよな?」
「え?あ……はい、後は必要な事があった場合ご自宅の方へ伺わせて頂きますので……」
「来ねぇでいいよ、それに俺は暫く忙しいからさ……あぁ、ただなんだ?もし必要な事があったら、神社にいるセイラに言ってくれよ、俺の変わりに何でも答えてくれるだろうからさ」
ゼンさんはそう言うと衛兵さんに向かって手を振ると、私達の背中を押して首都へと入って行こうとする。
その際に……
「じゃあ、俺達は行くから後は頑張れよ?」
と言葉にすると感極まった顔をして、お礼の言葉を返す若い衛兵さんと、そんな彼を連れてめんどくさそうな顔をしながら列に戻っていく二人を見ながら首都へと入る。
「……カーティス、おまえ首都の近くで本来の姿に戻るの禁止な?」
「だね、俺もそれがいいと思う……」
「うん、凄い騒ぎだったもんね」
「まさか獲物を捕まえようとしたら、そんな大事になるなんてね……予想外だよ」
「予想外っておめぇ、あれはやりすぎだろあれは」
やり過ぎなのもそうだけど、森の生態系が壊れちゃったんじゃないかな……。
今思うと中には緑色の肌をした人みたいなのもいたような気がするし、豚の頭をした二足歩行の珍しい動物もいた気がする。
ファンタジー的な面から見ると、ゴブリンやオークとかって言われる魔族だろうし、多分この世界の人達と共存出来なくて森に住んでたんだろうなぁ。
そう思うと天族と魔族の神の間に産まれた子供として、転生したのに何だか悪い事をしてしまった気がする?、いや……でも野生の世界だと弱肉強食だって言うし、これはこれでしょうがないのかも、んー何だか頭がこんがらがって来た。
「あれが一番効率が良いと思ったんだけどね」
「それなら予め、何をしようとしてるのか詳しく説明してくれよ」
「うん、私達仲間なんだから……ちゃんと言葉にしよ?」
「……次からはちゃんとそうするよ」
……そんな話をしながら家に帰った私達は、そのまま用意されていた夕飯を食べたけど『これって誰が作ったのかな』と、不思議そうな顔をしているカー君を見て、そういえば幽霊さんの事話して無かった。
そんな事を思いつつ、色んな意味で騒がしい一日が終わるのだった。
まぁ……間違いなく、カー君が森で暴れたせいだと思うけど……
「早く入れろ!俺は見たんだっ!森で恐ろしいデカさの化け蛇が暴れてるのを!」
「私は森から有名な殺人犯や盗賊達が焦ったような顔をしながら、森から出て行くのをっ!」
「お、おでは……猪がいきなり飛び出して来て馬車を壊されたんだな!」
うわぁ、大参事……怖い位に大参事、大事な事だから二回言ってしまう位には酷い状況で、場を治めようとしている衛兵さん達が対応に困っている。
さすがにこれは私達のせいだと思うから、ちゃんと謝った方がいいよね。
「ゼンさん!そこにいるのはゼンさんじゃないですか!」
「ん?あぁ……誰だ?」
「いきなり名前を呼ぶなんて失礼だろ!……あぁ、俺達はここの衛兵をしているものでして……この国の英雄であるゼン様が見えたので少しだけお話が出来ないかなと」
「お話だぁ?そんな事よりも衛兵としての仕事をしろよ」
人の列から武装して腰に剣を差した二人組が来たかと思うと、いきなり敬礼みたいな仕草をしてゼンさんに話しかけてくる。
けど、いきなり友達みたいな距離感で来られて気に入らなかったのか、凄い機嫌悪そうな顔をしながら対応している彼を見て、内心びくびくしながらカー君の方を見ると
「……何だか森の方が凄かったらしいね」
「あぁ、うん……そうだね」
と呑気な言葉が帰って来たから今はあんまり気にしないようにする。
多分、私達が原因だってバレないように気を使ってくれてるんだろうけど、カー君と話していたらそのうちボロを出して疑われてしまうかもしれないから、悪いけど今は無視しちゃうけどごめんね?
「……申し訳ございません、けどこれも仕事なので」
「まぁ、仕事ならしょうがねぇな、で?何が聞きたいんだ?」
「実はあちらの列にいる方が、ゼンさん達が森から出て来たところを見たという事で事情聴取をさせて頂ければなと……」
「あ?今俺を見かけたからって言ったのに、その言い方は矛盾してねぇか?」
「あ……無理にとはいいません、えっとけどこれも仕事なので」
相手は仕事だって言ってるんだから答えてあげればいいのに……
「あ、あの……えっと、わ、わた」
「ん?あ……すごい、かわいい」
「……え?」
「ご、ごめんなさい!え、えっと……森の奥で、蛇がいて……ゼ……さんが倒し、く……たよ?」
「えっと……ごめんなさい、もっとはっきり話して頂けると」
ダメだ、ゼンさんやカー君とか仲が良い人や、ある程度交流がある人相手だったら話せはするんだけど……そうじゃない人ってなると緊張してどう話せばいいのか分からない。
「あぁ、こいつが言いたいのは、俺が森で蛇の化物を退治したって言ってんだよ」
「おぉ、そうなのですか!?それなら初めからそう仰って頂ければ良かったのに」
「あんな回りくどい聞かれ方したら、応え辛いだろ……取り合えずこれで事情聴取ははいいよな?」
「え?あ……はい、後は必要な事があった場合ご自宅の方へ伺わせて頂きますので……」
「来ねぇでいいよ、それに俺は暫く忙しいからさ……あぁ、ただなんだ?もし必要な事があったら、神社にいるセイラに言ってくれよ、俺の変わりに何でも答えてくれるだろうからさ」
ゼンさんはそう言うと衛兵さんに向かって手を振ると、私達の背中を押して首都へと入って行こうとする。
その際に……
「じゃあ、俺達は行くから後は頑張れよ?」
と言葉にすると感極まった顔をして、お礼の言葉を返す若い衛兵さんと、そんな彼を連れてめんどくさそうな顔をしながら列に戻っていく二人を見ながら首都へと入る。
「……カーティス、おまえ首都の近くで本来の姿に戻るの禁止な?」
「だね、俺もそれがいいと思う……」
「うん、凄い騒ぎだったもんね」
「まさか獲物を捕まえようとしたら、そんな大事になるなんてね……予想外だよ」
「予想外っておめぇ、あれはやりすぎだろあれは」
やり過ぎなのもそうだけど、森の生態系が壊れちゃったんじゃないかな……。
今思うと中には緑色の肌をした人みたいなのもいたような気がするし、豚の頭をした二足歩行の珍しい動物もいた気がする。
ファンタジー的な面から見ると、ゴブリンやオークとかって言われる魔族だろうし、多分この世界の人達と共存出来なくて森に住んでたんだろうなぁ。
そう思うと天族と魔族の神の間に産まれた子供として、転生したのに何だか悪い事をしてしまった気がする?、いや……でも野生の世界だと弱肉強食だって言うし、これはこれでしょうがないのかも、んー何だか頭がこんがらがって来た。
「あれが一番効率が良いと思ったんだけどね」
「それなら予め、何をしようとしてるのか詳しく説明してくれよ」
「うん、私達仲間なんだから……ちゃんと言葉にしよ?」
「……次からはちゃんとそうするよ」
……そんな話をしながら家に帰った私達は、そのまま用意されていた夕飯を食べたけど『これって誰が作ったのかな』と、不思議そうな顔をしているカー君を見て、そういえば幽霊さんの事話して無かった。
そんな事を思いつつ、色んな意味で騒がしい一日が終わるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
サハギンに転生した俺、最弱から進化して海の覇王になりました
☆ほしい
ファンタジー
目を覚ますと、俺は異世界の海底でサハギンに転生していた。しかも、生まれたての最弱個体。弱すぎて、敵どころか仲間にも狩られるレベルの雑魚だった。
だがこの世界には、「進化」システムと「スキル取得」の概念がある。戦い、喰らい、生き延びれば、どんな存在にでもなれる。
一匹で深海を生き抜き、強敵との死闘を重ね、仲間を得て、次第に領海を広げていく俺。やがて襲い来る海賊、魔族、そして異世界の神々さえも──
進化の果てに手にした力は、神話の海獣すら屈服させる“覇王の威光”。
これは、最弱種族に転生した俺が、知恵と本能を武器に進化を重ね、深海・外洋・空すら制し、異世界の“海王”として君臨するまでの成り上がり戦記!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる