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第八章 戦いの先にある未来
32話 薬王の真実と禁忌 ダート視点
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姿を唐突に変えた薬王を見て驚きのあまり呼吸を忘れそうになる。
エルフの種族から、トレントと呼ばれる樹で出来た人型のモンスターへと変わって……
「……え、あ、え!?」
「どうした?」
「ショウソク・メイディ様の姿が……」
「ショウソクで言い、様付けされる事に慣れてないのでな、それにこの姿に関しては気にしないでいい、これは俺の中にある神の力に馴染み扱う為に必要な事だ」
「えっと、何を仰ってるのか意味が……」
神の力を扱う為に必要な事、確かこの世界にある五大国の王様達の身体には神様が封印されているらしいけど、実際に私がその姿を見たのは義父にあたるストラフィリアの【前覇王ヴォルフガング・ストラフィリア】に封じられていた戦神【ディザスティア】だけで、後はメセリーの【魔王ソフィア・メセリー】に封じられている魔神【セラフナハシュ】に関して本人から聞いた事がある位だ。
後者は、何度かお義母様と共に診療所の手伝いに来てくれていた時に、レースと夫婦になるからにはこの世界の事を知っておいた方が良いだろうという事で教えて貰ったけど、聞いたのは神様の名前とその特徴位で詳しくは知らない。
でも、お義母様がこの国にいてくれる限りは共生出来る存在であるらしいけど……、ある時お義母様が私に大事な話があると呼び出して来て二人きりで話す事になった時に
『私はこれから人として生きて死ぬ事にしたから、これから正常に魂が歳と共に生命力を失い始めるわ……、そうね大体今から計算して10年前後で老衰で無くなると思うから後は宜しくね?、私の屋敷を含む財産はこの世界に連れて来てしまった罪滅ぼしと言ったらいい方が良くないと思うけど、大事な息子の奥さんであるあなたにあげるわ?、後もし私が居なくなった後に困った事があったら地下に隠し部屋があるからそこで、ダートちゃんが私の【叡智】を継ぎなさい、その為の魔導具を用意しといてあげるから、場所は――』
と色々とお義母様が居なくなった後の事を教えてくれたから分かるけど、10年後居なくなってしまったら多分、神様と共生出来なくなるんだと思う。
それに関してはその時にレースと話し合えばいいとして、現状のこれはどうすればいいのかな……
「……おまえは何処までこの世界の事を知っている?、ヴォルフガングの息子と夫婦であるのなら封印されている神の事は知っているだろう?」
「はい……、ストラフィリアの【ディザスティア】様の事と縁あってメセリーの【セラフナハシュ】様についてなら知ってますが、他の国の神様に関しては詳しくは無いです」
「メランティーナ、それが俺に封じられていた神の名でこの首都に使われている体の本来の名前だ」
「メランティーナ……、あのちょっと待ってください、封じられていたとはどういう事ですか?」
「なんだ知らないのか、俺の中に既に神はいない奴は既に蘇っている俺の娘として産まれ変わってな……」
メイメイちゃんが神様の生まれ変わり?何を言ってるのか分からない。
もしそれが本当だったら、封印するべき存在を自由にさせているって事だけど……
「どうしてそのような事を……?」
「ある日、俺の妻との間に出来た子が産まれる少し前に不慮の事故で亡くなってしまってな、メランティーナの提案に乗って胎児を蘇らせた結果的にそうなったのだ」
「えっと……」
「あぁ、そんな気まずそうな顔をしなくてもいい、これに関しては俺達が望んだ事だからな、それに産まれた後にあれがメランティーナである事には直ぐに気付いていたよ、なんせ今迄聞こえていた奴の声が聞こえなくなったのだから気付かないという事に無理がある、だがな?俺から見たら妻から産まれ健康に育って行ってくれている娘の姿は愛おしいし、中身が何であれ俺の愛すべき子だ、だから中身が神である事に関しては気付かない振りをしていたがある時、自ら大事な話があると申し訳なさそうに来て全てを話してくれたよ」
……私はいったい何を聞かされているのか、こちらの返答を聞かずに淡々と語り始めるショウソク様の姿は遠く懐かしい物を見る用で今を見ていない気がする。
「だがな、その姿を見て思ったのだ、私は娘を守る為ならこの世界の全てを敵に回して見せようと、それがこの姿だ、先程作った薬品はメランティーナの樹液に俺の血液を混ぜ、俺の中にある神の残滓を精霊術を使い込めた物だ、それ等を組み合わせる事で徐々に身体をメランティーナのそれへと変えて行っているという事だな、勿論これは神を蘇らせるというこの世界の禁忌に当たる行為で栄花に知られた場合、俺は討伐対象になるわけだが知られた所で問題は無い、何故なら既に俺の身体の殆んどは既にメランティーナの物に置き換わっている、この状態でならメイメイの為に世界と戦う事も出来る、これを聞いたダートに問おう、お前は真実を知った上で俺達と敵対するか?」
「敵対するかって言われても正直言って、私ではどう判断すればいいのか分からないけど……、でも私とレースの娘であるダリアと友達になってくれたメイメイちゃんとはこれからも仲良くしていきたいって思う……じゃダメですか?」
「娘と友達に、成程あの娘はお前達の子だったか……、それに仲良くしたいとつまり敵対はなさそうだな、信じてやろう、だが少しでもこの国の秘密を栄花に漏らしてみろ、その時はこの国以外を滅びると思え……、ん、薬の効果が切れたようだな」
……ショウソク様の姿がトレントから元のエルフ族へと戻って行く。
そして何やら手を握ったり開いたりし始めたかと思うと『そう言えばお前は娘と栄花騎士団副団長のカエデにようがあるのだったな、連れて行ってやる』と言って私の腕を掴むと木の壁の中に姿を埋めて行く。
焦って手足をばたつかせても振り解く事が出来ずに全身が壁の中に埋められたかと思うと『樹液を通じて目的の場所へ送り届けてやる、何この身体は既に俺の物となっているからな少しだけ苦しいと思うがそこは我慢しろ』と言う声が聞こえたと同時に身体が凄い勢いで上へと運ばれて行き、真っ暗で酸素が無い中苦しさに耐えきれず意識を手放しそうになるのを必死に堪えていると目の前が明るくなり、メイメイちゃんと楽し気に話しているダリアとカエデちゃんの部屋へと投げ出されるのだった。
エルフの種族から、トレントと呼ばれる樹で出来た人型のモンスターへと変わって……
「……え、あ、え!?」
「どうした?」
「ショウソク・メイディ様の姿が……」
「ショウソクで言い、様付けされる事に慣れてないのでな、それにこの姿に関しては気にしないでいい、これは俺の中にある神の力に馴染み扱う為に必要な事だ」
「えっと、何を仰ってるのか意味が……」
神の力を扱う為に必要な事、確かこの世界にある五大国の王様達の身体には神様が封印されているらしいけど、実際に私がその姿を見たのは義父にあたるストラフィリアの【前覇王ヴォルフガング・ストラフィリア】に封じられていた戦神【ディザスティア】だけで、後はメセリーの【魔王ソフィア・メセリー】に封じられている魔神【セラフナハシュ】に関して本人から聞いた事がある位だ。
後者は、何度かお義母様と共に診療所の手伝いに来てくれていた時に、レースと夫婦になるからにはこの世界の事を知っておいた方が良いだろうという事で教えて貰ったけど、聞いたのは神様の名前とその特徴位で詳しくは知らない。
でも、お義母様がこの国にいてくれる限りは共生出来る存在であるらしいけど……、ある時お義母様が私に大事な話があると呼び出して来て二人きりで話す事になった時に
『私はこれから人として生きて死ぬ事にしたから、これから正常に魂が歳と共に生命力を失い始めるわ……、そうね大体今から計算して10年前後で老衰で無くなると思うから後は宜しくね?、私の屋敷を含む財産はこの世界に連れて来てしまった罪滅ぼしと言ったらいい方が良くないと思うけど、大事な息子の奥さんであるあなたにあげるわ?、後もし私が居なくなった後に困った事があったら地下に隠し部屋があるからそこで、ダートちゃんが私の【叡智】を継ぎなさい、その為の魔導具を用意しといてあげるから、場所は――』
と色々とお義母様が居なくなった後の事を教えてくれたから分かるけど、10年後居なくなってしまったら多分、神様と共生出来なくなるんだと思う。
それに関してはその時にレースと話し合えばいいとして、現状のこれはどうすればいいのかな……
「……おまえは何処までこの世界の事を知っている?、ヴォルフガングの息子と夫婦であるのなら封印されている神の事は知っているだろう?」
「はい……、ストラフィリアの【ディザスティア】様の事と縁あってメセリーの【セラフナハシュ】様についてなら知ってますが、他の国の神様に関しては詳しくは無いです」
「メランティーナ、それが俺に封じられていた神の名でこの首都に使われている体の本来の名前だ」
「メランティーナ……、あのちょっと待ってください、封じられていたとはどういう事ですか?」
「なんだ知らないのか、俺の中に既に神はいない奴は既に蘇っている俺の娘として産まれ変わってな……」
メイメイちゃんが神様の生まれ変わり?何を言ってるのか分からない。
もしそれが本当だったら、封印するべき存在を自由にさせているって事だけど……
「どうしてそのような事を……?」
「ある日、俺の妻との間に出来た子が産まれる少し前に不慮の事故で亡くなってしまってな、メランティーナの提案に乗って胎児を蘇らせた結果的にそうなったのだ」
「えっと……」
「あぁ、そんな気まずそうな顔をしなくてもいい、これに関しては俺達が望んだ事だからな、それに産まれた後にあれがメランティーナである事には直ぐに気付いていたよ、なんせ今迄聞こえていた奴の声が聞こえなくなったのだから気付かないという事に無理がある、だがな?俺から見たら妻から産まれ健康に育って行ってくれている娘の姿は愛おしいし、中身が何であれ俺の愛すべき子だ、だから中身が神である事に関しては気付かない振りをしていたがある時、自ら大事な話があると申し訳なさそうに来て全てを話してくれたよ」
……私はいったい何を聞かされているのか、こちらの返答を聞かずに淡々と語り始めるショウソク様の姿は遠く懐かしい物を見る用で今を見ていない気がする。
「だがな、その姿を見て思ったのだ、私は娘を守る為ならこの世界の全てを敵に回して見せようと、それがこの姿だ、先程作った薬品はメランティーナの樹液に俺の血液を混ぜ、俺の中にある神の残滓を精霊術を使い込めた物だ、それ等を組み合わせる事で徐々に身体をメランティーナのそれへと変えて行っているという事だな、勿論これは神を蘇らせるというこの世界の禁忌に当たる行為で栄花に知られた場合、俺は討伐対象になるわけだが知られた所で問題は無い、何故なら既に俺の身体の殆んどは既にメランティーナの物に置き換わっている、この状態でならメイメイの為に世界と戦う事も出来る、これを聞いたダートに問おう、お前は真実を知った上で俺達と敵対するか?」
「敵対するかって言われても正直言って、私ではどう判断すればいいのか分からないけど……、でも私とレースの娘であるダリアと友達になってくれたメイメイちゃんとはこれからも仲良くしていきたいって思う……じゃダメですか?」
「娘と友達に、成程あの娘はお前達の子だったか……、それに仲良くしたいとつまり敵対はなさそうだな、信じてやろう、だが少しでもこの国の秘密を栄花に漏らしてみろ、その時はこの国以外を滅びると思え……、ん、薬の効果が切れたようだな」
……ショウソク様の姿がトレントから元のエルフ族へと戻って行く。
そして何やら手を握ったり開いたりし始めたかと思うと『そう言えばお前は娘と栄花騎士団副団長のカエデにようがあるのだったな、連れて行ってやる』と言って私の腕を掴むと木の壁の中に姿を埋めて行く。
焦って手足をばたつかせても振り解く事が出来ずに全身が壁の中に埋められたかと思うと『樹液を通じて目的の場所へ送り届けてやる、何この身体は既に俺の物となっているからな少しだけ苦しいと思うがそこは我慢しろ』と言う声が聞こえたと同時に身体が凄い勢いで上へと運ばれて行き、真っ暗で酸素が無い中苦しさに耐えきれず意識を手放しそうになるのを必死に堪えていると目の前が明るくなり、メイメイちゃんと楽し気に話しているダリアとカエデちゃんの部屋へと投げ出されるのだった。
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