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第九章 戦いの中で……
43話 ここに来た理由
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ギルド長室へと案内されたぼくは、ここに来た理由をトキとカフスに説明する。
「つまり……あたいに死んだライの変わりに戦場に出ろって言うんだね?」
「うん、ライさんがいない以上戦力的な意味でも不安な要素ばかりだし……」
「あんた……それを姫ちゃんに言ってからここに来たのかい?」
「いや、これに関してはぼくの独断だよ」
「はぁ……、あんたって奴はどうして」
何故かトキが頭を抱えるような仕草をする。
それを見たカフスが穏やかな笑みを浮かべると……
「そもそもレースさん、足りない戦力を補充する為に冒険者ギルドに依頼に来たといいましたが……聞いた所かなりの大規模な戦闘になりますよね?あなたにこの国に滞在している戦闘に特化した冒険者達を動かす財力がおありですか?、大量のアンデッドとそれを使役する、太古に滅びた筈が現代に復活したマンティコアと言う名の伝説のモンスター、依頼を受理する際に頂く前金だけでも白金貨が余裕で飛びますぞ?」
「それ位なら何とかするよ、メセリーで診療所を開いてるから安定した収入があるし……」
「それなら良いのですがな、なにぶんメイディの冒険者は皆自由人ですからな……特に戦闘が得意となると獣人族の冒険者が良いでしょう、例えばメイディ所属の冒険者としてはBランク冒険者【猫又】ベル・ノルウェジー……、他にはAランク【猛蛇】マダラ・スジオナメラ、他にはCランクとなりますが……戦闘能力だけなら高ランク冒険者にも劣らない……、熊の獣人スカーレッド等率いる紅熊傭兵団がありますね」
「冒険者なのに傭兵団?」
「この国ではおかしくありませんぞ?外の国からメイディに来た傭兵団が身分証を得る為に、代表が冒険者の資格を取ったりしますからな……例えば今はこの国におりませぬが、死絶傭兵団の団員が有名じゃな、Sランク冒険者【死絶】カーティス・ハルサーのご子息の殆どがこの国で冒険者登録しておりますぞ、最近は他の国に行ったようで──」
カフスさん……何か話が長い。
それが悪いわけじゃないけど、どうしてこの位の歳の人って話しだすと止まらなくなる。
診療所に来る高齢の人達がそうだから馴れたけど、こういう時は適当に返事をしておけば何れ満足するだろう。
「──というわけですな」
「話が長いのは年寄りの悪い癖だとあたいは思うよ?」
「この歳になるとそれ位しか楽しみが無いんですよ」
「まぁ、良いんじゃないかな……首都の冒険者ギルドって外にあるせいで余り人が来ないんでしょ?それならこれ位は聞いてあげないと」
「そういう気遣いが出来る若者は好きですよ私は、トキさんもこれ位素直で可愛らしければ良いんですけどね」
素直で可愛らしければ良い?、男勝りな職人気質もかっこよくて良いと思うけど……それがカフスの中では良くないのだろうか。
「あたいはいつも素直だよ……、武器に関してはね」
「……それなら冒険者ギルドにももっと武器を卸してくれんか?新米冒険者に貸し出すようの武器がメイディは不足しているから困ってるのですよ」
「困ってるも何も……獣人は身体能力が高いから新米の頃は殴ったりしてたら何とかなるだろ?エルフの場合は精霊術師が多いから、問題ないし、必要無いきがするけどね」
「……馬鹿者、この国には少ないとはいえ人族等の他種族もいるんですよ?その人の為を考えて欲しいですね」
「あぁ……なら今度適当なのを見繕ってくるよ」
冒険者ギルドに貸し出し用の武器があるって初めて知った。
……確かに装備って結構高価だし、買えない人用にそういうのがあると助かるかもしれない。
けど今はそんな事よりも、トキさんが協力してくれるのかの返答もまだだし……冒険者達に依頼する件についても話が逸れてしまっている。
「……あの、冒険者への依頼に関しては?」
「それに関してはレースさんは栄花騎士団から任務の応援要請を受けて、この国に来たと言いましたからな、なので料金の方は栄花騎士団に請求させて頂き……緊急依頼という形で出させてもらいます」
「……それだとグラサン、いや団長にあたい等が怒られそうだけどこの場合しょうがないかもね」
「とりあえず依頼内容をまとめた物を職員に作らせて、今日中に首都に滞在中の副団長様に届けさせますのでレースさんは冒険者ギルドでのやり取りをしっかりと伝えておいてください……さて、冒険者ギルドへの用はこれ位だと思うので私は早速職員達に仕事を割り振りに行かせて頂きますね」
そう言うとカフスが椅子から立ち上がりギルド長室を出て行ってしまう。
取り合えずその場に残るのは良くないと思うから、ぼく達も外に出ると通路を歩きながら話す。
「良かったじゃないかレース、冒険者ギルドが依頼を受けてくれる事になってさ」
「……それは良かったけど、トキは力を貸してくれるの?」
「そりゃ最初は独断で動いで何やったんだいって思ったけど、武器の性能を実戦で確かめたいから着いて行くよ、ほらさっさと首都へと案内しな」
「じゃあ今から空間魔術で移動するから少しだけ待ってて」
……ライさんの短剣を空間収納から取り出すと、自分の部屋と今いる場所の座標を頭に浮かべて距離を計算する。
そして何もない空間を短剣を使って空間を切り裂いて首都へと戻るのだった。
「つまり……あたいに死んだライの変わりに戦場に出ろって言うんだね?」
「うん、ライさんがいない以上戦力的な意味でも不安な要素ばかりだし……」
「あんた……それを姫ちゃんに言ってからここに来たのかい?」
「いや、これに関してはぼくの独断だよ」
「はぁ……、あんたって奴はどうして」
何故かトキが頭を抱えるような仕草をする。
それを見たカフスが穏やかな笑みを浮かべると……
「そもそもレースさん、足りない戦力を補充する為に冒険者ギルドに依頼に来たといいましたが……聞いた所かなりの大規模な戦闘になりますよね?あなたにこの国に滞在している戦闘に特化した冒険者達を動かす財力がおありですか?、大量のアンデッドとそれを使役する、太古に滅びた筈が現代に復活したマンティコアと言う名の伝説のモンスター、依頼を受理する際に頂く前金だけでも白金貨が余裕で飛びますぞ?」
「それ位なら何とかするよ、メセリーで診療所を開いてるから安定した収入があるし……」
「それなら良いのですがな、なにぶんメイディの冒険者は皆自由人ですからな……特に戦闘が得意となると獣人族の冒険者が良いでしょう、例えばメイディ所属の冒険者としてはBランク冒険者【猫又】ベル・ノルウェジー……、他にはAランク【猛蛇】マダラ・スジオナメラ、他にはCランクとなりますが……戦闘能力だけなら高ランク冒険者にも劣らない……、熊の獣人スカーレッド等率いる紅熊傭兵団がありますね」
「冒険者なのに傭兵団?」
「この国ではおかしくありませんぞ?外の国からメイディに来た傭兵団が身分証を得る為に、代表が冒険者の資格を取ったりしますからな……例えば今はこの国におりませぬが、死絶傭兵団の団員が有名じゃな、Sランク冒険者【死絶】カーティス・ハルサーのご子息の殆どがこの国で冒険者登録しておりますぞ、最近は他の国に行ったようで──」
カフスさん……何か話が長い。
それが悪いわけじゃないけど、どうしてこの位の歳の人って話しだすと止まらなくなる。
診療所に来る高齢の人達がそうだから馴れたけど、こういう時は適当に返事をしておけば何れ満足するだろう。
「──というわけですな」
「話が長いのは年寄りの悪い癖だとあたいは思うよ?」
「この歳になるとそれ位しか楽しみが無いんですよ」
「まぁ、良いんじゃないかな……首都の冒険者ギルドって外にあるせいで余り人が来ないんでしょ?それならこれ位は聞いてあげないと」
「そういう気遣いが出来る若者は好きですよ私は、トキさんもこれ位素直で可愛らしければ良いんですけどね」
素直で可愛らしければ良い?、男勝りな職人気質もかっこよくて良いと思うけど……それがカフスの中では良くないのだろうか。
「あたいはいつも素直だよ……、武器に関してはね」
「……それなら冒険者ギルドにももっと武器を卸してくれんか?新米冒険者に貸し出すようの武器がメイディは不足しているから困ってるのですよ」
「困ってるも何も……獣人は身体能力が高いから新米の頃は殴ったりしてたら何とかなるだろ?エルフの場合は精霊術師が多いから、問題ないし、必要無いきがするけどね」
「……馬鹿者、この国には少ないとはいえ人族等の他種族もいるんですよ?その人の為を考えて欲しいですね」
「あぁ……なら今度適当なのを見繕ってくるよ」
冒険者ギルドに貸し出し用の武器があるって初めて知った。
……確かに装備って結構高価だし、買えない人用にそういうのがあると助かるかもしれない。
けど今はそんな事よりも、トキさんが協力してくれるのかの返答もまだだし……冒険者達に依頼する件についても話が逸れてしまっている。
「……あの、冒険者への依頼に関しては?」
「それに関してはレースさんは栄花騎士団から任務の応援要請を受けて、この国に来たと言いましたからな、なので料金の方は栄花騎士団に請求させて頂き……緊急依頼という形で出させてもらいます」
「……それだとグラサン、いや団長にあたい等が怒られそうだけどこの場合しょうがないかもね」
「とりあえず依頼内容をまとめた物を職員に作らせて、今日中に首都に滞在中の副団長様に届けさせますのでレースさんは冒険者ギルドでのやり取りをしっかりと伝えておいてください……さて、冒険者ギルドへの用はこれ位だと思うので私は早速職員達に仕事を割り振りに行かせて頂きますね」
そう言うとカフスが椅子から立ち上がりギルド長室を出て行ってしまう。
取り合えずその場に残るのは良くないと思うから、ぼく達も外に出ると通路を歩きながら話す。
「良かったじゃないかレース、冒険者ギルドが依頼を受けてくれる事になってさ」
「……それは良かったけど、トキは力を貸してくれるの?」
「そりゃ最初は独断で動いで何やったんだいって思ったけど、武器の性能を実戦で確かめたいから着いて行くよ、ほらさっさと首都へと案内しな」
「じゃあ今から空間魔術で移動するから少しだけ待ってて」
……ライさんの短剣を空間収納から取り出すと、自分の部屋と今いる場所の座標を頭に浮かべて距離を計算する。
そして何もない空間を短剣を使って空間を切り裂いて首都へと戻るのだった。
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