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第一章 非日常へ
17話 異常種たる所以
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彼女のおかげで避けれたとはいえあと一歩遅かったらぼく達の命が危なかった。
目の前には成人男性程の大きさを持ち二本足で立ち、両手には長く鋭い鉤爪を持ったトカゲのようなモンスターがいる。
それだけならただのデカいトカゲに見えるけど尻尾には蛇の顔があり鎌首を持ち上げてこちらを見て威嚇の声を出す。
モンスターの中でも一般的な生物の形を逸脱した異形の姿を見て異常種だと確信だと確信できた。
「レースっ!俺が奴を引き付けるからそいつを安全な場所に避難させろ!」
「わかりました!直ぐに戻ります!」
ダートさんにこの場を任せて後ろに下がる。
それと同時に何かにぶつかる硬い音が連続で起きて衝撃がこちらにまで届く。
「こいつ…手数が多すぎんだろっ!早くしてくれ!」
彼女の事が心配になるけれどこの状態では戦う事が出来ない。
周りを見渡して安全な場所を探す。
「ここまで離れているなら大丈夫だろうか……」
探しはしたが安全に隠れられる場所が無い為、異常種から離れた場所に患者をそっと降ろし急いでダートさんの元に戻り長杖を構えて後ろに立つ。
「おっせぇ!」
「すいません、ですがもう大丈夫です」
ダートさんが指を光らせながら空間を切り開き不可視の盾を作り上げ攻撃を防いでいる。
それでも両手の鉤爪と尻尾の蛇による攻撃を捌くので精一杯のようで現状は防戦一方だ。
何とか間に合って良かった。
「なぁ……おめぇに前衛を任せてもいいか?」
「えぇ、わかりました」
「おぅ、感謝するぜ」
彼女が後ろに下がりぼくが前に出つつ杖に魔力を込め障壁を発生させ攻撃を受け止める。
それと同時に障壁に強い衝撃が響く、彼女は良くこんな衝撃に耐えたものだ。
ダートさんが後ろで空間収納を開いて何かを取り出し光を発する。
「俺があいつを術で引き付けるから、それまで時間稼ぎを頼む」
「時間稼ぎですか……何か考えがあるんですか?」
「俺を信じろ……泥霧の由来を見せてやるよ」
そういうと彼女がぼくの隣に出て短杖を構えて呪文を唱える。
「狂え狂え狂気の瞳、恨み恨み憎悪の心、汝が仇敵は触れれば届く先にある、その手に握りし刃で復讐を果たせ。汝の心に呪いを穿つ――我が許す殺害せよ」
短杖が赤黒く光る……、これは精神干渉術の中でも術者が少ない呪術だ。
相手の心に干渉し呪いをかける事でその行動を強制させる外道の術だというが始めて見た。
泥霧……、確か人の負の感情を実体化させるとかそんな意味だった気がするが……彼女に向けて我を失い狂ったかのように攻撃を仕掛けに行くモンスターを見て二つ名の意味を納得する。
「いまだっ!やれっ!」
「はいっ!」
モンスターの後ろに回り込み長杖を後ろから突き当て自身の魔力をモンスターに通して生体構造を脳内に映像として出力する。
そして心臓の位置を把握すると長杖を突き当て魔力を操作して活動を停止させた。
モンスターの動きが徐々に遅くなっていき停止する。
「ふぅ……、やったか?」
先程までの猛攻が嘘かのように静かに倒れたかと思うと何度か痙攣を起こし生命活動を停止した。
これで何とかなったとやけにあっさりと終わってしまった気がする……。
これで本当に思うけれど終わったんだろうか。
「なぁ、おめぇこのばけもんの尻尾の蛇ってどうした?」
「……尻尾?」
「おぅ、尻尾がいつの間にかねぇんだわ……」
尻尾が無いという言葉に嫌な予感がして周りを警戒する。
何かあったら直ぐに動ける人間が一人はいた方が良い。
「ダートさんっ!後ろっ!」
……その時だった、ダートさんの後ろに尻尾の蛇が飛び上がり襲い掛かる。
咄嗟に彼女の前に出てかばおうとするけれど間に合うかわからない。
本体が死んでも生きているその生命力に異常種が異常種と言われる所以を見せられた気がした。
目の前には成人男性程の大きさを持ち二本足で立ち、両手には長く鋭い鉤爪を持ったトカゲのようなモンスターがいる。
それだけならただのデカいトカゲに見えるけど尻尾には蛇の顔があり鎌首を持ち上げてこちらを見て威嚇の声を出す。
モンスターの中でも一般的な生物の形を逸脱した異形の姿を見て異常種だと確信だと確信できた。
「レースっ!俺が奴を引き付けるからそいつを安全な場所に避難させろ!」
「わかりました!直ぐに戻ります!」
ダートさんにこの場を任せて後ろに下がる。
それと同時に何かにぶつかる硬い音が連続で起きて衝撃がこちらにまで届く。
「こいつ…手数が多すぎんだろっ!早くしてくれ!」
彼女の事が心配になるけれどこの状態では戦う事が出来ない。
周りを見渡して安全な場所を探す。
「ここまで離れているなら大丈夫だろうか……」
探しはしたが安全に隠れられる場所が無い為、異常種から離れた場所に患者をそっと降ろし急いでダートさんの元に戻り長杖を構えて後ろに立つ。
「おっせぇ!」
「すいません、ですがもう大丈夫です」
ダートさんが指を光らせながら空間を切り開き不可視の盾を作り上げ攻撃を防いでいる。
それでも両手の鉤爪と尻尾の蛇による攻撃を捌くので精一杯のようで現状は防戦一方だ。
何とか間に合って良かった。
「なぁ……おめぇに前衛を任せてもいいか?」
「えぇ、わかりました」
「おぅ、感謝するぜ」
彼女が後ろに下がりぼくが前に出つつ杖に魔力を込め障壁を発生させ攻撃を受け止める。
それと同時に障壁に強い衝撃が響く、彼女は良くこんな衝撃に耐えたものだ。
ダートさんが後ろで空間収納を開いて何かを取り出し光を発する。
「俺があいつを術で引き付けるから、それまで時間稼ぎを頼む」
「時間稼ぎですか……何か考えがあるんですか?」
「俺を信じろ……泥霧の由来を見せてやるよ」
そういうと彼女がぼくの隣に出て短杖を構えて呪文を唱える。
「狂え狂え狂気の瞳、恨み恨み憎悪の心、汝が仇敵は触れれば届く先にある、その手に握りし刃で復讐を果たせ。汝の心に呪いを穿つ――我が許す殺害せよ」
短杖が赤黒く光る……、これは精神干渉術の中でも術者が少ない呪術だ。
相手の心に干渉し呪いをかける事でその行動を強制させる外道の術だというが始めて見た。
泥霧……、確か人の負の感情を実体化させるとかそんな意味だった気がするが……彼女に向けて我を失い狂ったかのように攻撃を仕掛けに行くモンスターを見て二つ名の意味を納得する。
「いまだっ!やれっ!」
「はいっ!」
モンスターの後ろに回り込み長杖を後ろから突き当て自身の魔力をモンスターに通して生体構造を脳内に映像として出力する。
そして心臓の位置を把握すると長杖を突き当て魔力を操作して活動を停止させた。
モンスターの動きが徐々に遅くなっていき停止する。
「ふぅ……、やったか?」
先程までの猛攻が嘘かのように静かに倒れたかと思うと何度か痙攣を起こし生命活動を停止した。
これで何とかなったとやけにあっさりと終わってしまった気がする……。
これで本当に思うけれど終わったんだろうか。
「なぁ、おめぇこのばけもんの尻尾の蛇ってどうした?」
「……尻尾?」
「おぅ、尻尾がいつの間にかねぇんだわ……」
尻尾が無いという言葉に嫌な予感がして周りを警戒する。
何かあったら直ぐに動ける人間が一人はいた方が良い。
「ダートさんっ!後ろっ!」
……その時だった、ダートさんの後ろに尻尾の蛇が飛び上がり襲い掛かる。
咄嗟に彼女の前に出てかばおうとするけれど間に合うかわからない。
本体が死んでも生きているその生命力に異常種が異常種と言われる所以を見せられた気がした。
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