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第四章 師匠との邂逅と新たな出会い
9話 複雑な年頃
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正直もう休みたいけどまだ時間はお昼を過ぎた位だ。
こんな時間に休んだら間違いなく中途半端な時間に起きてしまってそのまま眠る事が出来ずに朝まで起きている事だろう。
……さすがにそんな事をしてしまうと明日が辛いので頑張って起きている事にする。
何てかっこつけてそんな事を言ってもリビングのソファーで四人で話している状態で寝れる程ぼくは肝が据わった人間ではない。
「ところでカルディア様っ、ちょっと栄花騎士団副団長としてお願いしたい事があるんですけどいいですか?」
「んん?カエデちゃんどうしたのぉ?」
「一階の物置部屋の転移先をもう一つ追加して欲しくて、例えば栄花騎士団本部の副団長室に繋げて貰える事って出来ますか?」
「出来るけど座標が分からないと無理よ?」
「それなら、私の持っている連絡用端末で副団長室に信号を送るのでそこから出来ませんか?」
どうして診療所と栄花騎士団の本部を繋げる必要があるのか。
もしかしてだけどここを拠点にするとか言い出す気ではないだろうかとありえない想像をしてしまう。
「出来るけど、家主のレースちゃんに許可を得ないと駄目よ?」
「……そうでした。あの、レースさんお願い何ですが、先程カルディア様に言った件許可を貰えないでしょうか、私は副団長としての立場があるので出来れば何度かあちらに帰りたいのですが、この町から栄花への転移が可能な魔導具がある冒険者ギルドまでは遠いので出来ればここから行き来したいんです」
「んー、そういう意味ならいいけど悪用しないようにね」
「しませんよっ!レースさんは私を何だと思ってるんですか!?」
「……十三歳の子供?」
その瞬間カエデの表情が消えてしまう。
もしかしたらぼくはまた何かをやってしまったのかもしれない。
どうしようかとダートと師匠の顔を見るが、彼女は溜息を吐いてぼくの事を『あぁ、久しぶりにやらかしたなぁこいつ』とでも言いたそうな顔で見ている。
師匠に関しては『こういう所は直らないのね』とでも言いたげな生暖かい目でこちらに視線を送っていた。
「わ、私は確かに十三ですけどっ!子供じゃないですっ!まだ大人でもないですけどっ!一人の女なんですっ!子ども扱いしないでくださいっ!」
「……レースちゃんいい事教えてあげるわ?思春期の女の子は男子以上に多感な時期だから下手な事言うと地雷踏むわよ」
「そうだよ?何でも正直に言えばいいってものじゃないよ?」
「それなら言う前に教えてくれても……」
「レースちゃんは指摘されたら言われたように行動してしまうから、失敗から学ぶしかないわよ」
カエデがぼくの前でフーッ!フーッ!っとまるで猫のようにこちらを見て呼吸を荒げている。
多分これ以上怒らせたらどうなるかわからないから素直に謝った方がいいだろう。
「……えっと、ごめんね?」
「フーッ!……、どうして私が怒っているか分かって謝ってますか?」
「ぼくが君の事を考えずに失礼な発言をしたから?」
「お姉様、レースさんってもしかして……」
「うん、私がいないと駄目な位人との交流が上手くできない人だよ」
酷い言われようだけど否定は出来ない以前と比べると大分良くなったとダート達からは言われてはいるけど、気を付けていても偶に人の気にしてる所を刺激して怒らせてしまうのは直すのが難しそうだ。
「……成程そういうタイプの人ですか、レースさん今回は許してあげます」
「ありがとう、じゃあ師匠転移の件お願い出来るかな」
「家主の許可も出たからいいわよー、カエデちゃん物置部屋に行きましょか」
「はい、カルディア様!」
カエデはソファーから勢いよく立ち上がると師匠が立ち上がるより早く一階の診療所に走って行く。
本当に嬉しかったんだなぁ……。
「レースちゃん、あの子は年齢以上にしっかりしてるけどそれと同じ位に幼い所があるから何かあったら助けてあげてね?」
「何か師匠カエデに対して結構気を使ってるよね……、何かあったの?」
「んー、あの子のご両親に歳の近いお友達を作ってあげて欲しいって頼まれちゃったのよねぇ……」
「えっとお義母様、カエデちゃんは治癒術の研修でこの国に来たんじゃなかったの?」
「勿論研修って言うのも事実なんだけどね?あの子は十歳で栄花騎士団の副団長に就任する事になったせいで同じ年頃の子が周りにいないのよ」
同じ年頃の子がいないか、親が騎士団の団長となると近づいてくる人も少ないだろうし精神的に辛いものがありそうだなって思う。
ぼくがカエデと同じ立場だったらどうなっていただろうか……。
「それならぼくとダートが友達になるって言うのはどうかな……」
「……レースちゃんは年長者だから保護者を宜しくね?、お友達になるならダーちゃんかなぁ」
「既に私はカエデちゃんの事を友達だと思ってるから大丈夫だよ」
「ふふダーちゃんありがとう、レースちゃんもお願いねぇ?あなたは私の自慢の子だから任せたわよー」
「……やれるだけやってみるよ」
「ふふ、じゃあ私はカエデちゃんと一回栄花騎士団の本部に行って転移の術式を刻んだらそのまま家に帰るから後はお願いね?喧嘩せずに仲良くするのよぉ」
……師匠がソファーから立ち上がると同時に診療所の方から『カルディア様ーっ!まだですかー!?』と元気な声がすると、師匠は『はいはい直ぐ行きますよー』と答えると歩いて下に降りて行った。
何ていうか孫を可愛がるおばあちゃんみたいだなと思ったけどそんな事を口にしたら間違いなく怒られる気がする。
暫くすると診療所の方が静かになり人の気配が消えたから栄花へ転移したのだろう。
そんな事を考えていると唐突に玄関のドアを叩く音がした。
今日は誰かが訪ねて来る予定が無かったから困惑するけど、来客なら対応しないと失礼だろう。
ドアを開き来客の姿を確認するとそこにはアキラさんとジラルドがいた……、珍しい組み合わせに嫌な予感がしてしまうが多分大丈夫だと信じたい。
こんな時間に休んだら間違いなく中途半端な時間に起きてしまってそのまま眠る事が出来ずに朝まで起きている事だろう。
……さすがにそんな事をしてしまうと明日が辛いので頑張って起きている事にする。
何てかっこつけてそんな事を言ってもリビングのソファーで四人で話している状態で寝れる程ぼくは肝が据わった人間ではない。
「ところでカルディア様っ、ちょっと栄花騎士団副団長としてお願いしたい事があるんですけどいいですか?」
「んん?カエデちゃんどうしたのぉ?」
「一階の物置部屋の転移先をもう一つ追加して欲しくて、例えば栄花騎士団本部の副団長室に繋げて貰える事って出来ますか?」
「出来るけど座標が分からないと無理よ?」
「それなら、私の持っている連絡用端末で副団長室に信号を送るのでそこから出来ませんか?」
どうして診療所と栄花騎士団の本部を繋げる必要があるのか。
もしかしてだけどここを拠点にするとか言い出す気ではないだろうかとありえない想像をしてしまう。
「出来るけど、家主のレースちゃんに許可を得ないと駄目よ?」
「……そうでした。あの、レースさんお願い何ですが、先程カルディア様に言った件許可を貰えないでしょうか、私は副団長としての立場があるので出来れば何度かあちらに帰りたいのですが、この町から栄花への転移が可能な魔導具がある冒険者ギルドまでは遠いので出来ればここから行き来したいんです」
「んー、そういう意味ならいいけど悪用しないようにね」
「しませんよっ!レースさんは私を何だと思ってるんですか!?」
「……十三歳の子供?」
その瞬間カエデの表情が消えてしまう。
もしかしたらぼくはまた何かをやってしまったのかもしれない。
どうしようかとダートと師匠の顔を見るが、彼女は溜息を吐いてぼくの事を『あぁ、久しぶりにやらかしたなぁこいつ』とでも言いたそうな顔で見ている。
師匠に関しては『こういう所は直らないのね』とでも言いたげな生暖かい目でこちらに視線を送っていた。
「わ、私は確かに十三ですけどっ!子供じゃないですっ!まだ大人でもないですけどっ!一人の女なんですっ!子ども扱いしないでくださいっ!」
「……レースちゃんいい事教えてあげるわ?思春期の女の子は男子以上に多感な時期だから下手な事言うと地雷踏むわよ」
「そうだよ?何でも正直に言えばいいってものじゃないよ?」
「それなら言う前に教えてくれても……」
「レースちゃんは指摘されたら言われたように行動してしまうから、失敗から学ぶしかないわよ」
カエデがぼくの前でフーッ!フーッ!っとまるで猫のようにこちらを見て呼吸を荒げている。
多分これ以上怒らせたらどうなるかわからないから素直に謝った方がいいだろう。
「……えっと、ごめんね?」
「フーッ!……、どうして私が怒っているか分かって謝ってますか?」
「ぼくが君の事を考えずに失礼な発言をしたから?」
「お姉様、レースさんってもしかして……」
「うん、私がいないと駄目な位人との交流が上手くできない人だよ」
酷い言われようだけど否定は出来ない以前と比べると大分良くなったとダート達からは言われてはいるけど、気を付けていても偶に人の気にしてる所を刺激して怒らせてしまうのは直すのが難しそうだ。
「……成程そういうタイプの人ですか、レースさん今回は許してあげます」
「ありがとう、じゃあ師匠転移の件お願い出来るかな」
「家主の許可も出たからいいわよー、カエデちゃん物置部屋に行きましょか」
「はい、カルディア様!」
カエデはソファーから勢いよく立ち上がると師匠が立ち上がるより早く一階の診療所に走って行く。
本当に嬉しかったんだなぁ……。
「レースちゃん、あの子は年齢以上にしっかりしてるけどそれと同じ位に幼い所があるから何かあったら助けてあげてね?」
「何か師匠カエデに対して結構気を使ってるよね……、何かあったの?」
「んー、あの子のご両親に歳の近いお友達を作ってあげて欲しいって頼まれちゃったのよねぇ……」
「えっとお義母様、カエデちゃんは治癒術の研修でこの国に来たんじゃなかったの?」
「勿論研修って言うのも事実なんだけどね?あの子は十歳で栄花騎士団の副団長に就任する事になったせいで同じ年頃の子が周りにいないのよ」
同じ年頃の子がいないか、親が騎士団の団長となると近づいてくる人も少ないだろうし精神的に辛いものがありそうだなって思う。
ぼくがカエデと同じ立場だったらどうなっていただろうか……。
「それならぼくとダートが友達になるって言うのはどうかな……」
「……レースちゃんは年長者だから保護者を宜しくね?、お友達になるならダーちゃんかなぁ」
「既に私はカエデちゃんの事を友達だと思ってるから大丈夫だよ」
「ふふダーちゃんありがとう、レースちゃんもお願いねぇ?あなたは私の自慢の子だから任せたわよー」
「……やれるだけやってみるよ」
「ふふ、じゃあ私はカエデちゃんと一回栄花騎士団の本部に行って転移の術式を刻んだらそのまま家に帰るから後はお願いね?喧嘩せずに仲良くするのよぉ」
……師匠がソファーから立ち上がると同時に診療所の方から『カルディア様ーっ!まだですかー!?』と元気な声がすると、師匠は『はいはい直ぐ行きますよー』と答えると歩いて下に降りて行った。
何ていうか孫を可愛がるおばあちゃんみたいだなと思ったけどそんな事を口にしたら間違いなく怒られる気がする。
暫くすると診療所の方が静かになり人の気配が消えたから栄花へ転移したのだろう。
そんな事を考えていると唐突に玄関のドアを叩く音がした。
今日は誰かが訪ねて来る予定が無かったから困惑するけど、来客なら対応しないと失礼だろう。
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