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第二章 修行、そして旅に出る
11話 戦闘訓練
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この前の夕飯時、カー君が珍しく驚いたような声を上げたかと思うと、首の無い幽霊がテントに入って来たって騒いでたけど……初見だとあれは驚くよねぇと思いながら、皆で夕飯を食べて一日を終え。
次の日から朝はゼンさんに挑みに来る人の相手をして、終わったらこの前の森に行く日々を過ごすようになった。
そんな日々を何日も過ごしている内に、少しは動きが良くなったような気がするけど……
「よし、今日からは俺と直接、武器を使ってやり合うぞ」
「え?いつもみたいに動物を狩るんじゃないの?」
「ばっか、余りやり過ぎると今よりも生態系が崩れんだろうが、ただでさえこの前のあれで個体数が減ってんだからよ」
「えぇ……いきなり馬鹿って言われるの傷つくんだけど?」
「あぁ……それは悪かったな、って事で今日はシャルネとカーティス、おまえ等二人で俺を殺す気で掛かってこい」
殺す気で掛かってこいって言われても、それで本当に死んでしまったら嫌なんだけど……
「掛かってこいって事は、魔法を使ってもいいのかな」
「勿論魔法を使ってもいいぞ?大蛇になる以外はやりたいようにやれ」
「じゃあ、私も能力を使っていい?」
「【暴食と施し】か……、あれに関しては対策を考えてるから良いぞ」
「じゃ、じゃあ……行くけど後悔しないでね?」
翼を出す意識をして背中から左に悪魔の翼と右から天使の翼を出すと、頭部に小さい羽が生えてぴょこぴょこと動き出す。
そして金属の刃が付いた大鎌を構えると、翼を広げて飛ぶように羽ばたいて跳んでみると……
「へぶっ!」
「……シャルネ?」
顔から勢いよく地面に向かって倒れ込んでしまった。
翼があるなら飛べるって思うじゃん!ほら、剣と魔法の世界でファンタジーなら普通さっ!魔力を使って縦横無尽に空を自由に飛びたいなって思うよね!?思わない!?あるよね、そういう願望出るよね……だってカッコいいじゃん飛べたら、なのに現実はここまで冷たくて……。
ちょっとだけ身体がふわっとした感じで浮いたような感じがしたんだけど、身体の重さを感じたかと思ったら両手で持っている武器の重さで勢いよく顔から落ちるし、本当に最悪っ!
「おめぇ何やってんだ?」
「翼があるんだから……飛べると思って」
「飛び方の練習した事あんの?」
「……無い」
「……シャルネ、翼を持ってても練習をしないと飛べないと思うよ」
ゼンさんとカー君がお互いの顔を見て、こいつどうする?って言うような表情をしてるけど、お願いだからそんな顔をしてないで欲しい。
それだけで恥ずかしくて顔から火が出そうなのに、もし追い打ちで優しい言葉を掛けられでもしたら私立ち直れないかもしれないよ?いいの?そんな事しちゃって、後悔するよ?
こんなかわいくて美人な女の子の心を折るような事して楽しい?、楽しくないよね?だから訓練を始めよう?。
「あぁ……うん、まぁなんだ、失敗は誰でもするもんだし次から飛ぶ練習もしようぜ?」
「ほらぁっ!優しい声掛けたぁ!こういう時の優しさって私を傷つけるんだよ!」
ほらやっぱり、ゼンさんが気を使って優しい声を掛けて来た。
恥ずかしさを隠す為に大鎌を振り上げて勢いよく振り下ろしたけど、片手で持っている剣で器用に防いでしまう。
まぁ、対応されちゃうのは分かってたけど……何か悔しい。
私だけ一方的に恥ずかしい思いしただけなのは良くないと思います。
「ちょ!おまっ!あぶねぇだろ!」
「うん、これは訓練が始まったって考えて良さそうだね」
「カーティスっ!おまえ少しは空気読めっ!今はどう見ても訓練じゃっ!」
「実戦だと空気を読むも待ても無いよね」
「くそっ!後悔すんじゃねぇぞ!」
右手にスコップ、左手にクワを持ったカー君が、ゼンさんに向かって突っ込んで行くけど何度見ても農具を武器にしてる光景に違和感を感じる。
大鎌もそうだけど、本来は武器として使う物では無いからかもしれない。
「えっと、スコップで突いて、クワで叩くだったっけ」
「他にもスコップで叩いたり防いだり色々と出来るぞっと!」
「随分余裕そうに防ぐね」
「そりゃあな……動きが単調なおかげで防ぎや……おっと!」
二人が二本の剣と農具で打ち合っている異様な姿に隠れて、後ろに回ると魔力の塊をゼンさんへと向かった投げる。
けど……まるで後ろに目があるかのように、こっちを見ないで剣を振ると綺麗に真っ二つに分かれて近くの樹に当たりそこから折れて地面へと倒れ、地面を揺らす。
「……威力はすげぇな、けどおまえ魔力を使うとすぐ息切れするんだから気を付けろよ」
「けど奇襲には使えるでしょ?」
「俺みたいに戦いに慣れてる奴相手だと、もう少し工夫しねぇと意味がねぇぞ?」
「それなら俺が魔法を使うよ、シャルネ、危ないから少し離れて」
「おいおい、何をする気だよって……おまえ、大蛇の姿以外でも魔法もやべぇのかよ!」
……カー君の周囲に紫色の霧が立ち上がったかと思うと、ゼンさんが慌てて距離を取る。
私も言われた通りに離れたけど、カー君の周囲の雑草や樹々が色を失ってどんどん枯れて行ったかと思うと、徐々に砂のようになって行って頭上を飛んでいる鳥が苦しそうに鳴いたかと思うと、ボトボトと地面へ向かって落ち初めた。
これは……ヤバいんじゃなくて、もはや生物兵器なんじゃ?って思いつつ観察していたら、ゼンさんが剣を構えて霧の中に飛び込んで行く。
そして武器を一振りすると、霧がその形に切り裂かれて消えるのだった。
次の日から朝はゼンさんに挑みに来る人の相手をして、終わったらこの前の森に行く日々を過ごすようになった。
そんな日々を何日も過ごしている内に、少しは動きが良くなったような気がするけど……
「よし、今日からは俺と直接、武器を使ってやり合うぞ」
「え?いつもみたいに動物を狩るんじゃないの?」
「ばっか、余りやり過ぎると今よりも生態系が崩れんだろうが、ただでさえこの前のあれで個体数が減ってんだからよ」
「えぇ……いきなり馬鹿って言われるの傷つくんだけど?」
「あぁ……それは悪かったな、って事で今日はシャルネとカーティス、おまえ等二人で俺を殺す気で掛かってこい」
殺す気で掛かってこいって言われても、それで本当に死んでしまったら嫌なんだけど……
「掛かってこいって事は、魔法を使ってもいいのかな」
「勿論魔法を使ってもいいぞ?大蛇になる以外はやりたいようにやれ」
「じゃあ、私も能力を使っていい?」
「【暴食と施し】か……、あれに関しては対策を考えてるから良いぞ」
「じゃ、じゃあ……行くけど後悔しないでね?」
翼を出す意識をして背中から左に悪魔の翼と右から天使の翼を出すと、頭部に小さい羽が生えてぴょこぴょこと動き出す。
そして金属の刃が付いた大鎌を構えると、翼を広げて飛ぶように羽ばたいて跳んでみると……
「へぶっ!」
「……シャルネ?」
顔から勢いよく地面に向かって倒れ込んでしまった。
翼があるなら飛べるって思うじゃん!ほら、剣と魔法の世界でファンタジーなら普通さっ!魔力を使って縦横無尽に空を自由に飛びたいなって思うよね!?思わない!?あるよね、そういう願望出るよね……だってカッコいいじゃん飛べたら、なのに現実はここまで冷たくて……。
ちょっとだけ身体がふわっとした感じで浮いたような感じがしたんだけど、身体の重さを感じたかと思ったら両手で持っている武器の重さで勢いよく顔から落ちるし、本当に最悪っ!
「おめぇ何やってんだ?」
「翼があるんだから……飛べると思って」
「飛び方の練習した事あんの?」
「……無い」
「……シャルネ、翼を持ってても練習をしないと飛べないと思うよ」
ゼンさんとカー君がお互いの顔を見て、こいつどうする?って言うような表情をしてるけど、お願いだからそんな顔をしてないで欲しい。
それだけで恥ずかしくて顔から火が出そうなのに、もし追い打ちで優しい言葉を掛けられでもしたら私立ち直れないかもしれないよ?いいの?そんな事しちゃって、後悔するよ?
こんなかわいくて美人な女の子の心を折るような事して楽しい?、楽しくないよね?だから訓練を始めよう?。
「あぁ……うん、まぁなんだ、失敗は誰でもするもんだし次から飛ぶ練習もしようぜ?」
「ほらぁっ!優しい声掛けたぁ!こういう時の優しさって私を傷つけるんだよ!」
ほらやっぱり、ゼンさんが気を使って優しい声を掛けて来た。
恥ずかしさを隠す為に大鎌を振り上げて勢いよく振り下ろしたけど、片手で持っている剣で器用に防いでしまう。
まぁ、対応されちゃうのは分かってたけど……何か悔しい。
私だけ一方的に恥ずかしい思いしただけなのは良くないと思います。
「ちょ!おまっ!あぶねぇだろ!」
「うん、これは訓練が始まったって考えて良さそうだね」
「カーティスっ!おまえ少しは空気読めっ!今はどう見ても訓練じゃっ!」
「実戦だと空気を読むも待ても無いよね」
「くそっ!後悔すんじゃねぇぞ!」
右手にスコップ、左手にクワを持ったカー君が、ゼンさんに向かって突っ込んで行くけど何度見ても農具を武器にしてる光景に違和感を感じる。
大鎌もそうだけど、本来は武器として使う物では無いからかもしれない。
「えっと、スコップで突いて、クワで叩くだったっけ」
「他にもスコップで叩いたり防いだり色々と出来るぞっと!」
「随分余裕そうに防ぐね」
「そりゃあな……動きが単調なおかげで防ぎや……おっと!」
二人が二本の剣と農具で打ち合っている異様な姿に隠れて、後ろに回ると魔力の塊をゼンさんへと向かった投げる。
けど……まるで後ろに目があるかのように、こっちを見ないで剣を振ると綺麗に真っ二つに分かれて近くの樹に当たりそこから折れて地面へと倒れ、地面を揺らす。
「……威力はすげぇな、けどおまえ魔力を使うとすぐ息切れするんだから気を付けろよ」
「けど奇襲には使えるでしょ?」
「俺みたいに戦いに慣れてる奴相手だと、もう少し工夫しねぇと意味がねぇぞ?」
「それなら俺が魔法を使うよ、シャルネ、危ないから少し離れて」
「おいおい、何をする気だよって……おまえ、大蛇の姿以外でも魔法もやべぇのかよ!」
……カー君の周囲に紫色の霧が立ち上がったかと思うと、ゼンさんが慌てて距離を取る。
私も言われた通りに離れたけど、カー君の周囲の雑草や樹々が色を失ってどんどん枯れて行ったかと思うと、徐々に砂のようになって行って頭上を飛んでいる鳥が苦しそうに鳴いたかと思うと、ボトボトと地面へ向かって落ち初めた。
これは……ヤバいんじゃなくて、もはや生物兵器なんじゃ?って思いつつ観察していたら、ゼンさんが剣を構えて霧の中に飛び込んで行く。
そして武器を一振りすると、霧がその形に切り裂かれて消えるのだった。
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