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第九章 戦いの中で……
44話 起こしに来た彼女
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部屋に戻った後、特にやる事も無かったから……トキにはライさんが使っていた部屋に滞在してもらう事にした。
……さすがにここまで独断で動いてたら、またカエデから怒られそうだけど、今回の事に関しては大人しく怒られた方がいいだろう。
そんな事を思いながらベッドに横になり……気づいたら夕飯を食べる事無く眠っていた。
「──さん、ースさ……」
疲れていたのだろう、夢を見ないレベルで深い眠りに落ちていたようだ。
ただ誰かがぼくの身体を揺すっている。
もしかして……昨日夕飯を食べずに眠ってしまった事に関して心配したダートが様子を見に来たのだろうか。
それならいつものように隣で横になってもいいのに、彼女は毎晩人に抱き着いて寝る癖があるから……一人で寝ると少しだけ隣が寂しく感じてしまう。
「……レー、えっ!?」
無意識に身体を揺すって来る手を掴むとそのままベッドにゆっくりと引きずり込む。
そしてダートが抱き着いて寝やすいように姿勢を正すと……
「ん!?えっ!?レースさん!_」
「ん?ダートじゃない?」
耳元で聞こえる声がダートじゃない、じゃあこれは誰なのだろうか。
眠い頭を何とか働かせながらゆっくりと眼を開けると……目の前にカエデの赤面した顔が見える。
……家でも同じ部屋で寝るようになってから、同じ布団に入っても嫁入り前だからという理由で余りくっ付かないようにと言われていたけど、何て言うかやらかしてしまったのかもしれない。
急いで身体を起こしてベッドから立ち上がると、そのままの姿勢で固まってしまっている彼女を見下ろすような状態になってしまう。
「えっと……」
思わず見続けてしまうけど、カエデは普段から栄花で貴族階級の人間が好んで着る着物と呼ばれる服を着ている事が多い。
それはメイディにいても変わらなくて、ダートやダリアはメイメイから贈られたこの国の民族衣装に着替えているのを見てるせいか、何て言うか凄い目のやり場に困る時がある。
メイディの民族衣装はゆったりとした服装だけど、栄花の衣装となると腰に巻かれている帯という物のおかげで体のラインが強調されてしまう。
まぁ……メセリーの首都で母さん達と暮らしていた時は、魔力を肌で感じる為にと肌を露出した服を好む流派の魔術師とかもいたから、アレと比べたらそこまでではないと思うけど、やはり気になる物は気になってしまうのはしょうがないのかもしれない。
「カエデ……大丈夫?」
「え?あ……はい、って!いきなり何をするんですか!嫁入り前の娘をベッドに引きずり込むなんて、何かあったらどう責任取ってくれるんですか?幾ら婚約関係になったとはいえ、やっていい事や悪い事がありますよ!?」
カエデが顔を真っ赤にして起き上がると、ベッドから起き上がり目の前に歩いてくる。
その瞳には少しだけ涙が浮かび上がっていて……本気で怒らせてしまったのかもしれない。
「……えっと、ごめんなさい」
「分かってくれたらいいんです……それに、今はそれよりも大事な話が合って起こしに来たんですから」
「もしかしてトキの事?」
「えぇ、そのトキさんの事です……戦いに参加するって言ってますけどどう言う事なんですか!?」
「あぁ……それなら」
昨日あった事の経緯をカエデに説明する。
その際に独断の判断で動いた事に関して謝罪をしたけど、驚いた顔をして固まってしまっている辺り理解をするのに時間が掛かっているのだろう。
「……だから冒険者ギルドから依頼内容をまとめた書類と私宛に請求書が来たんですね」
「書類を送るとはカフスから聞いてたけど、請求書?」
「えぇ……今回の戦闘において冒険者及び、冒険者登録をしている傭兵団を参加させる為着手金としてまずは白金貨一枚、その後依頼を受けた冒険者一人に付き金貨5枚の支払いを請求する、その後負傷者一人に付き金貨一枚、依頼達成後は追加で白金貨1枚とありますね」
「……凄い額だね」
「それについては私が全額出すので問題ありません、団長に連絡をするよりも副団長としての権限を使い動かせるお金を使えばいいだけなので」
……金銭的なやり取りの話になるとカエデが凄い頼もしく見える。
ただ、本当にそれでいいのだろうかと疑問に思うけど、栄花騎士団での立場を出されたら何も言えない。
「……本当にいいの?ぼくが勝手に動いた結果なのに」
「それに関しては、レースさんがしょうがない人って事で大目に見てあげます……最近気づいたんですけど私ってどうやら、世話のかかる人やどうしようもない人のお世話をしたくなるところがあるみたいなんですよね……、あっでもレースさん限定ですよ?」
「……それってぼくがどうしようもない人って事にならない?」
「え?どちらかと言うと世話のかかる人じゃないですか?どうしようもない人とはちょっとだけ違うと思いますよ」
……そうやって微笑むカエデを見て何とも言えない複雑な気持ちを抱きつつも、『取り合えずトキさんと冒険者ギルドの件に関しては分かりました……、それなら朝食を皆で食べた後に二人で冒険者ギルドに行って詳しい話を詰めに行きましょうか』と言葉にする彼女を見て、次からはちゃんと事前に伝えておけば冒険者ギルドに二回も行くという手間が増えなかったのかもしれないと思うのだった。
……さすがにここまで独断で動いてたら、またカエデから怒られそうだけど、今回の事に関しては大人しく怒られた方がいいだろう。
そんな事を思いながらベッドに横になり……気づいたら夕飯を食べる事無く眠っていた。
「──さん、ースさ……」
疲れていたのだろう、夢を見ないレベルで深い眠りに落ちていたようだ。
ただ誰かがぼくの身体を揺すっている。
もしかして……昨日夕飯を食べずに眠ってしまった事に関して心配したダートが様子を見に来たのだろうか。
それならいつものように隣で横になってもいいのに、彼女は毎晩人に抱き着いて寝る癖があるから……一人で寝ると少しだけ隣が寂しく感じてしまう。
「……レー、えっ!?」
無意識に身体を揺すって来る手を掴むとそのままベッドにゆっくりと引きずり込む。
そしてダートが抱き着いて寝やすいように姿勢を正すと……
「ん!?えっ!?レースさん!_」
「ん?ダートじゃない?」
耳元で聞こえる声がダートじゃない、じゃあこれは誰なのだろうか。
眠い頭を何とか働かせながらゆっくりと眼を開けると……目の前にカエデの赤面した顔が見える。
……家でも同じ部屋で寝るようになってから、同じ布団に入っても嫁入り前だからという理由で余りくっ付かないようにと言われていたけど、何て言うかやらかしてしまったのかもしれない。
急いで身体を起こしてベッドから立ち上がると、そのままの姿勢で固まってしまっている彼女を見下ろすような状態になってしまう。
「えっと……」
思わず見続けてしまうけど、カエデは普段から栄花で貴族階級の人間が好んで着る着物と呼ばれる服を着ている事が多い。
それはメイディにいても変わらなくて、ダートやダリアはメイメイから贈られたこの国の民族衣装に着替えているのを見てるせいか、何て言うか凄い目のやり場に困る時がある。
メイディの民族衣装はゆったりとした服装だけど、栄花の衣装となると腰に巻かれている帯という物のおかげで体のラインが強調されてしまう。
まぁ……メセリーの首都で母さん達と暮らしていた時は、魔力を肌で感じる為にと肌を露出した服を好む流派の魔術師とかもいたから、アレと比べたらそこまでではないと思うけど、やはり気になる物は気になってしまうのはしょうがないのかもしれない。
「カエデ……大丈夫?」
「え?あ……はい、って!いきなり何をするんですか!嫁入り前の娘をベッドに引きずり込むなんて、何かあったらどう責任取ってくれるんですか?幾ら婚約関係になったとはいえ、やっていい事や悪い事がありますよ!?」
カエデが顔を真っ赤にして起き上がると、ベッドから起き上がり目の前に歩いてくる。
その瞳には少しだけ涙が浮かび上がっていて……本気で怒らせてしまったのかもしれない。
「……えっと、ごめんなさい」
「分かってくれたらいいんです……それに、今はそれよりも大事な話が合って起こしに来たんですから」
「もしかしてトキの事?」
「えぇ、そのトキさんの事です……戦いに参加するって言ってますけどどう言う事なんですか!?」
「あぁ……それなら」
昨日あった事の経緯をカエデに説明する。
その際に独断の判断で動いた事に関して謝罪をしたけど、驚いた顔をして固まってしまっている辺り理解をするのに時間が掛かっているのだろう。
「……だから冒険者ギルドから依頼内容をまとめた書類と私宛に請求書が来たんですね」
「書類を送るとはカフスから聞いてたけど、請求書?」
「えぇ……今回の戦闘において冒険者及び、冒険者登録をしている傭兵団を参加させる為着手金としてまずは白金貨一枚、その後依頼を受けた冒険者一人に付き金貨5枚の支払いを請求する、その後負傷者一人に付き金貨一枚、依頼達成後は追加で白金貨1枚とありますね」
「……凄い額だね」
「それについては私が全額出すので問題ありません、団長に連絡をするよりも副団長としての権限を使い動かせるお金を使えばいいだけなので」
……金銭的なやり取りの話になるとカエデが凄い頼もしく見える。
ただ、本当にそれでいいのだろうかと疑問に思うけど、栄花騎士団での立場を出されたら何も言えない。
「……本当にいいの?ぼくが勝手に動いた結果なのに」
「それに関しては、レースさんがしょうがない人って事で大目に見てあげます……最近気づいたんですけど私ってどうやら、世話のかかる人やどうしようもない人のお世話をしたくなるところがあるみたいなんですよね……、あっでもレースさん限定ですよ?」
「……それってぼくがどうしようもない人って事にならない?」
「え?どちらかと言うと世話のかかる人じゃないですか?どうしようもない人とはちょっとだけ違うと思いますよ」
……そうやって微笑むカエデを見て何とも言えない複雑な気持ちを抱きつつも、『取り合えずトキさんと冒険者ギルドの件に関しては分かりました……、それなら朝食を皆で食べた後に二人で冒険者ギルドに行って詳しい話を詰めに行きましょうか』と言葉にする彼女を見て、次からはちゃんと事前に伝えておけば冒険者ギルドに二回も行くという手間が増えなかったのかもしれないと思うのだった。
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