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第十一章 盗賊王と機械の国
間章 栄花騎士団の本部にて ダリア視点
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父さん達と別行動をする事にして思ったのだけれど、栄花に長期間滞在するのは初めてな気がする。
何度か他の国に移動する際に、栄花騎士団の本部内を通る事があったけど……。
「……たくよぉ、ハスの野郎は何処にいんだよ」
そんな言葉が思わず口から出てしまう。
無駄にでかい建物のせいで迷うし、独り言のせいで制服を着た団員達が俺に注目してくる。
「見ろよあの服装、へそ出して……肌が凄い露出してる」
「はしたないわね、どこの子かしら……ここにいるって事は団員の子だと思うけど」
「まじかよ、こんな育ちが悪そうな服装の親とか見てみたいわ」
聞こえてくる言葉はどれも、人をバカにしているかのようで、不快感が凄い。
俺がどんな服を着ようが、俺の勝手だけど、親に関してとやかく言われんのは気に入らねぇ。
俺の身体の元になっただけで、産んでくれた訳ではねぇけど、血縁はちゃんとあるし、以前は思うところがあったけど……レースとダートは俺からしたら大事な親だ。
大事なもんをバカにされて頭に来ない方が無理がある。
「てめぇら……聞こえてん──」
「おめぇら、仕事サボって他人の陰口とか、何やってんだ?」
バカにした奴等に近づこうとした時だった。
聞き覚えのある声、頼りがいのある体格、そして腰のベルトに着けられたホルスターに、2丁の拳銃を差した男が現れて
「ハ、ハスさん!あの、こ、これはえっと」
「そこの躾がなってない、はしたなくて破廉恥な子に指導をしようと思って!」
「……破廉恥だぁ?」
破廉恥という言葉に反応して、ハスが俺の方を振り向くと眼を大きくして驚いたような表情を浮かべる。
「破廉恥も何も、俺の婚約者だぞ!てめぇら何言ってんだ!」
「は、ハスさんの婚約者ですか!?」
「確かに、ご婚約なされたとは聞いてましたけど……こんな小さい子だなんて、まさか子供をそんな目で!?」
「子供をそんな目でって……、何言ってんだよ、こいつは年齢的には立派に成人してんぞ?それに俺よりもしっかりとしてるし、性格的な面でも俺を尻に敷ける肝っ玉もあるんだぞ?」
そう言って俺の頭の手を置いて、撫で始めるせいで、さっきまでの怒りは何処かへと行ってしまいそうになる。
なんで……こいつはこう、うん、何て言うかなぁ、そういうところがレースとは違う意味で落ち着くって言うか、ペースを乱されるって言えばいいのか、あぁもう言葉で表現するのが難しい。
「成人してるって言っても、それは……あくまで社会的にであって、肉体的にはまだ成熟してないじゃないですか、ハスさん……一度考え直した方が」
「……うるっせぇ!俺がこいつの事を気に入って選んだんだ!相手の事を良く知らない奴がとやかく言うんじゃねぇよ」
「おい、ハス、これ以上は言わなくても……」
「止めるなダリア!おめぇを馬鹿にされて、黙ってられるわけねぇだろ!こいつらはおめぇだけじゃなくて、俺のダチで……将来の義理の両親になるレースやダートに対しても失礼な事を言ったんだからな、一発くらいかましてやらねぇと、おまえが許しても俺が許せねぇよ!」
ハスの気持ちは凄い嬉しい、だけど……怒られている側が完全に委縮してしまっている。
そんな状態の団員達に対してこれ以上言うのは良くないんじゃないか?って言う感じで何だか、可愛そうに見えてしまう。
「だぁ!だから、俺はもう気にしてねぇからいいんだよ!、ほらっ!さっさと行くぞ!」
「お、おぃ……いきなり大声出してどうし、あだだ!」
未だに興奮がおさまらないハスの耳を掴むと、そのまま引っ張る。
そして痛みで怯んだ瞬間を狙って強引に歩き出して強引に移動を始めると
「……確かに、あの人を尻に敷けるのあの子くらいかもしれない」
通路を曲がる際に、そんな声が聞こえた気がした。
「お、おぃ……何処まで行くんだよ」
「何処までじゃない!俺が止めても勝手に熱くなりやがって!止めたんだから止まれよ!」
そして適当な部屋に入ると、そこは備品を保存する為の倉庫として使われている部屋だったようで、運が良い事に人の気配が無い。
ここでなら大声を出してもいいだろうと思い、ハスに向かって声を荒げると……
「悪かったよ、ついカッとなっちまって……」
「分かってくれたならいいけどさ、けどまぁ……怒ってくれるのは嬉しかったよ、うん……ありがと」
「お礼何ていらねぇよ、婚約者の事を大事にするのは当然だからな」
「……そういうの言葉にしていうの恥ずかしいから止めろ」
「あぁ、うん、悪い……けど、どうしてダリアがここにいるんだ?」
「そりゃあ……、ハスと連絡が取れなかったし、最近忙しいみたいだから俺から会いに行こうかなって思ってさ、カエデと話しておまえに会いに来たんだよ」
「……俺に?確かに最近、色々と事情があって連絡出来て無かったな……、もしかして寂しかったか?そうだったら、不安な思いをさせてごめん!」
「……謝るのはいいけど、出来れば時間がある時にいつでも連絡してくれよ?じゃないと今度はこうやって会いに来るよりも、怖い事をしてやるからな!」
「怖い事ってなんだ?」
「そりゃあ……おまえ──」
……おまえの前で、美味しいご飯をたらふく食ってやると言おうとした時だった。
何かが爆発したかのように音と共に、立つことが難しくなる程の振動が建物を揺らす。
ハスが咄嗟に、俺の身体を優しく抱きしめるようにして転ばないように支えると……暫くして『大変だ!大きな狐のモンスターと、翼が生えた化け物が……首都スメラギに攻めて来た!』という声が聞こえて来る。
そして……この後に起きた出来事が、あんなことになるなんて当時の俺は思ってすらいなかったのだった。
何度か他の国に移動する際に、栄花騎士団の本部内を通る事があったけど……。
「……たくよぉ、ハスの野郎は何処にいんだよ」
そんな言葉が思わず口から出てしまう。
無駄にでかい建物のせいで迷うし、独り言のせいで制服を着た団員達が俺に注目してくる。
「見ろよあの服装、へそ出して……肌が凄い露出してる」
「はしたないわね、どこの子かしら……ここにいるって事は団員の子だと思うけど」
「まじかよ、こんな育ちが悪そうな服装の親とか見てみたいわ」
聞こえてくる言葉はどれも、人をバカにしているかのようで、不快感が凄い。
俺がどんな服を着ようが、俺の勝手だけど、親に関してとやかく言われんのは気に入らねぇ。
俺の身体の元になっただけで、産んでくれた訳ではねぇけど、血縁はちゃんとあるし、以前は思うところがあったけど……レースとダートは俺からしたら大事な親だ。
大事なもんをバカにされて頭に来ない方が無理がある。
「てめぇら……聞こえてん──」
「おめぇら、仕事サボって他人の陰口とか、何やってんだ?」
バカにした奴等に近づこうとした時だった。
聞き覚えのある声、頼りがいのある体格、そして腰のベルトに着けられたホルスターに、2丁の拳銃を差した男が現れて
「ハ、ハスさん!あの、こ、これはえっと」
「そこの躾がなってない、はしたなくて破廉恥な子に指導をしようと思って!」
「……破廉恥だぁ?」
破廉恥という言葉に反応して、ハスが俺の方を振り向くと眼を大きくして驚いたような表情を浮かべる。
「破廉恥も何も、俺の婚約者だぞ!てめぇら何言ってんだ!」
「は、ハスさんの婚約者ですか!?」
「確かに、ご婚約なされたとは聞いてましたけど……こんな小さい子だなんて、まさか子供をそんな目で!?」
「子供をそんな目でって……、何言ってんだよ、こいつは年齢的には立派に成人してんぞ?それに俺よりもしっかりとしてるし、性格的な面でも俺を尻に敷ける肝っ玉もあるんだぞ?」
そう言って俺の頭の手を置いて、撫で始めるせいで、さっきまでの怒りは何処かへと行ってしまいそうになる。
なんで……こいつはこう、うん、何て言うかなぁ、そういうところがレースとは違う意味で落ち着くって言うか、ペースを乱されるって言えばいいのか、あぁもう言葉で表現するのが難しい。
「成人してるって言っても、それは……あくまで社会的にであって、肉体的にはまだ成熟してないじゃないですか、ハスさん……一度考え直した方が」
「……うるっせぇ!俺がこいつの事を気に入って選んだんだ!相手の事を良く知らない奴がとやかく言うんじゃねぇよ」
「おい、ハス、これ以上は言わなくても……」
「止めるなダリア!おめぇを馬鹿にされて、黙ってられるわけねぇだろ!こいつらはおめぇだけじゃなくて、俺のダチで……将来の義理の両親になるレースやダートに対しても失礼な事を言ったんだからな、一発くらいかましてやらねぇと、おまえが許しても俺が許せねぇよ!」
ハスの気持ちは凄い嬉しい、だけど……怒られている側が完全に委縮してしまっている。
そんな状態の団員達に対してこれ以上言うのは良くないんじゃないか?って言う感じで何だか、可愛そうに見えてしまう。
「だぁ!だから、俺はもう気にしてねぇからいいんだよ!、ほらっ!さっさと行くぞ!」
「お、おぃ……いきなり大声出してどうし、あだだ!」
未だに興奮がおさまらないハスの耳を掴むと、そのまま引っ張る。
そして痛みで怯んだ瞬間を狙って強引に歩き出して強引に移動を始めると
「……確かに、あの人を尻に敷けるのあの子くらいかもしれない」
通路を曲がる際に、そんな声が聞こえた気がした。
「お、おぃ……何処まで行くんだよ」
「何処までじゃない!俺が止めても勝手に熱くなりやがって!止めたんだから止まれよ!」
そして適当な部屋に入ると、そこは備品を保存する為の倉庫として使われている部屋だったようで、運が良い事に人の気配が無い。
ここでなら大声を出してもいいだろうと思い、ハスに向かって声を荒げると……
「悪かったよ、ついカッとなっちまって……」
「分かってくれたならいいけどさ、けどまぁ……怒ってくれるのは嬉しかったよ、うん……ありがと」
「お礼何ていらねぇよ、婚約者の事を大事にするのは当然だからな」
「……そういうの言葉にしていうの恥ずかしいから止めろ」
「あぁ、うん、悪い……けど、どうしてダリアがここにいるんだ?」
「そりゃあ……、ハスと連絡が取れなかったし、最近忙しいみたいだから俺から会いに行こうかなって思ってさ、カエデと話しておまえに会いに来たんだよ」
「……俺に?確かに最近、色々と事情があって連絡出来て無かったな……、もしかして寂しかったか?そうだったら、不安な思いをさせてごめん!」
「……謝るのはいいけど、出来れば時間がある時にいつでも連絡してくれよ?じゃないと今度はこうやって会いに来るよりも、怖い事をしてやるからな!」
「怖い事ってなんだ?」
「そりゃあ……おまえ──」
……おまえの前で、美味しいご飯をたらふく食ってやると言おうとした時だった。
何かが爆発したかのように音と共に、立つことが難しくなる程の振動が建物を揺らす。
ハスが咄嗟に、俺の身体を優しく抱きしめるようにして転ばないように支えると……暫くして『大変だ!大きな狐のモンスターと、翼が生えた化け物が……首都スメラギに攻めて来た!』という声が聞こえて来る。
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