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第九章 戦いの中で……
間章 紅獅子と黎明 マスカレイド視点
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自身の身体が略魔導具へと作り替える事に成功した。
何故略なのかと言うと心臓や肺、脳等生命活動を維持するのに必要な臓器だけは交換する事が出来なかった。
とはいえ……現状でも十分な性能が得られている辺り俺の考えた理論は間違えてはいないのだろう。
これから先の時代人は生身の身体を捨て、自身が望んだ魔導具の肉体へと乗り換える事が出来る。
そうこれは素晴らしい事だ、倫理観等どうでもいい俺が新たに作り上げた技術なのだ。
「……ふふふ、何と素晴らしい」
「っつ……あー、お楽しみの所悪いんだけどよちょっといいか?」
「……ケイスニル貴様、なぜここにいる?」
この工房には俺以外入れないように仕掛けがしてある筈なのだが、何故か背後から声がする。
振り返りながら確認すると気まずそうな顔をしたケイスニルが目に入るがそんな事等どうでもいい……、今俺が知りたいのは何故ここにいるのかだけだ。
「何故ってそりゃあ……わりぃけどこういうことだよっ!」
「……なるほど」
瞬きをする間も無い程の速さで肉体を獣へと変えると、俺が反応をする事が出来ない速度で近づきそのまま殴り飛ばされる。
だが肉体を魔導具に作り替えたおかげで表皮が少しだけ破れただけで、それも時間経過と共にやがて自動修復機能により治るだろうから問題ない。
だが……今はそんな事はどうでもいい、大事な事はケイスニルが俺達を裏切ったと言う事だ。
「……おめぇ、今ので死なねぇとかまじかよ」
「俺の技術は常に進化し続けているからな、貴様はメイディにいて知らなかったと思うが今の俺は魔導具人間ともうべき存在だ、体の略全てを作り替えたからな……、その程度の攻撃等痛みを感じる必要もない」
「……化け物が」
「古き時代か生き続けている化石に等言われたくないな、それに……だ暴力でしか物を訴える事が出来ない獣風情が吠えるな、俺の工房の空気が汚れる、今ここで殺処分してやるから大人しくしていろ」
とはいえ、ケイスニル程の実力者相手に手を抜く事等出来ない。
だが……今の俺の手元にある素材では物量作戦を行う事は出来ないだろう……、ストラフィリアで厄介なドワーフのメスと交戦した際に、貴重な素材を使い過ぎた。
それだけならまだいいが、現在滞在している国はマーシェンスとは違い鉱石等の資源が大変乏しい……それ故に、奴を倒すのならば未だ実戦に投入した事の無いハイエンドモデルを出すしかないだろう。
……以前、協力関係にあった血の繋がりのある女、確かスイと言ったか、そいつの父の身体は様々な生物や魔導具と繋ぎ合わせても拒絶反応を起こさない特殊体質だった。
それを利用して作り上げた人の手で一から造り上げた人間、例えるならそう魔導人形ともいえる存在。
これを試すにはちょうど良い相手だ。
「誰が大人しく殺されてやるものかよ、俺にはおめぇを殺して自由になるという目的があんだ……わりぃけどさっさと終わらせて貰うぜ?いくらここが工房でも、心器じゃねぇからなんも出来ねぇだろ?」
「……何を言っている?この工房自体が俺の心器だ」
「嘘つくんじゃねぇよ……、それならおめぇこの国に来てからずっと心器を顕現してることになるじゃねぇか、そんな事が出来る訳ねぇだろ」
「なるほど、その言葉だけで貴様が格下たのは理解した……残念だよ、仮にも伝説に謡われる魔族のマンティコアがその程度だとはな」
ケイスニルと会話をしながら、脳に組み込んんだ魔導具を使い工房に指示を送る。
こうする事で心器の中にストックされた素材が自動で消費され、俺の望んだ物が作れるのだが……、ハイエンドモデルに関しては既に完成された状態で保存しているから、指示さえ送れば直ぐに起動出来るのも利点だ。
「……な、なんだこいつらは」
ケイスニルが動揺しているのか数歩後ろに下がる。
多分だがこの男には理解が出来ないのだろう、工房に備えつけられている三つ棺が開くと三体の人形が姿を現し目を開ける。
「何を恐れる必要がある?貴様は今新しい時代の幕開けをこの目で見ているというのに……」
「……おめぇの切り札は【カタストロフ】じゃなかったのかよ」
「切り札が一つでないといけと誰が決めた?……まぁ良い、紹介しようこれが我が工房の最高傑作、魔導人形【アイン】、【ツヴァイ】、【ドライハイネ】だ」
「ドライハイネ……?、まさかこいつはいや、見間違いじゃねぇこいつはっ!マスカレイドっ!おめぇやりやがったな!?」
「やったも何も俺の作った魔導具を思い出してみろ、過去を見ることが出来る物を改良したらどうなると思う?そう……強引にこちら側に連れて行く事が出来るという事だ、貴様に分かるか?その意味がっ!」
……ドライハイネ、魔導人形になる前の名前は【ハイネ・メセリー】、そう俺が求めて止まなかった大事な母親代わりになってくれた愛しい女性だ。
あのような手紙を残して死ぬ位なら、その亡骸を新鮮なうちにこうやって再利用するくらい別に良いだろう。
ハイネも俺と一緒にいる事を望んでいる筈だからな、だが『おめぇ……、こいつは二代目の覇王、それにあれは初代賢王に薬王、過去の英霊をなんだと思ってやがるっ!ふざけんじゃねぇ、ふざけんじゃねぇぞ!』と叫び背中から心器の蝙蝠の翼と蠍の尾を生やしたケイスニルが飛び掛かって来るがそんな事はどうでもいい。
何故なら貴様は今から死に俺の為に、新たなハイエンドモデルの部品になるのだからな……。
何故略なのかと言うと心臓や肺、脳等生命活動を維持するのに必要な臓器だけは交換する事が出来なかった。
とはいえ……現状でも十分な性能が得られている辺り俺の考えた理論は間違えてはいないのだろう。
これから先の時代人は生身の身体を捨て、自身が望んだ魔導具の肉体へと乗り換える事が出来る。
そうこれは素晴らしい事だ、倫理観等どうでもいい俺が新たに作り上げた技術なのだ。
「……ふふふ、何と素晴らしい」
「っつ……あー、お楽しみの所悪いんだけどよちょっといいか?」
「……ケイスニル貴様、なぜここにいる?」
この工房には俺以外入れないように仕掛けがしてある筈なのだが、何故か背後から声がする。
振り返りながら確認すると気まずそうな顔をしたケイスニルが目に入るがそんな事等どうでもいい……、今俺が知りたいのは何故ここにいるのかだけだ。
「何故ってそりゃあ……わりぃけどこういうことだよっ!」
「……なるほど」
瞬きをする間も無い程の速さで肉体を獣へと変えると、俺が反応をする事が出来ない速度で近づきそのまま殴り飛ばされる。
だが肉体を魔導具に作り替えたおかげで表皮が少しだけ破れただけで、それも時間経過と共にやがて自動修復機能により治るだろうから問題ない。
だが……今はそんな事はどうでもいい、大事な事はケイスニルが俺達を裏切ったと言う事だ。
「……おめぇ、今ので死なねぇとかまじかよ」
「俺の技術は常に進化し続けているからな、貴様はメイディにいて知らなかったと思うが今の俺は魔導具人間ともうべき存在だ、体の略全てを作り替えたからな……、その程度の攻撃等痛みを感じる必要もない」
「……化け物が」
「古き時代か生き続けている化石に等言われたくないな、それに……だ暴力でしか物を訴える事が出来ない獣風情が吠えるな、俺の工房の空気が汚れる、今ここで殺処分してやるから大人しくしていろ」
とはいえ、ケイスニル程の実力者相手に手を抜く事等出来ない。
だが……今の俺の手元にある素材では物量作戦を行う事は出来ないだろう……、ストラフィリアで厄介なドワーフのメスと交戦した際に、貴重な素材を使い過ぎた。
それだけならまだいいが、現在滞在している国はマーシェンスとは違い鉱石等の資源が大変乏しい……それ故に、奴を倒すのならば未だ実戦に投入した事の無いハイエンドモデルを出すしかないだろう。
……以前、協力関係にあった血の繋がりのある女、確かスイと言ったか、そいつの父の身体は様々な生物や魔導具と繋ぎ合わせても拒絶反応を起こさない特殊体質だった。
それを利用して作り上げた人の手で一から造り上げた人間、例えるならそう魔導人形ともいえる存在。
これを試すにはちょうど良い相手だ。
「誰が大人しく殺されてやるものかよ、俺にはおめぇを殺して自由になるという目的があんだ……わりぃけどさっさと終わらせて貰うぜ?いくらここが工房でも、心器じゃねぇからなんも出来ねぇだろ?」
「……何を言っている?この工房自体が俺の心器だ」
「嘘つくんじゃねぇよ……、それならおめぇこの国に来てからずっと心器を顕現してることになるじゃねぇか、そんな事が出来る訳ねぇだろ」
「なるほど、その言葉だけで貴様が格下たのは理解した……残念だよ、仮にも伝説に謡われる魔族のマンティコアがその程度だとはな」
ケイスニルと会話をしながら、脳に組み込んんだ魔導具を使い工房に指示を送る。
こうする事で心器の中にストックされた素材が自動で消費され、俺の望んだ物が作れるのだが……、ハイエンドモデルに関しては既に完成された状態で保存しているから、指示さえ送れば直ぐに起動出来るのも利点だ。
「……な、なんだこいつらは」
ケイスニルが動揺しているのか数歩後ろに下がる。
多分だがこの男には理解が出来ないのだろう、工房に備えつけられている三つ棺が開くと三体の人形が姿を現し目を開ける。
「何を恐れる必要がある?貴様は今新しい時代の幕開けをこの目で見ているというのに……」
「……おめぇの切り札は【カタストロフ】じゃなかったのかよ」
「切り札が一つでないといけと誰が決めた?……まぁ良い、紹介しようこれが我が工房の最高傑作、魔導人形【アイン】、【ツヴァイ】、【ドライハイネ】だ」
「ドライハイネ……?、まさかこいつはいや、見間違いじゃねぇこいつはっ!マスカレイドっ!おめぇやりやがったな!?」
「やったも何も俺の作った魔導具を思い出してみろ、過去を見ることが出来る物を改良したらどうなると思う?そう……強引にこちら側に連れて行く事が出来るという事だ、貴様に分かるか?その意味がっ!」
……ドライハイネ、魔導人形になる前の名前は【ハイネ・メセリー】、そう俺が求めて止まなかった大事な母親代わりになってくれた愛しい女性だ。
あのような手紙を残して死ぬ位なら、その亡骸を新鮮なうちにこうやって再利用するくらい別に良いだろう。
ハイネも俺と一緒にいる事を望んでいる筈だからな、だが『おめぇ……、こいつは二代目の覇王、それにあれは初代賢王に薬王、過去の英霊をなんだと思ってやがるっ!ふざけんじゃねぇ、ふざけんじゃねぇぞ!』と叫び背中から心器の蝙蝠の翼と蠍の尾を生やしたケイスニルが飛び掛かって来るがそんな事はどうでもいい。
何故なら貴様は今から死に俺の為に、新たなハイエンドモデルの部品になるのだからな……。
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