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2章
剣姫アレス
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モルネ教会を出発して1日と少しをかけてビルレイアの街へやってきたアレスたち。
5人は早速その足でノイアステル家の屋敷の様子を確認しに向かっていた。
「まさかアレスさん、このままノイアステル家に入るつもりなんじゃ……」
「流石にそこまで無茶はしねぇよ。まずは屋敷を直接見て様子を窺う。作戦を決めるのはそれからだ。というかティナ、お前の家ならノイアステル家でも強制捜索とかできるんじゃねえか?」
「いくらフォルワイル家と言ってもそこまでの横暴はできないぞ。それに私はまだ家の中で発言力が強い訳じゃないからな」
「それじゃあこっそり何とかするしかないね。暴れてアリアさんのお姉さんを攫った証拠がなければ私たちが悪者になっちゃうだけだし」
「あっ、みなさん。もうそろそろノイアステル家の屋敷が見えてきますよ」
賑やかな街を歩いてゆき、アレスたちはビルレイアの中心街にあるノイアステル家の屋敷に辿り着いた。
そこは白く美しい壁に上品さを感じられるような壁面装飾がふんだんにあしらわれた巨大な塀に囲まれた屋敷。
この街において現在最も勢いがあるノイアステル家の屋敷に相応しいその外観はアレスの侵入をより困難なものにさせていた。
(警備が厳重そうだな。侵入はまた骨が折れそうだ)
「どうしますアレスさん。これは中に入るのは厳しそうですよ?」
「……姉さん。まだこの中にいるの?お願い、無事でいて……」
「あれ!?もしかしてアリアちゃんじゃない!?」
「えっ?あなたは……テレーゼさん!?」
巨大な塀を前に呆然と立ち尽くしていたアレスたちの背後から、突如何者かがアリアに声をかけてきたのだ。
そこに建っていたのは鮮やかな色彩の服に華やかさを強く感じられる黄色の髪をした女性。
振り返ったアリアはすぐにその人物が誰なのか答えを得る。
「ん?アリア、この方は?」
「えっと、紹介しますね。この方はテレーゼさん。私の姉さんの友人です」
「アリアちゃん!なんでここにいるの!?やっぱりあなたも……」
「はい。姉さんを助けたくて……学園の友人の皆さんに助けを求めたんですが、やはりそう簡単ではなくて」
「よかったアリアちゃん!よく聞いて。私にミシェルを探すいい案があるの!」
「えっ!?本当ですか!?」
「かなり危険だと思うけど、話してあげるからついて来てちょうだい」
アリア同様に良き友人であるミシェルの行方を追っていたテレーゼは、アリアにミシェルを見つけ出す策があると明かしたのだ。
姉を見つけることができるかもしれないと、そう聞かされたアリアは差し込んだ希望の光に食い気味に返答する。
ノイアステル家の人間にその話を聞かれないようテレーゼは場所を移し、アレスたちも彼女について行くこととなったのだ。
「へぇ!それにしてもあなたがあのフォルワイル家のティナ様だったなんてねぇ……気やすく話しかけちゃったけど不敬罪で死刑になっちゃったりする?」
「フォルワイル家は王族じゃありませんよ。それに私はあまりそう言ったことは気にしませんし」
「そっか!よかった、私貴族にへりくだるの苦手なのよねぇ」
「ドストレートに言うなこの人」
「それでテレーゼさん。すみませんが姉を見つけられるかもしれない方法を聞かせてもらってもいいかしら?」
「ええ、もちろんよ。私だってミシェルが行方不明になってこう見えても余裕ない方だから」
ノイアステル家の屋敷を離れ、貧困層の住民が多く暮らす地域に移動したテレーゼは簡素な自宅の中にアリア達を招きミシェルを救出する策を話し始めた。
「実はミシェルが攫われたって聞いた時から私、ノイアステル家について独自に調べてみたの。それでわかったんだけど、最近ノイアステル家が毎週のように開催している晩餐会で毎回臨時メイドとして雇われた女性が行方不明になってるっぽいの」
「っ!?」
「ちょっと待ってください。そんなに行方不明者が出てれば王国軍が勘付きませんか?」
「そこが奴らの卑怯なところでね。身寄りのない1人暮らしの女性や人とのつながりの薄い貧困層の女性を狙って足が付きにくくしてるみたい」
「アリアさんの家は確か裕福ではないにせよ貧困層とまでは行かなかったと聞いていますが」
「それが今回私たちに嗅ぎ回られるきっかけになったイレギュラーな案件っぽいの。たぶん奴ら美女ばかり狙ってるから多少リスクを冒してでも超美人なミシェルを攫いたかったんじゃないかしら?」
「なるほど。それじゃあ先程あなたが言っていた彼女のお姉さんを救う策というのは?」
「さっき言ったでしょ?奴らは毎週のように獲物を狩るための晩餐会を開くって」
「ちょ、それってまさか……」
「ええ!ならそれを利用して晩餐会に潜り込んで攫われた人の行方を探るのよ!!」
テレーゼが考えたミシェルを探すための作戦。
それはノイアステル家が毎週のように開催している晩餐会に獲物として乗り込んで、捕まることで逆に攫われた人々の行方を探るというものであった。
「晩餐会に潜り込む!?それってすごく危険じゃないですか!?」
「ええ、だから危険を伴う策って言ったのよ」
「にしたって危険すぎるでしょうが。そのまま捕まるのがオチでは?」
「そもそもどうやって晩餐会の臨時メイドとして入るつもりなんですか?」
「たとえ危険でもやるしかないわ。メイドとして入るにはもちろん、街で奴らのスカウトを受けるのよ!」
しかしテレーゼの策を聞いたアレスたちは全員難色を示した。
メイドとして内部に潜入できたとしてもそのまま捕まってしまう可能性があるうえ、この方法では中に入れるのが女性だけとなってしまう。
「私はすまないが不可能だろう。流石にフォルワイル家の人間として顔が割れすぎている」
「私も無理ね。ミシェルを探すためにノイアステル家の屋敷に凸かまして顔覚えられちゃってるから」
「おいふざけるなよ!じゃあメイドとして潜入できるのは……」
「ソシアさんとアリアさんだけじゃないですか!!」
「そ、そもそもノイアステル家の人たちにスカウトしてもらえるかすらわからないけど……私、アリアさんのためなら……」
「ううん、ソシアさん。もういいです」
「え?」
「もともとソシアさんたちには関係のないこと。そのために命を危険にさらさせるなんて間違っていたんです。私がやります。私がやらにとダメですから」
フォルワイル家の人間として顔を広く知られてしまっているティナと、ノイアステル家の屋敷に抗議しに行って顔を覚えられてしまったテレーゼは潜入任務には適さない。
そうなると自動的に適任はソシアとアリアのみとなってしまうが、ソシアを危険にさらすわけにはいかないとアリアは自分1人でノイアステル家に潜り込むことを決断したのだ。
「も、もちろん臨時メイドに選ばれる自信があるわけじゃないですよ!あくまでそんな覚悟があるってだけで……」
「アリア、無理しなくてもいい。そんなのみすみす捕まりに行くようなものだってわかってんだろ」
「ですが……」
「しまったな。こうなるんだったらリグラスさんに付いてきてもらうんだった。あの人なら強さも美貌も文句ない訳だし」
「厳しいかもしれないな。彼女、私の専属メイドをする前には父上の専属メイドをしていたからな。相手が貴族の人間なら顔を知られている恐れがある」
「それにどのみち今から呼んだのでは間に合いそうにないですしね。スカウトに引っかかるための時間も必要な訳ですし」
「この案は却下だ。ソシアとアリアを危険な目に遭わせるわけには行かねえ。やっぱり俺が屋敷に忍び込んで……」
「あら?じゃああなたが臨時メイドとして潜り込めばいいじゃない?」
「は?何言ってんですか。奴らが狙ってるのは美女で、俺は男ですよ?そんなこと不可能に決まって……」
「だから、女になれば行けるってことでしょ?」
「ッ!?」
臨時メイドとして屋敷に潜入する案に反対するアレス。
こうなれば単純に自分が屋敷に侵入すればいいと当初の計画に戻ろうと考えていたのだが、その時テレーゼは右手から謎の光を放ち、そのままアレスの肩をポンと叩いたのだ。
「ッ!?なん、だこれ!?」
「アレス君!?」
「テレーゼさん何を!?」
「あら?アリアちゃんも私のスキルを見るのは初めてだっけ?私のスキルは【性別逆転】。触れた相手の性別を反転させることができるスキルなの」
「はぁ……はぁ……嘘だろォ!?」
テレーゼのスキルによってアレスの体にはかつてない変化が訪れる。
髪はみるみるうちに伸びていき、その色も赤から鮮やかな青色へと変化する。
体つきもがっしりとした男性のものから丸みを帯びた女性らしい肉体へ変化し、そして数度瞬きをする合間にアレスの体は完全に女性へと変わってしまったのだ。
5人は早速その足でノイアステル家の屋敷の様子を確認しに向かっていた。
「まさかアレスさん、このままノイアステル家に入るつもりなんじゃ……」
「流石にそこまで無茶はしねぇよ。まずは屋敷を直接見て様子を窺う。作戦を決めるのはそれからだ。というかティナ、お前の家ならノイアステル家でも強制捜索とかできるんじゃねえか?」
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「それじゃあこっそり何とかするしかないね。暴れてアリアさんのお姉さんを攫った証拠がなければ私たちが悪者になっちゃうだけだし」
「あっ、みなさん。もうそろそろノイアステル家の屋敷が見えてきますよ」
賑やかな街を歩いてゆき、アレスたちはビルレイアの中心街にあるノイアステル家の屋敷に辿り着いた。
そこは白く美しい壁に上品さを感じられるような壁面装飾がふんだんにあしらわれた巨大な塀に囲まれた屋敷。
この街において現在最も勢いがあるノイアステル家の屋敷に相応しいその外観はアレスの侵入をより困難なものにさせていた。
(警備が厳重そうだな。侵入はまた骨が折れそうだ)
「どうしますアレスさん。これは中に入るのは厳しそうですよ?」
「……姉さん。まだこの中にいるの?お願い、無事でいて……」
「あれ!?もしかしてアリアちゃんじゃない!?」
「えっ?あなたは……テレーゼさん!?」
巨大な塀を前に呆然と立ち尽くしていたアレスたちの背後から、突如何者かがアリアに声をかけてきたのだ。
そこに建っていたのは鮮やかな色彩の服に華やかさを強く感じられる黄色の髪をした女性。
振り返ったアリアはすぐにその人物が誰なのか答えを得る。
「ん?アリア、この方は?」
「えっと、紹介しますね。この方はテレーゼさん。私の姉さんの友人です」
「アリアちゃん!なんでここにいるの!?やっぱりあなたも……」
「はい。姉さんを助けたくて……学園の友人の皆さんに助けを求めたんですが、やはりそう簡単ではなくて」
「よかったアリアちゃん!よく聞いて。私にミシェルを探すいい案があるの!」
「えっ!?本当ですか!?」
「かなり危険だと思うけど、話してあげるからついて来てちょうだい」
アリア同様に良き友人であるミシェルの行方を追っていたテレーゼは、アリアにミシェルを見つけ出す策があると明かしたのだ。
姉を見つけることができるかもしれないと、そう聞かされたアリアは差し込んだ希望の光に食い気味に返答する。
ノイアステル家の人間にその話を聞かれないようテレーゼは場所を移し、アレスたちも彼女について行くこととなったのだ。
「へぇ!それにしてもあなたがあのフォルワイル家のティナ様だったなんてねぇ……気やすく話しかけちゃったけど不敬罪で死刑になっちゃったりする?」
「フォルワイル家は王族じゃありませんよ。それに私はあまりそう言ったことは気にしませんし」
「そっか!よかった、私貴族にへりくだるの苦手なのよねぇ」
「ドストレートに言うなこの人」
「それでテレーゼさん。すみませんが姉を見つけられるかもしれない方法を聞かせてもらってもいいかしら?」
「ええ、もちろんよ。私だってミシェルが行方不明になってこう見えても余裕ない方だから」
ノイアステル家の屋敷を離れ、貧困層の住民が多く暮らす地域に移動したテレーゼは簡素な自宅の中にアリア達を招きミシェルを救出する策を話し始めた。
「実はミシェルが攫われたって聞いた時から私、ノイアステル家について独自に調べてみたの。それでわかったんだけど、最近ノイアステル家が毎週のように開催している晩餐会で毎回臨時メイドとして雇われた女性が行方不明になってるっぽいの」
「っ!?」
「ちょっと待ってください。そんなに行方不明者が出てれば王国軍が勘付きませんか?」
「そこが奴らの卑怯なところでね。身寄りのない1人暮らしの女性や人とのつながりの薄い貧困層の女性を狙って足が付きにくくしてるみたい」
「アリアさんの家は確か裕福ではないにせよ貧困層とまでは行かなかったと聞いていますが」
「それが今回私たちに嗅ぎ回られるきっかけになったイレギュラーな案件っぽいの。たぶん奴ら美女ばかり狙ってるから多少リスクを冒してでも超美人なミシェルを攫いたかったんじゃないかしら?」
「なるほど。それじゃあ先程あなたが言っていた彼女のお姉さんを救う策というのは?」
「さっき言ったでしょ?奴らは毎週のように獲物を狩るための晩餐会を開くって」
「ちょ、それってまさか……」
「ええ!ならそれを利用して晩餐会に潜り込んで攫われた人の行方を探るのよ!!」
テレーゼが考えたミシェルを探すための作戦。
それはノイアステル家が毎週のように開催している晩餐会に獲物として乗り込んで、捕まることで逆に攫われた人々の行方を探るというものであった。
「晩餐会に潜り込む!?それってすごく危険じゃないですか!?」
「ええ、だから危険を伴う策って言ったのよ」
「にしたって危険すぎるでしょうが。そのまま捕まるのがオチでは?」
「そもそもどうやって晩餐会の臨時メイドとして入るつもりなんですか?」
「たとえ危険でもやるしかないわ。メイドとして入るにはもちろん、街で奴らのスカウトを受けるのよ!」
しかしテレーゼの策を聞いたアレスたちは全員難色を示した。
メイドとして内部に潜入できたとしてもそのまま捕まってしまう可能性があるうえ、この方法では中に入れるのが女性だけとなってしまう。
「私はすまないが不可能だろう。流石にフォルワイル家の人間として顔が割れすぎている」
「私も無理ね。ミシェルを探すためにノイアステル家の屋敷に凸かまして顔覚えられちゃってるから」
「おいふざけるなよ!じゃあメイドとして潜入できるのは……」
「ソシアさんとアリアさんだけじゃないですか!!」
「そ、そもそもノイアステル家の人たちにスカウトしてもらえるかすらわからないけど……私、アリアさんのためなら……」
「ううん、ソシアさん。もういいです」
「え?」
「もともとソシアさんたちには関係のないこと。そのために命を危険にさらさせるなんて間違っていたんです。私がやります。私がやらにとダメですから」
フォルワイル家の人間として顔を広く知られてしまっているティナと、ノイアステル家の屋敷に抗議しに行って顔を覚えられてしまったテレーゼは潜入任務には適さない。
そうなると自動的に適任はソシアとアリアのみとなってしまうが、ソシアを危険にさらすわけにはいかないとアリアは自分1人でノイアステル家に潜り込むことを決断したのだ。
「も、もちろん臨時メイドに選ばれる自信があるわけじゃないですよ!あくまでそんな覚悟があるってだけで……」
「アリア、無理しなくてもいい。そんなのみすみす捕まりに行くようなものだってわかってんだろ」
「ですが……」
「しまったな。こうなるんだったらリグラスさんに付いてきてもらうんだった。あの人なら強さも美貌も文句ない訳だし」
「厳しいかもしれないな。彼女、私の専属メイドをする前には父上の専属メイドをしていたからな。相手が貴族の人間なら顔を知られている恐れがある」
「それにどのみち今から呼んだのでは間に合いそうにないですしね。スカウトに引っかかるための時間も必要な訳ですし」
「この案は却下だ。ソシアとアリアを危険な目に遭わせるわけには行かねえ。やっぱり俺が屋敷に忍び込んで……」
「あら?じゃああなたが臨時メイドとして潜り込めばいいじゃない?」
「は?何言ってんですか。奴らが狙ってるのは美女で、俺は男ですよ?そんなこと不可能に決まって……」
「だから、女になれば行けるってことでしょ?」
「ッ!?」
臨時メイドとして屋敷に潜入する案に反対するアレス。
こうなれば単純に自分が屋敷に侵入すればいいと当初の計画に戻ろうと考えていたのだが、その時テレーゼは右手から謎の光を放ち、そのままアレスの肩をポンと叩いたのだ。
「ッ!?なん、だこれ!?」
「アレス君!?」
「テレーゼさん何を!?」
「あら?アリアちゃんも私のスキルを見るのは初めてだっけ?私のスキルは【性別逆転】。触れた相手の性別を反転させることができるスキルなの」
「はぁ……はぁ……嘘だろォ!?」
テレーゼのスキルによってアレスの体にはかつてない変化が訪れる。
髪はみるみるうちに伸びていき、その色も赤から鮮やかな青色へと変化する。
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