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第三章 戦う意志と覚悟
25話 ぼくの思い
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ダートが目を覚ました後にコルクがいったい何を話すのか気になるけど、必要があれば後で教えてくれるだろう。
そう思いながら家を出ると、ローブの内ポケットから通信用端末を取り出して通信ボタンを押す。
応答待ちの文字が画面に表示されてから数秒後にアキラさんの声が聞こえる。
『……どうした?』
「えっと、新しく住む家を買ったので連絡しました」
『家を借りたのではなく買っただと?意味が分からんぞ、私にも分かるように説明しろ』
「えっとですね……」
新たに家を買うに至った経緯をアキラさんに説明して行く。
最初は興味深そうに聞いていたけれど、全部話し終えた時には黙ってしまっていた。
いったいどうしたんだろう。
『まさか外国で寝室以外で靴を脱ぐ事が出来るとはな……喜ばしい事だ』
通信端末越しにも分かる位にアキラさんから嬉しそうな声が聞こえる。
やっぱり文化の違いって大きいんだなぁって思う。
この国ではリビングまでなら靴を履いたままな事が多いけど、そこから先は基本的に室内用の脱ぎやすい靴に履き替える事が多い。
それこそ素足になる時は就寝時や入浴時位だから家に入って直ぐに靴を脱いで素足で過ごす文化に違和感を感じる。
「やっぱり、栄花と同じ物があると嬉しかったりするんですか?」
『当然だ、貴様が私達の任務に同行する時が来たら分かると思うが慣れた環境と同じ物があるというのは自身が思っている以上に嬉しくなるし落ち着くものだ』
「そういうものなんですか……」
『あぁ、そういうものだ』
こういうのはアキラさんが言うように経験してみないと分からないんだろうなぁって思う。
確かマスカレイド達がいる隣国の「マーシェンス」には治癒術師がいないらしいから、同行する時が来たら凄い違和感を感じたりするのかもしれない。
この国ではあって当然の物が、外国に行ったら無いというのは想像の範囲でしか考える事が出来ないけどそこで治癒術が使える人に出会う事があったら彼みたいに嬉しくなったりするのかな。
『後は確認なのだが場所は町の中央にある大きい家で合っているな?』
「合ってますけど、明日ダートが目覚めて体調に問題がなさそうだったら、そっちに一度帰って必要な物を運びたいのでその時に一緒に行きませんか?」
『……そう言う事なら待つとしよう、だがこれは個人的なお願いになるのだが出来るだけ早く来て欲しい』
アキラさんからのお願いって何なのだろう。
声を聞く限りだと本当に早く来て欲しいだって感じる位にしんどそうな印象を受ける。
もしかしてジラルドに何かあったのかもしれないという不安が過ぎるけど……そんな事は無いと信じたい。
「……もしかしてジラルドの容態に何か変化があったんですか?」
『実はだな……』
嫌な予感がする。
もしかしたら出血量が多すぎて治療が間に合わなかったの知れないという不安が脳裏を過ぎる。
そうだった場合コルクに合わせる顔が無い。
『あの後眼を覚ましたのだが腹が減ったと騒ぎ出してな……、適当に栄花から持参して来た食糧と紅茶を出したらどうなったと思う?』
「……えっと、分からないです」
『まさか全部食べるどころか紅茶まで飲み干されるとはな……、おかげで私は夕食を食べれずに朝まで待機だ』
まぁジラルドのあの性格的に遠慮をしなさそうだからしょうがないのかもしれない。
でもアキラさんの分の食糧は残してあげて欲しかったなぁって思うけど、両脚が切断されてその分の血液を失った以上は造血作用のある食事を取った方が良いと思うけど、そんな事考えずに栄養を取ったんだろうなぁ。
「それなら家のキッチンに食材が保存されてるので自由に使ってください」
『……いいのか?』
「はい、是非使ってください」
『ありがたく使わせて貰おう、すまないなたかるような事をしてしまって……』
「そんな、気にしないでください」
余程困っていたんだろうなぁ……、確かにぼくもアキラさんと同じ立場になったらそうなると思う。
「ところでジラルドは今どうしてるんですか?」
『……食べ終わったら直ぐに寝始めたから放置している』
「何ていうか……彼が迷惑をかけてしまってすいません」
『気にするな、私が面倒を見ると言った以上はこちらの責任だ……、それに関して貴様が謝罪をする必要はない』
「……何から何までありがとうございます」
『あぁ……ん?ちょっと待て』
アキラさんの方から、聞いた事が無い音がする。
まるで作られたような機械的な音だけど何があったんだろう。
『すまない、ケイから連絡が入ったから通信はこれまでにしよう……食材に関してはありがたく使わせて貰う』
「わかりました、ではまた明日そちらに向かった時に」
『あぁ、待っているから出来れば早めにな?』
アキラさんとの通信を終えてからふと思った。
最近の食材の管理はダートがずっとしていてくれたから、ぼくは何が保存されているのか把握していない。
本当にぼくは彼女に頼りっぱなしな気がして情けなくなる。
「何かもうダートがいない生活を考えられなくなってきたな」
何でも頼り過ぎは良く無いから、新しい家では前みたいにお互いに分担して色々とやろうと思う。
きっとダートは私が全部やると言いそうだけど、彼女に全てを任せるのは対等じゃない。
お互いに支え合ってこそだと思うしそうありたい。
「もしかしたらダートが眼を覚ましたかもしれないし、そろそろ家に戻ろうかな」
……彼女への好意を自覚したけどいつか異世界に帰ってしまうかもしれないからと一度はこの気持ちを忘れようとしたけど、今は気持ちに素直で居ようと思う。
けどもしダートが異世界に帰りたいと言い出した時ぼくはどうすればいいんだろうか。
出来れば彼女の願いを叶えて上げたいと思うし行きたい場所に連れて行ってあげたいと思うけど、師匠だったら異世界へ渡る方法を知っているのかもしれない……暫くしたら様子を見に来るとも言っていたしその時に聞いてみようかな。
それにしても彼女と出会ってから日常がどんどん変わって非日常に巻き込まれる事が多いけど、変化の無い止まった日々を過ごすよりもダートがいる変わり続ける日々の方が良い。
そんな事を思いながらダートとコルクがいる新しい家へと戻って行った。
そう思いながら家を出ると、ローブの内ポケットから通信用端末を取り出して通信ボタンを押す。
応答待ちの文字が画面に表示されてから数秒後にアキラさんの声が聞こえる。
『……どうした?』
「えっと、新しく住む家を買ったので連絡しました」
『家を借りたのではなく買っただと?意味が分からんぞ、私にも分かるように説明しろ』
「えっとですね……」
新たに家を買うに至った経緯をアキラさんに説明して行く。
最初は興味深そうに聞いていたけれど、全部話し終えた時には黙ってしまっていた。
いったいどうしたんだろう。
『まさか外国で寝室以外で靴を脱ぐ事が出来るとはな……喜ばしい事だ』
通信端末越しにも分かる位にアキラさんから嬉しそうな声が聞こえる。
やっぱり文化の違いって大きいんだなぁって思う。
この国ではリビングまでなら靴を履いたままな事が多いけど、そこから先は基本的に室内用の脱ぎやすい靴に履き替える事が多い。
それこそ素足になる時は就寝時や入浴時位だから家に入って直ぐに靴を脱いで素足で過ごす文化に違和感を感じる。
「やっぱり、栄花と同じ物があると嬉しかったりするんですか?」
『当然だ、貴様が私達の任務に同行する時が来たら分かると思うが慣れた環境と同じ物があるというのは自身が思っている以上に嬉しくなるし落ち着くものだ』
「そういうものなんですか……」
『あぁ、そういうものだ』
こういうのはアキラさんが言うように経験してみないと分からないんだろうなぁって思う。
確かマスカレイド達がいる隣国の「マーシェンス」には治癒術師がいないらしいから、同行する時が来たら凄い違和感を感じたりするのかもしれない。
この国ではあって当然の物が、外国に行ったら無いというのは想像の範囲でしか考える事が出来ないけどそこで治癒術が使える人に出会う事があったら彼みたいに嬉しくなったりするのかな。
『後は確認なのだが場所は町の中央にある大きい家で合っているな?』
「合ってますけど、明日ダートが目覚めて体調に問題がなさそうだったら、そっちに一度帰って必要な物を運びたいのでその時に一緒に行きませんか?」
『……そう言う事なら待つとしよう、だがこれは個人的なお願いになるのだが出来るだけ早く来て欲しい』
アキラさんからのお願いって何なのだろう。
声を聞く限りだと本当に早く来て欲しいだって感じる位にしんどそうな印象を受ける。
もしかしてジラルドに何かあったのかもしれないという不安が過ぎるけど……そんな事は無いと信じたい。
「……もしかしてジラルドの容態に何か変化があったんですか?」
『実はだな……』
嫌な予感がする。
もしかしたら出血量が多すぎて治療が間に合わなかったの知れないという不安が脳裏を過ぎる。
そうだった場合コルクに合わせる顔が無い。
『あの後眼を覚ましたのだが腹が減ったと騒ぎ出してな……、適当に栄花から持参して来た食糧と紅茶を出したらどうなったと思う?』
「……えっと、分からないです」
『まさか全部食べるどころか紅茶まで飲み干されるとはな……、おかげで私は夕食を食べれずに朝まで待機だ』
まぁジラルドのあの性格的に遠慮をしなさそうだからしょうがないのかもしれない。
でもアキラさんの分の食糧は残してあげて欲しかったなぁって思うけど、両脚が切断されてその分の血液を失った以上は造血作用のある食事を取った方が良いと思うけど、そんな事考えずに栄養を取ったんだろうなぁ。
「それなら家のキッチンに食材が保存されてるので自由に使ってください」
『……いいのか?』
「はい、是非使ってください」
『ありがたく使わせて貰おう、すまないなたかるような事をしてしまって……』
「そんな、気にしないでください」
余程困っていたんだろうなぁ……、確かにぼくもアキラさんと同じ立場になったらそうなると思う。
「ところでジラルドは今どうしてるんですか?」
『……食べ終わったら直ぐに寝始めたから放置している』
「何ていうか……彼が迷惑をかけてしまってすいません」
『気にするな、私が面倒を見ると言った以上はこちらの責任だ……、それに関して貴様が謝罪をする必要はない』
「……何から何までありがとうございます」
『あぁ……ん?ちょっと待て』
アキラさんの方から、聞いた事が無い音がする。
まるで作られたような機械的な音だけど何があったんだろう。
『すまない、ケイから連絡が入ったから通信はこれまでにしよう……食材に関してはありがたく使わせて貰う』
「わかりました、ではまた明日そちらに向かった時に」
『あぁ、待っているから出来れば早めにな?』
アキラさんとの通信を終えてからふと思った。
最近の食材の管理はダートがずっとしていてくれたから、ぼくは何が保存されているのか把握していない。
本当にぼくは彼女に頼りっぱなしな気がして情けなくなる。
「何かもうダートがいない生活を考えられなくなってきたな」
何でも頼り過ぎは良く無いから、新しい家では前みたいにお互いに分担して色々とやろうと思う。
きっとダートは私が全部やると言いそうだけど、彼女に全てを任せるのは対等じゃない。
お互いに支え合ってこそだと思うしそうありたい。
「もしかしたらダートが眼を覚ましたかもしれないし、そろそろ家に戻ろうかな」
……彼女への好意を自覚したけどいつか異世界に帰ってしまうかもしれないからと一度はこの気持ちを忘れようとしたけど、今は気持ちに素直で居ようと思う。
けどもしダートが異世界に帰りたいと言い出した時ぼくはどうすればいいんだろうか。
出来れば彼女の願いを叶えて上げたいと思うし行きたい場所に連れて行ってあげたいと思うけど、師匠だったら異世界へ渡る方法を知っているのかもしれない……暫くしたら様子を見に来るとも言っていたしその時に聞いてみようかな。
それにしても彼女と出会ってから日常がどんどん変わって非日常に巻き込まれる事が多いけど、変化の無い止まった日々を過ごすよりもダートがいる変わり続ける日々の方が良い。
そんな事を思いながらダートとコルクがいる新しい家へと戻って行った。
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